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唯に届け ID:qGjR6UHA0 - (2009/07/22 (水) 14:02:09) のソース

104 :唯に届け:2009/07/21(火) 17:47:40.82 ID:qGjR6UHA0
    梓「私は最初から失恋するために、唯先輩をすきになったわけじゃない!」
    憂「ようやくこうなってほっとしてる」


122 :唯に届け:2009/07/21(火) 18:05:57.72 ID:qGjR6UHA0

    唯「『あずにゃん』って言ってみて?」
    梓「え……なんで、わざわざ自分のことを?」
    唯「いーからいーから。
      なんで私が『あずにゃん』って呼ぶのか分かる?」
    梓「……わ、わかりません。『あずにゃん』?」
    唯「だめだめ。もっとちゃんと」
    梓「……? 『あずにゃん』」
    唯「――うん、正解」
    梓「えっ?」
    唯「――笑った」

    (思い出される、けいおん部に入ってからのやり取り)

    梓「ゆいせんぱい」
    梓「好きですよ」

    唯「……私もだよ」


128 :唯に届け:2009/07/21(火) 18:12:57.75 ID:qGjR6UHA0
    梓(言うと、思った。そういう意味じゃないってば)
    梓(でも、うれしいや)

    梓「唯先輩、私は」
    唯「ん~?」
    梓「先輩の妹でもないし親戚でもないしただの後輩ですけど
      それでもまた学校では――」
    梓「……甘えてもいいですか?」
    唯「……あずにゃん。さみしーこと言わない!」
      梓の髪をわしゃわしゃとする唯。
    梓「わっ!」
    唯「……妹だと思ってるよ、あずにゃんのことだって」
    梓「――妹、ですか」

134 :唯に届け:2009/07/21(火) 18:23:12.14 ID:qGjR6UHA0
    唯「まあ、憂は別格だけどね!」
    梓「妹ですかあ!」

    梓(きっと、律先輩の前じゃもっといろんな顔を見せてるんだろーな)
     (でも、うれしい。だいじにしてくれてるって分かる)
     
    唯「あずにゃん!」
    梓「――唯先輩! おめでとうございます!」



138 :唯に届け:2009/07/21(火) 18:31:53.48 ID:qGjR6UHA0
    唯「あっ憂! 今、帰ってきたんだね」
    憂「……梓ちゃんは?」
    唯「ちゃんと、家まで送ってきたよ~!」
    憂「それは良かった」

    唯「あっ憂! 随分大きくなったね~!」
    憂「ふふ、成長期だもん。お姉ちゃんのこと抜かしちゃうよ」
    唯「ふーん?」
    唯「……憂もあずにゃんも、あまり器用な方じゃないよね~。
      ――がんばれ」

    唯「あずにゃんには憂の方が似合うよ」
    憂「……姉さん」
    唯(えっ、姉さん?)

    憂「私も、そう思うんだ」

146 :唯に届け:2009/07/21(火) 18:54:56.21 ID:qGjR6UHA0
    梓宅――
     憂「ごめんくださーい」
    梓母「ああ、憂ちゃん。梓どこに行ったか知らない?」
     憂「えっ、まだ帰ってきていないんですか?」
    梓母「そうよ。もう何やってるのかしら」
     憂「――私、場所分かるかもしれません。
       行ってみます」
    梓母「えっほんとに? 嬉しいわー」

     憂(たぶん、いるとしたら――)

    桜丘高等学校。
    その校門前に、梓は座り込んでいた。
    憂「……慰めてあげよっか?」
    梓「なんでここが分かったの?」
    憂「はじめて梓ちゃんがお姉ちゃんと出会った場所だから」

    しばし沈黙。その後、梓は切り出す。
    梓「――憂なんでしょ? 唯先輩呼んでくれたの」
    憂「……」
    梓は想像して、憂に問いかける。
    そして憂の無言の反応から、そうなのだと確信した。

148 :唯に届け:2009/07/21(火) 18:56:09.64 ID:qGjR6UHA0
    梓「……嬉しかったよ、ありがとね」
    憂「……」

    梓「――憂の言ったとおりだったよ」
    梓「かなうって本気で思っていたわけじゃなかったのかもしれない。
      ほんとに……唯先輩は、ただ憧れの先輩だったのかも――」

    憂「わかってるよ」

    梓「……えっ?」
    憂「ちゃんとすきだったって、わかってるから」
      
    梓「……うっ」
      こつん、と梓は憂にもたれかかる。
    梓「……なぐさめてよ、憂……」
      憂はそんな彼女を
      やさしく、包み込んだ。

     今年初めてとなる、雪の日の出来事――