531 :魂魄:2009/08/31(月) 01:18:09.08 ID:mmk+NDKm0 【いつも戦いは唐突に 第一撃】 憂は広い家の前に立っていた。 「ここが、ナミちゃんの家・・・大きいなぁ・・・」 憂は思わずため息を吐きそうになった、無理もない、目の前には豪邸という名の城?がそびえ立っていたからだ。 そして、ここが親友、獅子堂ナミの家なのである。 「憂~遅れてごめ~ん!!」 憂がため息をつきかけていたその時に、ようやく待っていた人物が走っていた。 「も~、遅いよスバルちゃん。一時間も待ってたんだよ」 「ごめんごめん、迷子になってた」 スバル・ナカジマ 憂の親友の一人でスバル曰く「魔術師」らしいが、一度も「魔術」を使っている姿を憂は見たことがない。 「ひえ~・・・すごく大きな」 「そうだね・・・」 憂とスバルの二人が改めて目の前の家の大きさに驚いていた時だった 「ああ!! 二人とも来てるなら言いなさいよ!?」 二人から少し離れたところから、金髪の少女が走ってきた。 獅子堂ナミ 憂の親友の一人であり、世界最大級の財閥「獅子堂財団」の若すぎる総帥である。 「まったく、来てるなら早く入ってきなさいよ。道に迷ったと思ったじゃない」 「ごめんね~、スバルが迷子になってて・・・」 「はぁ・・だから、道案内するって言ったのに。あんたは」 「へへへ・・ごめんごめん」 「ま、いいか。二人とも付いてきて。今度は迷わないでよね」 「は~い」 そんな会話をした後、憂、ナミ、スバルの三人は少し遠くにあった門から入って行った。 三人は気づいていない。その存在に・・・・・。 678 :魂魄:2009/08/31(月) 17:24:07.95 ID:ayf3beEG0 憂、ナミ、スバルの三人が門から敷地内に入っていく、その光景を少し離れたビルの屋上からその少女は眺めていた。 赤い制服を着て、髪の毛は黒髪ロングでサラサラとしていた。表情は少しも変わらないが心の中では何を考えているのだろうか。 「こんな所にいたのか、大道」 「副隊長・・・」 どこからともなく、一人の男があらわれた。ボサボサした髪の毛に、左ほほに「69」の文字が書かれた男だ。 「すいません、副隊長。勝手に隊を抜け出して・・・・・ナミ殿の家が近かったから・・・」 「そうか。あの者達は?」 男の質問に少女が淡々と答える 「私の古い友人達です。もっとも、もう私を憶えているかはわかりませんが・・・」 「憶えているさ。お前の友人だからな」 答えた後に少し悲しそうな顔をした少女に、副隊長が答えた。 「じゃ、先に戻ってるからな」 「はい、私もすぐに戻ります」 男はそう言い音もなく消えた。 (また、いつか会える日を・・・・・) と少女は心の中で思い、音もなく消えた。 会える日は近いかもしれない、それが運命ならば・・・・・ ~END~