321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 12:45:16 ID:1A34fbzj
今日の授業が全て終わり、そしてその後のHRが終わって帰りの時間。
私はお姉ちゃんが私のところに来るのを待っていた。
お姉ちゃんを待つ理由はただ一つ。
一緒に帰るためだから。
「つかさー!」
そうこうしているうちにお姉ちゃんの声が聞こえてきた。
「あっ、お姉ちゃん。一緒に帰ろ?」
「…そう言いたいところなんだけど……ごめん、つかさ。
私が委員会に入ったこと話したでしょ?それで、今日は委員会の話し合いがあるのよ…」
「あ……うぅ…」
そうだった……忘れてた。お姉ちゃんが委員会に入ったこと。
そして、ついさっきのHRの時間に先生が今日は、委員会の話し合いがあるから――って。
「ごめんね。悪いけど、先に帰っててね」
「う…うん…」
お姉ちゃんの優しい声が少し、辛かった。
自分では分からないけど今の私は多分とても悲しそうな顔をしているんだろう。
私たちは小学校の頃の時からずっと一緒に下校してきたのに今更自分一人で帰れるのかなぁ……。
家で待ってればお姉ちゃんはじきに帰ってくるのに、一人で居て、寂しい思いをするするのかなぁ…とか。
そんな想いが私の中にあった。
「それじゃ、じゃあね。つかさ」
言葉を聞いて見上げたときにはお姉ちゃんの寂しそうな後ろ姿しか見えなかった。
でも、それは私の感情がもたらした幻覚かもしれなかった。
やっぱり、一人で帰るしかないのかなぁ……。
でも、どうしよう……。
322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 12:46:12 ID:1A34fbzj
私は委員会なんてやりたくなかった。
中学生になっても委員会に入るつもりはなかったのに……。
けど、四六時中つかさと一緒に居た罰なのかもしれない。
先に帰っててね。私がそう言った時のつかさの表情を見るのが少し、辛かった。
委員会の最中は退屈なものだった。
それでもちゃんと話は聞いていた。仕事の内容とかもちゃんと頭の中に入った。
だけど、つかさの事が気になってしょうがなかった。
……今、やっと終わって、もうすぐ5時を回る頃だ。
話し合いの時間がとても長く感じた。
しかし、部活をやっている者にしてみればすぐ経ってしまった時間なんだろう。
つかさは先に帰っているけど……なぜだか、つかさの事が心配だった。
それがなぜだかが分からない。
とにかく私は、早く帰るために私の靴がある、玄関に向かっていた。
靴を履き替えて、外に出た時。突然聞き覚えのある声が耳に入った。
「お姉ちゃん!」
「つかさ……?」
妹の声、つかさだった。
「…ずっと、待ってたの?」
「う、うん」
「待たなくても……すぐ帰ってあげたのに…」
「だ…だって、今まで一緒に帰ってたから……今更一人で帰るなんて、出来ないもん…」
「そっか。たった一人で下校するなんて、一度も考えたこともなかったわね」
「うん……」
よかった…。心の底からそう思えた。
つかさの事が無性に心配だったのがこれのせいなんだな、とも思った。
「えっと、改めて…お姉ちゃん、一緒に帰ろ?」
つかさの問いに私は笑顔で答える。
「うん、もちろんよ」
私がそう答えたときのつかさの顔はいつまでも忘れないだろう。
323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 12:47:35 ID:1A34fbzj
これで終わります。ありがとうございました
ちょっと顔出しにくくなってしまった……
記憶を消したい…
324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 14:01:27 ID:lPKDxwR1
GJ!すっかり依存しあってる双子萌え~
325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/01(土) 17:47:18 ID:II/v7ccT
きっと手とかつないでるんだろうなぁ
最終更新:2008年12月31日 06:37