「ちいっ・・・!!」 ステルス鬼畜は弾き飛ばされる。 クレイジーダイヤモンドが劣っているとは思えない。だが、開始から数十分・・・形勢は逆転していた。 敵はハカロワのラスボス、神奈備命。 偉大なる先人。パロロワのオリジナル。自分たちが繋いできたパロロワというジャンルの最初の走者たちの物語。 (ぐっ・・・ふざ、けるな・・・) ステルス鬼畜は地に手を当てて受身を取ると、敵をにらみ付ける。 敵と認識したライバルをにらみ付ける。 サプライズパーティー。なるほど、彼は強敵だった。確かに強かった。滅茶苦茶なルール(法律)の中に自分のルール(信念)を持っていた。 だからこそ、全力を持って叩き潰さなければならない。 「貴様を認めることはできない。書き手であるが故に。リレー小説であるが故にっ!」 「結構だ。俺は、誰にも認めてもらうつもりはない。それが最低最悪と呼ばれようとも・・・この道に、誇りを持っている。だから、書けた」 たとえ万人が認めずとも。 その道を貫いてきた。たとえ孤独になろうとも、一人になろうとも。 サプライズパーティーは楽しんできた。その道が、今までの自分は間違っていないと信じている。 「誰よりも、俺がっ! このサプライズパーティーがっ! 俺自身が俺を認めてやらないで、どうしろって話だよっ!!」 「独りよがりに過ぎない。独善に過ぎない。貴様は・・・いずれ後悔するぞっ!?」 「楽しめればいいさっ・・・後悔も、罪悪も、何もかも。それも全部織り交ぜてこそ、サプライズパーティーッ!」 神奈備命が冥加の振るう。 一撃は速い。日本刀の本来の使用用途のように、斬ると同時に引く。 クレイジーダイヤモンドの一撃のほうが威力は上だ。そして、決して攻撃が当たらないわけでもない。 押されてはいる。ステルス鬼畜はそのことを認め、それでも決して逃亡はしない。 効いているはずだ。 いかに初代ハカロワのボスとは言え、こちらの攻撃が全く効かないはずがない。 確実に、一撃を叩き込み・・・だが、やはり強大な敵の前に後退せざるを得ない。そんなことを繰り返してきた。 「どうしたっ! あんまりつまらねえ戦いを続けるってんなら、もう終わりだっ! この世界がお前を殺し尽くすっ・・・!」 そうだ、そもそもどうしようもない現状だ。 敵は世界そのもので、こちらの戦力は乏しいと言わざるを得ない。いや、敵が強大すぎるだけだが。 (エニグマの紙はまだ落ちてないか・・・? ないか、まあ、さすがにもうないよなぁ) 現状戦力はクレイジーダイヤモンドと、面白愉快デバイス。そして漫画ロワのwiki管理人。 いやぁ、ちょっと辛いと思う。いっそ、カレイドステッキのオーバーヒートでも狙ってみるか。それとも管理人の真価をここに発揮させるべきか。 その全てに否と付けるしかない。 そんなことに意識を回している間に、神奈備命はステルス鬼畜本人に向かって迫ってきたのだから。 「くそがあっ!!」 戦いは続く。 ぶっちゃけよう。今の我は空気だ。 縛られたまま、じっと二人のドッペルゲンガー共が己の信念を胸に殺しあう姿を鑑賞するだけ。 なんだ、これは。 こうして空気でいることは・・・許されることか? 我はこうして空気のまま、人員あわせの際に殺されるとでも言うのか? (―――――――) 我に対して、死の間際にフラグを立ててくれたゲドー・ザ・マジシャンの心意気を無駄にするのか? このまま、そこらの奴らがチート能力を発動している中、我はこうしていていいのか? アニロワ2ndの書き手として、ハカロワやギャルゲロワのような奴らよりも下に見られることを・・・許容しろ、と言うのか? ふざけるな。 我は、我らはここで止まっているわけにはいかんのだ。 2ndは必ず失敗する、というジンクスを打ち砕くために。まだ、ロワで出番を待っているキャラたちのために。 書き手の誇りは我にもある。たとえ、それがちっぽけだろうとも。我は、ここで傍観に徹するなどできない。許されない。 「・・・・・・・・・」 ゲドー・ザ・マジシャンから渡された襷を、投げ出したくない。 せめて、彼が生きていた証を。あの首輪を、あのフラグを、成就してやらなければ死んでも死に切れない。 そのためには動かさなければならないのに。 どうして、どうして拘束が外れん・・・! 我は、このまま空気でいるわけにはいかんのだ! このまま沙羅さんに保護でもされたら泣く。 「くそっ・・・くそおっ!」 ガチャガチャ、と奮戦する我を嘲笑うかのように事態は進展していく。 許せん、あの二人。我の助けを、恩赦を蹴るなど許せん。 ステルス鬼畜は当然だが、あのサプライズパーティーも空気キャラ脱出。そこはそこで納得できない。 どうにか、どうにかして脱出を! そんな、願いが届いたのかも知れない。 突然誰かに抱え上げられた。スタコラサッサだぜい、とか遊ぶような声と共に運ばれていく我。 「ふう……とりあえず、これでいいね。ネコミミスト君」 「うん、ご苦労様。これで許してあげるよ……ホントは、私、謝らなければいけないのにね……」 衝撃のネコミミストと地獄紳士666。 二人は放送後、まずは傷の治療……主に地獄紳士666の顔の傷の治療を優先していた。 丁寧に、丹念に包帯を巻きながら顔を曇らせるネコミミストに、地獄紳士666は悶えたものだ。 だが、そこからがいけない。 地獄紳士666は危険な香りを感じた。主に、多方向からのチート能力の覚醒である。 中には自分の力では及ばないクラスのチート能力も感じた。これをネコミミストに教えたとしても、きっと彼女は飛び出していくに違いない。 この身は牙なき人のための剣。彼女の、信念なのだから。 だから、地獄紳士666はごめん、と断りを入れて彼女を気絶させた。 完全に信頼している少女の意識を刈り取るなど簡単なことだった。本当はやりたくなかったが、それでも彼女を死なせたくなかった。 彼女は衛宮士郎のようなものだ。きっと、いつか無茶をする。 申し訳ないが、その前に手を打たせてもらった。もちろん、たっぷり二時間気絶したネコミミストは激怒したのだが。 『今の疲労状態じゃ、そんな奴らのところに向かっても死体が増えるだけだったんだ。 人を救いたいなら、意志を継ぎたいなら、絶対に無理をしてはいけない。だけど、君を言いくるめる手段がなかった。 今の君は最初こそ納得するかも知れないけど、たとえば悲鳴が聞こえたらじっとしていられないだろう? だから、気絶させた。 私は君に死んでほしくないから。誰よりも、死んでほしくなかったから』 こう言われればネコミミストも引き下がるしかない。 彼女の言っていることは正論なのだ。理屈も分かる。自分の性格もちゃんと判断されていて、納得するほかない。 だけど、自分が安眠を貪っている間に牙なき人々が死んでいくのは耐えられなかった。 『じゃあ、約束。これから動くから……困っている人がいたら、助けてあげよう?』 『ああ、分かったよ。私は君を守り、君に従う』 そうして、南に進んだ。 とりあえず中心地点に行けばマーダーも牙なき人もいるだろうと思ったから。 やがて、見えてきたのは崩壊した学校だ。 そして、激突している二人の岸田洋一と……縛られたギルガメッシュというカオスな光景だった。 「……と、言うわけです」 「ふん……牙なき人のための剣、か。我には理解できん。……そう、思ってもいたのだがな」 かくして、二人に救出された幻夜・フォン・ボーツスレーも含めた三人の対主催軍団が結成された。 とりあえずの方針は目の前の敵だ。 どちらも危険人物には違いなかった。だが、幻夜ははっきりと伝えた。 「ステルス鬼畜……奴は確実に殺し合いに乗る。我の太鼓判だ」 「なら、標的は……」 「ええ、ステルス鬼畜。彼でしょう」 さて、と……激震する戦場に視線を戻して。 「……どちらがステルス鬼畜ですか?」 「………………うーむ」 ドッペルゲンガーの決闘に唖然とするのだった。 まあ、とりあえず神奈備命を使役しているほうがサプライズパーティーなのは知っているのだが。 それ以前として、サプライズパーティーは対主催だっただろうか? 「あはははははははっ!!」 そうして、決着がついていた。 鮮血が噴出し、翼人の青い髪が朱に染まる。ステルス鬼畜の苦痛の声が響いた。 「あはははははははは、は……?」 だが、高笑いまでしていたサプライズパーティーの喉が引きつった。 ステルス鬼畜は神奈備命によって冥加を突き刺され、ビクッ、ビクッと痙攣しているところだ。 この時点で勝者は決まった。 ならば、何故サプライズパーティーの高笑いは停止しなければならなかったのだろうか? 「俺は……どこまでいっても……貴様を、認めん……」 ステルス鬼畜は獰猛な笑みを浮かべて笑う。 その表情は死人そのもののように青い。だが、彼は刺し貫いた本人を見ていなかった。ただ、サプライズパーティーを見ていた。 「……まずは、貴様だ、神奈備命」 セット。愉快型デバイス……カレイドステッキ。 フル稼動全力全開、クレイジーダイヤモンド。 その全て、存在自身を賭けて。神奈備命の存在そのものを叩き潰す――――!! ガガガガガガガガガガガガガッ!!! 神奈備命が崩れ落ちる。 いかにハカロワのラスボスとはいえ、支給品をオーバードライブさせてまでの一撃だ。 これで、無手。ステルス鬼畜には漫画ロワwiki管理人しかない。 対してハカロワの世界を操るサプライズパーティーにとって、強力な手駒をひとつ失ったに過ぎない。 「っ……!」 ステルス鬼畜は走る。 サプライズパーティーの下まで走り、抱きついた。 「なっ……なななな!?」 「いいか、貴様は認めない。だから、俺は、せめて鬼畜の名を……残す」 すう、っと息を吐いた。 サプライズパーティーは反撃を予知して、柳也を召喚した。剣が深々とステルス鬼畜に突き刺さる瞬間。 「はははははははははっ!! まずはステルス鬼畜! 次の標的は誰だっ!? このサプライズパーティーが殺し、犯し尽くすっ!!ははははははっ!!!」 それが、最期の叫び声となった。 &color(red){【ステルス鬼畜@ギャルゲロワ 死亡】} 「……こいつは、最期に何がしたかったんだ?」 疑問を口にする、サプライズパーティー。 その答えは数秒後、すぐに理解することとなる。目の前に立ちふさがった、三人の人影を見て。 「決まりだな。我も、こやつは好かんと思っていたところだ」 「貴方がそうするというのなら、私は貴方を……倒すっ!」 「ネコミミスト君の意志のままに」 瞬間、サプライズパーティーは腹の底から叫び倒した。 「あの野郎ぉおおおおおおおっ!!!?」 【昼】【E-5 学校跡地】 【サプライズパーティー@葉鍵ロワ3】 【装備品】永遠神剣第六位『冥加』 【道具】共通支給品一式 【状態】満腹、強い怒り継続 【思考・行動】 基本:俺こそが最強の岸田さんだっ! 0:これが真の狙いかぁああああっ!! 1:岸田の誇りを胸に、キャラへの愛を胸に 2:ちなみに俺は人妻が好みです ※ステルス鬼畜をギャルゲロワの書き手と知りました 容姿は鎖の岸田洋一。 ※固有結界『サプライズ・パーティー』が使えるようになりました。 あらゆるハカロワの登場人物を乱入させることが可能です。ただし呼び出されたキャラが死んでしまうと二度と呼び出すことはできません 【幻夜・フォン・ボーツスレー@アニロワ2nd】 【状態】疲労大、ところどころ出血中・左肩に直径5cmの貫通傷・内臓に痛み(全て処置済み)、 エロ師匠と仮面ライダー書き手に対して強い怒り 【装備】巳六@舞-HiME、黄金の鎧@Fate 【道具】支給品一式×2、未定支給品×1(本人確認済み)、未定支給品×2(未確認)、ゲドー・ザ・マジシャンの首輪 【思考】 基本:このバトロワの破壊。または脱出。 0:目の前のサプライズパーティーを殺す 1:放送後、あの二人組(エロ師匠と仮面ライダー書き手)を探し出して殺す。 2:協力者を探す。 3:首輪の解析。 4:放火魔を見つけたら殺す。 5:とりあえず、地獄紳士666とネコミミストは味方と判断 ※容姿はギルガメッシュ@Fateです。 【衝撃のネコミミスト@アニ2nd】 【装備】:拡声器 【所持品】:支給品一式 【状態】:精神的に消耗。 【思考・行動】 基本:殺し合いに乗るつもりは無い。前に進む。 0:サプライズパーティーをマーダーキラーとして倒す。 1:スクライドの遺志を継ぎ、牙なき人の剣になる。積極的にマーダーキラー路線。 2:666を今のところ信用。 3:熱血王子と再会したら、今度こそ彼を止める。 ※衝撃波を使えます。掌からだけでなく、足の裏からも出せるようになりました。 ※「大あばれ鉄槌」を幼女好きの変態と勘違いしています。 【派手好き地獄紳士666@LSロワ】 【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様) 【所持品】:支給品一式 【状態】:右顔面に刀傷(右目失明)、身体中に細かい掠り傷、精神的には激しい充足感 【思考・行動】 基本:衝撃のネコミミストを地獄に落とし且つ狂わせずに生かす。ネコミミスト心から愛してる。 0:ネコミミストの仰せのままに。 1:ネコミミストを護りつつ、出来るだけ精神的に傷付く方向に陰ながら誘導する。 2:ネコミミストに愛されるよう務める。 3:死ぬ時は出来るだけネコミミストの心に傷を残す形で死ぬ。 ※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。 エリクシールは1本使用済みです(残り1本)。 ※「大あばれ鉄槌」を(ロリ的に)危険人物と断定しました。 |177:[[シリアスの次に来るのがシリアスとは限らない]]|投下順に読む|179:[[忘れられたフラグ]]| |177:[[シリアスの次に来るのがシリアスとは限らない]]|時系列順に読む|179:[[忘れられたフラグ]]| |165:[[√re:birth]]|&color(red){ステルス鬼畜}|| |165:[[√re:birth]]|サプライズパーティー|| |165:[[√re:birth]]|幻夜・フォン・ボーツスレー|| |122:[[愛ゆえに]]|衝撃のネコミミスト|| |122:[[愛ゆえに]]|派手好き地獄紳士666||