幸先良く一人撃退したエースは自らの支給品を再度確認する。 拳が巨大化する核金「ピーキーガリバー」 そして、スタンドディスク「マジシャンズレッド」 この組み合わせは防御に難が残るが、それでも大当たりに属するだろう。 そして、たった今倒したボイドの持ち物、対化物用拳銃ジャッカル。 本来これは人類に扱えるようなシロモノではないのだが、彼の熱き血潮がそれを可能にする。 恐らくボイドも同じ理由でこの拳銃を扱えたに違い無い。奴に出来て俺に出来ない事があろうか。 これだけ揃っていて、負ける要素など何処にも無い。 だが、僅かな油断が死を招く事も重々承知している。 油断無く、人目を避けるように道無き道を行く。 そこに、何処からか軽快な音楽が聞こえてくる。 (何処の間抜けだ? それともこちらを誘う罠?) いずれにしてもその目で確認しない事には始らない。 慎重に、周囲に気を配りながらその音の元へと近づくエース。 その男は、とても特徴的な頭部をしていた。 エースはその男に心当たりがあったので、遠間から声をかける。 「おい、あんたもしかしてメリーゴーランドオルセンか?」 同じ漫画ロワに、そう呼ばれる男が居たと思う。 向こうもエースに気付いたのか、何やら話しかけてきている。 「すみませーん! 良く聞こえないです! 私はメリーゴーランドオルセン! どうか一緒にここから脱出するべく協力しませんかー!」 何やら大声をあげているようだが、全く聞こえない。 何故か? それは、その男の頭の上にある半径数メートルはある巨大なメリーゴーランドの音が騒々しすぎるからだ。 電飾はピカピカと輝き、馬や馬車が上下に揺れながらぐるぐると回っている。 つか嘗めんな。お前の体よりメリーゴーランドの方が遙かにデカイじゃねーか。首折れるだろ絶対それ。 その男は更に何か言ってくる。 「私何としてもカミさんの所に帰らないといけないんですよ! ですから、一緒に頑張って戦いましょう! 私ちょっとだけ目立ちますけど、何、拡声器に比べれば可愛いものです!」 やはり何を言っているのかわからない。頼むから会話する気ならBGMの音量下げろ。 奴は両手を挙げてこちらに振ってみせている。 もうどうでも良くなったエースは、ぼそっと呟いた。 「……武装錬金」 その両腕に機械の塊が装着される。 腰を落とし、右腕を大きく後ろに引く。 「マジシャンズレッド!!」 更にその背後から炎を纏った鳥の頭部を持つ人間が現れる。 「いい加減頭ネタから離れやがれ! 火拳ッッッッ!!」 振りぬいた拳は巨大化しながら炎を纏い、一撃でメリーゴーランドごとオルセンを跳ね飛ばし、燃やし尽くした。 最早振り返る事すらせずその場を立ち去るエース。 「ウチのロワにゃまともな奴ぁ居ないのか……」 【メリーゴーランドオルセン@漫画ロワ】死亡 【エース@漫画ロワ】 【装備:不明】ピーキーガリバー マジシャンズレッドのスタンドディスク ジャッカル 【所持品:支給品一式×2】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本行動方針:最強のストライカーと成る為、何者だろうとブチのめす! 1:どいつもこいつも俺のこの手で叩き潰してやる!