ながされて藍蘭島エロパロ

 

寝取られて25話

 

 

 

 

 

 

 

 

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 あと一、二時間もすれば水平線の彼方へと沈んで消える夕陽で黄金色に染まった大海原は、遠目には穏やかそうに見えてその実絶えずうねる波間に光の綾となったサンロードが燦然と輝き、藍蘭島の手つかずの大自然と相まって急ぐ用事でも無ければ足を止め、心奪われる美しい時間にいつまでも浸らずにはいられない六曲一双の壮大な屏風絵のようであった。財貨や社会発展に代え難い風致な夕景を眺望できる西の海岸の高台。

 だけど、そんな光彩陸離に圧倒される間もなく、西の砂浜を見下ろすその集合場所へ到着したボクは、既に集まっていたすず達の姿をひと目見た途端、

 

 ブウーーーーーッッ!!

 

と、鼻から盛大な血飛沫を噴き出しながら卒倒寸前にずっこけたのだった。

「な、な、な…………!」

 久しぶりに大量の鮮血を流す鼻を必死に抑えながら、すぐには言葉が出て来ない。

 去年も製作途中の祭り衣装を纏ったちかげさんの姿を見た時、その際どさに池田屋よろしく階段から滑り落ちてしまったものだが、だが──今回のデザインはあれにも増してさらに酷かった。

 増しているのは当然だ。なぜならば、袖を肩口まで捻(ねじ)って肩はおろか脇までも出している濃藍色の半被を白帯で結わえているのは、去年のあの試作品をベースにしたものだったからだ。上は白鉢巻、下は前垂れのない白褌に右近下駄。太ももまであったニーソックスはふくらはぎまで短くなって生足の露出範囲がもっと広がり、手甲と共に半被と同色に染められていて──覆われた箇所はそれだけだった

(※単行本第二十巻カラー扉絵の太鼓を叩くすず参照、但しあれより布面積が少ない)。

 そう、それだけだったのだ!

 去年のちかげさんの試着でも一応は晒しを付けていたはずだが、今ここにいる女子たちの胸には何も巻かれていなかった。誰一人として。素肌に半被──と呼んでいいのかも迷うほど布面積が申し訳程度しかない──を羽織っているだけなのだ。誰も彼もの乙女の谷間が覗いているどころか、乳首や乳輪まで見えそうなほどガバッと挑戦的に胸元が開いていて、危ない水着よろしく乳肉が完全にはみ出ていて……!

 下半身も上に負けないほど大変なことになっていた。何しろ、十代の少女たちが褌を締めているのだ──すべすべのおしりや鼠径部が丸出しになるほど細い紐のようなものを。もうこの時点でヤバい。せめて上着が掛かって多少でも誤魔化してくれればまだマシだったが、半被の裾は臍すら守れないぐらい短くて頼りにもならず、前回は何とか視覚的に助かる近さまであったすずのオーバーニーソックスぐらいの長さのあるストッキング(?)の援軍がまだ何とかあった筈だが、今年はそれも膝下まで後退し、要するに褌を誤魔化すものなど全くなかったのだ。腰回りだけ写真に撮って切り取れば褌一丁と言われても信じられるぐらいだ。

 去年より明らかに布幅が細くなった褌は女性の大事な部分がハミ出てしまうんじゃないかと思うぐらいで、鼠径部のラインまでもが容易に視認できてしまうほどだった。お尻なんて縦廻し(クロッチ部分)が早々と尻肉の隙間に沈み込んで消え、割れ目以外──つまり桃のように柔らかそうな双臀がすべて露わになっているような状態なのだ。もしカメラでおしりをアップにすれば一面に尻の肌色が映るばかりとなり、何も付けていないと誤解すること間違いなし。

 ボクからすれば際どいというレベルではなかった。こんなものは上は半裸状態、腰から下は何も付けていないのも同義であった。

 この島を象徴する藍色の布地より素肌の方が多く占めているこれほどの格好を一人残らず──そう、すずとあやねですらこんな破廉恥極まりない格好をしていたのだ。

「あ、行人ー。やっと来た。私たちより遅かったんだね」

 何とかヨロヨロと立ち上がったボクに、皆んなと輪になって談笑していたすずが最初に気付いて振り向き、朗らかな笑顔で近寄って来る。

「これが今年のお祭り衣装だって。どうかな♪」

と言って、ボクの目の前でくるっと一回転する。

(ちょッ……! 股布がずれてアソコが見えそう……! お尻も全部出ちゃってるじゃん……!)

 陰部の凹凸すら判別できてしまいそうで、再びカッと熱くなる鼻を強く抑えるボク。

 それだけでは済まず、身体を回した拍子にゆさゆさと揺れ動いたすずの豊かな乳房が両方とも半被を押し退けて飛び出そうになる。丸みを帯びたお尻も同様だ。ただでさえ以前よりボリュームアップしているというのに、そのあまりにも柔らかな弾み方をした上下どちらも瑞々しい肉の双丘を見た途端──!

 

 ブブウーーーーーッッ!!!!

 

 ボクの鼻孔は呆気なく再決壊していた。

「ぼはあっ!!」

 先程に勝る大量の鼻血が夕闇と夕陽が交わる森の中に咲き誇る。

「い、行人っ!?」

 驚いて思わず身を引いたすずに構わず、ボクは鼻からボトボト血を流しながら、

「ちぃ~かぁ~げぇ~さん~~~!!??」

と、数歩遅れて来ていた少女たちの一人に詰め寄った。

「あら、露出嫌いの行人さんは、やっぱりお気に召さなかったみたいですの。ウフフ♥」

「去年も言いましたがあ……!!」

「ええ……でも、ゴメンナサイですの。今年のこすちゅーむはぱん太郎様が選んだもので……」

「アイツが……!?」

 あの地球史上最悪最低超越ドスケベ破廉恥野郎が! と、心の中で忌々しく悪態をつく。

 そんなボクの気も知らずに、

「行人様、駄目かしら? 涼しくてなかなかいいわよ。この時期は夜も暑いから」

と言いながら、すずの隣に立ったあやねが胸を張って澄ましたポーズを決めた。確かに近頃は日暮れになっても熱気が残るぐらい気温が上がってきていて、今も暑さで自然に汗が出てくるぐらいだけれども……。

 最近は彼女の胸も育ってきているようで、半被に明瞭な膨らみが形作られていた。腰からお尻を経て太ももに至るS字カーブも見事なくびれようで──慌てて視線を上に戻したが、元より彼女のスタイルが女性として他の子に見劣りするものではないことぐらいボクもとっくに承知している。一部の肉が乏しい程度でしかないのだ。

 暑いと言ったあやねは挑発的にからだをくねらせながら胸の谷間の汗を拭う仕草をした。そこは谷間と言うよりは盆地と言った方が正確なのかもしれないが、どちらにせよ入り日が当たる彼女の肌には汗による光沢が生み出されていたのは確かで、胸だけではなく顔や首、腕や腿なども妙な艶めきが感じられ、変にドキドキしてしまう。

 他の皆んなを見回しても、まるでセミヌードのような魔改造衣装を気にしている表情の子などいなかった。恥じらいを持っていた筈の梅梅やりんなどもだ──りんは妊婦だからか厚めの法被と広い帯をしていたが、それでも豊かな胸を十分過ぎるぐらいはだけていたし、下はやはり褌を締めていた。

 それに、あやね同様汗がきらめくせいなのか、やはり彼女たちのからだはどこか艶めいた印象を抱いてしまう。どこがこうだからと上手く言語化できないのだけれど、実年齢より二つも三つも成熟しているかのような、大人のような、それでいて年を喰っているように見えるわけではなく、むしろ溌剌とした活気を感じるというか……。それとも、ボクの意識しすぎなのか……。

「りん……褌ってお腹苦しくならないの?」

 ボクはなるべく彼女の顔から下を意識しないようにしながら訊ねた。去年も大半の子が褌姿だった中、数少ないズボン派としてりんもボクと同じ半股引を履いていた覚えがある。

「ん? 逆に締め付けられなくて楽だぜ。この帯も妊婦帯になってて腹を支えてくれるから、思ったより動き易いんだ」

 多少照れくさそうにしつつもりんはそう言い、妊娠中期に入ったという丸く突き出た腹部をポンと軽く叩いたので、

「そ、そうなんだ……」

としか返せなかった。彼女も昔は梅梅と共に恥ずかしがり屋の双璧だった筈だけれど、大分克服したらしい。

「それよりさ、今年はそっちに行けなくてゴメンな。先約が入っちまってさ……」

 りんは髪を掻き掻き申し訳なさそうに謝ってきた。ぱん太郎さえいなければ皆このように昔と変わらず接してくれるのは、ボクの胸中に感動にも似た安堵感をじんわりと与えてくれる。

(本当……皆んな根は善良で……良い子ばかりなんだよな……まだボクを気にかけてくれてて…………)

 皆こちらを向いていたので彼女たちの顔を見渡してみると、誰もが以前と変わらない温和で落ち着いた可愛らしい微笑みでニコニコとボクを見つめていた。

 ボクもフッと自然にこぼれ出た笑みを浮かべながらりんに視線を戻し、軽く首を振った。

「気にしないで。ただでさえりんは家業の重労働に慣れてるんだから、いつもの調子で働いたらお腹に障るでしょ」

 祭りの準備中もりんやみことといった妊婦組は気を遣われていたらしく、重い資材の運搬や単独での力仕事などはやっていなかったようだ。そう言えば、櫓の木材をぱん太郎が一人で軽々と肩に載せては広場に移し置いていたような……。

「その代わりってわけじゃないけど、あやねが手伝ってくれるんだ。だから大丈夫、心配しないで」

「ああ、そう聞いてるぜ。でも、手が空いた時に様子を見に行くぐらいはいいだろ?」

「──!」安堵の入り混じった嬉しさがいよいよじんわりと胸に広がる。「……勿論大歓迎さ」

「フッ……私の手に掛かれば、綿アメの売り上げを倍以上にしてあげるわよ。りんの出番なんか無いぐらいにね」

 そう言って謎の自信に満ち溢れた得意げな表情で胸を張るあやね。

「あはは、この島に金銭のやり取りはないだろ……でも、ありがとう、あやね。期待してるよ」

「……行人様…………」

 ボクの言葉に反応するようにあやねがじっと見つめてきたのだけれど、何故かその瞳がこれまでとは異なるような光を湛えていた気がしたので、

「……?」

と、ボクは微かな戸惑いを覚えなかったと言えば嘘になる。

 ──その時、

「そんなコトより……どうなんや行人? ボテ腹娘二人並んだ感想は?」

 ニンマリとした笑みを浮かべたみことがそう言いながら、何故か帯をはだけて膨らんだ下腹部を剥き出しにしたかと思うと、素早い手つきでりんの帯も取ってしまい、二人揃って露わになった臍辺りをくっつけてボクに見せつけた。

「わっ、何すんだ!?」と驚くりん。

「まあまあ。うちが一ヶ月遅れやってな、横から見比べるとりん姉ぇ様の方がちょっと大きいやろ」

 目を見開くボクに悪戯っぽい笑みを向けながら、みことは皮が張ってつるつるしているお腹同士を擦り合うようにして緩やかに上下させる。

「な──な──!?」

 いやらしさすら感じるそのゆっくりとした動きに動揺を隠せすたじろぐボク。

「ぼ、ボテ腹って──知らないよ!」

と、躰ごと顔を背けてしまった。その先には梅梅がいて、不意打ちのようにボクと一対一で目が合うと反射的に気恥ずかしそうに睫毛を伏せ、もじもじ身じろぎしたが、パニックになって飛び退ろうとはしなかった。以前だったら──ぱん太郎の手に掛かる前の梅梅だったら、恥ずかしさのあまり瞬時に隠れていたかもしれない。

「梅梅……子供は大丈夫なの?」

「え? ええ、託児所が作られてましテ……赤ちゃんは皆んなそこで預かって貰ってるんですヨ」

「おばあちゃん世代や手の空いた人が持ち回りで面倒見てくれますから、私たちが付いてるより安心なんです」

と、梅梅の横からみちるさんが顔を出して説明を追加してくれた。

「あ、みちるさんも今年は初日なんですね」

「ふふーん、ぱん太郎様が口を利いてくれたお陰です♥」

「そ、そう……」

「あ……ごめんなさい。気にしないで下さいね、行人さん」

「……気にしてないよ、ハハ…………」

 彼女たちの前ではいつもするように何でもない風を装うボク。

「確かに赤ちゃんからしたらおばあちゃんだけど……私の母親なんかが聞いたら激怒しそうね……一応まだ二十代だし」

 ゆきのが苦笑いしながらそう言う。

 それにしても、久々にこうして間近で皆んなを見てみると、なんか肉付きと言うか……特に胸が育っていないか──と、ボクはどうしても視界に入ってしまう彼女たちのからだつきにそんな感想を抱かずにはいられなかった。梅梅やみちるさんの胸もデカさを感じると言うか──他の部分もどことなくボリュームが増したというか──それでいて体型が崩れたわけでは決してなく──などという余計な感想が頭の片隅に過ぎる。

 いや、梅梅だけではない。ここにいる全員がやけに女らしくなったように感じずにはいられなかった。

 からだの輪郭が水着のように全て出ている煽情的な格好をしているからなのは明白であったが──

 ちかげさん、りん、みこと、ゆきの、しのぶ、みちるさん。

 すずとあやねも負けないぐらい大人びて見えてしまっていた。

 裸同然の少女たちに囲まれていると、なんだか女性フェロモンが匂い立っているような錯覚まで起きてきて、彼女らの何気ない振る舞いにすらそこはかとない色香を感じてしまう。それでなくても全員が十代真っ只中の少女であり、日々の労働と健康的な生活で魅力的に引き締まっている皆んなのからだつきを見てしまうと、ボクの動悸はなかなかに収まってくれなかった。

(でも……気のせいじゃなく……皆んな……ぱん太郎に……女にされてて…………)

 ぱん太郎とセックスしている時のいやらしく乱れた彼女たちときたら、平素とはまるで違う人間のようなのである。言葉を慎まずに言ってしまえば、淫乱という二文字が相応しいほどに──。

 全てはアイツが悪いのだが……。

 今のように照りが生まれるほどの汗が浮かんでいる肌をアイツの手で撫で回され、少女特有の細い腰を掴まれながらあの巨根をズポズポとハメられて、でもそれが彼女たちには気持ち好くて堪らず、誰の愛らしい唇からもたまらない嬌声が発せられるのを……ボクは何度も見て来てしまっている────。

 ちかげさんが、梅梅が、りんが、ゆきのが、しのぶが、みちるさんが、みことが、ここにはいないまちも…………この全員が性的快楽に支配された顔でぱん太郎と下半身を繋げ合いながら子宮まで届いているだろうアイツのペニスで精液を注ぎ込まれているところを……………………。

 またもやそんな考えを抱いてしまうボクだったが、すずとあやね以外は──と、辛うじて最後に付け加えるのを忘れなかった。全員などと付けたら、すずとあやねすら入ってしまうではないか。

 ……でも、すずとあやねも、悪夢の中では同じように──容赦なくアイツの逞しいペニスを生ハメされて腰を打ち付けられるままに気持ち好さそうに喘ぎ悶える淫乱女になっていて、完全にアイツの女になっていて、今より遥かに汗だくになりながら夢中で交わり、最後はすずのヴァギナ、あやねのヴァギナ、どちらにもぱん太郎の極太肉棒が根元まで深々と突き入れられ、二人の子宮に直接浴びせかけるような膣奥射精でフィニッシュすると、長く続く射精の間に彼女たちも女の悦びを全開にしながら逝きまくり、すずも、あやねも、幸せの極地にいるような嬌声を上げながら子宮めがけて大量に注がれるアイツの子種を嬉しそうに受け取っていて────。

 ──だけど、そんな事をいちいち意識していたら、とてもじゃないがまともに顔を見て話せない。何より二人に失礼じゃないか……ボクは内心必死で邪念を頭から追い払いつつ、何とか血は止まったがまだ熱の引かない鼻を抑えながら、

「あの、替えの服とかないんですか!?」

 そうちかげさんに食い下がる。

 しかし、彼女は困ったような笑みを浮かべ、

「あいにく今年のは特に自信作で、ぱん太郎様にもかなり気に入って貰えましたので……別衣装は用意しませんでしたの。去年のも回収して処分してしまいましたし、あるのは予備の同じものしか……それに」

と、浜辺に顔を向けた。

「もしあっても、取って帰って来る時間はもうありそうにないですの」

 その視線を追うと、砂浜に集まったお祭り客達の前で壇に上がったオババが滔々と式辞を述べているところであった。去年よりかなり数が増えた気がする。ボクがすず達の格好に気を取られている間に開会式は恙無く進行していたのだ。その一団の背後に見渡せる沖合は早くも茜色の空に変わり、落陽が水平線に着くまで後何個分かになっている。日が沈み切るまで残り一時間あるかどうか。祭りの開幕はもう間もなくであった。

「行人、私はこれで構わないよ。せっかくちかげちゃんが丹精込めて作ってくれたお祭り衣装だし♥」

「私もよ、行人様」

「すず、あやね……」

 そうじゃなくて、ボクが目の毒なんだよ!──と、声を大にして叫びたいところであったが、去年と違って替えが効かないなら是非もなかった。

 ただ、それよりもっと問題なのは、こんなあられもない姿の二人をぱん太郎に見られやしないかということだ。アイツは店番などもしないようだが、あれだけ準備を手伝っておいて祭りに参加しない筈はない。となれば客側として楽しむ可能性が高く、そうなればボクたちの店の前を通り掛かることだってあるだろう。その時、二人のこの姿がぱん太郎の目に入ってしまったら──。

 そうなればこのあいだと同じことが起こってもおかしくはない。

 猟色家のようにぱん太郎にすずとあやねを視姦されてしまうのではないか。

 

 半被からまろび出そうなすずの胸を。

 あやねの魅力的なお尻を。

 薄い細布一枚以外覆うもののない二人のアソコにだって、ケダモノめいた視線を落とすかもしれない…………!

 

(そんなの……我慢できないぞ!!)

 でも、替えもない上に当人たちがこう言っているのであれば、ボクもこれ以上は強弁できない……。

(くそっ……アイツが来た時は一時的に引っ込んでもらうか……)

 店裏はそれなりにスペースがあるし、さらにそのすぐ後ろには森も広がっている。祭りは森の中で行われると言っても過言ではない。夜祭りの最中、広場や路上こそ数多くの提灯で明るく照らされるが、その外に一歩足を踏み出せば、そこはもう暗闇に沈む草木の密集地なのだ。

(隠れてもらう場所には困らないか……アイツが通り過ぎるか店に寄ってる間だけでいいんだし……)

と、ボクは何とか論理的に導き出された解決法によって安堵感を覚え、胸中の不安を掻き出すように息を吐いた。そう、怒りや焦りに囚われるのは容易い、こういう時ほど落ち着きを失わず冷静に思考を巡らせなければ。爺さんが良く言ってたことだ。

「なあ、もう行かないか。オババの話しもそろそろ終わりそうだぜ」

 りんが大櫓聳える中央広場を指し示して促した。

「屋台や祭り囃子が出迎えないとお祭りにならないでござるからな」と、しのぶが頷く。

「今年も──楽しみましょう♥」

 ちかげさんがボクらを見回しながらそう言うと、

「「「おーーー!!」」」

 全員で一斉に腕を上げながら声を出した。もちろんボクもだ。去年を思い出しながら皆んなとの連帯感を久々に噛み締め、本番に臨む高揚がようやく訪れた気がした。

「お店に着いたら綿アメの作り方教えるね、あやね♥」

 ボクたちの店に向かう道すがら、すずが楽しげにそう喋りかけると、「ええ」と、あやねもにこやかに応じる。こういう見逃しそうな何気ない素振りの時、彼女の美少女ぶりが垣間見て取れる。可愛らしさではすずも、そして周りの皆んなも負けていないけれども。

「お願いするわ。難しくはないのかしら? まあ私なら楽に覚えられるでしょうけど」

「うん、あやねだってすぐに覚えられるぐらいカンタンだよ♪」

「な、何か妙にトゲがあるような言い方ね……まあいいけど……」

「それにしても、やっと始まるね。ここまですっごく長かったように感じるのは気のせいかな? もう楽しみで仕方ないよ♥」

「ええ、そうね♥」

と、白リボンの少女も青リボンの少女の弾けるような笑顔に、何ら張り合う気のない柔らかい笑顔で返した。

(……やっぱり…………)

 二人や他の皆の格好をなるべく目に入れないため俯き加減に時おり目だけをちらちら動かしながら真横を歩いていたボクだったが、彼女たちのそんな弾んだ会話を耳にして祭りとは別の嬉しさを胸に味わっていた。すずとあやねが以前より打ち解けているように見えるのは錯覚じゃない。月見亭への小旅行の時よりさらに棘が取れている気がする。お互いに対抗心を持たなくなったと言うか。あの旅行では、夕食を取ってすぐ眠気に襲われて寝てしまったのがつくづく残念だった。

 ともかくこれは吉兆の証だった。元より言葉にしなくとも親友として本当はお互いを思い合っている二人だが、これまでは表面上すぐに意地の張り合いを始める事が多かった。昼間に温泉に浸かっていた時にも思ったが、それが何時の間にか融和したような仲睦まじさになっているのは、今置かれている境遇──この二人だけ他の子たちとは違う立場にいるからという証左だ。つまり、村の中ですずとあやねだけがアイツと関係していない女子という別グループを形成しているのだ。

 その絆が徐々に表に顕れ始めている。ぱん太郎という存在に掻き乱されてボクとの関係性が変わってゆく村の中で、今までと変わらずにこちら側にいてくれている二人の結び付きが──。

(フフ……)

「どうしたの行人様、こっちを見てニヤついたりして」

「えっ!? い、いや、何でもないよ!」

 不意にこちらに振り向いたあやねが不思議そうに訊ねてきたので、慌てて大仰に首をブンブン振るボクだったが、その時にそれに気が付いた。

「あれ……?」

 二人の首元。確か去年は熨斗のような紙製の首巻きをしていた気がするが、今のすず達の首には帯状のチョーカーらしきものが巻き付けられていた。白地に黒斑が点在する牛柄のような斑模様で、鎖などの金属製ではなく、革──は有り得ないので布か樹皮製あたりだろう。小さな鈴が喉元にちょこんと付きその下からDカンみたいなものが顔を出していて、何だかペット用の首輪みたいに感じられなくもなかった。歩いているため鈴が盛んに揺れ動いているが、音は聞こえて来ないので中は空洞のようだ。

 ボクの視線に気付いたすずは物柔らかな笑みを浮かべて自分のチョーカーをそっと触り、

「これ?……新作の装飾品だって。ね、あやね」

「ええ、そうね」

「私、けっこう気に入ってるんだ、これ♥」

「私もよ、フフ……♥」

と、あやねもすずと同じような微笑みを湛えて頷き、二人はチョーカーを大事そうに撫でさすった。周囲を歩く他の子たちにも目をやると、さすがに機械生産ではないので斑の位置や大きさはまちまちであったが、確かに誰の首にも同じ柄と作りの首輪が付いていた。服飾の一部なのだから不思議はないが。

「似合う……かな?」

「えっ……」

 顔を戻すとはにかんだようなすずの表情が飛び込んで来て、ボクは思わず頬をボッと燃やしてしまい、一瞬狼狽えてしまった。それほど可愛く魅力的に思えてしまったからだ。

(すず、前より美人になってないか…………?)

 そう考えずにはいられないほどに。

 それに、こうして対面するとどうしても視界に入って来てしまうすずの肢体。大胆な水着のようにからだの輪郭を全てさらけ出してしまっている今年の祭り衣装を纏ったそのからだは、以前より胸やお尻などの部分の肉付きが増したと感じるのは、太ったと評価しているのではなく、より女らしく成長していると強く印象付けられているからなのだ。

「あら、私の方が似合ってるわよ。ほら、行人様♥」

 あやねがそう言ったかと思うと抱きつかんばかりにずいっと寄ってきて、顎を上げて白黒チョーカーを見せつけた。ほのかに甘く匂う体臭まで嗅ぎ取れるほど近くに迫ったため、ボクは先程と同じくどきまぎとまた動揺してしまう。

「そんなことないもんね、行人!?」

「わっ!」

 負けじとばかりにあやねをどかさん勢いで割り込んで来て、女子特有の甘やかな体臭がさらに加わりながら、ボクにゴムボールより柔らかい胸を押し付けて首すじを露わにするすず。

 前言撤回、まだ二人とも無駄に張り合おうとしている……!

 フルヌードに限りなく近い半裸姿であるすずのからだ、あやねのからだ──ボクは妙に意識してしまって仕方なかった。周囲が大分暗くなってきた中でも間近で見ると彼女たちの肌のきめ細やかさやピチピチとした艶めき、肉付き具合などがよく判ってしまい、この格好のせいで本人達にその自覚がなくとも年齢以上の色香すら感じるというか、それがボクの狼狽を加速させている。首のチョーカーから下にちょっと目を落とすだけで二人の柔らかそうな乳肉と谷間さえ見ることが出来てしまう、そのさらにちょっと下にはぽつんと窪んだ可愛い臍や細い腰、丸みを帯びたお尻、女らしく肉付いている太ももなども──!

「わ、わかったから、ふ、二人とも離れて!」

 叫ぶようにそう言いながら、ボクは自分の方から飛び退いてしまっていた。

「行人……?」

「行人様……?」

「あ、い、いや、ごめん」

 二人が眉を落として寂しげな表情になるものだから、つい反射的に謝罪の言葉が出てしまった。「あの、その……どっちもよく似合ってるからって……言いたかったんだ、ハハ…………」

 すずとあやねは顔を見合わせると、何やら目と目で会話して頷き合ってボクに向き直り、

「……ありがとう、行人」

「嬉しいですわ、行人様」

と、落ち着きを取り戻したような佇まいでニコリと笑って言ってくれた。

 内心ホッと胸を撫で下ろすボクだったが、二重の意味を持つその安堵感は決して小さくないものだった。

 そう、これもぱん太郎と無縁の証拠の一つじゃないか、と自分自身に心強い武器を授けるように考えるボク。アイツをパートナーに選んだ女性が他の男にこんな真似をしてくるわけがないだろう。ましてやすずとあやねはこの素朴で大らかな島で育った女の子として、男を騙すようなことなど出来る筈がない。すずは嘘をつくのが下手だし、あやねだって性根は優しく義理堅いところがある。もし、ぱん太郎がこの二人も他の子のようにセックス漬けにするぐらい籠絡していたら、やはり他の子たちのようにアイツに首ったけになってボクなど見向きもしなくなっているだろう。

 ──だから、同時に自分を情けなく感じてもいた。不安に駆られるあまりアイツの影がちらついていないかと探るようにすずとあやねの様子を気にしている自分を。

 この二人だけは大丈夫なのに、彼女たちが積極的にスキンシップしてきてくれるのは良い兆候で歓迎すべきことなのに……。それが嬉しくない筈がない。ボクからも仲を深めようとも決めたじゃないか。

 そんなことを考えているうちに綿アメ屋に到着すると、

「あれ?」

と、ボクは小首を傾げた。昨日までは無かった筈の横板が屋台の前面下部に張ってあったのだ。上部の看板と同じ字体でわたあめと大書されている。この板によって店中と道の区切りが生まれていた。

「あ、これ? こうすればもっと綿アメ屋らしくなるかなって、りんちゃんに頼んでおいたの。ごめんね、言い忘れちゃってた。余計だったかな?」

「へえ、すずが考えたの? なかなかいいんじゃない」

 彼女の発案だと判ればそれ以上追及する気は起きなかった。すずの言う通り、この方がより綿アメの屋台に見えるとも思ったからだ。腰ほどまでの高さなので品物の受け渡しにも支障はないし、出入りは脇からすればいい。待ちに待った祭りの出店なのだから、この程度ぐらい主張が加わったっていいだろう。

 横から店の中に入り、ザラメや芯棒、綿アメ袋など材料が揃っているかの確認と製造容器がちゃんと動くか軽い点検を行う。

 綿アメを入れる袋は去年、準備している時にどうしようかと悩んだ物の一つだった。日本なら容易に入手可能であろう、綿アメを包むためのビニール袋。作ったその場で手渡しすれば不要かも知れないが、袋があれば作り置きが可能になって店前に飾ることも出来るし、綿アメを袋から取り出す時のワクワク感を演出できるとも思ったのだ。オババに雲のように軽く柔らかいものを潰さずに包める袋がないか相談してみたところ、齢百二十を超える老婆はそんなものあるわけないじゃろと呆れたように即答した後、何か思い出したように少し考える顔つきになり、包みになるか解らないがと前置した上で、薄葉紙という極薄和紙を作れる紙漉き職人──動物であったが──がいると紹介してくれた。

 極薄の紙ではどうかと言われた当初、紙袋ですら綿菓子を入れるには重く固いのではないか──という不安があったのだが、他に選択肢はなかった。この島ではプラスチックが作れない以上、ビニール製という現代社会ではどこにでもある便利過ぎる袋は手に入らないと気付かされたのはこの時だ。ボクはただ漠然と綿アメを入れるあの袋が欲しいとだけ考えていたのだが、想像より遥かに贅沢な品を求めていたのだ。

 だが、村から少し離れた清流のほとりに構えられた和紙工場(こうば)に出向き事情を説明して頭を下げてお願いしたところ、昔、より薄さを追求して試行錯誤した結果、使い途もない失敗作を山程抱えてしまったことがあり、こんなのでいいならと奥から何束分も持って来て全部くれたのだ。一番上の一枚をひょいと摘み取ってみると、手指が透けるほどの薄さに驚いた思い出がある。天具帖(てんぐじょう)とも言うそうだ。何枚かを糊で繋ぎ合わせて袋状にしても信じられないほど軽かった。こうして綿アメ用の袋も確保出来るようになったのだが、正直、この袋を百枚以上も製作するのが一番苦労した。出来ればイラストも添えたかったがそこまでは無理な注文だろう。つくづくたった百年程度で生活用品すら一変した人類の文明発展というのは凄いんだな──と、思わずにはいられなかった。

 各所の点検を終えて何も異常がないことが判ると、早速古い漉き紙を使って木炭に火を付ける。先ほどのすずとあやねの会話を覚えていたボクは二人に場所を譲ると後ろに下がって見守り、すずが手本を見せた直後に一発で見事な綿アメを完成させたあやねに、ボクは未だに覚束ないのに──と内心動揺しつつも、コミュニケーションを深めるべく、

「や、やっぱりあやねも料理上手なだけあるね」

と、褒めるのを忘れなかった。

「そうかしら? 棒を回すコツがいるけど、料理とも言えないぐらい簡単じゃない」

「……」

 あやねの手際の良さもあって次々と出来上がる綿アメをすずと共に袋に入れて口を糸で結び、屋台横の陳列台に吊るしていると、

 

 ワーーー…………

 

という喚声が正面門の方で上がると共に、それを合図にしたのか背後の大広場からも祭り囃子の音が聴こえて来た。客達の入場が始まったのだろう。

 祭りならではの音に挟み込まれ、いよいよという実感が否が応でも湧き上がる。

「ねえ、すず……去年、もっと楽しいお祭りにしようねって言ったの覚えてる?」

 手を止めたボクからそう尋ねられると、

「え……? あっ…………」

 すずは不意を打たれたようにきょとんとした後、やっと思い出したのか開いた口を手で塞ぐ。

「ハハ、忘れちゃってた? ボクは忘れてなかったよ。今年もうんと楽しい祭りにしよう」

 これももっと仲を深める一環。こうした心を籠めた言葉で気持ちを伝え、絆を強めていくんだ。

「……そうだね。頑張ろ、行人♥」

「私も協力させて貰うわ」

 すずとあやねと顔を見合わせて微笑みを交わす。心が通ったように彼女たちと目と目が合ったのが嬉しかった。

 二人にはそのまま作る方に入って貰い、最初はボクが売り子をすることとなった。

 ──真正面から見つめ合った結果、改めて確認できる二人の美少女ぶりに内心動揺しまくりだったのは内緒だ。

 多種多様な祭り客──と言ってもほとんどが二足歩行する動物たちだ──が道いっぱいに広がり、ひと塊の大群のようになって早足でこちらへまっすぐ押し寄せて来るという、普通に考えれば異様過ぎる筈の光景に微苦笑しながら、「よし!」と両頬を平手でパシパシ叩きながら気合を入れる。ボクにとって二度目の海龍祭りであり──すずとあやねとの絆を深める絶好の機会となる重要なイベントがついに始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

   2

 

 

 控え目な表現でも戦争が勃発したと言ってよかった。

 浜辺に集まっていた群衆を見た時も思ったけれど、明らかに前回より数が増えていた。去年は確か数十ほどだったと思うが、それがざっと見積もっても百は下っていなかったのだ。開場前の客だけで、である。出だしからしてこれなのだから、後からやって来る参加者が合流するにしたがって混雑具合はさらに酷くなってゆくだろう。実際、そんなことを考えている間にも目の前の通りはみるみるうちにごった返すようになった。

 ゆっくり観察している暇もすぐに無くなった。開幕の喚声──と言うよりほとんど喊声だ──から大して時間も経たずにどこも人だかりならぬ動物だかりが生まれ、それはボク達の屋台も例外ではなく、数分とかからずにフル回転の忙しさに襲われることとなったのだ。

 最初の客となった明らかに北の住民であろうガタイのごつい動物達がせっかくのすず考案の板を押し倒さんばかりに肩を並べてひしめき合って、「綿アメくれ!」「いや、こっちが先だ!」「何を! 俺が一番だったぞ!」などと鼻息荒く言い争いながら店内のすずとあやねに腕を伸ばしてクレクレと要求するものだから、

「落ち着けよ、作ったのがここにあるよ……」

と、横にいたボクが陳列台に吊るしてある袋入りの綿アメを指しながら呆れ気味に言うと、

「あ、そう?」

 北の荒くれ者達は打って変わって行儀よく順番に並んでボクの手から受け取り、いかつい躰でむしゃぶりつくように綿アメに口を突っ込むと、「これだ! 美味いい!」「この雲を食べてるようなフワフワ感がたまらん……!」「一年ぶりだな……待ちわびたぞ、この決闘(とき)を……!」などと各々感動し、満足そうに舌鼓を打ちながら通りの雑踏に紛れていった。

 すると、後ろに控えていた次の客が待ち切れないとばかりに綿アメ頂戴とすぐに求めて来て、またその次の客、次の客──と、作ったばかりの綿アメは飛ぶように捌け、陳列台が空になり順番待ちの行列が生まれるのにそう時間はかからなかった。

 額に浮かんだ汗を拭いつつ、ちょっと待っててねと言いながら他の屋台に目をやると、あまりの忙しさに客側にいた母親を援軍に引っ張り込む子もちらほら見かけられた。

 時間のかかる調理系は特に大変そうであった。焼きそばやお好み焼き、たこ焼き、イカ焼きなどといった鉄板系、りんご飴やチョコバナナ、団子、大判焼き、かき氷などのスイーツ系、他にもじゃがバターや焼き網を使った串餅や焼き魚、鳥肉の代わりに多彩な野菜を刺した焼串などといったのもあり、飲食物だけでも目移りして決められなくなりそうなほど幾つも種類があるが、どこも出来上がった先からお客の手に渡っており、店番の子たちはひーひー言いながら絶え間なく手を動かしていた。こうなるとヨーヨー釣りや金魚すくい、型抜き、ゆきののお面屋などといった本番では比較的楽が出来る形式の店が羨ましくなる。その分前準備が大変ではあるのだけれど。

 そう言えば、鉄板や焼き網──当たり前のようにある金属製品だが、漂流物を手直しして使っているものもあるものの、これも苦労して生産しているようだった。鉱床を掘るほどの人手や道具はないが、磁石を用い浜辺などで集めた砂鉄をたたら炉で玉鋼に変え、そこから金物を作り出しているたたら師兼鍛冶屋がどこかにいるらしい。包丁や農具工具などが素人では手の施しようがないほど破損してしまった時は、その人の所まで行って研ぎ直しや新品の要望をするとのことだった。鉄器の需要は非常に高いため年中忙しくしているらしく、あまり村には顔を出さないとのことで、ボクは会ったことがないのだけれど。

 広場の方に目をやると櫓の上に並んだ奏者の皆んなが笛太鼓を鳴らしている姿が見えた。暑い夜、喧騒に負けることなく頭上から降り注ぐ祭り囃子を聴いていると、南国にいるのを一時忘れ、まさに日本の夏祭りに参加している感覚すら湧いてくる。櫓の周りに盆踊りの輪が生まれているのも動物混みの切れ目切れ目から垣間見えた。すっかり残光が退散して銀河が彩り始めた夜空に軽妙なお囃子が調子良く登ってゆき、そのお礼とばかりに数多の星々が照明に加勢せんと煌めきを放ち始めていた。もしあの星々にも意識があるのなら、あちらから見ても珍しくこの場所が明るく光っているなどと思うのではないか。

 そんな詩情的な思いを抱きながらお祭りの空気を存分に吸い、顔を地上に戻すと、

(げ…………!)

 気持ち良い気分はどこかへ吹き飛び、ボクはたちまちに眉をひそめて渋い顔になった。

 先ほどの北の住民達のように人間よりも体躯が大きい動物は多いが、その中でも一際目立つ巨体が正面門の方からこちらに向かって来ていたからだ。

 ──ぱん太郎。

 久しぶりに見た元の姿の周りには奥さんや子供たちがいて、どうやら今日は家族と一緒のようであった。

(今まで放っておいたくせに…………)

 そう苦々しく思いつつも、このままでは店の前を通り過ぎるという焦りが湧く──が、幸いなことに、すずとあやねは屋台の中に引っ込んでいるし、綿アメを求める動物だかりの壁が丁度よく二人の姿を隠している。後はボクがこのまま表で目を光らせていればいいだけだ。

 だが、アイツは睨み付けるボクなど眼中にないように──実際、騒がしく混み合う中で気付かなかったのかも知れない──こちらには目もくれずに通り過ぎ、そのまま家族と共にまっすぐ大広場の方へと向かっていったのだった。

「ふう…………」

 肩透かしを食った気分もなくはないけれども、ともかくボクは安堵の溜め息をついた。家族がいるならば女へ手を出せない筈だ。まさか奥さんや子供たちの前でおかしな真似も出来ないだろう。

(ひとまず……今日は大丈夫、ってところかな…………)

 もちろん油断は禁物だが、少なくとも祭りの間は常にすずとあやねの近くにいられるだろうし、むしろ普段よりも安心とさえ考えられるかも知れない。西の見廻りの代役を任された現在、日中はすずとも一緒にいられないことの方が当たり前になっているし……。無論、彼女のことは信じている。それに、今は女の方からぱん太郎の許へ赴くようになったためにアイツ自身はあまり出歩かなくなったらしく、必然、外ですずとぱん太郎が鉢合わせするという偶然も極めて起こりにくくなったということで、以前よりは不安も軽減されたが。それに何より、帰宅すればいつも変わらずにボクを待ってくれているのだ、すずは──梅梅などの赤ちゃんの面倒を見るための泊りがけが多くなったり、仕事が長引いて遅くなったりする時もあるけれど、それ以外の日はちゃんと家にいる。変わった様子もない。

 ようやく行列が途切れると、手を休める暇もなく綿アメ作りに掛かりっきりだった二人は、

「疲れたよ~!」

「初めたてでいきなりあの数は、さすがにキツかったわ……」

と、どちらも衿を摘んでパタパタさせながら汗の溜まった胸から熱気を逃がす。綿アメを作る手元を明るくするために屋台内にも提灯が吊るされているのだが、ただでさえ半裸以上に露わになっている柔肌が大量の汗によって照り返り、丸みとくびれが美事な調和を生み出している女体の輪郭、胸元も少し隙間が生まれるだけで乳首が見えそうで、いかな自制心を強く振るっているボクでも二人のからだを意識せずにはいられなかった。会場入りする直前に密着された時も思ったが、すずとあやねのからだは以前よりだいぶ育ってきていて、女の色香すらボクは感じ取るようになってしまっているのかも知れない。

 そんないやらしい目で見るなんて、ボクもぱん太郎のことをとやかく言えないじゃないか──という心中の動揺を何とかひた隠しにして彼女たちの肢体をなるべく視野に入れないように努め、 多少どもりながら、

「お、お疲れ様、そろそろ交代しようか」

「そうだね♥」

「売り子がてら、少し休ませて貰うわね」

 店の内外を入れ替わると、ボクは深呼吸を繰り返して平静を取り戻し、製造容器の前に立つ。とんかつが手助けしてくれるようで、ザラメを熱する缶を吊るす梁の上でぷーぷーと跳ねる。先ほどもハンドルに乗って器用に回していたものだ。

「お、とんかつありがと、助かるよ」

 今日のアイツが家族連れでありこちらに気を回しもしなかったこと、すずとあやねの傍に居続けられることがボクを元気付けたのかも知れない。久々に気構えに大きな張りを感じた。

(余計な事を考え過ぎないようにしないとな。二人を少し休ませないとだし、ボク一人でやるなら尚更だ。初めてだったあやねよりも上手く作れるようにならないと、格好がつかないぞ……)

と、腕まくりをして芯棒を摘み、「よーし、やるぞ!」と、とんかつにハンドルを回して貰いながら早速綿アメ作りに取り掛かった。

 一年ぶりの一本目は今にも消え入りそうな萎(しな)びた霊魂としか言い表せないような見るも無惨な代物になってしまったが、自分自身が入道雲オバケになった去年よりは遥かにマシだと思い直し、店先に立って楽しそうにおしゃべりをする二人の背中を時折微笑ましく目を向けながら、もう一本、また一本と、芯棒をくるくると回し、早く客に出して恥ずかしくない形のものを作らねばと徐々に余念を無くして手先の作業に集中してゆく。

 だが、それこそが油断であった。

 

 

 

 時々すずとあやねが隣まで来て励ましてくれたり助力してくれた甲斐もあってか、何とか十に七、八は整っていると言えるほどの完成度になり、自分が作った綿アメが客に渡って美味しそうに食べるのを見ると嬉しさと楽しさが加わり、容器内で大きくなってゆく綿雲に目を落とし続け、いよいよボクは作業に熱中し始めていた。

 そんな時だった。

「「いらっしゃいませ~~~!!」」

 店の外ですずとあやねが突然ひときわ大きな歓待の声を張り上げたので、思わずびっくりして頭を持ち上げると、

「ああっ…………!」

 ボクは我を忘れて狼狽え仰け反ってしまい、(しまった……!)と、心の中で自分の迂闊さを呪った。

 綿アメを綺麗な形に仕上げようと悪戦苦闘しているうちについ没頭してしまって、周囲に目を光らせるのを忘れていた。

 

 いつの間にか──ぱん太郎が店前に立っていたのだ。

 

 先ほどコイツが通り過ぎてからどれぐらいの時間が経っただろうか。三十分? 一時間? 一度姿を消したからと言ってまた戻って来ない保証はなかったのに……。

(くそっ……)

 すずとあやねは店先にいて、まさに今、アイツの眼前で半裸同然のあられもない格好を──ぱん太郎にだけは見せたくない姿を晒しているところであった。

 ただ、ぱん太郎はパンダの姿に戻ったままであり、奥さんと子供たちも勢揃いしていた。

 焦燥感が生まれなかったわけではなかったけれど、家族の前で変な真似は出来ない筈──と、僅かながらの救いに一片の安堵を覚えずにはいられなかった。

「あら、元の姿に戻ったんですのね」

「なんか新鮮かも♥」

と、ぱん太郎を見上げながらお愛想を言うあやねとすず──気にし過ぎかも知れないけれど、やけに親しげで機嫌良すぎるようにも思えた。こんな奴に対してそんな屈託ない笑顔を向けるのは止めてくれ──そう思わずにはいられなかったが、口にはしなかった。そこまで指図するのもおかしいという自省心が働いたからだ。

「綿アメだー!」「食べたい食べたい!」「ちょうだーい!」

 八匹もいる子パンダたちは屋台を取り囲むように製造容器の中を覗き込んで来たが、「こっちにあるわよー」と、横の陳列台からあやねが声を掛けると彼らはそちらへすっ飛んで行き、上下に何列も吊るされた袋入りの綿アメにわいわいと群がり、すずとあやねは優しい笑顔で子供たちの対応に当たった。

 すると、ぱん太郎が仕切り板のすぐ前まで来て、ボクを見下ろしたのである。

「今日は久々に家族さーびすの日のん。タンシンフニン? ってやつで普段会えてないからさ」

「……」

 ボクは顔を向けずに無視して相手にせず、新しい芯棒を製造機の中に突っ込んでハンドルを回し、手元を見ながら作業を再開する。とんかつは休憩していた。

(何を気安く話しかけてきてるんだコイツ……単身赴任だと? 調子に乗りやがって…………)

「これ、子供たちが今年もあるって知ったら喜んでた、早く食べたいって楽しみにしてたよ」

「……あっそ…………」

「ん~?」首を傾げるような仕草をするぱん太郎。つぶらな瞳のパンダの姿でやられると愛嬌を感じてしまうほどだ。

「つれないねえ、行人クン。島にたった二人しかいないニンゲンの男同士、仲良くしようよ♥」

「お前は違うだろ…………」

 ボクは一旦手を止めてぱん太郎を睨み上げると、皮肉たっぷりに言い返した。

「今だって元に戻ってるじゃないか。人間とは言えないよな」

「ははは。でもまあ、そういうことなら」

 そう言ってぱん太郎は店の横を通って裏手に広がっている夜の森の闇の中へ足を踏み入れたかと思うと、すぐに引き返して来た──いつもの相撲取りのような羽織と袴を着た大男の姿で。パンダの時より一回りも二回りも縮んだとは言え、人間としては十分過ぎるほどの巨体。

「この方が話しやすいかな? ほら、村に来てからまともに会話したことないじゃん。取っ掛かりと言うかさ」

と、再び店の前に立ちながらまたボクを見下ろすぱん太郎。つぶらな瞳と丸々とした愛嬌顔が元の姿を彷彿とさせるが、ボクにとっては憎たらしくてたまらない面構えであった。世界で一番目の前に居て欲しくない男。こうして間近で観察することが出来ても美男子とは程遠い容貌と体躯としか思えず、村じゅうの女を虜にする要素が何処にあるのか皆目見当が付かない。

 また、ぱん太郎の口調はやけに馴れ馴れしく軽薄で、どこか癇に障る物言いに感じられてならなかった。それに昔はのんのんと語尾に付ける独特の言葉遣いをしていたが、今聞くとなんだか普通に喋っているような……。

 意識して避けているため顔を合わせること自体ほとんど無かったから、こうしてコイツと言葉を交わすのは数ヶ月ぶりだろうか。直近はあやねとデートした日であった。雨宿りに入った廃屋で行為中だったぱん太郎に出くわしてしまった事があるのだ。相手の女性の上体に掛け蒲団を被せ誰だか分からないようにして、そのくせ繋がった下半身は丸見えにしてがばりと開き、アイツの巨根を根元まで咥え込んでぬるぬると滑らかに出入りする、アイツとその女性が一つになった結合部を見せつけて来て。あやねもいたというのに。首から上が隠れていてもその女性がアイツのペニスで明らかに感じまくっているのは、快感に奮えるからだの反応でボクでも判るぐらいだった……。ボクも知っている人だったらしいが、ほんの一、二年で村の住人とはほぼ全員顔見知りになった狭い社会なのだから何のヒントにもなっていなかった。その女性もアイツとのセックスに病みつきになっていて、あまりにも気持ち好いから梅梅よりも中出ししているぐらいなどとぱん太郎は宣(のたま)って──コイツはそうやってボクの反応を楽しんでいたのだ。実に不快な態度であった。

(そういえば、あの時も途中から意識が無くなったんだよな…………)

 感情を激しく乱されたあまりボクは卒倒してしまったらしく、気付けばその廃屋で朝を迎えたのだ。我ながら情けない話だった。ぱん太郎と謎の女性はボクが倒れたのに驚きすぐ立ち去り、後はあやねが介抱してくれたとのことで感謝の言葉もなかった。

「一人が二人に増えても圧倒的に少ないわけじゃん。女はこんなに大勢いるにさ……」

と、ぱん太郎は周囲を見回して、すずとあやねだけでなく他の屋台で働いている子たちや客として楽しんでいる子、母親たちなども見やった。ぱん太郎の視線に気付いた女性たちは嬉しそうに手を振り返したりしたが、近くにいる奥さんを憚っているのか近寄っては来なかった。

「ボクらの仕事は大変だよ。たった二人しかいないニンゲンの男同士で喧嘩してる場合じゃないって思うけどねえ。キミとは是非とも解り合いたいなあ♥」

(ボクらの仕事だって? ふざけるな────)

 まさか子作りが──女と乳繰り合うことが仕事だと正気で言っているのか……お前の慾望のままの振る舞いに勝手にこちらを巻き込むんじゃないと内心憤慨し、ボクはその感情を隠すことなくさらに眉間に皺を寄せた。

「生憎とこっちは分かり合いたいとはちっとも思ってないからな!」

と、吐き捨てるように言う。

「なんで?」

「なんでって──」

 ボクは綿アメから袋を取って嬉しそうにパクつく子供たちとその様子を見守っている奥さんに目をやった。「堂々と浮気しまくってるくせに家族サービスとはいいご身分ってことだよ!」──ニヤけている顔面を殴りつけるようにそんな言葉をぶち当ててやりたかった。実際、喉元まで出かかった。誰が何と言おうが、奥さんにとってはこれは浮気だ。

 だが、その家族がいる所で、罪のない子供たちが楽しそうにしている所で、せっかくのお祭りの空気を台無しにするような発言はしたくなかった。ボクとしては喧嘩に発展してもいい──むしろそうしたいぐらいだったが、代理とは言え取り締まる側のボクが問題を起こしてどうする、という冷静な判断もまだ失ってはいなかった。

 なんでボクがコイツのためにそこまで配慮しなくちゃならないんだ、という忌々しい気持ちを反面抱きながら──。

 その時、

「あら、人間の姿になったんですね」

「ぱン──何を話してるの行人?」

と、子供達と奥さんに綿アメを渡し終えたすずとあやねが戻って来た。

「男同士の会話ってやつかしら」

「なにそれ?」

 駄目だこっちに来るんじゃない、でも近くに家族がいるから大丈夫か──などという心中の葛藤もあらばこそ、二人がごく自然な動きでぱん太郎の左右手前にそれぞれすっと立ったので、

「…………」

 ボクは口を半開きにしたまま言葉を忘れ、その構図をまじまじと見つめてしまった。

 製造器と板張りを挟んで店の内側に独りいるボク。外ではくっつくほど躰を寄り添わせたすず、あやね、ぱん太郎……。その近さと大小はまるで主人と侍っている側女のような印象を抱せるのに十分で、すずとあやねは祭りの熱気に当てられたかのように頬を紅潮させ、まったく気にしていないと言うか気付いてすらいない様子でニコニコと機嫌良い笑顔をボクに向けている──。

 一瞬、まるですずとあやねとぱん太郎の三人が目に見えない緊密な糸で結ばれているような錯覚に陥り、慌ててブンブンと頭を強く振ってその幻想を追い払う。

(だから二人とも、男に対しての警戒心が無さ過ぎなんだよ!)

 ぱん太郎でなくとも誰にだってこのように屈託なく振る舞うのがこの島の女の子たちだ。例え異性の前で全裸になっても平気なんだから──コイツが特別ってわけじゃないんだ。

「東のぬし様、今日は家族さーびすですって」

「さっき聞いたよ……」

「偉いと思わない、行人?」

「偉い…………? 本当に偉い父親は、普段から子供を放ったらかしにしないよ。自分の都合の良い時だけ相手するとか、全然偉くなんてないさ」

 ボクは頭の片隅に自分の父親の姿を思い描きながらぱん太郎の顔をジト目で見上げ、相変わらず何を考えているのか分からない澄ました表情に舌打ちをしながら、陳列台の前で母親と一緒に美味しそうに綿アメに口を付けている子供パンダたちに横目を送った。

 その視線を追うように家族の方へ顔を向けたぱん太郎は、

「こーらお前たち、そうやって道で固まって食べてると他の客の邪魔になるぞ」

「あ、とーちゃんまたヒトになってる」

「いいから、座れる場所があっちにあるから」

 いかにも父親ぶった台詞を吐き、道を挟んだ向かい側の少し離れた場所にある縁台の並べられた休憩スペースを指し示し、それに従って動物混みの中を掻い潜って行く家族を見送ると、

「……で、何だっけ?」と、ボクに顔を戻す。

「何だも何もないよ。こっちにはお前と仲良くする気なんて更々ないってことだ。家族サービスの最中なんだろ? お前もあっち行けよ」

「とは言っても、ボクもまだ当分この村から離れることは出来ないしねえ……今後もこうやって顔を合わせる機会もあるかも知れないし、キミとの間に蟠(わだかま)りがあるなら解消したいと思ってるんだよ。少なくとも、普通にこうして会話できるぐらいにはさ。問題になっても困るしね♥」

 ボクはジットリとした半眼でぱん太郎を睨み上げた。

「……ホント……色々変わったな、お前…………昔とはまったく違うぞ………………」

「よく言われる♥ 沢山の女と接する生活になったからかな? それとも、人間になってる方が長くなった影響かな? 人間の姿でヤるコトが多すぎて、全然戻ってなかったしねえ♥」

「…………」

 巫山戯るなと思いつつも、その瞬間、ボクは迷った。『本人に直接聞いてしまおうか──』『探ってるのがバレたら逆に警戒されて──』『絶対に真相は喋らんだろうな──』からあげさん達の言葉が脳裏に蘇る。

 すずとあやねに目をやる。依然ぱん太郎の傍にいて微笑みを湛えながら静かに会話を聞いていた二人は、ボクと目を合わせるとさらに笑みを深めた。

 ぱん太郎より二人の方が顔が近いため、真昼の明るさに劣らないぐらい会場を照らし出している祭り提灯の光りを反射して彼女たちの瞳がキラキラと輝き、美少女ぶりを遺憾なく発揮する様がはっきりと確認でき、ボクはドキッとして思わず紅い唇や汗の光る胸の膨らみなどに吸い寄せられるように目が行ってしまった。

(何だろう……すごく綺麗に感じる────)

 すぐにハッとし、狼狽え気味に視線を外してしまったけれども。

 この二人までコイツのおぞましいほどの性慾の捌け口にしてはいけないんだ──こんな奴とあんな理性を喪ったようなセックスをする仲に──ゴムも付けずに性器を繋ぎ合わせ、あんな大量の濃厚ザーメンが、この二人の……すずとあやねの膣内(なか)にも出されまくる仲に──と、またもや二人が──この祭り衣装を着たすずとあやねがぱん太郎のあの巨根に突かれまくり、快楽に堕ちた表情でドロドロに絡み合いながら濃厚な子作りセックスをする妄想を脳裏に浮かべそうになって慌てて思考を戻し、今、この時がチャンスだと決断すると、思い切って直球を投げ掛けてみることにした。

「……確か、まだ妖怪になれる年齢じゃないって聞いたけど。どうやって人間に変化できるようになったんだ?」

「ん~?」

 少し間が空いた後、思考や感情の読み辛い呑気な表情でボクを見返していたぱん太郎は、それまで動かしていなかった腕を上げ、人差し指で口を塞ぐ仕草をした。

「それは────ヒ・ミ・ツ♥」

と、その腕はすぐに降ろされ、すずの背後に隠れた。

「ふーん……ま、いいけどさ」

 やっぱりか、と内心落胆したが、でも──ボクは一筋の光明を覗けた気がした。秘密にするからにはばれたら困る事情があるわけだ。つまり、他者がコイツの変化の力をどうにか出来る余地があるかも知れない……という事だ。ぱん太郎はその恐れを抱いているから明かしたくない、そういう心理──。無論、ただの天邪鬼の可能性も否定できない。けれども、心の動きとしては前者の方が強いのではないだろうか。

「ともかく、家族の前で父親面したいなら、もっと父親らしく振る舞えよ。他の女にうつつを抜かしてる男が奥さんや子供に顔向けできるのかよ」

「手厳しいね♥ けど、それはお子様の言い分かな。父親は父親で大変だし、それに事情が事情だからねえ」

「はっ! よく言うぜ……」

「うーん……。キミって真面目そうに見えるけど、全然大人じゃないね」

「なんだと……!?」

 ボクはギリッ歯を噛み締めながらぱん太郎への視線をさらにきつく細めた。

「ゴメンゴメン、言い過ぎたなら謝るよ。けど、キミもやけに突っ掛かって来るしお相子でしょ。まあでも、ボクのこともちょっとは認めてくれてもいいんじゃないかな~って……思うんだよねえ。これでも毎日頑張っておシゴトしてるし。偏見を捨てて欲しいんだよなあ」

「だからっ……! お前の言う仕事は仕事じゃないって……!」

「そうかなあ。世の中色んな仕事があると思うけどねえ」

 確かに社会を見渡せばこんな職業もあるのか──と驚いてしまうような特殊な分野もあるだろう。けれども、子作りは自然の営みの一つであって仕事とは呼べないだろう。少なくとも生業とは言えない筈だ。

「それにこれは、そもそも村側から頼まれたコトだし。ボクは村人たちの期待に応え、彼らはそんなボクの働きぶりを認めてる。認めてないのはキミぐらいじゃないかな? キミだけが異論を唱えても、逆に肩身の狭い思いをしない? ボクは行人クンが孤立しちゃわないかが心配なんだよ」

「はあぁ? そりゃどうも。でも、もしボクの立場が悪くなったとしても、お前にとっちゃ好都合だろ?」

「そんなことないよ。さっきも言ったけど、ボクはキミとも仲良くしたいんだから♪」

「こっちも再度言うぜ、ちっとも仲良くしたかないよ。お前みたいな問題だらけの奴なんかとさ」

「問題? ボクに何か問題があるのかな?」

「女遊び三昧で公序良俗を蔑ろにしてるだろ。十分に問題過ぎる」

「コージョリョージョク? 皇女凌辱?」

「公、序、良、俗! 風紀を著しく乱してるってことだよ!」

「フーキ?」

「ああもう……!」ボクは頭を掻いた。ペースを乱されまくりだ。「何と言い繕おうが毎日女を集めて遊んでるだけだろ、要するに今のお前は! そんなのはとても仕事とは呼べない。女の人たちだってちゃんと他に仕事を持ってるだろ」

「とは言っても、こっちはたった一人、あっちは沢山いるからねえ……現実的に働く時間が取れないんだけど。そこが問題なんだよ。だから背に腹は代えられないってことで、臨時で西のぬしに東の森を任せてもいるし。キミの言ってることは村の事情を考えない的外れな意見にしか聞こえないなあ」

「いや、至極まともな意見さ。まともに生きてこそ社会は正しく健全に成り立つんだ。お前のやってることはまともじゃない。いずれ…………」

 いずれ皆んなや皆んなの暮らしに悪影響が出る、と言いかけて、その兆候が今のところまったく見られていない事実を思い出し、言葉尻が窄(すぼ)み消えてしまった。

「そうかなあ? まともな状態じゃなかったこの村をまともに戻すべくボクにお呼びが掛かったんだと思うけどなあ。他に良い方法があるなら教えて欲しいぐらいだよ」

「くっ……ああ言えばこう言う…………!」苛ついて歯ぎしりをギリギリ強めてしまうボク。喧嘩に血気を回さなくなった分、舌が回るようになりでもしたのかコイツは。「じゃあ、関係を持った女性たち全員の責任を取れるのか? 新しく生まれた子供たちの面倒は? 父親としての務めは? お前には元からの家族だっているのに。ボクの言ってることはそんなにおかしいことか?」

「うーん」

と、ぱん太郎は一旦口を閉ざし、顎を引いた顔をしかめて黙り込んでしまった。困ったような表情にも見える。

「なんだよ。図星を指されて困ったか」

「いや、そうじゃなくてね……。キミの主張って……一見まともそうだけど、なーんかズレてるって言うかさ……」

「はああ? どこがだよ!?」

「それはねえ……自分を当事者と思ってないところかな」

「……へ?」

「まるで自分は村とは関係ない赤の他人です、みたいな、遠いところにいるような話し方するじゃん?」

「……な、なんだと…………?」

 ボクは虚を突かれたような動揺を覚えずにはいられなかった。

「だってさ、キミももう村の一員なんでしょ? まだお客人ってわけじゃないよね? さんざん世話になってるよね? この村の問題は我が事のように考えるのが当然なのに……なのに、コージョだのリョージョクだの、父親がどうだの、気にしてるトコロが皆んなと違うよね。ズレてるなあって。無関係な部外者って綺麗事が言えるけど、まさにそんな感じ。

 いやあ、余所から来た行人クンにとって、この村の存亡なんて所詮は他人事なんだねえ。
 その点、ボクも余所者だったけど、キミと違って真摯に取り組んでるよ♥」

「そッ…………!!」

 パンダ時のぱん太郎の重い拳の一撃をまともに喰らって吹っ飛ばされたような衝撃的な感覚に襲われ、返す言葉が出なかった。今度はボクが黙り込む番であった。

「問題がないわけじゃないのはボクも承知してる。けど、問題を解決しようとして別の問題が持ち上がるってのはよくあることでしょ。現実にある問題は綺麗な物を綺麗に並べて理想通り鮮やかに問題なく解決なんて出来やしない。そんなのはそもそも問題にならないよね。本当に問題にすべきなのは、自分に出来る事をしながら起こる問題を乗り越えていって目的が果たせるかってトコロじゃないの」

「…………」

「キミと仲良くしたい理由、少しは解ってきてくれたかな。ボクはこの村を立て直したいのさ。まともに、正常に戻したいんだよ。皆んなと協力してこの村の問題を解決したいだけ♥ だから、行人クンの協力も欲しいな~って思ってるんだ♥」

(くそっ……コイツ………………!!)

 悔しくもボクは目を伏せてしまい、止まっている容器の中で所在なさげに佇んでいる作りかけの綿アメを見つめながら、反論のための言葉を頭の中で探し回った。だが、上手い切り返しが見当たらない。どう言おうがこれ以上話すと明確な綻びが出て来てしまいそうだった。

(こんなに口が使える奴だったか…………?)

 ぱん太郎の言っていることは、上辺では非理はないように思えてしまう。だけれど、ボクの主張も間違ってはいない筈だし、こんなニヤつきながら口にしている言葉に真実の重みが含まれているだろうか。舌先三寸ではないか。コイツの言ってることこそ綺麗事のように聞こえてならない。

 でも──打ち込めない。これ以上足が進められない。踏み込めない。奴の理論武装を突き崩せる感じがしない。

「あれ、今度はそっちが黙っちゃったね。まあいいや、ひとまず置いといてぇ…………」

 言葉尻の口調が変わったので顔を上げると、ずっとぱん太郎に寄り添い続けたままボクたちの会話に耳を傾けていたすずとあやねをアイツは見下ろすところであった。ボクらの口論を聞いていたのかいないのか、終始黙っていた二人はニコニコとした機嫌良さそうな微笑みを崩さずに大男を見上げ返す。

 目を合わすすずとぱん太郎、あやねとぱん太郎。何だか二人の目は潤んでいるようにも見えて──

「……このコたち可愛いね。紹介してくれない?」

「ッッ!!!!」

 ぎょっとするあまりボクは化石になったように硬化してしまう。

 数瞬の後、やっと口を開くことが出来た。

「…………絶ッ対に駄目だ」自分でも初めて聞くほど低い声だった。怒りが頂点を越えて頭がひんやりと冷たくなるのを感じながら、真剣の切っ先のように鋭利に削られた氷柱のごとき視線で刺し殺さんばかりにぱん太郎を睨めつける。これが殺意というものだろうか。「さっきから何度も言ってるだろうが。お前の女遊びは度を越しているのは間違いない。これ以上無節操に手を広げるようなら…………」

「おーこわいこわい。なかなか歩み寄れないねえ」

「何とでも言え、いいか、この二人にまで手を出したら……絶対に許さないからな」

「それってキミが決めること?」

「なん……だと…………!?」

「ま、いっか♥」

 ぱん太郎はボクの怒気を受け流すようにあっさり引き下がると、すずとあやねを交互に見下ろした。

「さて、ボクも綿アメ貰おうかな♥」

「……はい……私が選んで差し上げますわ」

「ん……ずるいあやね、私が選ぼうと思ってたのに……」

「えぇ……この程度でずるいって……あんたねえ」

「ハハ、それじゃ2つ貰うよ」

「構わないかしら行人様?」

「いいよね行人?」

「え……? あ……う、うん…………」

 静かに怒り狂っているボクが滑稽なピエロに思えるほどの陽気さで陳列台の前に移動した三人は、食べ終えたのかちょうど戻って来た子供たちに後ろを囲まれて一緒にキャイキャイと騒ぎながら、やはりカラダとカラダが触れ合うぐらいの近さで楽しそうに喋り、ボクは半ば唖然とした面持ちでその光景を眺めた。年に一度の特別な祭りなのだから、すずとあやねが浮かれる程上機嫌なのはまだ理解できる。でも、いつもあれだけぱん太郎は要注意人物だから気を許さないでと口を酸っぱくして言っているのに、目の前で舌鋒を戦わせていたというのに、これは…………。

(こんなに……すずとあやねの態度も変わるほど……ぱん太郎の評価は上がってる……ってことなのか…………?)

 動物たちを除けば人口たった数十名の村という極々狭い世界の評判で、しかもそんな小さな社会の世論形成の核となっているのはアイツに籠絡された女性たちだろう。彼女たちはすずとあやねの知人友人であり、毎日のように直接話す相手ばかりだ。異口同音にアイツを肯定する言葉を何度も耳にしていれば、いくらボクが注意喚起しても警戒のハードルが下がってしまうのかも知れない。

 それに、育った環境があまりにも違う故のどうしようもない意識の差異。すずから見たからあげさんやしまとらさんはともかくとして、基本的に村の人間にとって各森のぬしというのは敬うべき存在というのが認識の根底にある。この島のしきたりの中に村人達もいる。東と北のぬしに対してもおっかない、怖いと言ったイメージはあるにしろ、それでもすずもあやねも以前から一定の敬意は持っていた様子だった。

 けれども、ぬしである前に一個の男──しかも異常性欲の持ち主、何十人もの女に見境なく手を付けて、異性を性慾の対象としか見ていない男の風上にも置けない奴……というのがどうして理解出来ないのだろう。女として男をそういう尺度で計れないのか……。

(計れる……わけないか…………)

 それもまたこの島故の特殊な環境だった。ボクが来るまでは男性絶無の状況が十年以上も続き、娘世代は異性に対する警戒や免疫など一切存在しなかった世界だったのだから。男が当たり前にいる本土の女性とはまるで考え方が違うのだ。

(じゃあ……どうすればいいんだ…………)

 会話をしながらぱん太郎の視線が遠慮なくすずとあやねの半裸同然の祭り衣装姿に注がれている。あんな腕や脚はおろか胸もお腹もお尻もほぼ全露出していると言っていい二人のからだを……!

 周りには子供たちがいるし、さらにその後ろには奥さんが控えている。アイツが変な気を起こしたくても起こせない状況だから、ボクはまだ何とか辛うじて怒りを爆発させずに既(すんで)の所で我慢していられるのだ。

 紹介してと言うぐらいなのだから先日楽しそうに喋っていた二人を覚えていなかったらしいが、こうして触れ合う機会が増えれば増えるほど、アイツがすずとあやねを認知する可能性は高まるだろう。これぐらい気兼ねなく談笑するほどなのだから、もう顔は覚えていたっておかしくはない……。

 煩慮(はんりょ)は募るばかりであった。どうすればあの股間で物を言わす男からすずとあやねの身を守れるのか──そう考えると気が滅入ってくる。

 結局のところ、この思考が辿り着くのは…………。

 その時。

(……!!??)

 ほんの一瞬の出来事だった。

 ぱん太郎の手があやねのお尻に伸びていて、丸出しの尻肉を撫で回すような仕草をしているのを目にした気がしたのだ。

 屋台の中からなので視界が狭められていて、三人の後ろを半円状に囲んでいるぱん太郎の子供たちの躰の動きも重なってすぐ隠れてしまった上に他の祭り客の往来も激しく、また数多くの提灯が作り出す明るさも濃い陰影を生んでいて──とにかく邪魔な要素が多すぎてはっきり見た確信は持てなかった。ボク自身も考え事に気を取られていた。奥さんに目を向けてみたが、子供たちの後ろに控えている彼女の位置からは死角になっているようだった。子供たちの身長はボクらより少し低い程度だったが横幅があり数も多く、すずとあやねは首から上しか出ていない。でも、ぱん太郎と楽しげに喋っているその表情にさっきからおかしな変化はなく、それどころか益々笑みが増しているような気すらしたが──。

(錯覚……だったのか……?)

 が──

「ッ!!」

 また子供たちが動いて隙間が生まれたかと思うと、今度はすずがやはり同じように尻を触られているようにぱん太郎の腕が重なって見えたのだ。それもやはり半秒すら経たずに子供やお祭り客の躰が重なり隠れてしまって確実な判別は出来なかったが。

 ボクはもう堪らず屋台を飛び出し、「すず! あやね!」と声をかけながら子供たちの間を半ば掻き分けるように割って入っていった。

「どうしたの行人?」

「行人様?」

 キョトンとして何事も無かったかのように振り向くすずとあやね。

 ぱん太郎の腕はぶらんとまっすぐ垂れ下がっていた──いや、元の位置に戻したのかどうかすら分からない。

「え……いや、今……何か……変なことされてなかった……?」

「変なこと……?」

「何かされた、すず?」

「ううん」

 二人は不思議そうに小首を傾げる。その様子におかしなところは見受けられなかった。たとえ男に触られる抵抗感がなくとも、ぱん太郎に悪戯された事実があったなら二人とも教えてくれる筈だ。

(見間違い…………?)

「それより、男同士の長話してる間に子供たちや奥さんが綿アメ全部食べちゃったみたいなの。もう一つ欲しいみたいだから、あげてもいいかしら?」

「え、あ、ああ、ザラメはまだ沢山あるから構わないけど……」

「「「「やったーーー!」」」」

 子供パンダたちは大喜びし、すずとあやねの手から二つ目の綿アメを貰って小躍りした。

 ボクはエヘンエヘンと誤魔化すように咳払いすると、

「あー、ほ、ほら、ボクも長話してたけど、すず達もけっこう長く話してたし……お客さんは他にも来るだろうから、そろそろ……」

「あ、うん……」「そうね……」

 顔を見合わせたすずとあやねは、次いでアイツを見上げた。

 そのぱん太郎はボクに視線を送りながら、

「まー行人クンの言うコトにも一理あるね、ぼちぼち退散するかな」

と肩を竦めると、二人に向いて明らかに口調を変え、

「ありがとね、すずちゃん、あやねちゃん♥」

 そう言うと、見上げ返しているために晒されている二人の喉元に何気ない調子で手を近づけ、あやね、次にすずのチョーカーや木鈴を指先で触れるようにつうーっと撫でたのだ。

(────ッッ!!)

「どっちも似合ってるよ♥」

「有難うございます♥」

「またいつでもどうぞ♥」

 二人の名前を知っていたという驚きも加わり、ボクは頭が白蝋化してしまった──衝撃を受けたように身を固くしたボクの気など知らず、すずとあやねは上機嫌でぱん太郎に弾んだ返事をする。

 だから、そんな天使のように可愛い笑顔をコイツに向けないでくれ……!

 すずとあやねがそれぞれ選んだ綿アメを両手に持って歩き出したぱん太郎は、人間姿のまま家族と一緒に美味しそうに食べながら和気藹々と立ち去ってゆき、特に二人を後顧することもなくその巨躯は雑踏の向こうに消えた。

「……二人とも、アイツと仲良く喋り過ぎだよ…………」

 脅威が遠ざかった安堵感に胸を撫で下ろしながらもボクは苦言を呈するようにそう告げたが、

「そうかしら? お客様として普通に対応したつもりだけど」

「行人、ちょっと気にしすぎじゃない?」

と、二人はアイツに触られた鈴を弄り弄り呑気そうに返して来たものであった。

「いやいやいや何度も言ってるけどさ、油断大敵だよ。アイツは──」

「もう、行人ったらそればっかり」困ったように微笑むすず。「せっかくのお祭りなんだから……もっと楽しもうよ」

「その通りよ。さっきから行人様はつまらなさそうな顔をしてるわ。こんなに」

と、あやねは周囲を見回した。道は人よりも遥かに多い動物でごったがえし、どの店の前にも多くの客が立ち並び、行列が途絶えていないところも何箇所もあった。そんな喧々たる往来の賑やかさに負けない祭り囃子が聴こえて来る大広場では、やはり沢山の動物や人が幾重もの輪を作って盆踊りを楽しんでおり、夜空には花火が時折り打ち上がってボクらの頭上を彩る。祭り会場は日中のような明るさと活気であったがとっくに夜半を迎えており、普段ならそろそろ布団を敷いてもおかしくない時刻に入っているだろうが、皆、見てるこちらも楽しくなって来るような晴れやかな笑顔や浮き浮きとした様子であり、海龍祭もたけなわと言ったところであった。

「大盛況で皆んなお祭りを楽しんでくれてるのに。今年は例年以上の大入りね」

「頑張って準備した甲斐があったね」

「う、うん……」

 ……確かに二人の言い分は正しかった。

 ボクはすずとあやねがぱん太郎の毒牙に掛からないかばかり気を揉んでいて、それしか頭にないことに今更ながら気付いた。今は年に一度の特別な祭事の真っ最中であることが頭から抜け落ちているのではないか。すず達はこの日を心待ちにしていたのだ。お祭り気分という言葉があるが、今こそその心境に浸る時であって、陰々滅々とネガティブなことばかり考えてまるで楽しもうとしていないボクは傍から見ればどう映っているか。どころか、すずとあやねの気分にも水を差そうとしてはいないか。

 始まりの時、ボクからすずに言った言葉じゃないか。うんと楽しもうと──。

(とは言っても……この気持ちは簡単には切り替えられそうにないけど…………)

 ──ともかく、ぱん太郎はもう行ってしまった。2つも食べれば十分な筈、綿アメ目的でまた戻って来ることはないだろう。家族と一緒なのだから下手なちょっかいを掛けてくることもない、二人の傍にもずっといられる。それらの事実を忘れないようにしなければ。釘も刺しといた。少なくとも今日一日は大丈夫、そう判断したじゃないか。

 そんなことを考えていると、あやねが突然、ボクの腕を搦め捕るようにしてからだをくっつけ、胸をギュウッと押し付けて来たのだ。

「わあっ!?」

「ぬし様にはそれなりの敬意を払わないといけないだけよ。そんなに心配しないで、行人様。言い付けはちゃんと覚えてるから♥」

 そう言って益々大胆に密着してくるあやね。もはや貧乳とは言えないサイズに育ちつつあるあやねの乳肉にボクの二の腕が柔らかく沈み込み、肌の滑らかさや汗のぬめり具合、心臓の鼓動、乳首の感触などまで伝わって来て…………!

 ププッと鼻血が小さく飛び散ってしまったところへ、さらに追い打ちをかけるようにすずが逆側の腕を捕らえた。

「行人の言う通り、ちゃんと注意するから。今はお祭りを楽しも? ね?」

 まったく同じように押し付けられたすずの乳房のボリュームはあやねの比ではなく、ボクの腕はその深くも柔らかく汗で濡れている谷間へしっかり挟み込まれてしまう。やはりあやねと同じく、すずの肌のぬくもりや乳房の突起などが感じられ、ボクは隙を生じぬ二段構えの勢いを増した鼻血をブブッと噴き出してしまった。直に接触してみて始めて分かったが、彼女たちが纏っている祭り衣装はボクが着ている去年の物よりも薄手であった──だから、布越しでもすずとあやねのからだの感触がほぼダイレクトに伝わって来て!

 二人の半開きになった唇は切ない吐息をつくようで、瞳は潤んでいるようにも見えて──!

「わわっ! わ、わ、分かった、分かったから!」

 再び何も考えられなくなるほど頭が真っ白になってしまったボクは、鼻を押さえながら物凄い勢いで飛び退って二人から離れ、あたふたと屋台の中に逃げ帰った。

「もうブツクサ言わないからさ、仕事しよ!? ほら、綿アメの作り置きもだいぶ少なくなっちゃったし!」

 すずとあやねは顔を見合わせると、

「……ええ♥」

「……うん♥」

と、美少女ぶりを遺憾なく発揮して目を細め微笑みながら頷いてくれた。

 その時、丁度良く新しい客がやって来て二人の応対が始まり、ボクはまた綿アメ作りに集中して入ることが出来た。

 それを皮切りに客は次々と増え、瞬く間に忙しさが戻って来た。ぱん太郎がいた時は何故か他に寄り付く客がいなかったのは、名目上はまだぬしであるアイツを皆が敬遠していたからかも知れない。すず達の態度といい、この藍蘭島ではぬしという存在が特別視されていることを改めて思い知らされ、やはり島独特の風習や考え方にどこか馴染めずにいる自分は住民の輪の中に入りきれていない異邦者なのか──と、意識せずにはいられなかった。

 だが、南国の島の初夏の暑い夜、邪魔者も居なくなり綿アメ作りと売り子を交代しながら汗を流して働いているうちにボクも祭りの実感に再び浸り出し、次第に楽しさとやる気を取り戻していった。

 考えてみれば、二人と一緒にこんなに長い時間いるのは久しぶり──月見亭への旅行はもう二、三ヶ月も前になる。あの時も楽しかったし、帰り道のすずとあやねはとても満足したみたいに上機嫌であった。

 その二人と顔を合わせるたびに笑みを交わし、と同時に否応なく目に入ってくる彼女たちの際どい格好に何度もドキリとさせられながらも、いつしかボクは疎外感もぱん太郎のことも考えなくなっていた。この特別な時間をこの二人と共に過ごせる嬉しさと喜び。その幸せを噛み締めるとさらに気分が高揚してゆき、これまで味わったことがない程の充実した気持ちに包まれたのだった。

 

 

 

 

 × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ×

 

 

 ────なお。

 先ほど少年が目撃した場面は見間違いなどではなく。

 陳列台の前で三人が談笑していた時、ぱん太郎は羽織の広い袖で腕の動きを隠しながらさり気なくすずとあやねのプリプリとして弾けんばかりに艷めいた美尻を撫で揉み、それどころかそのまま後ろから股下に手を入れて二人の会陰から割れ目までをなぞったり、褌越しに指の腹を割れ目に押し入れたりすらしていたのだ。子供達の囲みはぱん子からも死角を作っていたし、その子供たちも綿アメや会話に注意が行っていた。そもそも人間の性的悪戯など知らないので人化した父親の手の動きや三人の表情の微妙な変化など気付きもしていなかった。

 すずもあやねも尻を触られたりアソコを弄られると、「ん……♥」と微かな媚声を漏らし、うっすらと頬を染めて嬉しげに目を細め、物欲しそうな切ない表情をわずかに浮かべたが、行人に気付かれないよう大きくは崩さず、だが、より目をキラキラさせ声を弾ませて楽しそうにぱん太郎と会話を続けたのだ。

 その代わり、ぱん太郎の目線が胸に来ると屈み気味になったり、行人からは見えないよう背を向けながら半被の衿を摘み引っ張って胸に涼しい空気を入れる仕草をした。そうするとただでさえ面積の少ない半被の隙間から容易に中身が覗け、ぱん太郎はすずとあやねの乳首や乳輪、柔らかそうな乳房をはっきりと観賞できたのだ。行人には見ることが出来なかったすずとあやねの鮮やかな桜色の突端を、ぱん太郎の眼(まなこ)は明確に捉えた。もう十分に見慣れている筈だったが、祭りの夜に妻や恋敵の少年が間近にいる中で愛人となった女の衣服に隠された局所を覗いたり触ったりするのは、セックスしている時とはまた違う昂奮と楽しみを堪能できた。

 また、ぱん太郎の袖に隠れているのをいいことに、二人は話しを続けながら何気ない風を装って腿の付け根に両手を添わせながら不自然に見えない程度に腰を突き出し、細く薄い股布が通っているだけの陰阜や秘裂の肉を盛り上げてアソコを目立たせ、ぱん太郎に意味深な笑みを送ったり、腕を降ろしたまま手首から先だけを前後に動かし肉棒を擦るような手つきをしてみせ、察したぱん太郎と視線が交わされるとわずかに開いた唇から亀頭や陰茎を舐めるようにチロチロと蠢く舌を見せていたずらっぽく微笑み合ったりと、行人が飛び込んで来るまですずとあやねは合間合間にそんなセックスアピールをしていたのだ。

 こういった行為をぱん太郎は喜ぶ──二人はそこまで理解して実行するようになっていた。

 

 

 また、それだけではなかった。

 

 

 その直前にぱん太郎の左右にすずとあやねが侍るように立っていた時も、仕切り板によって死角となっていた二人の下半身にぱん太郎の手が伸びており、行人がすぐ真正面にいるというのに両者の前面から股布越しに指を前後に動かしながらすずとあやねの淫裂を弄ったり、女らしい肉付きになってきた太ももを撫でさすったり、柔らかな尻肉に手を回して揉みしだいたり、後ろの穴やその周囲をなぞるように触れて肛門調教を意識させたり、尻の下から手を入れて後ろから秘陰を弄ったりと色々と悪戯していたのだ。同時に口論もしていたのだから器用なものであった。

 板張りを手配したのは確かにすずだったが、その彼女に指示したのはぱん太郎である。この悪ふざけがしたかったためであった。

 準備期間中の何日目だったか、その時には組み上がっていた綿アメ屋の前を通りがかった時に彼はふと思い付いたのだ。そして、黙々と孤独に働いている行人の背中に憐れみの一瞥を残すと広場を後にして、前日可愛がっていた時にこの日の予定も聞いていた青リボンの少女に逢いに行った。十分も経たないうちに集落で準備の手伝いをしていたすずを発見すると、人が出払って空いている隣家に連れ込んで行為を始め、愛撫もそこそこに繋がり、あっという間に青リボンの少女を悦ばせ、乱れ悶えさせた。そうして前日までに放った精子がまだ十分残っている胎内に──すず自身も望んだ──中出しをしたのだ。行人など初めから存在していないかのように、すずとぱん太郎はお互いに熱烈に求め合って二人同時絶頂に至り、生殖交尾の快楽を存分に味わった。その後に板の件を伝えたのである。

 快諾した青リボンの少女にご褒美と称してさらに何発も膣奥種付けを味わわせ、二人で息を合わせて何度も登り詰め、一時間以上もすずと甘い時を過ごし、彼女を幸せの極地に誘(いざな)ったのは言うまでもない。

 ……。

 ──ぱん太郎が行人の真ん前ですずの陰部をまさぐっている最中、あやねの手の中に折り畳んだ紙切れを握らせ、白リボンの少女はそれを裾裏のポケットにそっと忍ばせるという一場面もあった。

 行人とぱん太郎が舌戦じみた言葉の応酬をしている間、すずとあやねは少年と対面しながら自分たちは発言を控え会話に耳を澄ませているように振る舞っていたが、その実、ほとんど聞いておらず、喋りながら蠢いていたぱん太郎の指の動きを心地好く堪能していたのだ──たまに少年と目が合った時も。

 本格的な愛撫ではなく悪戯程度の軽い動きだったが、気を取られ過ぎない加減具合としては十分であった。

 これまでのように昏睡していたり完全に遮る物があったりなどではなく、正常な意識を保っている行人が間近にいて目が合ってしまう状況。彼が少し身を乗り出せば死角はなくなり、ぱん太郎の手が下半身を弄っている様が見えてしまうだろう。

 ──であるのに、すずもあやねも内心緊張し心臓が高鳴ってはいたが、ぱん太郎との愛慾の日々ですっかり淫乱さを植え付けられ、祭りが始まる直前まで性交快楽にどっぷり浸かっていた心は、この状況に昂奮を覚えるまでになっていた。

 まだ数ヶ月と言えども関係が始まって以来絶えることなく濃密に続いてきたすずとあやねの女体開発、七日に渡る準備期間毎日続いた子作りセックスの快楽逢瀬、そして今日も午前中から参加し本祭が始まるまで続いていた淫猥極まりない艶宴でさんざん味わった逞しい極太肉棒と子宮に浴びせられる獰猛極まりない至近砲撃──子宮直付け射精の圧倒的な快感、その中で意識させられる気がおかしくなりそうなほどの受精想像の幸福感。

 つい半年ほど前までは男や性のことなどまったく知らない無垢な乙女だったとは信じられないほど、すずの心身もあやねの心身もこの上ないほど淫らに変容していた。それだけの性交快楽経験がぱん太郎によって与えられたのであり、この数ヶ月ずうっと与えられ続けたのであり、男の良さを──ぱん太郎という男の良さをからだの芯まで教え込まれ、女の悦びを骨の髄まで刻み込まれたのであり、それを東方院行人は一秒たりとも一ミリたりとも防ぐことはなかった。

 この数ヶ月の間、すずの腟内、あやねの腟内で注がれるぱん太郎の精液の一滴も。すずの子宮、あやねの子宮に入り込むぱん太郎の精子の一匹も。少年は遮(さえぎ)れはしなかった。

 

 何者にも邪魔されなかったすずとぱん太郎が一つに蕩けるまで愛し合った結果。

 すずの卵子とぱん太郎の精子も。

 何者にも邪魔されなかったあやねとぱん太郎が一つに蕩けるまで愛し合った結果。

 あやねの卵子とぱん太郎の精子も。

 

 着床に失敗しているだけで、どちらも健康極まりない万全の体調の下で毎月必ず受精まで至っているのを、少年はそもそも知る由もなかったのだから…………。

 

 

 以前は無意識下で本当に恋していた少年がすぐ目の前にいる状況だというのに、すずもあやねも自分から脚を開き腰の位置を動かしてぱん太郎が触り易いようにし、半被に辛うじて隠れた乳首や薄い細布に膨らみを形作るほど陰核を尖らせて、甘みを帯びてきた吐息を行人に気付かれないようゆるゆる呼吸しながら、濃密なセックスが繰り広げられた日中の乱宴の記憶が二人の脳裏一杯に広がっていた。

 行人の視線が遮られている死角でぱん太郎が優しくなぞったり疑似男根になった指がクックッと軽く押し入るように触れられる二つの割れ目。つい数時間前までその入り口を本物の逞しい極太肉棒が貫き最奥で熱い子種を注ぎまくられていたことを反芻しながら、最後は行人と再会するほんの十分ほど前に注がれた体液がアソコの中にまだ充満していて温かさを保っているのを感じながら、すずとあやねは極上の温泉で半身浴しているような心地になっていたのだ。

 また、彼女たちからも自然と手が伸び、ぱん太郎の股間を熱心にまさぐっていた。行人が目の前にいるというのにぱん太郎を慾する二人の意思が如実に伝わって来て、彼の内心を喜ばせたものだ。

 最後の砦までもがぱん太郎に奪われないかという不安を常に胸中に燻せている行人(もう既にその男の好き放題に膣内射精されまくる肉便器と化している二人だったが)だが、さすがにまさかこんな眼前で──愛らしい微笑を湛えながら対面しているすずとあやねがぱん太郎と下半身を弄り合っていたなどとは夢想だにも出来ていなかった。

 

 

 それにある意味、行人からすれば。

 ある日から突如として二人目の人間男性という存在をアピールするようになったぱん太郎を彼が強く意識するようになってから半年近く経つが、顔を合わせたくないのもあり、直に会うことはこれまでほぼなかった。だから、このように長々と対峙して言葉を交わし続けるなどこれが初めてであった。

 その大男に張り付くような近さで両隣に立ったすずとあやねに、驚き焦りはしたが、それだけで疑念など抱かなかった──いや、抱けなかった。少年は少年なりの推理で導き出した結論で彼女たちの潔白を信じていたのだから。

 

 ──だが、現実は、彼の知らないうちにどうしようもなく残酷に変わり果てていて。

 

 この時の少年は、この世で最も悪しく思うようになった男とただ面向かっていただけではなかったのだ。

 

 東方院行人の世界では、眼前の男は左右に侍るようにして立つ二人の少女とはまったくの無関係──少年からすれば悪夢のように様変わりした村と文字通りの悪夢の見過ぎで弱った心が起こりもしていない迷妄を招き寄せ、あやねとすずまでもがぱん太郎と肉体関係にあるという悪魔じみた悲観を抱かせるだけで、実際にはぱん太郎とすず、ぱん太郎とあやねの間には何の関係も生じてはいない。島民ならではのぬしという立場に対する敬意があるだけ。少年にとって、この二人の少女だけはぱん太郎に手を付けられておらず、まだ性愛など何も知らない純粋無垢で屈託のない昔のままの藍蘭乙女だった。

 手を出されないかが最大の心配事であり、その観点で一喜一憂しているのであり。

 

 

 だから、まさか。

 少年は知らない。

 今、目の前にいるこの二人までもが。

 本当の、本当に。

 

 

 

 ……少年が固く信じている二人の少女──すず、あやねも他の娘たちと変わらず、純朴な島娘のイメージとは程遠い爛れた生ハメ中出しセックスをこの隣の男と夢中でする仲にまでなっているとは。

 しかも、大男ご自慢の巨根が奥まで苦もなく出入りするほど二人のヴァギナは拡張開発されており、他の女たち同様に逞しい極太肉棒と精力的なセックス、そして生殖本能の歓喜を呼び起こされずにはいられない〝種付けの時間〟に蕩け狂いまくっており、すずも、あやねも、そうして完全にぱん太郎の女にされており、その果てに容赦なく子宮直付け中出し射精されまくっている────。

 

 抑制しきれなくなった無意識によって少年の頭の中に走ってしまう妄想そのままの光景で、すずはぱん太郎とのセックスを楽しみながら愛し合って精子と卵子の結合に至り、あやねもぱん太郎とのセックスを楽しみながら愛し合って精子と卵子の結合に至っている────。

 

 

 今、少年の目の前にいる男は。

 紛れもなく両隣にいる少女二人の子宮に己が子種を送り込んでいる男。

 そんな男と少年は対峙しているのだ。

 二人の少女は今や自らの意思でその男の精を胎(はら)に満たし、新しい命を宿そうとしている。

 

 ────という現実が広がっている……………………!

 

 

 二人の方も──すずとあやねもぱん太郎とのセックスを今やまったく嫌がっておらず、それどころか子宮に当たりまくるぱん太郎の勁悍な射精を心地好く感じるまでになっていて、彼女たちも子作りを意識しながらぱん太郎の子種を胎内に歓び迎え入れてアクメしまくり、つまり完全な合意が出来上がっていて、傍から見ても愛し合う男女のセックスを形作っている────

 

 ────そんな恐ろしい可能性は、少年としてはこの世で最も認められない、また有り得なさすぎる虚構として心の一番深い奥底のさらにその下の地中に分厚い鋼鉄の蓋で封印しているのであり。

 

 

 そのような即死級の猛毒食材を考慮の俎上に載せられよう筈もなかった。

 しかしながら、本当の世界は……少年が思い描くような世界では全くなく。

 妄想と断罪して意識下に閉じ込めている想像の方こそ、どうしようもなく正しかったのだ。

 

 

 そう。

 少年が認知出来ていないだけの、目の前にある確かな現実。

 

 この男は、まち、りん、ゆきの、ちかげ、梅梅、しのぶ、みちる──少年と特に仲の良かった娘たちを次々と奪っただけではなく。

 少年と言い合いながら悠然とニヤついている男は、彼にとってこの世で最も尊い存在となった二人の少女を──今、左右で大人しくしているすずとあやねのからだとオマンコまでも、さんざんに美味しく堪能している男だったのだ。

 今や少年にとって何より大切な存在となっている少女二人は、他の七人同様ぱん太郎とのセックスの快楽に溺れる女になり果てていて、少年の頼みや願いも虚しく、中身が変わってしまうほど濃密極まりない肉体関係にまでなっていたのだ。

 

 

 少年の憂心など知るものかとばかりに男はこの少女二人もたっぷりと可愛がっており、すずのオマンコもあやねのオマンコも隅々まで賞翫済であり、何ヶ月にも渡って何百回も膣内射精しており──そう、ぱん太郎はすずの子宮とあやねの子宮にももう何百回と精子を送り込んでおり。

 少年を嘲笑うかのように、いや実際嘲笑いながらどちらも完全に自分の女にしてしまっている男であった。

 二人の清いからだを──数ヶ月前までは清かったからだを好き放題に犯している男であった。

 

 妊娠させたいという気持ちを少しも抑えない腟内射精を、少年が想いを寄せている二人の少女のオマンコの奥で子宮直付けして好き放題に放ちまくっている男。

 

 そして、その獰猛な種付け射精を今やこの二人にもすっかり受け入れさせ、すずとぱん太郎、あやねとぱん太郎、どちらの組み合わせの時も射精中お互いに生殖本能を解き放ちながら何もかも忘れるほど一つに溶け合い、本人たちの許しの許にすずの子宮もあやねの子宮も彼の子種による孕み袋にしている男。

 

 少年が睨み上げているのは、そんな男だったのだ。

 

 ぱん太郎に種付けされている時の二人の満ち足りた惚け顔──雌の情慾と幸福に満ち、ぱん太郎の精子を受け入れているイキ顔を少年が見たら、底のないほど深い絶望の奈落に突き落とされるのは間違いないだろう。

 

 少年から見れば普段の様子も外見も以前と何ら変わっておらず、どころかより美しくなりつつすらあるこの二人の少女を、彼の前に立っている男は心身共に我が物にしていたのだ。行人が注視しないよう努めている、下手な水着よりも布の少ない半被からはみ出そうな豊かな乳房と控えめな乳房も揉まれ放題、性的昂奮で勃つようになった乳首は弄られ放題、どちらの可愛らしい唇も奪われていてディープキスも手慣れたものとなり、その舌は男の唾液や肌、そして肉棒と精液の味をすっかり覚え込んでいたのだ。死角に隠れている細い褌が通っているだけの秘裂も、今まさにぱん太郎の指が弄(もてあそ)んでいて…………。

 

 まだ全ては奪われていない──と、少年は男を見ながら思っていた。

 この二人だけは必ず守る──と、少年は少女たちを見ながら思っていた。

 

 ──が、遅すぎるという言葉で表す段階すらとうに過ぎているほど、憐れみしか浮かばないほど、もうとっくの昔に。

 少年にとっては僅かに残された最後の希望である二人の少女は、今、並んで立っている男と。

 

 すずも、あやねも、少年が憎んでいる男の存在が十分過ぎるほど──子宮の奥まで浸透していた。

 

 それだけではない。彼女たちにその自覚はなかったが、すずの子宮内でも、あやねの子宮内でも、もう幾度もぱん太郎の精子と結ばれた受精卵が生み出され、懐胎寸前まで経験していた。

 ここ数ヶ月、後は着床さえ成功していれば、すずの胎(はら)にも、あやねの胎(はら)にも、ぱん太郎の子が宿っていたかも知れないのである。

 

 彼女らは店内に独り居る少年の許ではなく、愛しさすら覚えるようになった大男の横を選び。

 少年がこれほど間近にいて顔を向けてくる時もあるというのに、死角になっているのをいいことに男と局部を弄り合うことを止めず、愛しまくってくれる男の子種で孕みたいという気持ちすら胸中で喜びに包み抱いていて。

 少年に対する関心はまったくと言っていいほど薄らいでいて、男のすぐ傍にいることに安心感や満足感を覚えながら、排卵期に入っている子宮に男の精子を無数に泳がせて少年と目を合わせていたのだ。

 

 三人がひとかたまりになったようにひっついた時に感じた少年の錯覚は錯覚ではなかった。

 糸どころではない──ぱん太郎、すず、あやねの三人は、とっくに太く色濃い愛慾の鎖で何重にも繋がれていたのだから。

 

 

 下半身を弄られ続けている間にすずとあやねの脳裏とオマンコにはぱん太郎の逞しい巨根に突き回される快感や深刺し種付け射精される悦楽が鮮明に蘇って来て、気持ち好いセックスを重ねる中で芽生え育まれてきた愛情が胸に満ち、布越しに軽く触られているだけだというのに褌の股布はじっとりと濡れ、気を緩めてしまえばあっという間に性交時の感覚に全身を支配され、腰から力が抜けて腟内に溜めたぱん太郎の孕まし汁を一気に溢れ出させてしまいそうであった。それでも、まだまだぱん太郎とセックスしたいという淫慾は抑えられず、どちらのからだにも甘い痺れが駆け巡り、二人は自身が受精期間に入っていることを把握しているにも関わらず、行人と何度も目が合う間──

 すずも、あやねも、一メートルもない距離で行人と見つめ合っていても、少年の目の奥など覗うことなく、少年の気持ちなど考えることもなく、ぱん太郎の心地好い指遣いで軽いアクメを覚えながら、どうしようもなく楽しくなり、心は浮かれ、またぱん太郎の極太肉棒をハメられたい、また膣奥で熱い種付け射精を味わいたいと密かに恋い焦がれていたのだ。

 行人が顔を伏せた時など、ぱん太郎の手の動きが早まって力も籠もり、その拍子に太い指が第一関節まで股布ごと秘貝の中にグチュリと入って陰核も強めに圧され、その瞬間はすずもあやねも思わずからだをビクリとさせ、二人の美少女の双眸は膣内射精されたように淫靡に蕩けた。紅唇を切なく開いて嬌声が喉奥から漏れそうなほど気持ち好いアクメに達した表情を露見させてしまい、危うくセックス時の心境に切り替わってしまうところであった。二人のオマンコの入り口はぱん太郎の指先にキュウウッと吸い付き、本物の男根を熱望して秘肉が物欲しそうに蠢いた。この時の二人の様子を見ていれば、さすがの行人も異常に気付けたかも知れない。しかし、項垂れた少年の目は容器に落ち、すぐ前にいる少女たちの様子に気を配っていなかった。彼が再び顔を上げた時には、二人の少女の表情は瞳が潤んでいる程度に収まっていたのだ。

 だが、すずとあやねは。

 これまでしつこいほど繰り返し意識させられてきた精子と卵子の結合。実際に注がれまくった子種が胎(はら)の中に満ちていてまだ温かい重みがある事実に本能的な雌の喜びを感じ、子宮内に入り込みまくっているであろうぱん太郎の精子が自分の卵子と結び付くことすら行人と目を合わせながら想像しており、願いすらしており、傍立ちながらも心の中ではぱん太郎という巨(おお)きくて安らげる支柱に完全に身を預けていて、己のアソコをぱん太郎の指が弄っている感触に、ぱん太郎が己を求めているという現実に、幸せで満ちたりた気分に浸っていた────。

 

 

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   3

 

 

 ぱん太郎一家が立ち去ってから数十分ほど経った頃だろうか。

 アイツを境目にした第二波の千客万来がようやく和らいで一息つけるぐらいに落ち着くと、

「ちょっとお花摘みに行ってくるわね」

と、ボクに言い残したあやねが、屋台の裏手に広がる闇夜の森へとそそくさと消えていった。

 それから数十分ぐらい経ったので、(あれ、まだ帰って来ない? ちょっと遅いな……)と、心配になり始めていると、

「暗いから森の中で迷っちゃったわ、ごめんなさい。かなり歩き回っちゃった」

 微笑みを浮かべた顔やからだを上気させ、肌にしっとりとした汗を浮かべつつも、そう謝りながらあやねが姿を現したので安堵に胸を撫で下ろすボク。

 すると今度は、

「もうっ遅いよ。私も行きたかったんだからね」

 すずがそう言いながら同じ所用で入れ替わるように、(そんなに我慢してたんだ……)と思ってしまうぐらいの早足で森の中に入っていったのだ。気を付けてと声をかける暇もなかった程に。

 ──そして、同じぐらいの時が過ぎて。

「ごめんね、私もちょっと迷っちゃった♥」

と、やはりからだじゅうを紅潮させ細やかな汗で肌を濡らした姿でにこにこしながら現れたのだ。

 オバケが大の苦手なすずは夜道や暗闇などを怖がっていた筈だけれど、いつの間に克服したんだろう、いや、自然現象の欲求には逆らえないか──などという考えが頭の片隅を過ぎったが、それどころではなかった。

 どちらもからだを火照らせて戻って来たあやねとすず。あやねの時も実はそうだったが、二人の可愛らしい顔や健康的な肌に浮かぶ汗による照り返しがまたもや艶めかしく映ってしまい、ボクも全身の血がカッと熱くなるような感覚を覚えずにはいられなかったのだ。

 こんな目で彼女たちを見たらぱん太郎と同類だ、そういう風に見ちゃいけないと思っている筈なのに、どうしようもなくいやらしさのようなものを感じてしまって……。

 ボクもそういうのに敏感な年頃だし、生のセックス現場を何度も目撃して性的なものに対して触発されてしまっている上、この下手な水着より肌を露出させている扇情的な祭り衣装がいけないんだ──と、ちかげさんを恨まずにはいられなくなったが、思い出してみれば彼女はぱん太郎が選んだと言っていた。

(くそ、巡り巡れば、やっぱりアイツが元凶じゃないか…………)

 初夏の夜はまだ本格的でなくとも十分に暑いのもあるし、来た道を探して森の中をよほど彷徨ったのか、帰った直後は二人とも汗まみれで疲れたように目がとろんとしていて、表情もからだも脱力したようにどこか上の空なのだが、でも表情や所作にはどこか活力があって。無事に戻って来られて安心したんだろう──と、ボクは判断を下した。

 何はともあれ不注意なのは確かだったので、すずとあやねを性的に意識してしまったことにゴホンゴホンと誤魔化すように咳をしながらも、二人への気遣いの心持ちを取り戻し、

「ふ、二人とも怪我してない? 大丈夫? いくら勝手知ったる地元だからって夜の森を舐めてかかっちゃ駄目だよ。明かりが届かなくなればもう真っ暗闇なんだから……次からは手提げ行灯持ってった方がいいよ」

と注意すると、すずとあやねの顔に嬉しそうな微笑みが広がり、

「行人様って……やっぱり優しいわね♥」

「心配してくれてありがとう、行人♥」

 感謝の言葉を述べながらボクの左右にぴっとり張り付くようにして、眩しいぐらいの笑顔で綿アメ作りを見守り始めたので、二人の美少女の柔らかいからだに挟まれて綿アメ以上かも知れない甘ったるい体臭を嗅いでしまったボクは、首から上を真っ赤にして大いに周章狼狽した。鼻の粘膜は即時決壊しなかったが、その代わり下に血が集まっていく熱い感覚があり、膨らまないよう精神力だけで抑え込むのに必死であった。

 すずもあやねもそんなからだをやけに寄せて胸や腰をぐいぐいと押し付けて来る。道に迷ってよほど焦って動き回ったのだろう、まだ完全に引いていない汗でしっとりと濡れた彼女たちの肌はやけに体温が高かったし、女というのを意識してしまうような体臭も色濃く嗅ぎ取ってしまう。髪の毛も佳い香りがした。けれども、余計に暑苦しくなっても、手を動かし辛くなっても、二人からの親密なスキンシップにボクはまったく悪い気はせず、絆が深まっている安堵感や幸福感すら覚えたのである。

(この二人だけはアイツなんかになびいたりしない……いや、なびかせない、だろ? 東方院行人…………)

 我ながらどこか得意げにそう思いながら。

 

 

 

 

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 ──などと、良い気分に浸る少年があまりにも滑稽なピエロになる話であったが。

 彼の傍から離れていた合間に、あやねも、すずも、森の中で用を足していたわけでも、ましてや迷っていたわけでもなかった。

 大きく崩れることはなくなったもののまだ形が歪だと納得せずにより高い完成度を求めて熱心に綿アメ作りに勤しむ行人に背を向け、ぱん太郎から渡された紙切れをこっそり開いたあやねが森の中へ来るようにと書かれてあった一文を確認したのは、理由を作って森へ入る直前のことであった。

 そうして密かに胸躍らせながら順番に大男の許へ赴いた二人は、つい数分前まで少年と仲良く語らっていたり気持ちが通じ合っているかのように見交わして微笑み合っていたとは思えないほど簡単に股を開き、ぱん太郎と一つになって互いに求め合った野外セックスに興じていたのだ。

 短い時間ながらも祭りの熱気に負けないほど情慾的に繋がり、声を気にしつつも昂奮にまみれてサカり合い、あやねも、すずも、ぱん太郎の極太肉棒で発情したオマンコを突かれまくる悦びに喘ぎ悶えて。

 そして、祭りも最高潮を迎える中、賑やかで明るい会場とは対照的な漆黒と静寂の中で。

 

 まずはあやねの生殖器の奥にぱん太郎の精子が。

 

 その数十分後に、すずの生殖器の奥にぱん太郎の精子が。

 

 二人の子宮の入り口まで届いたぱん太郎の長く太い孕まし棒はまったく引き抜かれないまま、すずもあやねも肉慾の快感に何度も幸福絶頂しながら膣壁が痙攣するようにうねって愛しい肉根に吸い付き絞り続け、歩けばすぐの所にいる行人に何ら遠慮することのない野放図な種付け射精が彼女たちの最奥でぶちまけられた。すずの子宮口も、あやねの子宮口も、まだ少女であり未経産どころかセックスを経験するようになってから半年ほどしか経っていないというのに、とてもそうとは思えないほど拡がってパクパクと開き、海峡に吸い込まれる水流のようにぱん太郎の精液が招き入れられていった。

 そうして、今日だけで十発目以上となるぱん太郎の子種がすずとあやねの子宮内に滾々と注ぎ込まれていったのだ────。

 

 

 ぱん太郎が考えた祭りを楽しむ計画の一環であった。指示通りにあやねが行くと、屋台からさほど遠ざからないうちに、会場の光明と陽気な祭り囃子がまだ僅かに届いている木陰で人間姿のぱん太郎が待っていたのだ。

 家族は大丈夫なのと訊きながら腕の中に飛び込んで来た白リボンの少女に、「家族サービスは済んだよ、それに親の目がない方が子供も祭りを楽しめるってもんさ」と告げたぱん太郎は、「それより新しい家族作りに精を出さないとね……こんなに良い祭りがある村をなくさないためにも♥」と、あやねの細いからだを抱き締め、「そうですわ、本当に……ぱん太郎様の言う通りだわ……♥」と同意して頷く彼女の半裸同然の祭り衣装の上から優しく撫で回す。

「祭りの真っ最中にさ、こんなにいやらしい格好したあやねちゃんに思い切り悪戯しまくりたいと思ってたんだ♥ 特にキミご自慢の可愛いお尻を♥」

 準備期間中にちかげの洋館で試着したすずを犯して楽しんでいるし、夕方に前夜祭が解散し他の皆が先に屋敷を出たため三人だけとなった時も本番直前の最後の種付けと洒落込んでこの衣装を着たすずとあやねを後背位で犯し、これから少年と合流する二人の蜜壺の奥で子宮直付け射精を堪能した。この後すぐ行人と顔を合わせるというのに、すずもあやねも歓喜に包まれながらしっかり尻を突き出してぱん太郎の子種注入を受け止めていたものだ。

 だが、祭りをしている最中に鑑賞するのはやはり格別な味わいが得られるなと、彼好みの布地が少ない祭り衣装に身を包んだあやねのからだを撫でながらぱん太郎はつくづく実感した。

 お囃子と祭りの喧騒の合間にドーンと空に響く花火の音は、枝葉の覆いのわずかな隙間を縫って来た閃光と共に真っ暗な森の中で抱き合う二人の所にも届いた。身長差がありすぎるため親に子供がしがみついているような構図であったが、それでもあやねの顔つきは行人を想う時に浮かべたこともある恋する乙女の表情であった──その瞳の奥には肉慾の燠火が煌めいていたが。

「あぁ……♥ 嬉しい……♥ どこでも……いくらでも……私のからだ、ぱん太郎様の好きに悪戯していいですわ…………♥」

 褌をしていてもすべて露わになっているあやねの白い尻肉がぱん太郎の大きな手でむにむに、もにもにといやらしく揉みしだかれる。行人には決して真似出来ない行為。白リボンの少女の均整の取れた細い体形に似つかわしい程よい大きさの丸みは、それでもぱん太郎の太い指が埋(うず)まるほど柔らかく、成熟した女への階段を確実に登っている肉量であった。まだ薄いと言えば否定はできないが、初めて触った数ヶ月前の処女喪失の時より肉付きが増しているのをぱん太郎の指先は把握している。わずかな差であっても、それが女体の魅力を引き上げているのだ。

「あっ……♥ あっ……♥」

「さっきはバレないようさり気なくしか触れなかったけど、行人クンと話してる間にキミとすずちゃんのお尻やオマンコに悪戯するのは……サイコーだったよ♥」

「口を動かしながら器用に指も動かすんですもの……気持ち好かったわ…………」うっとりと目を細めながら微笑むあやね。「すぐ目の前に行人様がいるのに……バレるかも知れないのに……軽くイッちゃった♥」

「指から伝わってくるキミたちのカラダの反応で分かってた、喜んでくれてるって♥ でも、想ってくれてる男子と顔を向け合いながら、他の男に悪戯されてイッちゃうなんて、イケナイ子だなあ♥」

「あぁん……そんなこと、言わないで…………♥」

「フフ、ぷれいの一環だよ♥ ホントにそうとは思っちゃいないさ♥」

「ええ……わかってるけどぉ…………♥」

「行人クンにはキミ達の想いに応えなかった罪があるけど、まあ、コーセーネンには違いないからね。キミ達がカレを悪く思えないのもわかるよ♥」

 大男はその場にしゃがみ込むと白リボンの少女の顎に指を掛けてくいと上げ、じいっとあやねの瞳の中を覗く。顔立ちの佳い女が多い村の中では特段には目立たないかも知れないが、あやねも文句など出ないほど愛らしい容貌であった。大人になれば今よりもっと美人になるだろう。それに対してぱん太郎はつぶらな瞳と愛嬌めいた丸い面貌をしているが、悪く言えばむくんだような顔であるし、決して美男とは言えなかった。容姿の良し悪しだけで比べれば行人にはとても太刀打ちできないだろう。それでもそんな彼から真剣な眼差しで見つめられると、あやねは双眸だけでなく美少女と言っていい顔全体がみるみると緩み潤む。

「でも、今はボクを見て…………♥」

「ぱん太郎様…………♥」

 大男がゆっくりと顔を近付けると、可愛らしい唇も迎え入れるように小さく開き、二人はしばらくの間唇を重ねて甘いキスの時間を楽しんだ。

「ん……♥ ん……♥」

 うっとりとしながらぱん太郎と何度も唇を触れ合わせるあやね。ぱん太郎の影響か、次第に慾望に駆られて貪るようなディープキスになっても夢心地の表情は変わらず、ますます昂奮の色が差し込むだけであった。

 ぱん太郎も美少女の唇や舌、唾液などいつまでも味わっていたくなる。本来ならば、あやねがこうして恍惚としながら口づけを交わす相手は行人だったことだろう──求愛を拒み権利をみすみす手放すなんて本当に馬鹿な男だ──その未来はもう永遠に訪れないのだ。

(あやねちゃんとすずちゃんの唇を堪能する権利も全てボクのもの♪)

「綿アメの味がするわ……♥」

「フフ……♥」

 可笑しそうに笑みを交わす二人。

「ぱん太郎様と祭りを回りたかった……♥」

「うん……本当はボクもそうしたかったけど、さすがに全員とは無理だからねえ……。キミ達もボクもやることはいっぱいあるし……だから前夜祭を開いたってのもあるよ」

「そうだったのね……さすがぱん太郎様だわ…………♥」

「でも、あやねちゃんとすずちゃんだけは、こうやってトクベツに会いたくてね♥」

「嬉しい…………♥!」

 ぱん太郎とあやねは再び唇を重ね、鼻と鼻を擦り、舌を絡ませ合い、時には目と目の光を溶かし合い、昂奮の吐息と涎にまみれた求め合うような口づけに耽溺する。唾液の吊り橋を掛けながらようやく口を離した頃には、ぱん太郎を見つめるあやねの双眸に宿る情慾はさらに深まっていた。

「あぁ……ぱん太郎様…………♥」

「あやねちゃん…………♥」

 そう互いの名を愛しげに呼び交わす姿は、誰から見ても恋仲の男と女であろう。

「……そう言えば、お母様が言ってたわ……。祭礼の夜は特別な夜、男女の歓びの場でもあるって。昔からこうやって宵闇に紛れて睦み事をしてたって。子孫繁栄、五穀豊穣を願う人々の古来からの切なる願いが秘められてるって……」

「『儀式』でもやしろちゃんがそんなコト言ってたね」

「あぁ…………♥ あの『儀式』も…………スゴかったわ………………♥」

 水となって滴りそうなほどの淫気を湛える目を細めて妖艶な微笑が出来るようになったあやねに、

「ね♥」と同意の頷きを返しながら彼女の首輪を人差し指で撫でるぱん太郎。

「じゃあ、ますます遠慮することなく楽しんで……しっかり子作りしないとね♥ 繁栄のために♥」

「えぇ……♥!」

 一連のキスだけで軽くイッたような表情のあやねと見つめ合いながら、ぱん太郎は彼女の祭り衣装の衿を肩から左右に降ろし、なだらかだが形の佳い両乳房を露わにする。膨らんだ乳輪の頂きにある綺麗な桜色の乳首は不釣り合いなほど小柱のように伸びていた。

「あやねちゃんの乳首、ピンピンに勃ってる♥」

「あぁ……恥ずかしいわ…………♥」

「フフ、羞恥心も順調に育ってるね♥ 恥ずかしがってくれた方がこっちも昂奮するよ♥」

 あやねの細い腰を両手で掴み上げるようにして胸を上向かせ、ぱん太郎は隆起した乳輪ごと乳首に吸い付くように舐め回す。うら若い乙女の発情したからだに浮き出る汗はたまらない味の甘露であった。

「アッ……♥ アッ♥ アッ……♥ ぱん太郎様の舌……ザラザラしてて……気持ち好い……♥!」

「さすがに腰から上は悪戯できなかったから、あやねちゃんの口や綺麗なおっぱいを遠慮なく楽めて嬉しいよ♥ 本当は行人クンが見てる前でもしたいものだけど♥」

「ぱん太郎様ったら、もう……♥ それをしたら、後の楽しみがなくなるんじゃなくて…………♥?」

「フフ、そうだね。あやねちゃんも言うようになってきたな♥」

 行人に寄り添っていた気持ちはどこへ行ったのやら、心の方も順調にこちら側に染まりつつある──そう思いながら言葉を返すと、また白リボンの少女の微乳を舐め回して楽しむ。お世辞ではなく、我の強さと対象的な控え目さがあるこのなだらかな膨らみを気に入っているぱん太郎であった。あやねの余分な肉の付いていない痩躯に似合っている。すずやりん、しのぶやみちるなどのような凹凸豊かなからだも当然佳いものだが、あやねのようなほっそりとしたからだつきの女を犯すのも征服感や加虐感が強く湧き上がって来て最高の気分になる。調子に乗って乱暴さが出ないよう注意しなければならないぐらいだ。昂奮すると伸び勃つ正直な乳首も可愛らしかった。

 その勃起した乳首を口の中に含み続けながらあやねのからだを降ろし、片方は尻を撫でながらももう片方の手で前からあやねの秘裂をなぞるように布上から指を前後させると、あやねはさらにビクビクとからだを悦びに奮わせた。

「アッ……♥! アアッ……♥! 行人様も最近……前より私を気に掛けてくれるのって……女として成長できてるからかしら……♥?」

「その通りだよ」

 口を離したぱん太郎はニンマリと笑った。女らしくなっているのは確かだが、それよりも……行人としては、もう、彼女とすずの二人しか居ないのだ。影響としてはそちらの方が大きいかも知れない──だが、そんな野暮なことは口にしない。

「経験を与えてくれる男がいてこそ、女も成長できるってもんさ。前にも言ったでしょ? ボクがキミを大人の女にしてあげるって」

「感謝してますわ……あぁン♥」

 白リボンの少女のアソコは指先が溶けそうなほど十分に熱く柔らかくほぐれていた。夕方まで淫宴でやりまくっていたのと先ほどの悪戯の効果もあるだろう。前戯はもう十分と判断して立ち上がると、あやねを反転させて待っている時に彼が寄りかかっていた樹の幹に手をつかせ、立ちバックの姿勢を取らせながらぱん太郎は喋り続けた。

「ボクが村に来て良かったでしょ?」

「ええ、本当に……♥」後ろに向けた首から上を嬉しそうに縦に振るあやね。「貴方のお陰で……大人の女になれたし……私だけじゃなく、村全体が生まれ変わったわ…………♥」

「良い方向にね♥ 行人クンはコージョとかリョージョクとか何とか言ってボクを悪者にしたいみたいだけど、男として負けたのが悔しいだけでしょ、あれ」小馬鹿にしたように片方の口角を上げながら含み笑うぱん太郎。「本来はカレの役目だったんだから。残念ながらまだコドモでドーテイの行人クンには荷が重すぎる仕事だったみたいだけど♥」

 そう言いながら木陰の横を抜けた向こうへ目をやる。そうしてぱん太郎が顎をしゃくるのであやねもその視線を追いかけると、重なる樹幹や枝葉を縁取りのようにして屋台で綿アメを客に渡している行人の後ろ姿が見えた。何も知らずに笑っている。遠いとは言えない距離。

「あっ……」

「こっちは暗くて、あっちはうるさい。見えも聞こえもしないさ」

「……そうね…………♥」

 安心したように目を細めて行人の背中を見つめるあやねに、ぱん太郎は益々口端を吊り上げる。内心でも愉悦が抑えられない。少年の姿を直に見て自然に発露したあやねの感情は、裏切っている後ろめたさや罪悪感ではなく、バレないという安堵感だったのだ。ぱん太郎側に立って物を考えている証拠だった。

「フフ、気になってる女の子が今から大嫌いな男とオマンコしちゃって……種付けられもしちゃうのに……ノンキなものだねえ♥」

 ぱん太郎があやねの背中をポンポンと軽く叩くと、微笑む少女は言わずとも心得たように両脚を開いて腰を掲げた。すっかり気心の知れた男女の動きであった。機嫌良く頷いたぱん太郎は、袴を脱いだ途端に突き出した極太肉厚長物のイチモツで可愛らしい曲線を描く尻をペチペチと叩く。

「あん……♥ 行人様は……鈍感すぎるわ…………♥ さっきもあんなに近くで向かい合ってたのに……私とすずがぱん太郎様に悪戯されてるの、全然気付かないんですもの…………♥」

「ハァ、ホント期待できないよねえ。女の一人も喜ばせられない、子供の一人も作れない筈だよ」

 呆れたような溜め息をつきながら大げさに首を振るぱん太郎だったが、すぐに真下の少女に目を落としながら傲慢げな笑みを浮かべて言った。

「ボクはカレとは違う。ぬしの役目を果たすのと同じく、キミたちから頼まれた仕事をしっかり果たすから。村の女は全員、ボクが責任持って孕ませてあげる。貴重な貴重な子供を授けてあげる。村に繁栄をもたらしてあげる。大人の男としてね。あやねちゃんにもまだまだ女の悦びを教えてあげるよ♥」

 ぱん太郎がそう喋っている間に自分の手で褌を解いていたあやねだったが、続いてアソコから抜き取った体液まみれの詰め綿を投げ捨てた途端にゴポゴポと白濁粘液が溢れ出て来た秘裂を拡げ、背後の大男に物欲しそうな表情を隠さず秋波を送った。

「行人様の小さなチンポとは全然違う……ぱん太郎様の立派なオチンポで…………♥ もっと、もっと……♥ 私を大人にしてくださいませ…………♥」

「ああ……セックスを楽しみながら、ボクとあやねちゃんの子供を作りながら、ね……♥」

「はい……ぱん太郎様ぁ…………♥」

「行人クンには黙ってボクとセックス……ナイショにしないとね♥」

「えぇ…………♥」

 あやね自身の指で拡げられた淫穴の入り口は薄暗さと溢れ返る白濁でまったく見えなかったが、位置や角度などとうに把握しているぱん太郎には視認する必要などなかった。

 慣れた手付きで己が分身の先端を白濁の淵の中へ潜らせ入り口を探り当ると、

「ほら、行人クンにも言わないと」

「あ……あぁ……ごめんなさい、行人様……」何も気付いていない少年の背中に顔を向け、目元口元を淫熱で緩めながら謝るあやね。「内緒にしてごめんなさい…………♥ 貴方の嫌ってるぱん太郎様に……私、今から……種付けされちゃうの…………♥ でも、子作りは大事な仕事だから……許して…………♥」

「そう、シゴトだよ、シゴト。立派なおシゴト♥」

 行人を出汁にして寝取っている演出をさせるのはこの上ない愉悦を覚えるが、一方で裏切る言い訳や抜け道を用意するのも大切なことであった。性の快楽に負けてぱん太郎とのセックスにのめり込むようになり、もう何十回と逢瀬を繰り返し、一度でも味わったら一生忘れられないのではないかと思うほどの濃厚かつ強靭極まりない種付け射精を数百回も経験して、他の女同様にすっかりぱん太郎に膣内射精されるのが快美感と直結してしまったすずとあやね──であっても、根は純朴で優しい二人が行人に対してごめんなさいと謝るということは、だいぶ希薄になってはいるだろうが、まだ心のどこかに罪悪感や悔恨といったものが残っているのかも知れない。こうした正当な理由を与えることによって心の負担を軽くさせれば、その分だけぱん太郎の存在もさらに浸透するだろう。二人の天秤はもう既にぱん太郎の方に傾ききっているのだから、あまり追い詰めないのは彼にとっても得策なのだ。それに、女も気兼ねなく男を迎えられれば、それだけ深い満足が得られるというもの──そうして迎える準備を整えた女を抱く男の方も。

(ま、ボクとのセックスが楽しくなればなるだけ、さらに行人クンから心が離れていくだろうけどね♥)

 わずかでも心残りがあるのならば、厳密にはまだ完全に我が物になっていないとも言えるが、むしろそんな状態こそが至高であり完璧なのだ。理解した上で男の趣向に付き合い、ぱん太郎と深い関係になっているのを伏せて表向きは今まで通り行人の傍に居続け、意図せずとも少年の気を惹き付けるすずとあやね。

 昔と変わらないように行人と仲睦まじくしながら、ひとたびその少年の前から姿を消せば……こうしてぱん太郎と愛慾の泥海に喜んで沈み落ち、性の悦びを知った女の姿となり、子作りを意識しながら熱烈な子種の受け渡しまでするようになったすずとあやね──。

 ぱん太郎はゆっくりと腰を進めてあやねの中へいきり立った極太肉棒を突き入れてゆく。

 通和散を用いない挿入だったが、胎内に残っていたまだ粘り気のある精液と愛液が混ざり合って潤滑剤の代わりとなり、節榑棍棒のような大魔羅がぶちゅぶちゅと音を鳴らして白濁汁を押し出しながら滑らかに入ってゆくと、そのあまりの気持ち好さに、「ンアアアアッッ♥♥!!!!」と、思わずあやねは全身を震わせながら大きな悦びの声を張り上げてしまった。あやねの細い腰は目を疑うほど簡単にぱん太郎の巨根を根本まで呑み込んでしまったのである。

 だが、祭りの喧騒は外部からの多少の物音など掻き消してしまう。そのため、二人はこれまでしてきた行人の近くに隠れての密通の時と違い、気兼ねなく交淫に耽ることが出来た。

 多少音を出しても大丈夫だと気付くと、オマンコの内側から全身食べられてしまいそうなぱん太郎の精気漲る抽送が生み出す堪らない快感にあやねは我慢が効かず、あっという間に夢中になり甘い喘ぎ声が出るのを抑えられなくなってしまい、気分が盛り上がるままに、

「アハッ♥ アッ♥ アアッ♥ イイッ♥ イイのッ♥! ぱん太郎様ぁ♥! もっと♥ もっとぉ♥ もっと激しく突いてぇ♥! 奥まで掻き回してぇ♥!」

 真っ赤に腫らした顔でツインテールを振り乱しながら淫らにそう乞い願うと、ぱん太郎はその希望通りに、

 

 パンパンパンパンパンパンパンパン!!

 

 打ち付ける音が周囲に鳴り響くほど──無論、より賑やかな音の只中にある祭り場まで届こうはずもない──腰の動きを早め、白リボンの少女をさらに悦ばせた。

 あやねのオマンコの歓待ぶりもぱん太郎を悦ばせるに十分であった。これは大抵の女に言えることなのだが、ぱん太郎と比べて遥かに小柄なからだで重い巨体をぶつけられるのに、発情した雌孔をエラ張った亀頭、傘裏にびっしり生えたツブツブ、逞しく反り返った極太肉棒でオマンコの隅々まで抉られる快感が遥かに上回り、その激しさが気にならなくなるというのだ。

 日中に膣内で出されまくった子種汁を多量に溜め込んでぬめりにぬめっていたあやねの肉壺は、ひとたび挿入されると太いカリ首によってあっという間に大半が掻き出された。が、それでも残る分が愛液の潤滑さを手伝うように摩擦を和らげてしまう。しかし、そんなことは関係ないとばかりにあやねの熱く柔らかい肉襞は熱烈に蠢き、ぱん太郎の大剛根を懸命かつ美味しそうに締め付ける。

 男を知るようになってからまだ二、三ヶ月と言うべきか、それともたったそれだけの時間でここまでオマンコが柔らかくほぐれて愛液が溢れ返るようになり、中逝きするまでになったと言うべきか──どちらにしろ、快感にまみれた濃密なセックスの積み重ねでぱん太郎の極太肉棒の巨(おお)きさと形をすっかり覚え込んだあやねの膣は、根本まで突き込まれてもまったく痛みなど感じなくなり、ただひたすらに両者に快美の悦びを与えるだけであった。

 それにぱん太郎にとっては、あやね程の美少女を行人から寝取り、膣内射精し放題に抱ける昂奮の前では、多少の締まりの良し悪しなど些細な問題だった。

「アァッ♥ アァッ♥ アァッ♥ アァッ♥」

 涎が垂れても気にしないあやねの惚け顔。

「ほら見てあやねちゃん、行人クンが横顔向けてる♥」

 二人がサカっている木陰からは祭りの様子が──出来上がった綿アメを隣の青リボンの少女に渡しながら朗らかに話しかけている少年の何も知らない笑顔が見える。笑い返しているすずの姿も。遠目でもぱん太郎にはそのからだつきの女らしさがよく判った。実年齢より遥かに育っているように見える理想的な体型──だが、舐め回すように注視すればまだ少女らしい稚(おさな)さが残っているからだ。

(フフ……行人クン、残念だねえ……そのコもすぐに……こうなるから♥)

 大男は青リボンの少女の美味しそうなからだを眺めながら舌なめずりした。同時にすずのオマンコの名器ぶりも頭に浮かび、あの極上マンコにもこの後すぐぶち込めると思うと、あやねの蜜壺の壁を押し広げている肉塊がさらに膨張する。気付いていない白リボンの少女はより一層惑乱し、ぱん太郎の雄大な剛根による抽送をただただ感じまくることになった。

「アアッ、もっとおっきくなってぇ♥! 行人様、ごめんなさい♥ でも、でも、気持ち好くて仕方ないのぉ♥ ぱん太郎様のオチンポ♥ ぱん太郎様の最高のオチンポで子作りセックスするの──気持ち好くて止められないのぉッ♥!」

「謝る必要なんてないさ、キミを袖にしてきたカレが悪いんだから♥」

「アアッ♥ アアッ♥ そ、そうねッ♥ その通りだわ……♥!」

「祭りの最中だからか、ボクもすっごく昂奮してて♥ あやねちゃんのオマンコもめっちゃ気持ち好いし、もう出ちゃいそうだよ♥」

「アァ♥ アァ♥ いいわ、きて♥ きて♥ いつでもきてぇ♥!」

「今度こそ食べちゃいたい。あやねちゃんの卵子をボクの精子で食べ尽くしたい♥」

「アアァ……♥ ぱん太郎様のとびきり濃い御種で……♥ 私の卵……食べに来てぇ…………♥!」

「行人クンはもういいよね?」

「え……? えぇ、行人様なんかもう考えられないわ♥ アァ……♥ 私のお腹の中にデキるのは、ぱん太郎様の赤ちゃん…………♥!」

 あやねのオマンコの入り口がギュウギュウと搾るように強く締め付けて来て、逆に空間が生まれるように奥が広くなる。ちかげが外界の本から得た知識によれば、アクメ寸前に起こる精液を溜めるための現象──女が本気で感じている証拠の一つなのだそうだ。自分とセックスする女はもれなく全員こうなるので、ぱん太郎は女人なら必ず起こる特徴だと思っていたが。

 

 かつて違う男に一途だった娘をここまで堕とし、自分の精子が欲しい、赤ちゃんが欲しいとはっきり口にさせ、互いに肉慾にまみれて求め合って、精子を迎え入れる準備を整えたからだの中で子作り射精を迎える──なんと無上に心地好い瞬間か!

 

 いつものように我慢して長引かせることはせず、白リボンの少女の子宮口に鈴口でディープキスしながら早々に射精欲を解き放った。

「の♥! の♥! でる、でるっ♥! 行人クンごめんねえ♥! あやねちゃんもボクの子供孕んじゃうから♥!」

「アアッ♥ 行人様、ごめんなさい、私もイグッ……イッちゃうっ──♥!!」

 

 ビュグビュグビュグビュグビュグビュグッッッッ!!!!!!!!!

 ビュルウーーー!!!! ビュルウーーー!!!! ビュルルルルーーー!!!!

 ビュルビュルビュルビュルーーーーー!!!!

 

 日中の量と回数も尋常か否かなどという尺度を遥かに超えていたが、あれほど出したのにも関わらず微塵も衰弱を感じさせない凄まじい放精が始まったのであった。

 膣全体を押し広げて支配する灼熱の極太肉棒が力勁く脈動し、真っ赤に腫れ上がった亀頭があやねの子宮の真前で激憤したかのように何度も何度も濃厚な種汁を大量発射する。すぐに結合部から河川氾濫のように溢れ出て来た夥しい量の白濁がボトボトと真下に落ちてゆく。

「アアッ♥! アアア"ア"ッ♥! イグッ♥! イ"グゥゥッ♥♥!!」

 普段の澄ました面影が消え去るほどの声と言葉で惚け感じまくるあやね。その声音は歓喜と幸せに満ち、その表情は淫悦と堕落に満ちていた。この白リボンの少女も二十から引いていった方が早い年齢になるまで異性という存在すら知らなかったのに、女たちの中ではぱん太郎と関係するのが最も遅かったというのに、すずと同じく、他の娘たちと同じく、完全にメスに堕ちた顔になっていた。あやねはこの瞬間を味わいたいがために、祭りの本番真っ只中にも関わらず行人を差し置いてぱん太郎の許へ来たのだ。日中も十分過ぎるほど堪能したというのに──その余熱が引いてなかったからこそ、居ても立っても居られなかったのかも知れないが。

 肉壺全体が痙攣するかのように細かく収縮し、彼女も強いアクメを迎えて気持ち好く逝っていることを如実に報せる。先ほどの行人や周りの目を盗みながらの性的悪戯は予想以上の昂奮を覚えさせたようであった。淫らの限りを尽くした昼間の性宴と祭りの高揚の影響が多分にあるのも確かだろう。

 いずれにしろ、あやねも半年前の彼女とは同一人物と思えないほどの変貌ぶりで、ぱん太郎を厭っていた態度はどこへやら、乙女の恋する想いは完全に行人から剥離してぱん太郎に移(うつ)ろい、心もからだもぱん太郎とより深く繋がろうとしているのは間違いなかった。

 密着した二人の下半身はいつまで経っても離れず、噴射の度に少女の細い腰を大男の厚い腰が押し突き、祭り衣装を着崩したあやねの秘陰の最奥で何度も何度も濃密極まりない子種が子宮に浴びせかけられまくる。行人の姿を視界に捉えているというのに、何ら遠慮することのないあやねとぱん太郎の幸せに満ちた生殖結合。

「アアアアァァァァ………………♥♥」

 挿入から射精までだいぶ早かったというのに、満たされまくった忘我の表情で絶頂の世界に浸りまくるあやね。数分間に渡って続く子作りを強く意識させられる種付け時間の中、あやねはぱん太郎から与えられる異常なまでの生殖昂奮に、異常なまでの多幸感に包まれながら、快感にまみれた子作りセックスという深い海に溺れるがままに流されていた────。

 

 白リボンの少女の乳首はビンビンに伸び膨らんでからだを押される度に何遍も樹幹を擦り、その双眸は焦点を喪っていた。ぱん太郎とあやねはただひたすらに性の本能にまみれながら子種の受け渡しに没頭するオスとメスになっていたのである。

 

 あやねは、紛れもなく〝女〟になっていた────

 

「アアアァ…………♥!! アアアアア…………♥♥!!」

「あやねちゃん……♥! あやねちゃん……♥!」

「ぱん太郎様……ぱん太郎様ぁ…………♥♥!!」

 二人の足元に白濁の海を生み出し、ようやく射精が収まった時には、ぱん太郎の内には早くも次の慾望が首をもたげており、肉棒もまったく獰猛さを失っておらず、

「ハァ、ハァ……♥ あやねちゃんにタップリ種付け出来たけど……あやねちゃんのナカが気持ち好すぎて……まだ収まらないよ……もっと動いてもいい……?」

と、全身汗まみれになって荒い呼吸をしながら陶然としている白リボンの少女の耳元で囁くと、白リボンの少女は嬉しそうにすぐさまコクンと頷き返した。

 ゆっくりとぱん太郎が腰を前後に揺らし出し、「ん……♥ ん……♥」と始めは緩やかな声を漏らしていたあやねだったが、再びパンパンと大きな音を立てながら肉慾を解き放ったような激しい交わりに戻るのに長くはかからなかった。

「のお、気持ち好いよ、あやねちゃん♥! 行人クンには悪いけど、キミのオマンコも、子宮も、ボクの精液で満杯にしたくて堪らなくなるよ……♥!」

「してえ……♥! 私のオマンコも、子宮も……♥ ぱん太郎様の精液でイッパイにしてえ……♥! 行人様なんて、忘れさせてぇ…………♥!」

 行人は聞いたこともない、聞けばそれだけで童貞の少年は昂奮を衝き乱されて射精すらしてしまうかも知れない、性の快楽を覚えてまだ半年にも満たないとはとても信じられないほどの、普段とはまるで別人のようなあやねの甘ったるい艶声。

 この調子で計三発、最後は駅弁になってキスしながら種付ける意識を存分に籠めた己が子種をあやねの膣奥でどぷどぷ放ったぱん太郎は、少女の両脚が彼の太い胴体を懸命に挟み込んでおり、種付け射精されている最中のあやねの愛慾の坩堝と化した眼窩の奥にぱん太郎の子を受精しても構わないという気持ちの光が定着しているのを確認し、孕ませたい、孕みたいと目と目で交わし合いながら、「ぱん太郎様……好き……好き……♥ 孕ませてぇ…………♥」と、耳が溶け落ちそうな小声で実際に口にする白リボンの少女のおねだりを聞きながら、ボクも大好きだよ、元気な子を産んでねと抜かりなく囁き返し、ここまでの関係になっているのを気取ってもいない少年が一方的に想いを強めている少女と一つに融け合いながら、その最奥でこれでもかというぐらいの量の孕まし汁を双方の望みの上で注ぎ込むという、最高に気持ち好い夢のような時間を心ゆくまで楽しんだのだった────。

 

 

 

 すずの時も同様であった。

 固さも熱気もまるで失っていない大肉茎の筋から少しも萎(しな)びていない陰嚢の裏まで愛おしそうに丁寧に舐め清めたあやねが、いつものように自分の股間もしっかり掃除して新しい綿を入れ手際良く支度し直すと、

「また後で……♥」

「うん♥ オマンコの中にボクの精子溜めながら、受精してって願いながら……行人クンの傍にいてね♥」

「ええ……最近は必ずそうしてるわ…………♥」

 もう一戦始めるのかと思うほどの淫靡さでぱん太郎とねっとりとしたキスをしつつそう言い交わし、白リボンの少女が惜しむように彼の許を去ってから──数分も経たずに現れた青リボンの少女。

 袴を穿き直すのは面倒だなと考え逆に上も脱いで全裸で待っていたぱん太郎に瞠目したすずだったが、すぐにその口元が緩んで嬉しそうに微笑み、「……来たよ♥」と可愛い声で媚びるように呟いて、あやねと同じく大男の太腹に飛び込んだのだった。

 あやねといいすずといい、都合の良い肉便器女をヤリたい時に呼び付けているような感覚を憶えるぱん太郎──実際その通りだろう、と可笑しくも愉快に思う。

 孕ませたいという気持ちも嘘ではないし、取り込むために女が喜ぶようなセックスもするが、すっかりこちらを嫌い抜いている生意気な小僧にまだ味方だと信じ込まれているこの二人の少女を──すずとあやねのオマンコを、毎日吐き出さずにはいられないほど無尽蔵に生産される精液を自己本位で処理するための穴として扱っている時があるのもまた事実であった。だが、二人の方も今や顔を合わせたばかりの時ですら嬉々としてそれに従うのだ。オマンコを奥まで穿(ほじ)くり返す巨根が好き放題に暴れた末にぱん太郎の射精欲、種付け欲のままに腟内放精されるのを彼女たち自身が悦ぶのだから、この島で東方院行人ほど憐れで滑稽な存在もいないだろう。ぱん太郎はすずの頭を撫でながら相好が崩れるのを抑えられなかった。股間から愉悦の稲光が全身に走るのを収められる筈もない。

「行人クン放ってすぐ来ちゃった?」

「うん♥ 行人には悪いけど……ぱん太郎様にオマンコしてもらう方が大事だもん♥」

 すずは頬を染めながらも媚びた表情を少しも変えずにはっきりとそう言い、ふと下を向く。愉悦で漲りまくって今にも破裂しそうな大怒張が彼女の腹部に当たったのだ。

「あはっ♥ いつ見てもすごい元気……♥」

 思わず喜声を漏らした青リボンの少女は膝を折ってぱん太郎の股間に顔の高さを合わせると、ずっしりとした巨嚢を撫でさすりながら顔の半分を覆う幅がある極太肉棒を愛おしそうに擦り上げ、昂奮と慾情を隠さない淫蕩な表情で舌を這わせる。そして、

「ぱん太郎様のおっきくて、熱くて、臭くて……でも、イイニオイの素敵なおちんちん……大好きだよ……♥」

と、媚びるように呟いて顎が外れんばかりに口を開き、エラ張った大亀頭を物怖じもせず頬張ったのだ。

「ん……♥ ん……♥ ん……♥ ん……♥」

 多少苦しそうにしながらも、ぱん太郎の顔を見上げながらジュプ、ジュポとたっぷりと唾液を含んだいやらしい水音を立てて美味しそうにフェラチオするすず。先ほどまであやねが舐めしゃぶっていたばかりであり、美少女二人が親しい少年を放って書き付け通りに交互にやって来て立て続けに熱心な口唇奉仕をするという嬉しい状況にぱん太郎の気分は上々であった。

「のおっ……♥! すずちゃんののどちんこが……♥!」

 気持ち好さそうな息を吐いて胴を奮わせるぱん太郎。すずはえづきもせずに喉まで巨根を呑み込み──それでも根元付近がまだ握れるほどの長さだったが──、頬をすぼめ口内全体を使って肉棒の広範囲に複雑で心地好い刺激を与える。舌触りや喉奥の壁、咽頭に垂れる袋に擦れる感触などがまた溜まらなかった。他の娘たちはおろか母親連でもぱん太郎の巨根をここまで深く咥えながら喉奥まで使える女はそうはいない。まさに大人顔負けの濃厚フェラチオ。

 もともと器量抜群なこの少女がまったくの手付かずの状態からここまで性技を上達させるのに、普通なら短すぎると思われる半年という期間は十分なようであった。すずとぱん太郎の交淫がそれほどまでに繰り返されたというのもあるが……ひとたび会えば何時間も、あるいは日を跨いでセックスに没頭した事も数え切れず、男という存在すら知らなかった処女に男女の性行為の気持ち好さと楽しさ、そして、男の良さをぱん太郎はすずに──この青リボンの少女の心とオマンコにとことん教え込んで来たのだ。

「すごく気持ち好いよ……♥!」

 ぱん太郎が本音をそう吐露するとすずは嬉しそうに目を細め、さらに熱意を籠めてジュポジュポと水音を立てながら奉仕を続ける。行為中に正直に気持ちを伝えるのは大事なことであった。

 女が彼の極太肉棒を舐めしゃぶる様を眺めるのもぱん太郎の大好物の一つだ。支配しているという感覚が著しく刺激される。特にすずがこうして下品なまでに顔面を崩しながら夢中でフェラチオするのを見下ろすのは他の娘たちより遥かに深い愉悦と満足感を覚えるし、すずの子宮に直当てして精子を注いでいる時に劣らないぐらいの昂奮がある。

 さしものぱん太郎もあっという間にこみ上げて来る射精衝動に、

(これはヤバイな……♥)

 気が変わってしまいそうな危険な兆候を察する。

 このまま、すずの口の中で思い切りぶちまけたい。下の口だけでなく、この娘を征服した証を上からもからだの内側に流し込み、食道を穢し、すずの胃の中を己の白濁汁で一杯にしてやりたい。

 だが、衝き上げるその慾求を何とか抑え込む。もし精液が飛び散って──いやほぼ確実にそうなるだろうが──、それがすずの衣類や長い髪の毛などにかかったら、さすがに短い逢瀬の間では後始末が大変になる。彼の凄まじい勢い、量、長さの射精を最後まで咥えたまま耐えられる女などおらず、さしものすずでも噎せ返って酷い有り様になってしまうだろう。祭りのそれにも劣らぬ寝取っている楽しみを明日以降も味わうためには、外見上は何も変わらず行人の許へ戻っていつも通り仲良くして貰わねばならない。

 それに、精飲に関しては過去にこういう出来事があった。

 

 

 すずと時を忘れるほどの肉慾に溺れて過ごした回数は、屋敷の〝愛の巣〟の中に限っただけでももう十指を超えてしまったが、その中でも、ちかげが毎月組むようになった順番にすずも若干ためらいを見せながらも従うようになり、わざわざ念押しせずとも自発的に来るようになってからまだ二、三度目ぐらいの頃だったろうか。

 その日も行人に勘繰られることもなく午前も早い時間から屋敷を訪れた青リボンの少女は、前日の伽番だったまちが〝愛の巣〟のシーツの海の中で白濁の潮溜まりに下半身を浸しながらうつ伏せに伸びているのを目の当たりにし、逝きまくった顔で幸せそうに気絶していた退魔巫女を介抱してから召番のゆきのとみちると共にベッドメイキングしていると、終わり間際に突然、後ろからぱん太郎に抱きつかれてからだをまさぐられ始めたのだ。気を利かせたゆきのとみちるが羨望の眼差しを向けながらも汚れたシーツの山を抱えてすぐさま退出し、そこからぱん太郎とすずだけの時間が始まった。

 すずは大男から与えられる性の悦楽にまったく抗えず、少年の介入などある筈もなく真新しいシーツの海でいつものようにぱん太郎と二人きり、全裸同士になって昼近くまでじっくりとからだの至るところの性感を開発調教されたり、性技を覚え込まされたりしたのだ。

 濃密な前戯ですっかりからだが開き、濡れまくったオマンコにようやく極太肉棒を挿入されれば、すずは歓喜の声を上げてぱん太郎と一つになった。その頃にはもう、すずのからだは──オマンコはビショビショに濡れてぱん太郎を切望していた。挿入後も時間をかけて肉穴の中を押し拡げるように丹念に突き回され、一発目を中出しされるまでにすずは感じまくって何度も気持ち好く絶頂に達し、ひとたび始まったぱん太郎の精悍な種付け射精を味わっている最中も生殖本能の昂奮が湧き上がるままに心地好いアクメを迎えた。夢中になっていた彼女自身は気付いていないようだったが、〝種付け時間〟中の二人の体勢はまさに精子の受け渡しをしているオスとメスであり、その瞬間だけ抜き取ればまだ性的に成熟していない筈の十代半ばという年齢を忘れさせるほどであった──。

 二回戦目の途中からは促されるままにすずは上に跨り、快楽の熱に浮かされた顔でぱん太郎と見つめ合いながら正体を喪ったように自分から腰を動かし、二度目の膣内射精が始まると何度も小さくない絶頂に達しながら喜声を上げ続け、ぱん太郎と視線を絡み合わせ続け、何度も唾液まみれの舌を絡ませたキスをし、結局は最後の一噴きまで尻を上げて肉棒を抜こうとはしなかった。どころか、「ボクの種付け射精、もっと感じて……♥」とぱん太郎に囁かれると、「うにゃあぁあぁ…………♥」と嬉悦を発しながら腰が密着するほどぐりぐりと押し付けて体内で射精中の極太肉棒を根元まで咥え込んだものだ。自ら種付けされるためにぱん太郎の生殖器を子宮近くまで招いたのだ。この時のすずは、はっきりと選び取る意思を持ちながら覚悟を決めてぱん太郎の精子を迎え入れていたわけではない。ぱん太郎との気持ち好いセックスに呑み込まれて、ただただ剥き出しにされてしまった本能と快楽の慾求がそうさせただけなのだ。そうして全身を奮わせながら、すずはさらに深いアクメに導かれ達したのだった…………。

 無論、それだけでは済まず、食事や休息もそこそこに、太陽が中天をだいぶ過ぎてもすずの中にぱん太郎は存在した。後で行人に夢見の術をかけるためにと隣の部屋から二人のセックスを眼(まなこ)に収めさせていたまちが我慢できなくなって乱入してきたので3Pしたり、同じく我慢できずにおねだりして来たゆきのとみちるを交えて一時5Pになったり。昼食前に入った風呂場では四人の少女のからだを垢すり代わりにして洗身奉仕させた後、温泉の縁に尻を並べさせてすず・まち・ゆきの・みちるのオマンコの味わい比べをし、彼女たちに行人への謝罪の言葉を言わせながら一度の射精で全員の穴を出入りして四人同時種付けしたり。他の三人には先に上がらせて再びすずと二人きりになるとゆったり湯に浸かりながらのあまり動かない対面座位で談笑優先の青空温泉セックスに興じ。だが、すずの方はまだ発情が収まっていなかったようで、先ほど行人へ謝っていた意識はどこへやら、やがて湯の中で盛んに腰を動かし出し、豊満な胸をぱん太郎に押し付けながら理性を喪った表情で何度もキスをねだり、絶頂へ至る時には、「うにゃあぁん♥! イク♥ イクイク、イクゥッッ♥♥!!」と、ぱん太郎にしがみつきながら蕩けた声を上げまくり、合わせてぱん太郎も射精を始めると、嬉しそうに腰を密着させて膣奥種付けを感じまくっていた…………。

 裸のまま部屋に戻る途中の廊下ではすずに壁へ手を突かせて立ちバックでサカり、ぱん太郎は己の慾望の赴くままに腰を振って一方的に精を吐くというすずの肉穴を自慰玩具同然に扱う行為をしたが、すずの表情はただたた快感にまみれているだけで不平の欠片もなかった。二人の股から垂れ落ちる体液で廊下に白濁の川を作りながら〝愛の巣〟に戻った途端にまたおっ始め、そのようにして暮れ方までたっぷりと何時間も……絹の帳に包まれたベッドの中ですずとぱん太郎は飽くことなく性慾と快楽にまみれた生殖行為を続けたのだ。すずの方からあからさまな言葉で求めることはなかったが、ぱん太郎の求めには抵抗もなくあるいは悦んで従い、ぱん太郎と息を合わせて自分からも腰を動かし、すずのオマンコは歓喜一色に蠕動し、心底気持ち好さそうにぱん太郎の巨根と種付け膣奥射精を感じまくり、青リボンの少女は嬌声を上げまくり、その表情には淫蕩さが刻み込まれるばかり、すずの膣奥でぱん太郎の精液が放たれるばかりであった。すずへの種付け具合に行人に対する忖度など一切なく、一発一発にすずを孕ませる意志が籠められていた。明らかにすずの方もセックスを楽しんでおり、膣内射精されて女の本能の悦びを感じており、ぱん太郎にとってこの上なく至福の時間であった。

 そうして何時間もかけて快感にまみれたセックスを続ける中で十発以上もすずの子宮に己が精子を注ぎ込んだ後、今のように従順かつ熱心に極太肉棒を口と舌で綺麗に掃除しながらもまだ収まらない若い欲情に蒸れた眼でディープフェラを始める青リボンの少女の姿を眺めながら、この娘ならそろそろ──とぱん太郎は思い、口の中で受け止めるように命じて口腔発射したことがあるのだ。

 ──が、すぐに青リボンの少女は堪え切れなくなって口を離すと大逆流して白濁嘔吐するわ噎せ返るわ鼻からも噴き出るわ、濃厚な粘液が喉に絡み付いて窒息しそうになるわでひと騒動であった。甘い交歓どころではなくなって何とか咳き込みが収まるのに小一時間もかかり、この娘でも無理だったかと落胆したぱん太郎は、もうお白けのお開きか、召番の二人と交代させるか他の娘を呼ぶか──などと気持ちが別に向きかけていた。

 しかし、落ち着きを取り戻してからは妙に腰重くベッドの端に座ったままもじもじしながら伏し目がちに視線を送って来るすずの表情を見てピンと来たぱん太郎は、予定を変更して明日の伽番と行人の所へまちを使いに飛ばした。そうして、青リボンの少女との逢瀬をもう一日引き伸ばしたのである。

 この日もすずは子守をしていることになっていて、母親役はみちるであった。梅梅にしても良かったのだが、ぱん太郎の屋敷へ引っ越した中華少女の名は以前ほど気軽に利用できなくなっていた。

 何にしろ急拵えな脆い嘘の綱渡りであった。まちはたまたま立ち寄ったことにして、みちるの体調はそれほど悪くないしオババもいるから心配しないで、と言わせるようにしたが、それでも気になった行人が様子を見に行けば、オババの家にみちるも赤子も──すずの姿も無いことはすぐにバレる筈だ。さすがの行人も明確な疑念を持ち始めるに違いなく、家に帰った青リボンの少女を問い質すだろうことは考えずとも解ることだった。

 とは言え、関係が明るみに出たところで──だ。真実を知った行人が怒り狂って襲いに来るかも知れないが、久々の喧嘩が出来るならむしろ願ったりだし、結局は寝取っている楽しみが無くなるだけになるだろう。それはそれで大いに残念なことだが、すずが行人とぱん太郎のどちらを取るか──この時点でも選ばれる自信はあった。

 その少女の隣に座ったぱん太郎は、大変な目に遭わせちゃってゴメンね、行人クンは適当に誤魔化すから今夜はここに泊まってゆっくり休んでいきなよと、何度目かの謝罪をしながら腰に腕を回すと、その手つきに気付いたすずは頬を赤らめ、黙って大男にもたれかかって来た──。

 その時のぱん太郎の顔面は、快心のニヤケで歪みきっていたものだ。

(ごめんねえ、行人クン♥)

と、心の中で敵にも値しない情けない少年を優越の眼差しで見下す。何年も生活を共にしてきて、キミさえ一歩踏み出していれば簡単に恋人にでも肉体関係にでもなれただろうとびきり可愛い女の子は、キミの許に帰るよりボクに抱かれることを選んだんだよ──と。

 青リボンの少女をベッドに優しく押し倒し、しばらく見つめ合ってからキスをしても、舌を触れ合わせながらスカートの中に手を入れて太ももや尻を優しく撫で回しても、一度締めた帯を解いてまた服を脱がし始めても。すずは何の抵抗も見せずに接吻や愛撫に夢中になり、瞳の奥には愛慾への尽きぬ期待を宿し、一時間前まで見せていた表情に戻りつつあった……。

 ぱん太郎は詫びの意味も籠めて、まずはゆったりとだが女を喜ばせるセックスに徹した。

 行人の名は出さず、多めのキスと耳元で語りかけながらの優しくもじらすような愛撫が続くと、すずは何の不安もないように気持ち好さそうにぱん太郎に身を任せ、太い腕の中で細やかな汗を掻きながら何度も声を上げて逝きまくり、陽が落ちて垂れ絹の外にある行灯の仄かな明かりだけになった薄暗い天蓋内で言われるがままにからだを開き、さらに続く甘美な愛撫に身悶えた。まだ十分に理性が残っている時の表情にももはや少しの逡巡の色もなく、ぱん太郎へ向ける目には思慕の気すらあった。ぱん太郎は青リボンの少女に挿入してもあまり動かさなかったが、すずは頻繁にからだを捩らせ奮わせ、膣内(なか)は細かく収縮し、むしろいつもより感じている反応を示すほどだった。

「すずちゃん……すずちゃん……♥」

「ぱん太郎……様ぁ…………♥!」

 ぱん太郎の底なしの精力に引き摺り回されるように淫気を盛んに発散させながらのいつもの交わりとは異なり、声も潜め内に籠もるような静かなセックスであったが、却ってそれが深い快感を呼ぶかのように、すずもぱん太郎もこれまでにない気色の昂奮を覚えながらお互いを感じ合う。

 男は初めての娘ばかりの上、並ではない巨(おお)きさの肉根に慣れさせるため、すずに限らず動かずにいることはこれでにもよくあることだった。だが、止まっていても女は自分の中に異物が入っていることを十分に感じ取る。男は射精のため動かしたくなる生き物だが。

 ゆっくり動きながらすずの目の奥を覗き込んだぱん太郎は、この少女との心の距離がさらに縮まった光を確かに掴み、一旦完全に止まって口づけに移った。上も下もそれこそ本当に色慾の海の中でドロドロになり一つに溶け合ったかのような得も言えぬ感覚。すずの昂奮も最高潮に達したようで、二つの口を塞いだまま全身ビクビクと小刻みに奮え、オマンコの中もこれほどの巨根を食べ尽くさんとばかりに全体がきつく締まってギュウウッと窄(すぼ)まり、ザラザラウネウネと何重もの刺激を全方位から休みなく与えて来て、さすがのぱん太郎も暴発を抑えるだけで精一杯であった。

 そして、最終的に彼女からの求めに応じてぱん太郎は一晩で五回──決してがっつかずに──すずのオマンコを極太肉棒で長い時間虐め続け、悦ばせ続け、濡れ火照った肉と肉が擦れ合う心地の素晴らしさを教え続けて喘ぎ悶えまくらせた末、少女の希望を訊いてからその望み通りの場所で精を放ったのだ。

 それは、五発ともすずの子宮に直付けての奥出し発射となったのである。

 直前にどこに出して欲しいか訊かれたすずは、「うにゃぁ……♥ このまま……中でぇ…………♥!」「それって……キミの子宮に、ボクの精子を送り込んでいいってことかな……?」「……うん…………♥」「フフ……じゃあ、いつもみたいに……一番奥で出してもいい?」「うん……♥!」「……すずちゃんを孕ませるつもりで出すよ♥」「うにゃあん……♥……いいよぉ……来てぇ……♥ ぱん太郎様の熱くて、重くて、キモチイイせいえき……♥ 私のナカに出してぇ…………♥!」と、すずはもはや気後れもなく発情しきった甘ったるい声で鳴くように答えたものだ。

 繋がっている最中は何度か体位を変えたりはしたが、ほとんど正常位が軸を占め、五発中四発も見つめ合い、キスをしながらの子種の受け渡しだった。「出すよ……」と言われてぱん太郎の熱く重く濃い体液を流し込まれている間、すずは伸ばせるだけ手足を伸ばしてぱん太郎の躰に精一杯しがみつき、抱き合った二人は団子のようになった。残りの一発は寝バックで、射精時はすずの下半身を押し潰すほどの密着具合で精液注入されたが、その重みは分厚い羊毛ベッドがすべて受け止め、これも膣の締め付け具合の熱烈さは感じまくっている他になく、少女は真っ赤に蕩けた顔を枕に埋(うず)めて甘い声を漏らし続けながら幸せそうに逝きまくり、そのからだとオマンコはぱん太郎の子種の送り込みに全身で応えていた。ぱん太郎は気付いていたが、その姿は前日の朝まで抱いていたまちとまったく同じであった。

 共に暮らしている少年と一日中べったりが当たり前だったこのとびきり美しい少女を、こうして時間を気にせず夜通し或いは朝から日が暮れるまで犯し抜くのはもう何回目だったか──最初は秘密場のような狭い砂浜で一度、後はこの時のように子守や女子会のお泊りと偽って何度か──。その度に他の娘では味わえないほどの寝取る愉悦と喜びをぱん太郎は堪能し、すずの方にもセックスに夢中になってしまうほどの快感を与え、何も考えられなくなるほどの気持ち好さに騙されて精液を受け入れる準備を整えてしまった肉壺の最奥で濃さも粘度も段違いの白濁汁を思う存分に放ったものだ。最初の頃は乗り気ではなかった様子のすずが、回数を経る度にからだの奥底まで染み込んでゆく性の快楽に屈してゆき、いつしかセックスの気持ち好さに嵌まり込んで、ぱん太郎への態度が徐々に変わってゆき、孕ます勢いを隠しもしない膣奥射精を夢中で感じるようになっていくのを見届ける楽しみもあり……。

 屋敷が騒がしくなる気配もこの部屋に乱入して来そうな足音も一向になかった。東方院行人は今回も泊まりの嘘を信じてしまったのだろう。気にならないわけはないだろうが、この少女を信じ、家を出ることなく眠りに就いたに違いない。

 その場合、まちにあの術を掛けるよう指示してあるから、夢の中でとは言え、その日実際にあったすずとぱん太郎の情熱的なセックスを行人は見ることになるのだ…………。

(フフフフ……行人クン悪いねえ。キミが呑気に寝てる間、すずちゃんは夢でも、現実でも、ボクに取られちゃってるわけだよ♥)

 今頃、行人の夢の世界では、為す術もなく見ているしかない少年の前で、すずはこのようにぱん太郎と愛し合っているわけだ。ぱん太郎に絶頂までイかされて気持ち好さそうに喘ぎ悶え、ぱん太郎の妊娠させる気満々の膣内射精を悦んで受け止めるすずの姿を術中の行人は見続けるしかない。ひょっとしたら夢と現実の光景が重なるように同じ体位でヤッている瞬間もあるかも知れない。

 深夜の屋敷はしんと静まり返り、行人ではない男と二人きりの〝愛の巣〟で──青リボンの少女はぱん太郎にどこまでも気持ち好くされ、その末に子宮直付け種付け射精されて今までの自我が吹き散ってしまいそうなほどの気持ち好さを体験し、淫堕愛慾の底なし沼に沈みきっていた。

 だが──それはすず自身の選択でもあって。ぱん太郎との肉慾にまみれたセックスが、ぱん太郎の逞しく強靭な極太肉棒と射精が──一時的とは言え少年のことが頭から完全に消え去ってしまうほど気持ち好くて仕方ないようであった。抜け出るなど到底不可能なほど深い大沼。めくるめく快楽に彩られたセックスを知ってしまい性の慾求に目覚めた若い心とからだはどこまでもぱん太郎の慾望を吸収し、さらに淫さを学んでゆく。ディープキスの快感に繰り返し酔い痴れ、ぱん太郎と肌を重ね合わせるのがたまらなく気持ち好いようであった。オマンコの奥で出してと自らの意思ではっきりと言葉にして種付けを許容し、行人のではない精子を何度も何度も子宮に注ぎ込まれ、嬉しそうに同時絶頂する青リボンの美少女。

 悪夢の中で行人が目の当たりにするだろう、恋人や夫婦のようにぱん太郎と気持ち好くセックスするすず。傍から見ればぱん太郎の精子注入をすずからも望んで受け入れているようにしか映らない〝種付け時間〟。ぱん太郎に跨りながらの腟内射精をやはり自ら望むように腰を密着させて気持ち好く感じまくっている青リボンの少女──。

 そんな夢の中の姿と寸分違わぬ様子で至福の〝種付け時間〟を何度も味わい続けたすずは、彼女自身も気付かないうちに中出し許容のその先──今までは半ば意識的に思わないようにしていたぱん太郎の子を受胎する想念が無意識の殻を破って育ち始め、それが気持ちを一段と乱す要因となってさらに快感が増してしまい、ぱん太郎からは何も言葉で要求して来ない中、妊娠に対する心の凝(しこ)りなど忘れ去ってしまったかのように頭の中は肉慾快楽一色となって自ら望むような迎え具合となり、ぱん太郎の妊娠させるぞという意志表示の肉棒突き入れと膣奥射精の勢いに応えるように、ぱん太郎の子供を望むような体勢を意識しながら維持するようにまでなってしまっていた────。

 睡眠を挟んだ翌朝。裸のまま抱き合うように寝ていたぱん太郎とすずは、瞼を開いて互いに起きたことを確認すると、微睡んだ顔で笑みをこぼしてそのままキスに移り、おはようの挨拶もせずに互いのからだをまさぐり合いながら行為に入った。昨日もあれだけ出したというのにぱん太郎の男根はすずの指が触れただけで瞬時にカチカチとなり、少女を苦笑いさせたものだ。昨晩とは打って変わって、四つん這いになっての激しく貪り合うような動物的な交尾からの朝一番の濃厚な白濁粘液が大量にすずの胎内で放たれると、まだ覚醒しきっていない二人はそれこそオスとメスのケダモノになったような声を上げながら、生殖本能に従う生物の姿勢で起き抜けの気持ち好すぎる性的絶頂に耽溺した。

 その〝お目覚めセックス〟の気持ち好さと言ったら──!

 

 射精しながらの突き入れで孕ましたいという原初の意志を躰じゅうから発散して吠えるオス、嬌声を上げながら無上の悦びに包まれたように歓喜してそれを迎え入れるメス────。

 ぱん太郎とすずは、頭をカラッポにして、そのように生殖する雌雄となっていたのである。

 

 体力も完全復調したすずは昨日の失敗など忘れたかのように、起きぬけから彼女のナカにたっぷり子種を注いだ大怒張を愛おしそうに舐めしゃぶったり、パイズリ放精からの天蓋直撃の白濁雨に陶酔したりした。

 目覚めたてで元気が漲り過ぎているほどの種付け剛根が四、五発もすずの子宮直近で爆発した後は、青リボンをほどいていた少女は朝起きてすぐの愛慾まみれのセックスで再び昏睡するのではないかと思うほど深い満足を得た惚け顔になっていたが、絶頂の高原を下ると快活さを取り戻し、ベッドを抜けて召番の用意した朝食を摂った後、別室や風呂場、中庭の東屋など場所を変えても延々とぱん太郎の肉棒を受け入れ続けた。

 食事などの時を除いてぱん太郎とすずは昼を過ぎても下半身を繋げ合わせており、頭を真っ白にしてケダモノじみたセックスに没入していたと思えば、普段の青い服と白いスカートを着させてヤッたり、ちかげが一室を占拠するほど持ち込んだ様々な衣装の中からぱん太郎好みの種類──学生服やナース服、大胆な水着などの姿になったすずとヤッたり、ぱん太郎が完全にマグロの状態になって青リボンの少女主導で腰を振らせ、彼女の意思で膣内(なか)出しを選ばせるなど、さらに十発も二十発もすずの子宮直付けの種付け射精が繰り返されたのだ。

 昨日に引き続きセックス三昧に溺れた長い時間の中で、すずの顔つきは完全に淫奔な女のそれに変わっていた。セックスの気持ち好さしか考えられなくなった顔つき。すっかりぱん太郎の誘導に嵌っていて、言われるがままに行人に詫びながらぱん太郎に対して股を拡げ、挿れられる前に自分から指でオマンコを拡げ、行人のではない肉棒を挿れられて淫らな嬌悦に奮え、行人のではない子種が注がれる度に嬉々として子宮に受け止め、その都度ぱん太郎と息を合わせてお互い肉慾を貪ることしか考えていない生殖絶頂に浸ったものだ。完全にぱん太郎の掌中の物になっていた。

 何も言われなければ行人のことすら完全に忘れて喘ぎ悶えまくり、「ぱん太郎様♥ ぱん太郎様♥」と、子種を送り込んで来る男の名前を愛しげに呼び、「ボクのチンポ気持ち好い? ボクの精液注がれるの気持ち好い?」と問われると、「うん♥ ぱん太郎様のおチンチン気持ち好い♥ ナカで精液出されるの気持ち好いのお♥」と、喜びに満ちた声で何度も正直に答えながら、理性を喪った惚け顔でぱん太郎と一つに融け合った生殖セックスの快感に没入する姿を惜しげもなく見せた。緩急を付けほとんど動かない静かなセックスも挟むとすずも大歓迎し、お互いの性器の脈動や熱気を心地好く味わいながらキスと愛の言葉を交わし、少女の理性が幾分か戻っている中、

「そろそろ出すよ、すずちゃん……。また、キミの子宮の中にボクの精子を届けるから…………ボクの赤ちゃんを孕むって思いながら……全部受け止めるんだよ…………♥」

 膣内射精する度にその意志を籠めているくせにわざわざ耳元でぱん太郎がそう囁くと、すずはとろんと目を蕩けさせ嬉しそうに微笑んで男を見上げ返し、

「うん…………♥!」

と、はっきりと頷いたのだった。

「すずちゃんも本当に欲しくなってきた? ボクの赤ちゃん♥」

「……まだ……よくわかんない…………けど…………♥」

「けど?」

「ナカで出されるの……もう、嫌じゃないのは……ホントだよ…………♥」

 ぱん太郎の極太肉棒を深々と咥えて膨らんでいる下腹部を見下ろしながら微笑むすず。

「……そっか♥」

「それに、皆んな村の将来のために……頑張ってるんだし…………♥」今度は顔を上げ、ぱん太郎に上目遣いで媚びを送る青リボンの少女。「だから……私も………………♥」

「フフ……そうだよ。これは村のためなんだから。すずちゃんがボクと赤ちゃん作ったって、何もおかしくないんだよ♥」すずの言葉を肯定するようににんまり笑って相槌を打つぱん太郎。

「ちなみに一番頑張ってるのはボクね♥」とぱん太郎が付け加えると、クスッと笑うすず。そんな何気ない仕草もこの上なく愛らしい美少女であった。

「すずちゃんも心を決めれば、皆んなだって喜ぶさ」

「そう……かな♥?」

「そうだよ♥ 皆んなで一緒に新しい命を作る。皆んなで村のための仕事をするんだ♥ すずちゃんは独りじゃない。それって楽しいことじゃない? 誰だって大歓迎さ♥」

「うん……♥」

「村は大きな家族じゃないか。村全体で子供を産んで、村全体で子供を育てて……。女だらけってところの強みが出るよね。力を合わせるってイイコトだよ。すずちゃん達にしか出来ない仕事♥」

「……うん…………♥!」嬉しそうに頷く青リボンの少女。

「じゃあ、こういう時はなんて言えばいいか……わかるかな……?」

「うにゃっ……にゃぁっ……♥」

 ぱん太郎がのろのろとした動きで往復を始め、生殖棒の先端で奥を──子宮を目指すという意思表示をするように軽く小突き出したので、堕楽に緩んだすずの口元が嬉しそうに動く。腟内は巨根の太いカリ首で奥まった場所以外の精液は掻き出されて愛液の方が多分になっており、少し抽送するだけでグチュリ、グチュリと湿った水音が立ち、薄まった白濁粘汁が二人の結合部から溢れて垂れ落ちてゆく。

 緩やかな動きでも痺れるような気持ち好さを感じ、すずは抑えられない昂奮の吐息をつきながら、

「ぱん太郎様の赤ちゃんがデキちゃう白い汁……♥ ぱん太郎様の赤ちゃんの種……私のオマンコの中で……いっぱい出してぇ…………♥」

と、一つに繋がっている男を見上げながら甘くねだるように言った。

「大変良く出来ました♥ ボクとすずちゃんの赤ちゃん……気持ち好く作ろうね……♥!」

「うにゃぁん……♥!」

「よおし……出すぞ…………!!」

 低く唸りながら、すずの胎内に深く挿入したままで腰を震わせるぱん太郎。

「うにゃあッ……♥ にゃあぁッ……♥ うにゃ、あッ、あッ…………♥!!」

「のおおッ……!!」

 

 ビュグーーーーッッ!!!!

 ビュルビュルビュルビュルッッ!!!!

 ビューーーッ!! ビュグビュグビュグッッッ!!!!!!

 

「うにゃあッ♥!! うにゃあぁぁ……♥!! これぇ……♥! すごいよぉ……♥! お腹の奥で……ドクドクいって…………♥! おナカが……熱くて……破けちゃいそう……♥! うにゃッ……♥! アアッ……♥♥!!」

 腟内射精中に何度もビクビクと痙攣するすずのからだを、ぱん太郎はしっかりと掴まえて逃さないようにする。

「にゃッ……♥ 奥で……せいえき……当たってるのぉ……♥! ぱん太郎様の……♥!」

「すずちゃんが可愛いから……孕ましたいって……すっごい出る……のおッ♥!」

「うにゃあ……♥! うにゃぁあぁん……ッ♥!」

「ボクの精子で……感じて……♥!」

「にゃあッ……♥! うにゃあッ……♥!!」

 こうして──何度も繰り返されてきた受精を意識しながらの〝射精の時間〟が。気持ち好く溶け合う肉体が心も引き寄せ合う時間が、この時もまた一つ回数を重ねたのであった。

 女性にとって腟内は陰核ほど快感を得やすい部位ではない筈だが、初体験以降もこうしてぱん太郎に濃密なセックスをこれでもかと言うぐらい味わわされ続けた結果、すずの膣もすっかりぱん太郎の巨根に慣れきってしまい、オマンコの中を擦られまくった末に膣内(なか)出しされる気持ち好さや快美感を十二分に覚え込んでしまったようであった。

 理性が完全に溶けていない状態でもお互いの合意の上でぱん太郎の精子がすずの子宮へこれでもかというぐらい招き入れられた夕方、青リボンの少女は心底満足しきってどこか吹っ切れたような晴れやかな顔つきで行人の待つ家へ戻って行ったのだ。たったの一泊だけだったのにも関わらず、合計で何十発もの射精がすずの胎内と体外で放たれたのだった。

 これ以降、すずの顔の翳りは一段と消えて以前の明るさが幾ばくか戻って来た。また、より積極的にぱん太郎の許へ通うようになり、今にまで続く行人との靄靄(あいあい)とした生活の裏では、ぱん太郎との享楽と肉悦に満ちた中出し子作りセックスが繰り返されて来たのである。

 行人が何も知らず呑気に仕事をしている間、ぱん太郎の屋敷という〝愛の巣〟に何遍も籠もりに行ったすずは、その巣に入る度に十回も二十回も中出し経験回数が増えてゆき、絶頂回数を重ねてゆき、セックスの気持ち好さや幸福感が抜け取れなくなるぐらい心身の奥深くまで染み込んでゆき、少年の目がない所で着実に女の生殖本能に目覚めてゆき、肉体の悦びに満ちた中でぱん太郎の巨根を迎え入れながらぱん太郎の子種で孕む意識を育くむようになっていったのである。

 …………。

 ……………………。

 

 

 

 ──口内射精を楽しめないのは残念だが、色々と台無しになる前に収めた方が賢明なのだ。

「もういいよ、ありがとうすずちゃん♥ 今はあんまりゆっくりできないし♥」

「うん……そうだね♥」

 フェラチオを途中で終わらせると、起立を促し先ほどのあやねのように樹幹に手を付けさせてその背後を覆い、立ちバックの体勢になる。

 元の美貌に戻った顔を後ろに向けたすずもまた、淫らな期待に満ちた視線を彼女の唾液で濡れた大剛直に注ぐ。あの頃よりさらにはっきりとした艶色を──性の悦びを帯びた表情。元気な赤子を沢山産めそうな肉付き佳い美尻をひと撫でしたぱん太郎がその手を滑らせて褌を解くと、すずはすかさず指を己が割れ目に突っ込んで白濁の塊と化した詰め綿をぬっぽりと抜き取り、あやねと同様に両手を使って秘裂を晒すように陰唇の肉を割り拡げた。詰め物ときつい締め付けが無くなった蜜孔から大量の白濁汁がごぽごぽ溢れ出し、数珠繋ぎのような団塊となって垂れ落ちてゆく様までまったく同じであった。こうして中に残った精液を漏らすことなく肉壺内に溜め込んでおける女は多く、それだけ膣圧が強い証拠であった。日頃の労働で足腰を使っているため、性器周りの筋肉も見た目以上に鍛えられているのだ。どの女もオマンコの締め付け具合が気持ち好いわけである。

「ぱん太郎様のオマンコだから……♥ 好きに……使って…………♥」

と、妖艶さすら帯びる流し目と甘ったるい媚び声でおねだりするすずにぱん太郎はニンマリとした笑みを返しながら、前方に小さく見える行人に視線を飛ばす。ちょうどこちらに躰を向け、足元の麻袋からザラメを掬い取っているところであった。何も知らない間抜けな顔。

「ほら、あそこ」

「あ……行人…………♥」

「あっちからは見えないけどね。残念だなあ、もう何年も一緒に暮らしてる大の仲良しの女の子が、ボクにチンポをハメられて喜ぶところ、行人クンに見せられなくて♥」

 あやねの時のような台詞を言いつつ、わざと局所を外してすずの美体を撫で回すぱん太郎だったが、

「ん……もう……ぱん太郎様ってば…………うにゃぁ…………♥」

 自分を持ち出されて行人を貶められてもすずは媚笑を浮かべるだけで、それよりも焦らすようにからだを愛撫される気持ち好さに意識の多くが奪われているようであった。

 梅梅を始めとした何人かの娘とまだ密かに通じていた一年ほど前、ぱん太郎が遠くから観察した限りでは数年どころか何十年も寄り添ったような繋がりすら感じられるほど仲睦まじい様子の行人とすずであった。さすがに毎日枕を並べて寝るほどなのだから、〝九人の美少女〟の中で最も気持ちが通じ合っている仲だったのは間違いない。それがたった半年でここまで塗り替えられてしまった──そのたったの半年の間にぱん太郎はすずと何十回も性交する機会を作り、百時間以上も性交に費やし、何百回も膣内射精に至り、すず自身にぱん太郎の子を産む気持ちが芽生えるほどまで躰を重ね、セックス快楽漬けにし、そうして邪魔されない時間を長く過ごして身も心も通わせて来たのだから、別人のように変わってしまっても不思議ではないかも知れないが。

「……最近のカレ、キミとあやねちゃんをすっごく意識してるみたいだね」

「そう……かな? んっ……♥」

「キミたちをボクに取られないかって、ずっとイライラしてるよ♥ もうとっくに取られてるのに♥」

「ふふっ──♥」

と艶やかな微笑を浮かべるすずの魅力的な横顔に、極上の可愛さと共に男を誘う色気の萌芽を感じずにはいられないぱん太郎。

 返す返すもこの美しい娘も好き放題に扱える肉便器にできて良かった──と、つくづく思う。

「これから、行人クンにナイショでボクの精子注がれるけど……どう♥?」

「またあ……♥ どうって言われてもお……♥」と、青リボンの少女は早くも発情した顔つきで双眸を潤み煌めかせる。「ぱん太郎様がオマンコしてくれるのに……嫌なわけないよ……♥」

「フフ……さっきのイタズラ、けっこう効いた?」

「うん……♥ ちゃんと起きてる行人が目の前にいたから怖かったけど……ぱん太郎様にオマンコやお尻触れられるの……とっても気持ち好かった…………♥ あっ……♥!」

 言葉の最後に嬌声を上げてからだをびくんとさせるすず。先ほどのようにぱん太郎の指が白濁まみれのアソコに突っ込まれ、簡単に割れ目を探り出してクニクニとなぞり始めたのだ。

「こんな風に?」

「あっ……♥ うん♥ そう、そこ……♥ うにゃああ……♥」

 ザラついた指先が陰核付近まで来ると、クックッと軽く押し上げるようにわずかに力を籠めるだけで、

「うにゃあんッ……♥! ああっ……♥!」

 すずは気持ち好さそうに切ない声を発し、からだを奮わせ、熱い吐息をつく。

「お願い…………ぱん太郎様ぁ…………♥」

「ん?」

「もう……挿れてぇ…………♥」

 見るだけでぶち込みたくなる引き締まった腰と肉付きの佳い尻を揺らめかせながら、慾望に忠実になった目つきで秋波を送る蒼リボンの少女。

「行人のなんか比べものにならない……おっきくて立派なおチンポ……♥」

「フフ……どこに?」

 ぱん太郎はすずのアソコから指を引き抜くと、焦(じ)らすように両手で尻を撫でさする。

「うにゃぁ……♥ 私の……ぱん太郎様のおチンポのためだけにある、このオマンコに……♥ はぁ、はぁ……♥ どうか……挿れてください…………♥」昂奮で乱れてゆくばかりのすずの表情と呼吸。

「行人クンなんか放って……ボクの好きにチンポをしごいて精子を吐き出す穴として……使っていいんだね?」

 今度はすずの豊かに実った乳房を鷲掴んでこねくり回すように揉みしだきながらぱん太郎は尋ねる。衣装越しでも乳首が固くなっているのが分かる。すずのオマンコは既にその通りのぱん太郎専用精液処理肉便器と化している事実は強いて言わない。

「うん……♥!」

「いつでも、どこでも?」

「うん、いいよぉ……♥! だからぁ……♥!」

「フフフ……もし……行人クンに見つかっても?」

「──うん……♥」

 ほんの一瞬だけ間があったが、すずはぱん太郎に対する媚笑を湛えてはっきりと頷き返した。もう完全にぱん太郎に取り込まれている淫堕の目つきであった。

「わかったよ♥」

 亀頭の付け根を握りながら先端を白濁で見えない入り口に当てると、グチュグチュと音を立てながらゆるやかにすずの胎内に侵入してゆく極太極厚の長大肉棒。もはや何百回と繰り返したため、先端の圧覚だけで滑らかに挿れることができる。

「はあっ……うにゃっ……うにゃああぁぁ……ッッ♥♥!!」

 青リボンの少女は悦びのあまり全身を奮わせて甲高い嬌声を上げてしまったが、林木の枝葉に吸い込まれて小さくなった音は祭り囃子と雑踏のざわめきによって完全に掻き消され、行人の耳まで届くこともなかった。

「のおッ……♥」

 短い歓声を漏らすぱん太郎。中に残っていた精液が潤滑剤の役割を果たし、すずの膣奥まですんなりと入っていってしまったのだ。だが、締まりが悪いわけではない。むしろ逆で、奥まで沼のようにヌルヌルとしているのに、その滑らかさなど問題にならないぐらいに全体的にきつく絞り包んで来るのだ。ぱん太郎の巨根の圧に負けじとばかりに膣肉がうねる。体液のぬめりのすぐ下にあるそのプリプリと弾けるような肉質と高い体温は、まだ成長期の若いからだを強く感じさせるものであった。

 長く太い肉竿が根元まで呑み込まれ、すずはそれだけで逝ってしまったようで、「うにゃッ……アアァ……♥!!」と嬉しそうに嬌声を漏らし続け、木の幹に手を当てて必死に支えながら青いリボンやからだを小刻みに震わせた。

「残ってた精液でヌルヌル♥ でも、キツキツで最高に気持ち好いすずちゃんのオマンコ♥」

「ぱん太郎様の……おっきなおチンチン……お腹の……奥まで届いて…………♥!」

 お互いに快感で奮える二人のからだ。すずの悦びを表すように肉ヒダは熱意をもって蠢き、吸い付き、ザラつき擦って来る。

「のおお……!」

 ぱん太郎は腰を動かさずにはいられなかった。

 

 グチュ! グチュ! パン! パン!

 

 すずの腟内に残っていた体液を掻き出しながら小さくない音を立てて腰を打ち付けたが、よほど激しくして声ももっと上げまくらなければ祭りの喧騒を突き抜けて行人に察しを与えるほどの音が届くことはないだろう。

 その少年の背中をニヤニヤ眺めながら、すずの腟内を存分に往来するぱん太郎。

(のおお♥ すずちゃんのナカ、嘘偽りなくボクのチンポを大歓迎してて……本人もこの通りで……最ッ高だよ、行人クン♥)

 これほどの美少女を遠慮なく犯せる悦び、絶品の名器具合を心ゆくまで堪能できる悦び、相思相愛になってもおかしくなかった少年を眺めながらその少女と合意の許セックスする悦び。何遍やっても飽きることがない。

 そう。こうなるのが嫌だったのなら、防げなかった──いや、防がなかった行人が悪いのだ。

 恋愛経験すらないまだ童貞の子供が競争相手なのだから多少気の毒に思わないでもないが、少女たちとの関係性では勝負にすらならないほど優位を取っていたのはあちらの方だ。行人がこの島に現れたのはほんの数年前らしいが、たった一人の人間の男として恋敵もいない状況で何十人もの女に囲まれた選り取り見取りな生活を何百日も送ってきたのは間違いない。しかも、性格は実直で努力家、顔立ちも悪くなく頭も良く、おまけに武術の腕も持っているという、女子にとってこの上なく好ましい少年。案の定、以前は少女たちの好意や恋愛感情を一身に集めていたようで、彼女らはもし行人に迫られたとしても喜びこそすれ断ることなどしなかったに違いない。ぱん太郎が村で大手を振るようになってからも、いきなり全員がいきなり新しく出現した男をいきなり選んだわけではない。女たちがぱん太郎から目を離せなくなったのは、言葉を着飾らずに言えば常人離れしたセックスの魔力であるが、それでも時間はあったのだ──。

 ぱん太郎は子作り認可と男旱(ひでり)の環境を最大の武器として活用し、異性絶無だった村で育った女子ならではの普通より高い男への関心を巧みに掴んで手繰り寄せ、ひとたび肉体交渉の合意が得られた途端、底なしの精力や〝花〟を駆使して娘たちが経験したこともないだろうめくるめく性的快感を与え、男、いや、ぱん太郎という存在と繋がり合うことがどれほど気持ち好いか忘れられないほどの体験を与え、性行為は子作りのためだけにあるのではなく最高の娯楽でもあると悟らせ、彼女たちの性的欲求を肥大化させながら一人またひとりと堕として来たのだ。

 この二人も肉体関係が生じてすぐにこうなったわけではない、迷っている時期は確かにあった──とは言え、ぱん太郎とのセックスの気持ち好さはすずもあやねも初回から感じていたみたいだし、膣内(なか)出しされながら快感絶頂を迎えるのを覚えたのも早く、二人とも誘いを頑なに拒絶したこともなかったが。

 だが、こうなる前にも時間は十分にあったのだから、行人はさっさと関係を結んでおけば良かったのだ。

 大方、東方院行人は男にとって夢のような極楽環境に慣れきってしまったのだろう。好意を寄せる娘が多すぎて誰を選べば良いか分からなかったのかも知れないし、恋愛に対する疎さや奥手なことも影響したのかも知れない。何にしろ、態度をはっきりさせないでいるうちに悠長に構えるのが身に染み付いてしまったのだろう。

 そうであっても、せめて誰か一人でも意中を決めておけば良かったのに、ぬるま湯のような世界に甘んじてきた結果、たった一人にたった一歩踏み出す勇気も持ち合わせられなくなって。

(ま、おかげでこんな可愛くてエロい子を好き放題できるんだけど♥ 寝取ってる楽しみ付きで♥)

 ぱん太郎に子宮直付け種付け射精されてすずもあやねも歓喜一色に染まるようになり、自分からぱん太郎の子の受精妊娠を望むまでになった今、もはや寝取りは完遂されているのかも知れない。だが、表面上の少年少女の関係はまだ良好に続いているし、それどころかすずとあやねに対する行人の態度は明らかに異性としての意識が昂じて来ている。彼は二人をまだ信じている。すずもあやねも自分を支持してくれており、男など知らない──もう一人の男に食べられてなどいない清らかな身のままだと。

 自分の傍に居続けてくれている数少ない少女すら、そのもう一人の男にそのからだを美味しくいただかれて善がりまくり、完全にセックスの魔力に囚われ、アソコの穴はその男の巨根が激しく出入りしても快感しか生まれないほど拡張開発され、すずもあやねも逝かされまくりの中出しされまくりで腟内も子宮もその男の精子まみれ、いつ孕んでもおかしくない状態であり、しかも本人たちはそれで満たされまくっており、心も完全屈服している──少年の目の届かない所で想像も出来ないほどの嬌態を晒してサカりまくって益々もう一人の男に嵌っている──などとは思っていないのだ。まさかそれほどまでになっていようとは思い至りも出来ないのだろうし、思いたくないだけかも知れないが。

 比較的緩やかな抽送は最初だけであった。すっかり出来上がっていたすずの肉壺は極太男根の往来を歓喜に満ち溢れながら歓待して淫壁がうねりにうねり、精子を熱望して盛んに肉棒を絞り上げに来るのだ。これほどの巨根に奥の奥までみっちり占められても平気なのだ。そこまですずのオマンコは開発されていた。ぱん太郎はいつになく昂ぶり、衝き上がる慾望のままに激しく腰を振ってすずを責め立てた。

 

 グチュッ! グチュッ! パン! パン!

 グチュッ! グチュッ! パン! パン!

 

「のおっ♥! のおお、止まらないよすずちゃん! すずちゃんのオマンコ気持ち好すぎて……♥!」

「にゃあッ♥! うにゃあッ♥! ぱん太郎様♥! ぱん太郎様ぁ♥!」

 青リボンの少女の表情に苦痛などまったく無く、むしろ快楽で首元まで真っ赤に染まり、凶悪なほど長く太い巨根で膣が滅茶苦茶になりそうなほど激しく突かれているというのに、痛みなく感じまくっているのがありありとわかる蕩けぶりであった。

 また、いくら奥を小突かれても快感しか湧かないようで、すずは惑乱するほどの女の悦びに浸る。

「私のオマンコ♥ ぱん太郎様の♥ チンポの形に♥ 変えられちゃってる♥!」

 すずの柔らかな下腹部に触れると、皮膚越しにぱん太郎の固く太く長い肉棒が入っているのがはっきりと判る。明るい場所なら肉棒の形に膨らんでいるのも見られるのだ。

「すずちゃんのオマンコは、ボクのチンポを収めるための鞘になったから♥」

「うん♥ ぱん太郎様のチンポのためのオマンコ♥ 私のオマンコは、ぱん太郎様のモノ♥」

「行人クンの子供を産む未来もあっただろうけど♥ すずちゃんのオマンコは、もう、ボクの子供を産むオマンコだね♥」

「……うんッ♥! ぱん太郎様の赤ちゃんの素♥ もっと、もっと、注いでぇ♥!」すずは上体を後ろに捻ってぱん太郎の顔を見上げて言った。「全部忘れるぐらい、いっぱい、いっぱい…………♥!」祭りの光明が僅かに蓄えられていた瞳が森の闇に溶け沈むように昏くなる。「私が欲しいのは……行人のじゃなくて……ぱん太郎様の赤ちゃんだからぁ♥」

 いつもならもっと時間をかけてすずを十分に楽しみ、十分に楽しませるが、ぱん太郎は込み上げてくる射精欲に蓋をしなかった。

「わかった♥ イクよ、すずちゃん! 全部ナカで吐き出すからねッ♥!!!!」

 その瞬間、すずの尻肉を押し潰すほど密着したぱん太郎の腰がピタッと止まった。

 ただでさえ太い剛茎がドクンドクンと何度も膨らんで脈動し、すずの子宮口に焦点を当てた亀頭の先端からぱん太郎の精液がぶちまけられ始めたのだ。

 

 ビュルビュルビュルビュルーーーーーーッッッッ!!!!!!!!

 ビュウーーーーッッッッ!!!!!!!! ビュウーーーーッッッッ!!!!!!!!

 ビュグビュグッッ!!!!!! ビュグビュグビュグビュグッッッ!!!!!!!!

 

「うにゃあッ♥! すごいッ♥! イッパイ……出てるッ♥! ああッ♥! うにゃあぁああ~~~~ッッ♥♥!!!!」

 これは行人の耳にまで届いてしまうのではないかと思うほどの声量で喘ぎまくるすず。全身を歓喜に奮わせながらぱん太郎の凄まじい勢いの膣奥射精を感じまくる。女性器全体を支配するように奥までみっちり詰まった極太肉棒が焼け爛れそうなほどの熱塊と化してからだじゅうに行き渡るほどの衝動を放ち、精子が満ち満ちた白濁液の弾丸をお腹の底に──すずの子宮にぶち当てているのだ。その心地好さと幸福感は筆舌に尽くし難かった。

 少女はたった数十メートル先にいる少年のことなどいともたやすく頭の中から消え去り、従って視界に入ろうとも認識も出来ず、ただただぱん太郎に種付けられる幸せの絶頂に浸り切っていた。

「うにゃぁ……♥♥!!!! うにゃああぁぁぁ…………♥♥!!!!」

「のおお……♥! すずちゃん……♥! すずちゃん……♥!!」

 この時間、まったく衰えることのない、(孕め!!!! 孕ます!!!!)という本能の哮(たけ)りがぱん太郎の全身全霊を支配する。煮え滾った慾望が体内で暴れ回るような衝動。昼間にあれだけ出したというのに、この少女に子種を注ぐことができると思うと、孕ませられると思うと、一晩中でも射精を続けられそうだった。それぐらいの気持ち好さ。〝あの時〟以来、性欲が一切減退しないし、精液も無尽蔵に湧き出てくるのだ。

 それに、これは一方的な排泄行為ではない。どれほどまでその意識が育っているかは分からないが、すずの方ももう本心からぱん太郎の種で妊娠することを嘘偽りなく許容しているのだ。

「ぱん太郎様、ぱん太郎様ぁ…………♥!!」

 精液をしっかり注入するためにからだを固定されるように腰を掴まれながら最奥まで突き入れられ、全身に射精の衝撃が伝播するほどの子宮直付け種付けをされても、妊娠に対する怯えなど一切なくされるがままに悦びを表す青リボンの少女。

「お祭りの夜に愛し合えるなんて、ボクたち幸せ者だね……♥!」

「……うにゃあぁ…………ホントだよぉぉ………………♥♥!」

 ──その後もあやねと同じく計三発。ぱん太郎は好き、愛してる、とすずと言い交わしながら歓待の坩堝と化したオマンコと溶け合うような中出しに至り、孕め、孕めと念じながらぱん太郎を完全に受け入れている青リボンの少女の胎奥で種付け射精を繰り返した。

 その一方で、行動に移さないからこうなるんだよと、ぱん太郎の子種注入を受け続いている間何度も気持ち好さそうに逝っているすずの汗まみれで痙攣している背中、そうしてすずに種付けている最中ずっと見えていた行人の背中を交互に眺め。

 だらしないほど蕩け惚けたすずの横顔と、やはり先ほど同じ表情をしながらぱん太郎の子種を胎(はら)に仕込まれていたあやねの横顔。そうしてぱん太郎の精子をオマンコと子宮に充満させた白リボンの少女と談笑している行人の横顔。同じくぱん太郎の精子をオマンコと子宮に充満させている真っ最中の青リボンの少女が戻った時も、彼は同じ笑顔を向けることだろう。

 三人はまた一緒になる。あの狭い屋台の中でからだをくっつき合わせることもある筈だ。かつてはこのハーレムじみた村の中心に存在していた少年。すずとあやねが気持ち好く性交して来たばかりなどとは夢にも思わないだろう──だが、すぐ傍にいる二人のオマンコの中は直前に出されたばかりの別の男の新鮮な精子で満ち溢れていて、妊娠しやすい期間に入っているすずとあやねの胎内でぱん太郎の子種による受精活動が始まっていてもおかしくない状態であり。

 また、そうやってぱん太郎の種を胎(はら)に溜め込みながら行人と接するのを、すずも、あやねも、もはや気後れなく容認するようになっており、さらにはぱん太郎の子を妊娠しても良いとすら思うようになっており。二人の開発調教も大成功も大成功である。

 行人は彼にとってたった二人残された少女の心の中からも弾かれてしまったのだ。

 少年のすずとあやねに対する片想いの念は以前より強くなっているのは間違いない。その二人の少女と祭りを一緒に過ごすことが出来て嬉しくて仕方ない様子は遠目でもよく判る。

 だが、そうして彼が信頼と親愛の目を向ける二人の少女も……行人に対する想いを塗り潰すようにぱん太郎への想いが上書きされ、すっかり堕ち切っているというあまりに無慈悲な現実。

 心も、からだも、そして子宮も。

 少年にとって掛け替えのない存在になった少女たちの実体は、もう一人の男の存在で完全に染まり切っていて──もしかしたら、一緒に働いている時に子宮内でぱん太郎の精子がそれぞれの卵子と繋がり合って新しい命が宿るかも知れず、今やそうなることを望みすらしているすずとあやねに挟まれてご満悦になるだろう東方院行人。

 ぱん太郎は心底、果てしのない優越の快感と憐れみの念を禁じ得なかった。

 そんな観念を抱きながら、少年がこの世で最も愛おしんでいるだろう少女と性器を一つに融け合わせ、共に肉慾の絶頂を楽しみ合い、ぱん太郎はすずと共に幸福に包まれて。

 そうして、ぱん太郎専用の孕み袋と化したすずの子宮へ、彼女自身が歓迎している精子を送り込むというオスとしての究極の快楽を味わい続けるのであった────。

 

 

 

 

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(つづく?)

 

 

 

 

 

 

最終更新:2024年03月02日 20:13