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2007年4月 - (2007/07/26 (木) 17:29:35) のソース

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<p><strong>週刊循環経済新聞(2007年4月16日)<br>
木材情報270 チップ現場での異物除去方法</strong></p>
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<strong><br></strong> 木質燃料チップ需要家から、金属や土砂などボイラ本体に物理的な損傷を与えるおそれのある異物混入事例が多く報告されている。一部の燃料需要家では燃料チップ投入前に選別ラインを新設し、水際で異物を取り除く動きを見せている。しかし、燃料チップの投入効率を考えると、チップ製造現場で可能な限り異物は取り除くべきだろう。<br>

 チップ工場に持ち込まれる建物解体系の木くずには、展開選別時にさまざまな異物をみつけることができる。現場に落ちていた紙くずやプラスチックくずが混入していたり、プラスチックフィルムが貼られている化粧版も多い。紙や金属が貼りついたものは、重機である程度壊してから人手ではがす。また、破砕機投入前に廃材に打ち込まれている大きい釘や留め具などを取り除く。小さな釘などは磁選機を通して除く。<br>

 一番やっかいなのが非鉄金属の除去。最近の木くず製造ラインは金属探知ラインを導入しているところが多いが、検知感度が強すぎると金属粉や木そのものの金属分に反応してしまいチップ製造どころでなくなるため、その調整が難しいという。非鉄金属を選別除去するときに伝統的に行われてきたのは「水洗」で、チップを水に通すと混入した金属だけ沈むというもので、単純な原理ながら高い効果があるのだが、解体材由来の燃料チップは絶乾状態での搬出が条件としている需要家がほとんどなので、チップの用途がマテリアルリサイクル向けの場合に限られてしまう。<br>

 燃料用チップから非鉄金属を除去する方法としてこのほか、金属検知器の力を借りながら、最終チェックとして製品チップのヤードに人員を配置して異物に目を光らせたり、風力を利用して比重選別を試みる工場もある。</p>
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※最近は建築物の解体現場である程度は分別していますが、機械解体では混載になってしまう場合もあります。選別に力を注ぐよりもボイラの性能を上げる方が現実的な気がします。</p>
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<p><strong>週刊循環経済新聞(2007年4月9日)<br>
木材情報269 まだ不安定な関東の燃料需要</strong></p>
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 昨年夏以降、関東地方の建設廃木材由来のチップを燃料にする大口需要施設の稼働が始まった。これらの需要計画を見込んで、関東地方で数多くの業者が廃木材のリサイクルに参入し、規模を問わずチップ工場が続々と竣工したが、今後はより積極的な廃材集荷を図っていく必要が出てきた。<br>

 また、関東地方の動きは、少なからず隣接する地域にも影響を与える。たとえば、大口燃料需要施設がある東北地方南部の某県のチップ業者も、自県の需要家に加え一部関東地方の需要家にチップを搬出しているという。東北地方も大口需要家が続々と稼働しているが、現状の生産量と、冬場は雪のない地域へチップを出しやすいことから、チップを北に振り分けることは難しいという。<br>

 これまで発生量の割に出口の少なさが指摘されていた関東地方の廃木材リサイクルが、いよいよ力強く動き出す。はずだったのだが、動き始めたばかりのプラントの多くは試行錯誤の連続で、当初の予定より安定した稼働に至っていないのが現状だ。それに伴い、供給側のチップ製造も不安定な状態が続いている。この状態は季節的に廃木材発生量が増える夏までには解決しておきたいところだろう。<br>

 そのためには、需要家ボイラの安定化に加え、燃料チップ品質の安定化などチップ供給側の協力が必要不可欠だ。関東地方にある大口需要家の担当者も、燃料供給契約を結んでいるチップ業者を個別に訪問し、あらためて異物の混入に十分注意するよう呼びかけているという。とくに新規参入業者はチップ製造に慣れていないこともあり、需要家が積極的にチェックしていく必要があるとしている。</p>
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※チップの品質安定には解体業者の協力も不可欠ですが、小規模な場合が多いこともあってまだ建設廃材は混載がみられます。処理費用が下がると分別に熱心に取り組む可能性があります。</p>
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<p><strong>週刊循環経済新聞(2007年4月2日)<br>
木材情報268 東日本でもボード原料不足が</strong></p>
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 昨年西日本の一部地域で、燃料チップの大口需要家が稼働したことでチップ需給の流れが大幅に変わり、パーティクルボード用チップがひっ迫する状況が発生した。それまでボード用に流れていたチップが燃料用に一気に切り替わってしまったのが原因で、当該地域の西日本のあるボードメーカーの担当者は「このままの状況が続くのならば、自らチップ工場を作り廃材を集荷する必要がある」と引き続き危機感を強めている。<br>

 燃料チップ需要施設の本格稼働によってボード原料不足は西から東に波及していくと予測されていたが、ついに東日本の一部ボードメーカーでもチップが不足し、工場を休止せざるを得ない事態が発生している話を耳にするようになった。関東地方の燃料チップ需要は現時点で不安定な部分があるものの、本格稼働に伴い東日本でもボード原料チップ供給が危機的状況を迎えるおそれがある。<br>

 燃料チップ需要のぼう大なロットが、品質の近いボード用原料を飲み込む流れが東日本にもやってきた。今後のバイオマスボイラ新設計画からみてもこの流れは止めるべくもないだろう。しかし、ボード用原料が燃料用に比べて有利な点もある。大手ハウスメーカーなどISO取得企業は廃材のマテリアルリサイクルを処理側に求めていること、ボードを販売するという別の収益源があるため、チップ製造業者よりも処理料金を低く抑えることができることがあげられる。<br>

 燃料需要は爆発的に伸びているが、ボード用需要も伸びており、競争の激化は必至。ボード業界が原料を安定確保するために考えられる方策は大きくふたつ、チップ買取料金を引き上げチップ業者を引き寄せる作戦に出るか、処理料金を低く設定し今以上に積極的な廃材確保をすすめるか。ボード業界の進路が注目される。</p>
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※確かにボード用需要は一時的に伸びているかもしれませんが、中長期的には紙、燃料とも需要の落ち込みは不可避です。余剰設備を抱え込まないようにどのように調整するか知恵を出し合う必要がありますけど、「場」がないことが悩ましいところです。</p>