俺はゴーヤがあまりにも「ひらひらの水着が着たいでち!ゴーヤはオリョクル頑張っているんだから貰う権利が当然あるでち!!」としつこくしつこくいうので買ってやったが、 どうやら買ってすぐにお馬鹿なゴーヤははしゃいでドブに落としてしまったらしい。やらかすとは思ってたが早すぎんだろ…。 申し訳なさそうにおずおずと戻ってきたゴーヤに当然のことながら激怒すると、身体を縮こまらせビクビクと震えている。 そんなゴーヤに「見つかるまで探して来い。予算がカツカツな中で買ってやったんだから見つけるまでお前の餌は無しだ」と告げた。 ゴーヤは「デピャアアァァン…水着さんどこででちかぁぁぁぁ…」と泣きじゃくり、ヘドロまみれになりながら必死に探すが見つからない。 ,.r= (( -――-.(ソ /:::::::::::::::::::::゚丶 /::/レヘ::::;ヘ:::::i:::::| 〈|::::l τ`' ヽ`-!:::::j ji::〈 " Д(#i!/:::::| V`ゥrr-.rュイ人人 ●⊂二1:::ー'::::!i. i:::::::::::iノ ヘ.:;;:::::/' i Y / ∪∪ 恐らく流れてしまったんだろう。 日も暮れて来たのでゴーヤを無視し鎮守府に帰ることにした。 すると俺の少し後ろを泥だらけのゴーヤが弱弱しく「チ…チ…」と鳴きながらすごすごと付いてくる。 しばらく放っておいたが、鎮守府玄関の前で「水着を見つけた上で体をきれいにしないと鎮守府に入れてやんないからな」と言って扉を閉める。 たちまちゴーヤの表情が絶望の色に染まり、「ひどいよ…ひどいよう …どうしてそんなことするの、ごーやが何したっていうの…」 ,.r= (( -――-.(ソ /:::::::::::::::::::::゚丶 /::/レヘ::::;ヘ:::::i:::::::| 〈|::::l τ`' ヽ `-!:::::j ji::〈。゚ ○ ゚。/::::::| V`ゥrr-.rュイ人人 /_::::::::::::i l し:::::::::::::|し' ヘ.:::;;;::::/ i Y / ∪ ∪ と泣きながら懇願してきた。ここまでわがままを言いまくって買ったものなのにまだこいつは自分のしたことが分からないのか…。クズだなぁ…。 あまりに図々しかったので一発殴り、「てめえがわがまま言って買ってもらったものを一日で落としてしかもあたしは悪くないとかどういう了見だカス。もうお前は見つけても鎮守府には上げねーよ」 と言って、ゴーヤの前で鎮守府の玄関口を閉めてやった。 「じゃーなー!勝手に野垂れ死んでくれー!」 ,ィ爪 ノ乃、 ___ _,. -‐ァァ'!fT}l{Tf'!ァァ‐- 、_ ___ _________________|_____| ,.ィ´i l | | | | |乂|||乂| | | | | l i`ヽ、 |_____|______ ______________ |┬┴|/l | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | l\|┬亠| ________ _l__l__|┴┬||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┴┬|__l__l_ __l__l_|┬┴||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┬亠|_l__l__l _l__l__|┴┬||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┴┬|__l__l_ __l__l_|┬亠||| | | | | | | | | |乂|||乂| | | | | | | | | |||┬亠|_l__l__l _l__l___ |┴rー|,」_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|込|||込|_|_|_|_|_|_|_|_|_|,」_|┴rー| ___l__l_ __l____l___「 ̄ ̄|,」_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|,」_|||,」_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|,」_「 ̄ ̄|_l__l__l  ̄ ̄  ̄ ̄ =-r., :(ソ-――-.:)): :/::::::::::::::::::::丶: 「待ってくだちー!ゴーヤたくさん謝るから許してくだちー! :/:::::::::::::::::::::::::::|: :|:::::::::::::::::::::::::::::::j〉: ごめんなち!ごめんなち!お願いでちから許してー! :ji:::::::::::::::::::::::::::::|: :人人V人V人V人: うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」 :/:::::::ー':::::::二つ )) :/::::::::::::::::/: :(::::: Y::::: /: :⊂___,⊂__): 初めゴーヤは鎮守府の前で必死に入れてくれとアピールをしていたが、やがて静かになった。 執務中に窓から覗いてみれば地面のアスファルトに身体を擦り付け、必死に泥を落とすゴーヤの姿があった。 代わりに擦り傷だらけになっているが、必死に続けている。こいつの頭では公園の蛇口で洗うという考えは思いつかないようだ。 通行人からも引かれたり笑われたりしているが、意に介さないかのようにこすりつけているので、さらに傷は酷くなっている。 全部落とす頃には夜が明けそうなのでゴーヤを放ったまま就寝することにした。明日も艦隊の指揮で忙しいし、いちいち構ってられないからだ。 翌朝、身体中ボロボロのゴーヤが玄関前で震えていた。「デヒィ…デヒィ…チヒィ…」とうなっている。 身体に触れてみると熱い。計ってみると40度近い熱を出していた。 昨日身体を冷やしたせいで熱が出たらしい。この分じゃ破傷風かもしれない。 ゴーヤは俺を見ると眼を潤ませながら「デヒィ…デヒィ…どうか…どうか助けてくだち…てーとく…どうか…」と言ってくるが、俺は意地悪な笑みを浮かべながら、 「まだ体にヘドロが薄くついてるし、水着も見つけてないからもダメだ。さあ、さっさと探して来い」と言ってやった。 それを聞いたゴーヤは泣きながら息も絶え絶えにフラフラとした足取りで水着を探しにドブ川へ向かうが、途中で力尽きて倒れて気絶した。 ,.r= (( -――-.(ソ /:::::::::::::::::::::゚丶 /::/レヘ::::;ヘ:::::i:::::| 〈|::::l τ`' ヽ`-!:::::j ji::::〈。゚o(#i!゚。/::::::| V::`ゥrr-.rュイ人人 ,/1::ー'| ノ:\_ / /ヽ:::/ /::_::::/ ) ⊂ノ ⊂ノ(__(__つ 俺はそこでようやくゴーヤを拾って、バケツをかけるためにドックに向かう。 こんな面白いおもちゃが簡単に死なれたら面白くないからね。 生かさず殺さずじゃないと。 もちろんバケツをかけたら再度探してもらうが。食事は見つけるまで勿論やらない。 あそこまでふざけたことを言ってくれた奴にやる飯や寝床なんかあるものか。 完