20071025福田首相宛要請書

韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題の早期解決を求める要請

内閣総理大臣 福 田 康 夫 殿

 この度、福田内閣の誕生を心からお祝い申し上げます。
 私たち、「同進会」は、戦後連合国による軍事裁判で「BC級戦犯」として有罪判決を受け、1951(昭和26)年8月までにシンガポールやジャワなどの現地刑務所から日本の巣鴨プリズンに移送され、1957(昭和32)年に釈放された韓国・朝鮮人とその遺族らで組織する会で、結成52年になります。
 私たちは、戦時中は日本軍に徴用され、戦後も「日本人」として裁かれ、祖国が独立した後もなお「日本人戦犯」として148名の朝鮮人青年が刑を受け、うち23名が日本の戦争犯罪のために死刑を強いられました。幸いにして生還したものは、巣鴨プリズンから釈放されると同時に「外国人」として放り出され、一切の補償・援護の対象外とされてきました。本人だけでなく、家族・親族も日韓両国で過酷な戦後を送り、前途を悲観し、自殺した者までいます。
 私たちは、日本政府に対して戦犯に問われた経緯・ポツダム宣言10項・サンフランシスコ平和条約11条などとの因果関係を説明し、謝罪と補償を求めて働きかけを続けてきました。裁判所にも訴え、8年間の歳月を経て、東京地裁・高裁・最高裁から立法を促す付言判示(添付資料P10参照)を得ております。
 判示を踏まえて、補償立法を求め、歴代内閣と各党国会議員の皆様に要請を重ねてきました。
 ここに新たに発足した福田内閣に別紙の資料を添えて、改めてこの問題についてのご理解と早期解決を要請する次第です。
 昨年、韓国政府の真相究明委員会は、私たちのケースを精査し、「強制動員被害者」と認定し、名誉回復を実現してくれました。しかし、私たちの名誉を完全に回復し、強いられた不条理を是正するには、日本政府、国会の立法措置が不可欠です。
 鳩山内閣以来、歴代内閣に私たちは、半世紀以上も訴えを重ねてきましたが、平均年齢が85歳に達した現在もなお私たちがこうした要請を続けなければならない実情に、深い悲しみと憤りを禁じ得ません。
上記事情をご賢察の上、速やかに立法措置を講じていただけますよう切に要請する次第です。

 尚、総理は、2003(平成15年)年7月16日に衆議院内閣委員会で官房長官として次のように答弁しておられますので、ご参考までに付記いたします。
 「政府として十分考えなければならない問題、実態をよく確認して、どういう方向をとるべきか考えてみたい。……至急実情を調べさせていただきたい。」


2007(平成19)年10月25日

韓国・朝鮮人元BC級戦犯者・「同進会」 会長 李 鶴 来

タグ:

要請書 同進会
最終更新:2010年03月15日 02:00
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。