来訪区事件簿 / Case-013-Kurotsuno
分類:潜行捜査記録/対組織接触案件
通称:「黒角事件」
発生日:彗天暦1522年 5月下旬
発生地:箱街・市場C区画および黒角薬局裏倉庫
報告部局:管理局セントエルモ 特務二課/特装三課/管制一課 合同捜査班
作成者:主任代理 ヤトノ・ニグラス
機密区分:機構島第Ⅱ級(閲覧制限有)
【概要】
市場Cにて回収された**汚染残渣(紫膜型合成物)**の解析を発端とする潜行捜査。
調査の結果、**黒角薬局(店主:レイラ・コークス)を中心とする流通経路が発覚。
当該店舗は違法調合薬の供給拠点であり、さらに裏で犯罪シンジケート「
紅い黒土」**との関係が確認された。
本件により、管理局と紅い黒土の直接的対峙が記録上初めて発生する。
【関係者】
| 役職/所属 |
氏名 |
備考 |
| 管理局 特務二課 |
ヤトノ・ニグラス |
現場指揮/総指揮代理 |
| 管理局 特務二課 |
イロハ(M168) |
潜入・偵察担当 |
| 管理局 特務二課 |
ヴァニタス |
制圧・防御担当 |
| 管理局 特務二課 |
マルボ |
電子解析・通信支援 |
| 管理局 特装三課 |
ホムンクルス |
現地保全・証拠解析 |
| 管理局 管制一課 |
リョウナ・タビー |
現場窓口/市民聞き取り |
| 対象組織 |
レイラ・コークス |
黒角薬局主/紅い黒土構成員 |
| 対象組織 |
面隠鴉(キビトカミ / ツラカクシ) |
紅い黒土所属/ナルク側近 |
【経過記録】
電源盤ログから外部発信ID検出。偽装配送ルートが黒角倉庫に到達。
マルボにより発信ID「0x7F-13C-AZ」を特定。
リョウナが屋台業者および運送人から「黒いロゴの袋」「夜間配送」証言を取得。
イロハが配達員に偽装し、倉庫裏に接触。
商店主(配送中継担当)をヴァニタスが拘束。事情聴取を試みるも、
「あの女(レイラ)に頼まれた」以外の供述は拒否。
紫膜型物質の分解反応、熱源二名を検知。
レイラ本人および“面隠鴉”確認。
面隠鴉がレイラを護送。紫の光触媒煙幕を展開。
煙幕成分に神格干渉反応あり。追跡中止。
証拠品(残渣・通信ログ・音声記録)を保全。
追撃見送り。ヘリック管理官の判断により報告書化。
【結果】
黒角倉庫の配送IDと残渣の化学一致を確認。
紅い黒土との直接関係が公式記録に初めて明記された。
面隠鴉(キビトカミ)の生存を再確認。
対象レイラは逃走、ナルクによる保護が濃厚。
【補遺-01:現場証言】
リョウナ・タビー(聞き取り後)
「あの薬、怖がってる人たちの手にも渡ってた。
でも、作ってる彼女は泣いてたみたい。匂いが“悲しい”の。
……あれが戦争の残り香ってやつなんですかね。」
ヤトノ・ニグラス(報告書末尾)
「人の弱さを薬にする奴は、神より恐ろしい。
……だが、彼女もまた“作られた側”だ。」
【補遺-02:分析報告抜粋】
残渣化学成分報告(ホムンクルス&マルボ)
紫膜は高濃度アニムス触媒を媒介とした人工合成物。
神格器官の抽出痕あり。
製法は旧ヴァレンシア系の実験薬「FZ-09」に酷似。
これが事実ならば、紅い黒土の供給源に旧トルテンタンツの技術者が介在している可能性あり。
【分類結果】
| 項目 |
指定名 |
対応部署 |
| 危険指定 |
準特異案件 No.013-Kurotsuno |
管制一課・特務二課・特装三課合同 |
| 組織関連 |
紅い黒土/旧トルテンタンツ系統 |
対組織対策課 |
| 状況 |
進行中(レイラ逃亡/面隠鴉生存) |
継続捜査 |
【備考】
本事件は「紅い黒土」初出案件として、以後の「面隠鴉遭遇記録」「ナルク覚書」「黒角再臨」へ連なる起点となる。
二課資料コード:RB-013。
最終更新:2025年11月13日 02:43