機甲盤古日本語翻訳wiki

第四章

最終更新:

testuser

- view
だれでも歓迎! 編集
機甲盤古 第四章
http://www.comibook.com/cb181


<翻訳者コメント>
※ 22ページ 一丈は約3.3m。
※ 30ページ 銭莊とは、昔の中国の金融機関のこと。
※ 33ページ 玉は翡翠などでできており、大変価値がある。
※ 盤古の文字補遺④ 「缶」は中国では楽器に使われた入れ物を指すことがあり、日本で使われている「缶」の意味はありません。日本の「缶」は、中国では「罐」と表現します。



  • 1ページ
江晨 「何? 魯泉達が預け払い機を壊して役場に連行された?」
   「詳しく聞かせてくれないか?」
役人 「はあ、実はこれこれこういうわけでして……」
江晨 「ふむ……」
   「江橋、お前は役場へ行って魯泉達の様子を見てきなさい」
江晨 「私は二人を助けるために少し寄り道をする」

  • 2ページ タイトル:靈石市[後編]

  • 3ページ
班 「君が魯泉。後ろにいるのがメカ亀盤古だの」
  「私は靈石市で判官を務めておる。姓を班という。君達にいくつか聞きたいことがある」
  「君達はあれだけ多くの金銭を出したが、預け払い機は全く壊れていなかった」
  「どうやってそんなことを?」
魯泉 「文字幻術を使ったんです」
班 「ええ?」

  • 4ページ
盤古 「一つの文字を書き出すことでその文字の効果を発揮する。それが文字幻術」
   「あのお金は「出」の字を使って出したのです」
班 「…出した? まさか君達、預け払い機のお金がどういうものか知らなかったのかの?」
盤古・魯泉 「ごめんなさい」
班 「君はまだ未成年だ。我々が君を家まで送ろう。損害賠償額はすぐ君の家族に伝えられる」
  「このメカ亀については、役場に一時拘留することになろう」

  • 5ページ
魯泉 「拘留…閉じ込めるってこと? いつまで?」
班 「定かではないが、今後の状況次第かの」
魯泉 「でも、僕は盤古と約束したんだ!」
   「盤古を故郷まで送るって!」
班 「ほう?」
  「…なるほど、点検のために彼を故郷に…」
  「君は彼のことをただ純粋に想っているだけなのかもしれないが、しかし…」
  「君といるこのメカ亀は強大な力を持っている。もし使い方を誤ればきっと大きな被害を及ぼすだろう」
  「君はまだ子どもだ。それを上手くは扱えまい。だから今は我々に任せなさい!」

  • 6ページ
班 「理解してくれたかの?」
魯泉 「…うん」
班 「……」
魯泉 「……………盤古…」
   「判官様の言うことはわかるんだ…」
   「けど、こんなことで君を故郷まで連れていけずに、おまけにじっちゃんにまでお金で迷惑かけて…」
   「……僕、どうしたらいいのかな?」

  • 7ページ
江橋 「まずは何か食べなさい」
魯泉 「江橋さん? どうしてここに」
江橋 「お父ちゃんがあなた達の様子見てこいって。経緯は大体聞いてるわ」
   「お父ちゃんは判官様と知り合いなの」
   「班判官ならきっとあなた達を助ける方法を考えてくださるわ」
魯泉 「知り合い?」
江橋 「お父ちゃんは玉石商。班判官は玉石コレクター」
   「二人は昔からの友達よ」

  • 8ページ
魯泉 「玉…?」
   「それって綺麗な石か何かかな?」
    じっちゃんも一つ欲しいって言ってた。
江橋 「ま、まあ間違ってはないんだけど……」
    玉のこと知らないのね…
   「班判官は玉の良し悪しを鑑定できるだけじゃなく」
   「人を見る目もピカイチで、いつも公正な判決をしてくださるわ。だから心配しないで!」
   「さ、熱い内に食べて食べて」
魯泉 「あ、ありがとう…」
   「あの、江橋さん…」
   「よかったら教えてもらえないかな? 江橋さんとお父さんの名前の書き方」

  • 9ページ
魯泉『約束したんだ!』
  『盤古を故郷まで送るって!』
班 「……」
  「ふむ…どうしたものか……」
  「ん?」

  • 10ページ
魯泉 「盤古、君お腹空いてたんだよね? 一緒に食べよう」
盤古 「あ……えっと」
   「ご主人様……それがしは機械。人間の食べ物は口にすることができないのです」
魯泉 「じゃあ何を食べるの? 魚? 野菜とか?」
盤古 「いえ! それがしに必要なのは…」
役人 「火を消せ!」
   「救助が先だ! 班判官がまだ出火した塔の中に…!」
江橋 「何ですって!?」

  • 11ページ
魯泉 「班判官が火事で大変なの!?」
江橋 「私、ちょっと見てくる!」
   「!」
山賊1 「お? あの商人の娘か?」
魯泉 (昼間の山賊達! まだ捕まってない仲間がいたんだ!)

  • 12ページ
魯泉 (江橋さんが危ない! ああもう、こんな肝心な時に閉じ込められてるなんて!)
   「盤古、おねが……」
班『もし使い方を誤れば、きっと大きな被害を及ぼすだろう。君はまだ子どもだ。それを上手くは扱えまい…』
魯泉 「…………」
盤古 「ご、ご主人様?」
江橋(火事の騒ぎに乗じて役場に潜り込むなんて……)
   「まさか、外の火事はあんた達が!?」
山賊2 「おうよ! 仲間を脱獄させるためにな」
山賊1 「小娘、そこ通しな! さもなきゃどうなっても知らねえぞ」
江橋 「私……絶対行かせるもんですか!」

  • 13ページ
山賊2 「うるせえ!」
江橋 「きゃあ!」
魯泉 「躊躇ってる場合じゃない!」
   「今は盤古に頼らなきゃ!」
   「盤古…牢屋を破ってあいつらを止めて!」

  • 14ページ
盤古 「了解です!」

  • 15ページ
山賊 「な!」
   「か、亀かあ?」
盤古 「あ……」
山賊 「あ?」
魯泉 「どうしたの、盤古!?」

  • 16ページ
盤古 「いけません…それがしのエネルギー残量が……警戒ラインにまで下がっています……」
   「補充しないと……それがしは動けなくなってしまう……」
魯泉 「何? 何をすれば君のエネルギーは回復するの?」
盤古 「ご主人様、それを! それがしに取ってください!」
魯泉 「これ?」
   「燈籠をどうするの?」
盤古 「燈籠ではなく…………」

  • 17ページ
盤古 「それがしに必要なのは、『電池』です!!」
魯泉 「電池?」
盤古 「よし……これでしばらくは持ちこたえられます」

  • 18ページ
魯泉 「電池って食べられるんだ。知らなかったな…」
江橋 「いや無理だから!」
盤古 「エネルギーが補充できれば……」
   「さあ山賊共、かかってきなさい! それがしが相手です!」
   「逃げた?」
魯泉 「そりゃ…誰だって君とは戦いたくないよ」

  • 19ページ
江橋 「あいつら仲間を助けに来てるのよ!? 追いかけなきゃ!」
盤古 「ですがそれがしの足では追いつけなくて…」
江橋 「追いつけなくてもやるの! とにかく追って!」
盤古 「う…よし、やれるだけでも……」
魯泉 「あ」
   「盤古、あの字! あの文字幻術でなんとかならない?」
盤古 「……!!」
山賊 「親分は一体何処に閉じ込められてんだ?」
   「ん?」

  • 20ページ
盤古 「文字幻術・囚字訣!!」
山賊 「!!」
   「なんだあ? こりゃ!」
盤古 「人を取り囲む「囚」の字! お見事です、ご主人様!」

  • 21ページ
盤古 「山賊達は衛兵に任せて、それがし達は火事の様子を!」
江橋(盤古のこの奇妙な力…一体何なの?)
民衆 「火の勢いが収まらない!」
   「消防車は何をやってるんだ!」

  • 22ページ
魯泉 「班判官はまだ無事だ!」
江橋 「よかった……」
   「でもどうすればいいの? 盤古、何か助ける方法はない?」
盤古 「はい……班判官のいる場所の向かい側に塔があります。そこからならば…」
   「ですが塔の窓から班判官のいる窓までは一丈以上……」

  • 23ページ
江橋 「こんな時にぴったりの文字幻術はないの?」
盤古 「それがしも考えているのですが…どんな文字を使えばいいのやら…」
盤古・魯泉 「……………………」
      「あ!」
江橋 「え? 何?」

  • 24ページ
班 「ごほ! ごほ!」
魯泉 「班判官、大丈夫ですか!?」
班 「うん?」
魯泉 「すぐに助けますからね!」
班 「魯泉!?」
  「牢屋にいたはずでは?」
魯泉 「あ…これは、その……」
盤古 「ご主人様、ご集中を。この字は難しいのですから」
魯泉 「う…うん…」
班 「…!?」

  • 25ページ
盤古 「文字幻術・橋字訣!!」

  • 26ページ
班 「なんと! 橋が現れよった!?」
魯泉 「さあ、今のうちにこっちへ!」
江橋 「班判官、お怪我はありませんか?」
班 「ああ…」
魯泉 「じゃあ盤古、さっきの打ち合わせ通りに」
盤古 「はい」
   「江橋さんの名前の後に、ご主人様の名前にもある「あの字」ですね」

  • 27ページ
班 「魯泉、盤古!」
  「君達一体何を?」
魯泉 「班判官。僕、よく考えたんです」
   「だから見ていてください…今度こそ、盤古の力を上手く使ってみせます」

  • 28ページ
盤古 「文字幻術・水字訣!」

  • 29ページ
民衆 「あ…火が消えた…」

  • 30ページ
江晨 「班様。あなたにお話ししたいことが」
江橋 「お父ちゃん!」
班 「江晨?」
江晨 「こちらに2600兩銀あります」
   「魯泉らが銭莊にもたらした損失。全てこの私が負担させていただきます!」

  • 31ページ
魯泉 「にせ…?」
   「こ、江晨さん! そんな大金どうして…」
江晨 「いけないかね?」
   「君達は山賊の手から私達を救ってくれた。それに比べれば些細なことだ」
班 「では…山賊を倒した人物というのは……」
江晨 「彼らのことですよ」
班 「………………」

  • 32ページ
班 「魯泉、盤古。まずは言っておこう」
  「山賊の逮捕協力及び役場火災の消火協力に加え」
  「江晨からの賠償支払いをもって」
  「君達は旅を続けられよう」
魯泉 「本当に? 班判官、ありがとうございます!」
   「よかった!」
班 「それから、これは私から君に感謝の印だ」
魯泉 「え?」

  • 33ページ
魯泉 「これは…?」
班 「魯泉、これは玉だよ」
魯泉 「あ! これがあの綺麗な石のこと?」
班 「受け取ってくれるかの?」
魯泉 「はい! ありがとうございます!」
江橋(この子、玉の価値知らないのよね…)
    そんなあっさりと…
班 「魯泉…君は「沁色」という言葉を聞いたことあるかの?」
魯泉 「いえ…どんな意味があるのですか?」
班 「沁色とは…」
  「時を経るにつれ、玉の色彩が…所有者の徳行により次第に変化していくことを指す」

  • 34ページ
班 「盤古の有り様はまさしく、ひと塊の玉だ」
  「彼がどのような色彩を放つかは、全て君にかかっている」
班 「今後も彼が正しい力を発揮できるよう、導いてほしい」
魯泉 「……肝に命じておきます」

  • 35ページ
魯泉 「江晨さん、お世話になりました」
   「帰りにもし靈石市に寄ることがあれば、また班判官に会いに来てもいいですか?」
班 「もちろんだ」
  「君達に会える日を楽しみにしてるよ」
   そして期待しよう…
   あの特異な玉が「徳行の色」を放つ、その日を―――







<盤古の文字補遺④>
魯泉 「班判官の名前の「寶」字が難しすぎて、僕には覚えきれないよ!」
盤古 「いい方法があります!」
   「まずその字を分解して…」
   「「宀」は家屋を」
   「「王」は玉を」
   「「缶」は罐を」
   「「貝」は昔の貨幣を指します」
   「つまり軒下に玉器やお金の入った入れ物が置かれているという…」
魯泉 「なるほど、これが本当の宝の山ってやつだね!!」
江橋 「私「缶」って音のイメージがあるんですけど…」
班 「そうだの。魯泉に正しく説明してくれ」


名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
人気記事ランキング
ウィキ募集バナー