機甲盤古 第四十九章
<翻訳者コメント>
- 1ページ
呉鎮(迴廊の壁画の内容は、全部記録してある)
(あとはどんな問題が出るかだ!)
管幽「じゃ、ここに手を入れて……」
「球を一つ取り出しなさい」
(あとはどんな問題が出るかだ!)
管幽「じゃ、ここに手を入れて……」
「球を一つ取り出しなさい」
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管幽「三番か…」
「では、出題しよう」
「もし…」
「この迴廊にふさわしい字を一つ選ぶとしたら…」
「それはな~んだ?」
「では、出題しよう」
「もし…」
「この迴廊にふさわしい字を一つ選ぶとしたら…」
「それはな~んだ?」
- 3ページ
呉鎮「「字」?」
管幽「そう」
呉鎮(…え?)
(壁画全部に共通する字? どう考えれば…)
管幽「わからないかね?」
「では今一度、迴廊をめぐってくるといい。この問題に制限時間はないのだから」
呉鎮(ぐ……)
管幽「そう」
呉鎮(…え?)
(壁画全部に共通する字? どう考えれば…)
管幽「わからないかね?」
「では今一度、迴廊をめぐってくるといい。この問題に制限時間はないのだから」
呉鎮(ぐ……)
- 4ページ
諸揚「ナァ、そろそろイラついてこねえのかよ?」
「守ってばっかいんなよ~」
「お前機甲兵だろ。ちったあかかってこいよ~」
盤古「………」
諸揚「へ、ヤダって顔だな」
「…じゃあこれならどうよ?」
「守ってばっかいんなよ~」
「お前機甲兵だろ。ちったあかかってこいよ~」
盤古「………」
諸揚「へ、ヤダって顔だな」
「…じゃあこれならどうよ?」
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諸揚「俺がお前らの邪魔をしてる理由、気になるよな?」
「もし…俺を倒せたら、それを教えてやってもいいぜ?」
「な? やる気出たろ?」
盤古「あなたは…闘って勝つことが正しいと、そうお考えなのですか?」
「もし…俺を倒せたら、それを教えてやってもいいぜ?」
「な? やる気出たろ?」
盤古「あなたは…闘って勝つことが正しいと、そうお考えなのですか?」
- 6ページ
諸揚「そうだけど?」
- 7ページ
盤古(…どんな理由であろうと……)
(誰かを傷つけるなんて、それがしはもう…!)
諸揚「こねえんだったら、もういいや……」
「ぶっ飛ばあす!」
(誰かを傷つけるなんて、それがしはもう…!)
諸揚「こねえんだったら、もういいや……」
「ぶっ飛ばあす!」
- 8ページ
盤古「?」
諸揚「あえ?」
「何止まってんだ? 攻撃は?」
諸揚「あえ?」
「何止まってんだ? 攻撃は?」
- 9ページ
諸揚「ハンガ!?」
盤古「あ…!」
(背中に入れておいたお弁当…!)
諸揚「バカやろ!」
「食ってんじゃねえ! 前見ろ前!」
盤古「チ…」
(チャンス!!)
盤古「あ…!」
(背中に入れておいたお弁当…!)
諸揚「バカやろ!」
「食ってんじゃねえ! 前見ろ前!」
盤古「チ…」
(チャンス!!)
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盤古(それがしがダメージを受けるわけにいかない以上…)
(切り抜けるには…)
(最小限の被害で…)
(敵を倒す!!)
(切り抜けるには…)
(最小限の被害で…)
(敵を倒す!!)
- 11ページ 台詞なし
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諸揚「ヴィ……」
盤古(や…)
(やった…!)
(饕餮の弱点は、「食い意地」)
(よかった……)
(彼がここまで忠実に再現していてくれて……)
盤古(や…)
(やった…!)
(饕餮の弱点は、「食い意地」)
(よかった……)
(彼がここまで忠実に再現していてくれて……)
- 13ページ
盤古(徐梅さんのお弁当に……)
(こんな形で大きく助られるなんて)
諸揚『俺を倒せたら』
『試験を邪魔する理由、教えてやってもいいぜ?』
盤古「………」
(こんな形で大きく助られるなんて)
諸揚『俺を倒せたら』
『試験を邪魔する理由、教えてやってもいいぜ?』
盤古「………」
- 14ページ
呉鎮「蒐物草よ…」
「迴廊の「字」のありかを指し示せ!」
(反応がない…!)
(まだ探してないとこが?)
(この迴廊にふさわしい字って、一体何なんだ?)
「迴廊の「字」のありかを指し示せ!」
(反応がない…!)
(まだ探してないとこが?)
(この迴廊にふさわしい字って、一体何なんだ?)
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呉鎮「あ…」
(わかったぞ!)
(そういうことか!)
(迴廊にふさわしい字って——)
(わかったぞ!)
(そういうことか!)
(迴廊にふさわしい字って——)
- 16ページ
管幽「——選ぶとしたら、それはな~んだ?」
呉鎮「!」
「う…」
(しまった! 先を越されたか!)
管幽「何をビクビクしてる…間違えても食ったりはせんよ。ホイ、力抜く!」
魯泉「ヒャ…はは…はい!」
管幽「じっくり考えてもいいが…」
「解答権は一回だけだよ?」
呉鎮「!」
「う…」
(しまった! 先を越されたか!)
管幽「何をビクビクしてる…間違えても食ったりはせんよ。ホイ、力抜く!」
魯泉「ヒャ…はは…はい!」
管幽「じっくり考えてもいいが…」
「解答権は一回だけだよ?」
- 17ページ
魯泉(…………字?)
(何かあったかな?)
(なかったような…あっても気づかなかったよ……)
(ばくは、盤古にたくされたんだ)
(あきらめてたまるもんか……)
(絶対に、答えを見つけてみせる!)
呉鎮(機甲兵ならいざ知らず。農夫、しかも子どもだ)
(答えられるはずがない)
(何かあったかな?)
(なかったような…あっても気づかなかったよ……)
(ばくは、盤古にたくされたんだ)
(あきらめてたまるもんか……)
(絶対に、答えを見つけてみせる!)
呉鎮(機甲兵ならいざ知らず。農夫、しかも子どもだ)
(答えられるはずがない)
- 18ページ
魯泉(もう一回地図を見なおそう!)
(思い出せ…)
(何でもいい…文字の手がかりを!)
(もしかして……)
「し…」
「試験官さん……」
管幽「うん?」
(思い出せ…)
(何でもいい…文字の手がかりを!)
(もしかして……)
「し…」
「試験官さん……」
管幽「うん?」
- 19ページ
魯泉「答えは……」
「これですか?」
呉鎮「あーあ…」
魯泉「え……」
「ち…ちがう? ごめんなさい…ぼく、地図が文字みたいだなって思ったんです……」
「や…やっぱり、おかしいですよね……」
「これですか?」
呉鎮「あーあ…」
魯泉「え……」
「ち…ちがう? ごめんなさい…ぼく、地図が文字みたいだなって思ったんです……」
「や…やっぱり、おかしいですよね……」
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管幽「……ふむ」
「小農夫…正解だ」
「この迴廊の道そのものが…」
「まさしく「魍」の字よ」
「小農夫…正解だ」
「この迴廊の道そのものが…」
「まさしく「魍」の字よ」
- 21ページ
魯泉「え…合ってるの?」
「本当に?」
「あは…!」
盤古「魯泉? 正解したのですか?」
魯泉「うん、盤古の言ったとおりにしたよ!」
呉鎮「ハァ…」
「お見それした。流石はそなわった字は何でも使える機甲兵だ。すごいよ」
盤古「はい?」
「本当に?」
「あは…!」
盤古「魯泉? 正解したのですか?」
魯泉「うん、盤古の言ったとおりにしたよ!」
呉鎮「ハァ…」
「お見それした。流石はそなわった字は何でも使える機甲兵だ。すごいよ」
盤古「はい?」
- 22ページ
魯泉「盤古は…文字幻術は使ってないよ?」
呉鎮「え?」
「じゃあどうやって答えにたどり着いたんだ?」
盤古「それは…ここが「陰刻迴廊」となっていましたので…」
「「陰刻」とは印象(はんこ)や彫刻の技法」
「インク部分を文字とする陽刻に対し、陰刻は白地部分を文字とする、くぼみ彫刻なのです」
「もしも問題が地獄の壁画に関するだけのものなら、ストレートに「地獄迴廊」とすればいいはず」
「だからそれがしは考えたのです。問題は彫刻に関するものなのではないか、と……」
呉鎮「え?」
「じゃあどうやって答えにたどり着いたんだ?」
盤古「それは…ここが「陰刻迴廊」となっていましたので…」
「「陰刻」とは印象(はんこ)や彫刻の技法」
「インク部分を文字とする陽刻に対し、陰刻は白地部分を文字とする、くぼみ彫刻なのです」
「もしも問題が地獄の壁画に関するだけのものなら、ストレートに「地獄迴廊」とすればいいはず」
「だからそれがしは考えたのです。問題は彫刻に関するものなのではないか、と……」
- 23ページ
呉鎮「例えば…迴廊自体が陰刻の大きな印章(はんこ)なんじゃないか……みたいな?」
盤古「はい。魯泉に地図を描いてもらったのはそのためです」
呉鎮(迴廊の構造は掌握してたんだけどなあ……)
(壁画に目がいきすぎていて、全体を見とおす視点がぬけ落ちていた……)
盤古「しかし、問題が的中したのは運がよかった」
「他にもパターンは考えられますからね」
「それがしは魯泉に可能性をたくしたにすぎません」
盤古「はい。魯泉に地図を描いてもらったのはそのためです」
呉鎮(迴廊の構造は掌握してたんだけどなあ……)
(壁画に目がいきすぎていて、全体を見とおす視点がぬけ落ちていた……)
盤古「しかし、問題が的中したのは運がよかった」
「他にもパターンは考えられますからね」
「それがしは魯泉に可能性をたくしたにすぎません」
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呉鎮「的中も何も…」
「機甲兵なら、二文字も使えばパパっとクリア……」
(あれ……? そうだよ……)
(どうして文字幻術を使わない? かえって遠回りになるだけなのに……)
(あんな人間の子どもにまで解答をまかせて…)
(普通にやれば勝つことなんて簡単なはず……)
(でもこいつはそうしなかった)
(…何故だ?)
「機甲兵なら、二文字も使えばパパっとクリア……」
(あれ……? そうだよ……)
(どうして文字幻術を使わない? かえって遠回りになるだけなのに……)
(あんな人間の子どもにまで解答をまかせて…)
(普通にやれば勝つことなんて簡単なはず……)
(でもこいつはそうしなかった)
(…何故だ?)
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管幽「そうだ、小農夫。一つ聞いておきたい……」
魯泉「はい」
管幽「陰刻迴廊を回ってみて…」
「何か感想はあるかな?」
魯泉「……感想ですか?」
魯泉「はい」
管幽「陰刻迴廊を回ってみて…」
「何か感想はあるかな?」
魯泉「……感想ですか?」
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魯泉「地獄って、とってもこわいです」
管幽「よろしい!」
「この後も頑張るのだぞ…若人よ!」
「?」
「もう一人いたような?」
管幽「よろしい!」
「この後も頑張るのだぞ…若人よ!」
「?」
「もう一人いたような?」
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??「お前らの勝ちだ」
「持ってけ」
馬賢「どうも」
??「仙試科舉は楽しんでるか?」
「持ってけ」
馬賢「どうも」
??「仙試科舉は楽しんでるか?」
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馬賢「そりゃもう! 地獄とは雲泥の差ですよ」
??「クク」
「じゃあ「仕事」の方は? 遊びにかまけてると、また失敗するぞ」
馬賢「ご安心を! 今仕込んでる最中で」
「夕方には……」
「全部終わってますよ」
??「クク」
「じゃあ「仕事」の方は? 遊びにかまけてると、また失敗するぞ」
馬賢「ご安心を! 今仕込んでる最中で」
「夕方には……」
「全部終わってますよ」
