29 きっかけ

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#center(){そして、変化のない毎日にもだいぶ慣れてきたある日のこと。 拓真はいつもどおり営業をしていた。 すると・・・ ガチャカランカラン 2人の男が来店。 拓真「いらっしゃいませ。」 あれ? 片方の若い男に見覚えがあった。 誰だっけな~? 若い男「少しお時間いいですか?」 ちょうど他に客がいなかったので、テーブル席で話すことにした。 拓真「それで・・・なんでしょうか・・・?」 ついに店がつぶされるのか? 若い男「私、Xというチームでキャプテンを務めている者です。 以前大会でお相手させていただいたのですが、覚えてらっしゃいますか?」 どおりで見覚えがあるわけだ。 拓真「もちろんです! 雑誌でうちと再戦がしたいと言ってくれましたよね。 冗談でもすごく嬉しかったです。」 Xキャプテン(以降XC)「実はその件で来たのですよ。」 拓真「えっ・・・?」 XC「こちらは我がチームの監督です。」 X監督「はじめまして。」 よく見るとこっちの人もどこかで見たことがある。 それも、Fリーグ関係の人だった気が・・・。 X監督「実は我々Xは来シーズンからFリーグに参入させていただくことが決定いたしました。」 あの噂は本当だったのか。 アマチュアチームをいきなりプロリーグに参入させるということはよほど実力が期待されているのだろう。 XC「そこで、1つお願いがあります。 私ども、あの雑誌で答えたことは紛れもない真実で、本当にあなた方KING TAKUさんと再戦がしたいのです!」 X監督「彼がここまでいうのはただあなたのプレーに感動しただけで言っているわけではないのです。」 何ぃ!!? ちげ~のかよっ!!! X監督「というのは、新藤さんはよくチャリティ大会を主催なさっていますよね。 我々実に感動しました。 もしよろしければ、是非我々にも協力させてほしいと思ったのです。」 なんだ。 チャリティを主催していることを知っていて、さらに協力したいだなんてむしろ実に感心なチームだ。 X監督「また、新藤さんは沖縄じゃ『フットサルおじさん』として名のあるお方です。 そのKING TAKUさんと新たにFリーグに参入する我々がチャリティマッチを開けば大きな宣伝になりますし、自ずと地球の手助けにもなれると考えまして。」 拓真「なるほど・・・。」 Fリーグのチームと闘えるという信じられないような話だというのに、何故かそれほど驚かなかった。 むしろ、良い話だと思って冷静に聞いていた。 XC「是非ともよろしくお願いします!!」 だが、少し迷った。 今すぐオレ一人で決めていいことだろうか。 拓真「・・・少し考えさせてくれませんか?」 X監督「もちろんです。 それでは決まり次第こちらにご連絡ください。 よろしくお願いします。」 こういう企画は当然大賛成だったが、拓真自身が参加できるか分からない。 今夜妻と話し合おう。} ----

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