とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part05

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匿名ユーザー

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「まーま!! まーま!!!」

「髪の毛引っ張らないでー!!」

上条が抱っこしているインデックスに髪を引っ張られる。
おかげでいつもより早く現実世界に返ってきた。
そうだ、この子のミルクとか買いに来たんだっけ?
『その幻想をぶち殺す!!』って言葉がどこからか聞こえた。
でも、夢見たっていいじゃん。

「こら、インデックス、やめなさい。御坂、大丈夫か?」

「……ごめん、そっとしといて」

「?」

?を浮かべながらも了解する上条。
先ほど怒られたばかりなのだからしょうがない。
オムツ替えようとしたらものすごく怒鳴られた。
ちょっとショックだった上条君である。



「だい!!!」

「?」「?」

そこは開けた土地だった。

「ここは……」

「……そうね」

そこは学園都市の中枢だった場所。
窓のないビル跡地。

「「アレイスター……クロウリー……」」

すべての、始まり。
何人もの人生を狂わせ、最後の最後まで上条たちの前に立ちはだかった人間。

「手強かったわ……ね……?」

上条の顔を見て、美琴は言葉に一瞬詰まったが、

「なーんて顔をしてんのよ!!」

笑う。

「確かに、アイツは最後までアンタの手をとらず、ついには自分で使っていた天使の力に飲み込まれちゃったけど」

あなたは悪くないと伝えるために。

「最後まで、笑ってたじゃない」

大丈夫だと伝えるために。

「……そう、かな」

「アンタはやれるだけのことをした」

「そう、だな」

でも、たぶんダメだ。

「そう、だよな」

すべてをハッピーエンドで終わらせたい彼は

「ありがとな、美琴」

これを、一生引きずっていくのだろう。

「どーいたしまして!!」

なら、私は……。




「いやいや、いい雰囲気のところ申し訳ない」

空気が、変わる。
二人は後ろを振り返った。

「はじめまして、烏角と申します、どうぞどうぞ、よろしく」

紫の頭髪と、茶色のスーツ、整った顔つき。
真夏でもコートを羽織っている。
そして、その周囲の空気は、異常。

「誰だ!!」

「道士、いえいえ、ここでは、そう、こう言ったほうがよいでしょうね」

その瞬間、

「魔術師、と」

数十、数百の烏角が二人を囲む。

バチッ!!
バキン!!

しかし、二人の反応は早く、一箇所に逃走ルートを作る。

「これは……」

大量に増えた烏角を右手で殴る、その正体は。

「蚊?」

「左様左様。この真夏日、いくらでもわが兵力は増えていきます」

「くそっ、とりあえずいったん退くぞ!! 美琴!!!」

「ええ!!」

「ふふふ、無駄、無駄ですよ」

鬼ごっこが、始まる。



「なんで最大主教が科学陣営本拠地に来るんだ!!!」

土御門は走りながら携帯にわめき散らす。
しかし、携帯も負けてはいない。

『そんなこと僕たちがわかるわけがないだろ!!!』

「とにかく、早くやつを見つけ出せ!!!」

汗が流れるのは暑さのためだけではない。



夜の河川敷。
たった一人だけが持つ、二人の思い出の場所。

「ようやくようやく、それを渡す気になってくれましたか」

そこで、三人と数百人が対峙する。

「……一応聞いといてやる。渡したとして、その後どうするつもりだ?」

「ふむふむ、それはあまりにも危険なものなので、適切な適切な処理をして、破棄させていただきます」

「……ありがとう、絶対に渡さないって覚悟が出来たわ」

「どこの誰かは存じませんが、それは、ここで死にたいということですか?」

「違うわ、アンタを、ぶっ飛ばすってんのよ!!」

「やれるものなら、どうぞどうぞ」

その瞬間、一斉に烏角たちが襲い掛かってくる。

が、

美琴は上条の肩を踏み台に空に飛びあがる。
上条もわかっていたかのように右手を掲げた。


雷電が、周囲を一掃する。


「ぐふっ、がはっ、まさか、貴様は……」

周囲の幻影が消えていく中、烏角は叫んだ。

「超電磁砲!!」

「そうよ、少しくらい調べてから来るんだったわね!!」

だが、烏角は退かない。

「ならば、これで!!」

懐から何かを取り出そうとする。
上条と美琴が警戒するも、

「な、んだと?」

それはすぐに砕け散った。

「だぁ!! だぁ!! めっ!!」

「おのれ、禁書目録!!」

「そこまで!!!!」

四人の身動きが止まる。
まるで、

「面白きものを見にしけり」

これから荘厳な儀式が行われるかのように。

「久しぶりでありけるわね、元気だったりしか? インデックス」










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