KISUI と 数奇内検索 / 「Dとつけば」で検索した結果
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Dとつけば
「どうして、助けてくれなかったの!櫻姉さん!」 『あれくらいはなんとかしてもらわないと』 「あれくらいって!雲雀さんだぞ?!並中最強だぞ?!!最弱の俺がどうできるってのさ!」 『……ツナ。貴方は強さ云いの前にその根性を直した方がいいわよ?』 家に帰ってきたらいきなり噛みついてくるツナを、そうあしらって自分の部屋へと入る。 『まったく、我が弟ながら情けない』 どうしたらあんなに他人に頼るのだろう。 「おい」 声の先を見れば、真っ暗な部屋の中でリボーンが待っていた。 「今日のはなんだ」 『ああ、力ですか?ちょうど綱吉と同じ年で使えるようになりまして』 「九代目やザンザスには?」 『一応、教えましたが……。どうもこの力は私だけらしいの。前任者もいないですし、その年の夏休み、家族にはキャンプと言いながら山に籠って、コントロールだけは出来るようにしました...
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序章・日常編
...善案 加わる者たち Dとつけば 再会 ランクづけと警戒 次編:黒曜編
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加わる者たち
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届かなかった手
カカシの元から移動し、ナルトと話していたレイスケを拾って、現在は紅班がいるであろう演習場所を目指している。 ナルトが瞬身で現れた私に吃驚していたが、やはり主人公。 強がって「自分一人でどうにかできるってば!」なんてことを言っていた。 カカシが苦労するはずだ。 全くと言っていい程、まとまりがない。 クラスで大縄跳びがずっとできないような状態だろう。 これが暗部の部隊なら、私が直接指導しているところだ。 「ナルト、大丈夫かなぁ」 『あの状態なら心配も無理ないだろうけど、任務が始まったら何とかなるでしょ。それでも駄目なら、彼に合った職業になるだけの事』 「うん、わかった」 素直に頷くレイスケは物分かりがいい。 昔の私では下せなかった判断だ。 大丈夫。 今はそう信じれる。 ナルトは陰で支援し続けてきたからな。 ま、当の本人に身体的ないじめが...
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悪戯と漬け込み
マートルを含めての会議の翌日、スグに私達は行動を開始した。 双子は通常運転に加えて、ほんの少しずつロックハートに悪戯してゆく。 ハリーとロンは情報収集に専念。 ネビルはスプラウト先生に同意を得て、色々薬草などで思案し始めていた。 スプラウト先生はロックハート反対派である。 んで、マートルはというと、幽体であることを活かして彼の部屋へと侵入し、部屋を水浸しにするなどの悪戯をしている。 私もチョイとばかしそれに同行して見学していたが、かなり凄い事になっていた。 ……ファンレターとか濡れて読めない!とかになっていないといいね。 私はこれらの悪戯の総集編というか、最後の一押しというか、とりあえず、最後のおおとりを思案しながら作成中である。 ただ、これを作りながら他の魔法薬作りつつなので結構忙しい。 それに何のかんので、私が作るものはこちらには存在しないもの。 つ...
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応援というよりも……
レイスケの成長具合に驚きつつ、戻ってきた彼とともに他の班の視察へと繰り出す。 だが、既に分身を向かわせた分の班は、視察は問題ない。 『班がこんなに多いとはねぇ……』 知っている分だけでも十班まであったが……まさかそれを含めて十二班もあるとは。 これは、先の戦争の効果なのか……子宝に恵まれたなぁ、皆。 だから、主要キャラ達の班の方が残ってしまっている始末。 三つは残ってしまっているからね。 「珍しいの?」 『あー、あれだよ。学校のクラスの人数が一気に二倍になった感じ。班が三人一組だからなおさら多く感じるんだよね』 残りは……えーっと、ナルトがいる班と、ヒナタがいる班と、シカマルがいる班だね。 他の班は結構近い場所にそれぞれ居たみたいだから、分身が回ってしまったみたい。 この移動中も結界を張っているから、話し放題だ。 『うーん、どれに行っても……レイ...
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容量と用法
またこのパターンか。 見たことのある天井と、嗅ぎ慣れてしまった薬草の匂い。 て、マジで穴があったら入りたい…… 「気が付いたか」 これまた聞きなれたべルベッドヴォイスが横から聞こえた。 いや、斜め上からだ。 『私、いったい……』 「昨日、この部屋に倒れていたのだ。高熱を出してな」 『……私どのくらい寝ていたのですか?』 三日とか言ったらシャレにならない。 「昨日の夕方、ちょうど十六時ごろだ。そこから先程まで寝ていた」 『情けないなぁ、私。……まさか、変な寝言とか言ってませんか?』 うっかり本音とか言っていたら、私はどうすればいいか分からない。 「確か言ってたな」 なんだとー!! 「確か“タキトリテルエンベルグ”だったか……」 なに言ってんの私――!!!! 告白じゃなくてよかったけど、そんな意味不明の言葉なんなんですか!! 「さ...
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暗躍開始
アカデミーをそこそこに、暇な時間に鍛錬を瑠威につけてもらい――はや三ヵ月。 俺は初めての暗部としての仕事をしていた。 「ごめんね、人が足りないからこれが初めての仕事になっちゃった」 『まさかいきなり暗殺とは……。まぁ、仕方なかろう』 人の上に立つ感覚はよくわかる。 俺も部下共がふがいなく分身を作らざるを得なかったのだ。 ま、その分身というのが俺(分身のひとり)なのだが。 『それで、一応聞いておくが何か制限はあるか?』 「あー、そうねぇ。んじゃ、雷禁止で」 『チッ、面倒だが火の方を伸ばせという事だな』 「そういうこと。あ、こっちは特殊術禁止で行きますんで」 移動しながらターゲットのいる場所まで移動していく。 ちなみに家には俺がいるように、空が幻術と蜃気楼を使ってそう見せている。 暗部だからと、姿も変化の術である程度大人になっていた。 見た目的...
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土日の災難 土曜編
しっかり、朝のマラソン(?)と軽い運動を済ませた私は、朝食後悩んでいた。 ………………気まずい。 どーしよ、どーしよ。 頭を抱えて何処かにスライディングしたいが、そうもいかない。 え?なぜかって? 既に私はセブルスの部屋の前だからだ。 気まずいと言えば、ハーマイオニーもそうだったが、彼女は夕食が終わって寮の相部屋に戻るなり抱きついてきた。 「ごめんなさいごめんなさい」 涙を流して許しを請う彼女に、私が怒るはずもない。 『大丈夫ですよ。怒っていません。私の身から出た錆ですし』 「いいえ、いいえ。わ、私がいけないの。私がスネイプ教授の行動に耐えれずに、貴女を頼って」 『そうするよう、メモで指示したのは私です。ですから、ハーマイオニーが泣かなくてもいいんですよ』 しかし、彼女はしばらく泣き止まなくて、小一時間ほどあやしていた。 それからは朝食とかも私についてくる形で、ハリー、...
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演習
ナルトの横に住むというのは、大変面白い。 「遅刻!!!!」 静かであることがそうそうない。 彼はドタバタと音を立てて、家を出て行った。 『さて、私達も行きますか』 「うん。で、どこに行けばいいの?」 『あぁ……死の森あたりに行きますか。あんま皆使わないしなぁ』 「?みんな?使う?」 『アカデミーってのはいわゆる素養検査所みたいなもんでね。ただのふるいの一つなの。だから卒業=就職ではないわけ』 「なぁんだ。前の世界と一緒だね」 『まぁね。レイスケがいた世界と私のいた世界は比較的に似たもんだからね。ガロだけじゃないかしら?文明が発達しているのかそうでないのかわかりかねたのは』 勇者装備とか一部だけハイテクであったものね。 一旦会話を切り、移動を開始する。 と言ってもものの数分で着いてしまったな。 「それで、他のみんなは今日本当の試験なんだね」 『ええ。で...
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見えぬモノ
ハグリッドについて行けば、やはり一部の人にしか見えないモノがいた。 初っ端からやるつもりだったな。 もうハリーやネビルはガン見してるし。 かくいう私も見えるのは、自分自身の方だろうな。 ため息を一つつき、二人に耳打ちする。 『今見えている生き物は私達三人にしか見えておりません。そういう特殊なものです。ですので、あれではなく他の生徒の視線の先の方にいる動物を見てください。あちらが今回の初授業で扱うはずだった動物です』 「僕たちにしか見えてないってこと?でも、なんでそんなモノがいるのさ」(ハリー) 「条件が僕たちにはあったという事だね?ハグリッドは最初っから動物と会わせる気だったんだね」(ネビル) 『ええ。今回の動物に関しては直ぐにします。調子に乗るような方もいるでしょうから』 三人とも前を向く。 ロンは見えてないし、マルフォイと同じようにペガサスのようなそれ...
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三頭犬の名前
朝、5時ごろに校内を歩く。 早めに運動を切り上げて、私は思考の海におぼれていた。 どうしようかしら、単純な名前は嫌だと言われたし…… 考えているのは、三頭犬の名前である。 もちろんフラッフィーという名前が既についているのだが、よくよく聞いてみれば、三者三様の名前が欲しいらしい。 そもそも意志が三つに別れているのだ。 確かに、三匹とも同じ名前というのは嫌だろう。 えーっと、一匹目は少しさわやか真面目の性格。 この子がフラッフィーで満足してるって言ってたわよね? で、二匹目が年長者みたいな物知りな性格。 最後の三匹目が食いしん坊、っと。 え、真面目にどうしましょう。 あの三匹を示す言葉がフラッフィーでいいとしておけばいいのかしら。 それとも、本当に最初の一匹目にその名前を割り当てればいいのかしら。 ………………う~む、悩む。 ...
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ハロウィン in トロール
クディッチの練習は十五時まで続いた。 各々解散し、ウッドたち上級生は、早々と競技場から出て行った。 ぐぅぅ…… 不覚にも私のお腹は正直である。 「禪、大丈夫?」 『全然、大丈夫じゃない……』 今にも倒れそうなほどにふらふらしている私を、ハリーが心配して聞いてきた。 私がこれだけふらふらしているのは、体力を消耗しすぎた為である。 朝早くマラソンをして、ご飯を食べずにクッキー作って、寮まで行って着替えして、なぜか補欠選手になってクディッチの練習に参加。 つまり、朝も昼も食べていない状態で動いていたのだ。 『ハリーは元気だね……』 「いつも食べてる量が少ないから……」 ハリーが心配そうな顔でつきそう。 『ってことは、朝ちゃんと食べたんだ』 「もちろ……禪、食べてないの?!」 『クッキーを作ることに集中して、喰いっぱぐれちゃったんだ……』 そう言って、競技場の壁に寄り掛かった。 あ、やべ。 「……...
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風の守護者の試練
やはり月のない夜であった。 やー忍者だったら暗殺日和だよね! 「「では、始めます」」 「って、姉さんは?!」(ツナ) 「そうだ、櫻さんいったいどこに」(獄寺) 「櫻様でしたら、既に校舎の中にいらっしゃいます」 「校舎の二階におられます」 「二階?」(ツナ) 「もしかして、また書類整理やってたんじゃないか?」(山本) 「あ、そっか!二人ともいなかったから」(ツナ) つまりは、応接室。 ま、そこにいるのはやめて、その近くの教室へと移動しているんだけど。 だって雲雀さんが怒りそうだからね。 「「では、今から制限時間三十分でこの学校に仕掛けた」」 「爆風タービンと時限爆弾、計三つ」 「破壊、もしくは停止させてください」 「はぁあああ!?」(ツナ) 『うるさぁい!ねぇ、ツナそれ以上煩くしたら、今から殴りに行くわよ!』 「え、姉さん?!って、どこから……」(ツ...
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呆れと自覚
禪・蔡塔という人物は、不安定だ。 時にもろく。 時に知識豊富なところを見せ。 時に無知に。 時に満面の笑みで。 時に鋭く。 時に―――― ――――――どこか影を持っているように見えた。 実に不可解な人物である。 あの“ウスノロ”と同じようなとこもあるのに、校長は“例のあのお方”に似ていると言っていた。 我輩としては、あの森番い近いところがあると思っているのだが、マクゴナガルから見たら“不憫な女の子”で活発で利発と思っているようだ。 このような違いはどこから来るのか? 答えは単に、彼女が不安定だという事に尽きる。 このような……こんな人物は初めてだ。 このホグワーツの組み分けの様にすぐに仕分ける事が出来ればよかったものを。 そうすれば、我輩のペースは保てていたのだ。 あのポッターの前での初授業さえ、禪が邪魔をし、ペースが保てていなかった...
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夏は終わりを告げる
ミーンミーンミーン…… 「さすがに暑いですね」 額の汗をぬぐう草壁さん。 『夏なのに、いつもその恰好をしているからですよ。ちゃんと夏服にしました?』 「もちろんしましたよ!」 そう言って学ランをこれ見よがしに見せる。 土曜出勤も普通にありの風紀委員の仕事を応接室でしていて、ふと草壁さん達男子が真っ黒な学ランのまま動き回っているというところに疑問を感じていた。 『……はぁ、制服とはいえ、黒ではねぇ。というか、夏くらいは、学ランじゃなく、カッターシャツにすればいいのですよ。この頃は、気温が異常ですから、脱水症状を起こしたり、熱中症にもなりかねません』 「ですが、これが決まりですので」 『…………わかった。雲雀さんに直談判してくる』 「なっ!あの委員長が聞いてくれるはずもないですよ?!」 『聴かぬなら、聴かせて見せよう、委員長。ほら、雲雀さんって私にまだ勝てて...
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南の部屋
「「よし描けたぜ!」」 双子の声とともに光が消える。 「ギリギリでしたわね」 「五時間持つのではなかったか?」 『あー、初めて使う力だから、コントロールが効かなかったみたい。もう少し慣れが必要、かな』 教師二人にそう言われて、まだまだ駄目だなぁ、と自覚する。 「間に合ってよかったな」 『ええ、そうね。って、あっちが南だったのね……』 狛が入っていた部屋の右側に南を示す赤い線がのびている。 どうやら双子はそれぞれの寮にちなんだ色を東西南北の色にしたらしい。 南は先程言ったように赤、これはグリフィンドールだろう。 北は緑、もちろんスリザリンだ。 東は水色、レイブンクローね。 西は黄色、ハッフルパフ。 北の緑の線は確かに私が調べた像に向いており、それが正しいのだろうと推測する。 『まさか、そこだと...
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混乱
目に飛び込んできた世界は、鮮やかな緑だった。 『って、どこじゃい!』 【叫ぶのは良いが、危ないぞ】 へ? うわぉ! ここ木の上か! てかリスポーン地点がここってビックリなんですけど! 『岩の形といい、木の配置といい。コレのちの木の葉の里地点じゃねーですか?』 【いい場所だろう?】 『アルトゥがそれ言う?と、いうか、なんか都合よすぎないか?』 【貴女は疑い深い方ですねぇ。私もわざわざ人型でお邪魔しているというのに】 人型だと? 振り向けば銀髪の美人がいた。 『やべぇ。美人だ。長髪男性なのに、すっごく美人だ』 【いったい長い髪に何の恨みがあるか知らぬが、神はその力を髪の長さで保つ。レベルみたいなものだ】 『なるほど……。一瞬、あの変態忍者と区別するためかと思いましたよ。あー、でもその髪は紫がかってますね。見分けつくわ』 【あれと一緒にするでない。さて、と...
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特訓と二人の時間
「だいじょうぶかだってば!」 『だいじょうぶだよ?ここコワい人いないみたいだし』 しっしんからおきたナルト君がしんぱいしてきた。 「ならいいけど……」 『今日から、ここでいっしょにすごすからよろしくね』 「え?」 『いや?』 「そ、そんなことないってば。でも……」 気にしすぎだよ、この子。 関わらなくなることでギリギリで保ってるくらい、だよね。 ……じゃあ、思いっきり強くなって、僕ちゃんと身をまもるようにしよう。 人のほんしょうコワいから。 あのあと、ナルト君といっしょにご飯たべてねた。 ねがおはトシソウオウだね。 『今日から、くんれんおねがいします』 「ああ」 「基本からやろーねぇ。とりあえず知識身につけれてからにしよか~」 「おい、瑠威は今から任務だろうが。俺がやっておく」 「えー、不安かも」 「さっさと行け」 ルイおねえちゃんが...
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継承済み
「すまないな、フィルチ」 「なぁに。お安い御用だ」 私達の頭上で行われるこのやり取り。 「迷惑ついでにもう一つ引き受けてはくれないか?」 「なんだ?」 「マクゴナガルをここに呼んできてくれ」 「そういうことか。引き受けた」 フィルチさんが退出し、しばし沈黙が流れる。 二十分後、ミネルバが駆け込んできた。 うわー、なにこれ。 前門の狼、後門の虎?! 「禪!また私達に内緒で勝手に行動して!!」 ちなみにフィルチさんは巡回に戻ったという。 『すみません、ミネルバ』 「「でも収穫はあったぜ」」 秘密の部屋にて、新たな部屋を二つ見つけたという事を監寮二人に話した。 「なっ!」 「それは本当ですか!?」 信じられないモノを見るような目をする二人。 『本当です。慧にも確認してもらいまして、その……サラザール・スリ...
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邂逅
学校とは名ばかりの施設から帰ってきて、目を閉じる。 【どうだ?アカデミーやらとは】 俺の心に直接響く空の声。 〈全く面白くない。基礎体力を上げるだけの教科ばかりだ〉 【そうか。たしか貴様は既にそれは出来ているであろうし、致し方ない状態だな】 〈どうするのだ?空の賭けのこともそうであったが、それでは不十分なのであろう?〉 【……仕方ない。貴様に師をつける。しかも、とびっきりの奴だ】 〈暗部までついているのだが、それはどうする?〉 【それも大丈夫だ。あと一週間ほど待てば収まる】 〈その期間耐えろと?〉 【ああ。……不満なら、チャクラの練り方をイメージしていろ】 〈チッ、面倒だ。が、そうだなそうしていよう。今の状態で動けば敵が増えて面倒になるのであろう?〉 【そうだ。今は待て】 〈わかった〉 会話を切り、目を開ける。 現実世界では五秒と時間はたっていない。 ...
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類似
『ひさしぶりー。生きてるかーい?』 「そっくりその言葉返すぴょん」 「……顔色悪い」 黒曜に顔を出したら駆け寄ってきた男子二人から心配された。 あ、取り残されたクロームもなんか頷いてる。 『あー、あまり寝てないんですよ。あの人が嫌で』 「苦労してるなぁ」 「いっそ、ここから学校行けばいい」 「……櫻さん?大丈夫」 おお、唯一の純粋女子きた。 『まぁ、大丈夫よ。今その行動すると、私の幻術レベルじゃ一発で見抜かれてしまいますからね』 これは本当のことだ。 いくらマーモンに鍛えてもらったとはいえ、適性的には中級レベルの私が、骸に可能なことをできるわけがない。 「そう……」 『クロームさん、そんなに落ち込まなくとも。私は毎週こちらに来れますし』 「……」 『?』 クロームが私の服を引っ張っている。 「寂しいみたいだぴょん」 「まぁ、櫻がいた方がク...
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選び取らないか?
アルバスじいちゃんは硬直したままだった。 そんなにおかしいか? 確かに、皆がHappy ENDとはいかないかもしれない。 見通しとか甘いと言われればそれまでかもしれない。 でもな、この魔法界はまだ救われている方だ。 どーすんのど鬼畜な世界とかドSな世界だったら。 あれは救いようがないじゃないか。 マジで笑えないほど、いろいろ考えまくってどっちにつくか考えるわぁ! でもこの世界はまだ救いがあるんだから、追及するに決まってるじゃないか。 アルバスじいちゃんが空中で動きを止めたのを確認し、周りを見渡す。 中庭に面した廊下に先生方が集まってきていた。 というより、私達の行方が気になり過ぎてガン見している。 ああ、やっぱあの大声と爆発音じゃ聞こえるわな。 「一つ聞く」 あ、アルバスじいちゃんがゆっくりと降りてきた。 『なんです?』 「今年は...
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始まりの三つ巴
キンッ、キキキンッ! 薄暗い路地にぶつかり合う金属音が聞こえてくる。 それは武器による攻撃の応酬であり、雰囲気も手合わせなどと言うものではない。 一人は長剣で長髪。 その髪も刀身と同じ銀の色をした背の高い男だった。 まだまだ余裕のようで、楽しんでいるように相手に攻撃を浴びせ続ける。 相手は当然、防御に徹するしかない。 その相手は小さな体で、防ぎ続けた。 いや、防ぎつつもどこかへと移動し続けている。 「ヴォイ!てめぇ、なんで日本に来た。言わねえと、三枚におろすぞぉ!答えろぉ!」 「答える必要はない!」 しらばっくれるつもりのようで、少年は反撃に出る。 しかし、その攻撃は相手の力量より劣っていて、すぐさま撥ね返され、地面に叩きつけられた。 地面を転がり、穴へと落ちそうになる。 だがそれを武器を突き刺して何とかしのいだ。 ただの穴であれば、そう深くもな...
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助っ人
すぐ出発して波の国に1時間で着いたのに、機動力が意外と良かったのか一行は見つからない。 「霧で見えないね」(レイスケ) 『感知できればいいんだけど……あー、やっぱここの詳細な地図を貰ってくるべきだったなぁ』 ただでさえ、南国特有のマングローブが生い茂る国だ。 貧困層多めというとこで治安も悪いが、地図案内板なんて親切なものは存在しない。 せめて、あの鬼お兄さんが来るとこで割って入りたいんだが………… 「うーん……」(レイスケ) 『……レイスケ?』 「えっとね、今相手の動き考えてるんだ。もしも、こういう霧のなかなら、まずどこへ対象が行くか考えるんじゃないかな?」(レイスケ) 『ええ、どうせこの波の国の交通手段は船。つけるのは桟橋でしょう。ですが、こうも霧が濃いとマーカーや臭いでは特定できないでょうね』 「なら、桟橋はいくつあるの?」(レイスケ) 『規模はいろ...
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再会
ロマーリオさん達とホテルにつくと、そこには仁王立ちしたベルフェゴールが待っていた。 ちなみに何かの対策なのか、高級ホテルでした。 「ししし。櫻、久しぶり」 その笑みも、顔だちも変わっていない。 変わったのは声と着ているものだけ。 『ベルフェゴール?だよね。声変わりしたんだ……』 「って、そこだけかよ。俺、かなり背が伸びたと思うんだけど」 「お二方。再会してなんだが、先に部屋にいったらどうだ?」 ベルフェゴールがナイフを取り出しそうになっているところを見かねて、ロマーリオさんが言う。 「ちっ、跳ね馬んとこのか。仕方ないな」 『……はぁ』 相変わらずだと思いながら、歩き出したベルフェゴールについて行く。 後ろを振り返ると、ロマーリオさんはその場で手を振って見送っていた。 どうやら別々の階にでもしたらしい。 高級とはいえ、ホテルとしての性質は...
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名前を付けて?
(セブルス視点) 我輩はあの騒がしいダイアゴン横丁から、ホグワーツの正門前に姿現しで帰ってきた。 横には我輩と共にダイアゴン横丁で買い物してきたMs.蔡塔がいる。『……結構な荷物になってしまいましたね』 子供らしからぬ言い方で、彼女は教科書やペット達を見やった。 それもそのはずだ、一年生というのは何から何まで初めて。 物がかさばるのは致し方が無い。 まぁ、その費用もなのだが……。 どう運ぼうかと思案している彼女を一瞥し、我輩は杖をふった。 地面か彼女の手にあったものが全て宙に浮く。『!ありがとうございます、教授!』 Ms.蔡塔が目をキラキラさせて笑顔でお礼を言ってきた。「ふん、これくらいは出来なければな。さっさと運ぶぞ」『はい!』 宙に浮いたそれらを先導するように、ホグワーツの校舎及び自室へと歩き出す。 彼女も我輩についてきた。 全く我輩がなぜこのような事をしなければならないのか…… 全て...
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軟禁
動き回る動物を、しかも暴れている状態で捕らえておくという事ほど面倒なものは無い。 『暴れんじゃないってば!私は味方ですよ!』 んなこと、半分狂気にとらわれたコヤツに言っても意味がない。 「で、どの部屋に入れるのだ?流石に、ハリー達に見られる訳にはいかぬであろう」 『そこなんだけど、一番見られないであろうところが私がいつもいる錬金の間なんですよ』 前に見つけたグリフィンドールの部屋と思われるところから、さらに進んだ部屋の先の事だ。 そこに、遺書の一部があり、錬金の跡と鍛冶の跡、そして調剤の跡もあった。 なんやかんやで私が継承者となったのだが、結局使っているのはその錬金の間である。 ハリー達の訓練は、すべての部屋へと通じている大広間で行っている。 蛇の像が邪魔な気もしたが、障害物を想定せざるを得ない場所での訓練と思えば、それもありかと納得した。 「しかし、...
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寮とピーブス
*ここから禪視点となります。 アルバスじいちゃん。 後で恨みます。 組み分け困難者になった最終新入学生の私は、マジでそう思った。 ハリーとハーマイオニーより組み分けに時間がかかるとは、マジで疲れるな。 いやいや、ずっと帽子と問答を繰り返していたことがではない。 それよりもその間に感じている、多数の視線に見られているのに疲れたのだ。 こういう時だけ、グリフィンドールとスリザリンがシンクロするのは如何なものか。 うん、なんか釈然としないわ。 そう思いながら、私はグリフィンドールのテーブルへと歩いてゆく。 テーブルに着けば、席が空いていなかった。 おい、そりゃないぜ? どうしようかと悩んでいるように見えたのだろう。 実際に悩んではいたが、その姿を見て、少しオドオドした様子ではあるが、男子生徒の一人が席を詰めるよう言ってくれた。 あれ、君もしかして……「す、座りなよ」 そう言ってその子は、...
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まずは届けよう
夏休み。 初日にウィーズリー家に行って、翌日にアルバスじいちゃんが迎えに来た。 「すまん、アーサー。孫が世話になった」 「いやいや。こちらこそ申し訳ない。双子が迷惑をかけとる」 うわぁ……なんかいたたまれない。 『モリ―おばさん。いろいろとお世話になりました!』 「あらあら、いいのよ。私の代わりに双子を叱ってくれたのだし……」 たんこぶができている双子をチラリと見るモリ―。 ロンが二階から降りてきた。 「禪」 『ロン、良かったね。来年、頑張ろうね!』 「うん。そうするよ。で、禪」 『言いたいことは分かってますよ。朝一番でハーマイオニーからも手紙が来ました。アルバスじいちゃん。偵察してきていい?』 アルバスじいちゃんも見る。 「どこにじゃ?」 『それを聞くのは愚問でしょう?』 「はぁ。気づかれぬように」 『了解です』 そう言って、私はパンと手...
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来年まで!!
あれから一日たって、ネビルが目を覚ました。 一番とばっちりだね。 まぁ、そんなこと言い始めたらセブルスが一番とばっちりなのかもしれない。 『やっほー。ネビル、お見舞い来たよー』 「禪!君こそ大丈夫なの?!」 クッキーとオレンジを籠ごと掲げてみせたら、逆に心配された。 『ん?もしかして、ロンかハーマイオニーに聞いた?』 「そう!どうして禪も無茶ばかりするのさ!」 『まぁ、私の場合は先生方と同じ立場で、守ることが義務でしたからね。ちなみに怪我などしていません』 さて、そろそろ気づかないだろうか。 「ぼ、僕!」 『ネビル。そろそろ声のトーンを落としてください。でないと――』 「そこ!お静かに!」 響くポンフリーの声。 『あー、遅かった』 続いてツカツカと彼女は歩み寄ってきた。 「もう少し、声のトーンを落として――あら、禪。来て...
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恐れるものと信頼
リーマス・ルーピンに事実の一部を話した日から三日。 彼はどうやら悩んでいるようだ。 そりゃ、敵の要素を取り込んだものが味方になりました、なんていう事実すんなりと受け入れがたいだろう。 その間にも、ホグワーツの中にはとある新聞記事で騒然となっていた。 ”ご婦人 黒い犬を目撃 かのシリウス・ブラックか?” まぁ、そんなことではなかろうかと思っていた。 だが本人はここに居て、ホグワーツの職員しか知りえない。 ならば目撃された黒い犬は別の野良犬だろう。 つい先ほどセブルスとアルバスじいちゃんが聞いてきたが、シリウス・ブラックは黒犬のまま眠り続けている。 タイミングを計って精神世界にお邪魔したいのだが、さすがにクディッチの練習も始まり時間が取れない。 『どうするかなぁ』 「また何を企んでいるのだ」(セブルス) クディッチの練習がない土日にセブルスの手伝いをしている...
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知識とクディッチ
乳製品と肉が食べれないというのは、意外と精神的にきた。 ミ、ミルクティーが飲めれない。 ケーキも食べれない。 甘党の私にはかなり大打撃の一週間が、イースター休暇の最初だった。 が、イースター当日になるとそれらが解禁された。 カラフルに絵柄を描いた卵(と言っても二日前に私を含めたホグワーツ居残り組が絵つけしたんだが……)やローストされたラム肉(羊肉)、ホットクロスバンズという十字架の模様が入ったパン、ドライフルーツやバターをふんだんに使ったクッキーなどのお菓子の数々、いつもよりちょっとリッチになったパンケーキ。 それらが大広間に大量に並ぶ。 『うほぉい‼ケーキケーキ!』 「禪、目が血走ってるよ…………」 テンションが可笑しい私を見てハリーが言う。 私の皿は既に甘味で埋まっていた。 パンよりもパンケーキ、肉よりもお菓子だ! 『ハリー、私から甘味を取る...
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線引き
目が覚めると、そこにはセブルスの寝顔がありました。 ふぎゃん! 私は、なな、何をして!! って、昨日睡眠薬飲ませられたんだっけ。 じゃ、不可抗力じゃん不可抗力。 ……………… しかし、セブルスって、眉間にシワがないとこういう顔なんだね。 可愛いけど…… さて、今は何時だろ? 少し身じろぎして、懐中時計を取り出す。 懐中時計は七時をさしていた。 ……体内時計はホントに正直だな。 昨日は十二時過ぎに寝たから………… しかし、そうなると、校内はいつも起きる時間より人が多い。 つまりは、マラソンしてたら、あのクィレルにバレバレ。 …………今日は断念するか。 「貴様は何を百面相しておる?」 いつの間にかセブルスの目が開かれており、此方を見ていた。 うぁ…… 『えっと』 「どうせ、また一人で行動をしようと思っておったのだろうが、そうはいかぬぞ?」 言いかけた私をセブルスが制する。 『…...
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おにいちゃん
ビスコンティさんと別れて、部屋に入るとザンザスは窓際で読書をしていた。 部屋は広いのに、窓際に行くとは。 窓際の方がいいのかな? 狙撃されたらアウトだよね?? 「誰だ?」 低い声が響く。 うーん、いい声。 『櫻』 一言そう言えば、ザンザスは目をこちらに向けてきた。 「はっ。ガキじゃねぇか」 『いいなぁ、お兄ちゃん。背が高い』 「フルネームは?」 『沢田櫻』 「沢田?家光の子か」 『うん』 「で、いくつだ?」 『五歳』 「……で、そんなガキがなんのようだ?あとブリっ子しても無駄だぞ」 『……すごいね、おにいちゃん。なんでブリっ子してるとわかったの?』 「てめぇは不審過ぎる」 『そっか。そっちいっていい?この部屋広くて、声を張り上げるのが疲れるよ』 そう言えば、ザンザスが手招きした。 私はトテトテとそちらへ歩いてゆく。 近くまで行くと、首根っ...
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罰則と呪縛と素直さ
という事で、深夜。 ひんやりとした夜の空気を感じながら、フィルチさんの後をついて行く。 もちろん既に、ネックレスの力で十一歳の姿に戻っていた。 「しかし、心配が祟って罰を受ける者がいるとはな」 『あはは、呆れました?』 「まぁ、悪戯よりかはよかろう」 ため息をつくフィルチさん。 ああ、うん。 あれかな双子かな?? 悪戯好きなら、彼らでしょう。 『フィルチさんもかなり苦労してますねぇ』 「ふん、分かるなら今後できるだけ仕事を減らしてほしいもんだな」 『ですよね~。努力してみますよ。睡眠時間は多い方がいいですからね』 「そうしてもらうのはありがたいが、どちらにしろ見回りはする。睡眠時間は変わらんと思うぞ?」 『いやいや、そういうとこじゃなくて、一応諌(いさ)めますし、私も見回り参加している身なので、ある程度やれることがあるかと』 「……流石、校長の孫だな。なか...
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ショートカット
光り輝く術式を床に、チャクラを使って刻んでいく。 「これは?」(風影) 食い入るように見る彼とその護衛の暗部3名。 チヨ様とその他いた上忍は、こちらに残り留守番である。 まぁ、頭がいない時ほど里は荒れるモノだから致し方がない。 『私特製の術式』(威守) フォンという音とともに、術式の中心に光の円が出現した。 『どうやら、できたようだ。この円に入れば、とある場所まで行くことができる。所謂、扉のようなものよ。ただし、この術式をちゃんと理解できる術者がちゃんと書き、それが行く場所にもあることが条件。だから、おいそれと真似できない代物なの』(威守) 「ほぅ。では、これに入れば別の場所に着くというわけか」(風影) 瑠威の元居た世界でいけば、まだゲームの世界でしか実現できていないワープという技術である。 この世界に来てから、試行錯誤してできたのだ。 ただ、座...
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飛行訓練後
『さて、どうしたものかねぇ』 流れで寮を出てきたとはいえ、独りであることに間違いはない。 うーむ。 なぁー 足元で声がした。 『ん?』 そちらを見れば、庸がいた。 『あの短い時間でついてきたんですか、庸』 ゴロゴロ 庸がすりついてきた。 ああ、メチャ可愛いい。 『庸、行こうか』 身もだえしたいのを抑え、庸を頭の上に乗せる。 それから歩き出した。 『さて、どこにいるかねぇ』 当てなどない。 「「姫!!」」 ……なんかいた。 また抜け穴らしきとこから双子が登場した。 『あ、午前中お世話になりました。助かりました』 一応礼を言っておく。 「「いえ、姫が無事であるならば!!」」 やっぱり、ノリに着いて行けないよ君ら…… 『ハリーが今どこにいるか分かります?』 「「ハリー?彼がどうしたんだい?」」 ついて行けないと、話題を切り替えた。 『実はまだ寮に戻っていないんですよ。マクゴナガル教授に連れて...
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継承と探索
報告の翌日。 私は再び、放課後双子と共に秘密の部屋に来ていた。 「「なぁ、姫?」」 『ん?なんでしょう?』 広間までの道のりを歩いていると、双子が声をかけてくる。 「「この部屋のどこで遺書を見つけたんだ?」」 『あの広間から通ずる部屋の一つですよ。貴方達が、通路の方を探しに行った時に見つけました』 広間に着き、その中の像の一体に手をかける。 『これです。この像この部分が動くようになっていましてね。他にも動かないかと調べたら、ほらこの通り』 パズルを解くように、私はその像をいじりまわして、一本の道を出現させた。 「うわお」 「どこに繋がってたんだ?」 『行ってみましょうか』 三人でその道を通り、扉に突き当たる。 扉は来た時と同じように、深緑色をしていた。 『開けますよ』 扉を開けると、そこはシンプルなワンルーム。 机と椅子、テ...
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駆け引き
難なくクィレルの部屋に招き入れられた私は、部屋を見渡した。 シンプルなソファ(水色)、ハニーブラウンのテーブル、テーブルと同じ色の椅子と机。 膨大な資料が入っている本棚と、観葉植物、黄緑色のカーテンに、寝室へと続く扉。 って、どこの大学生の部屋か! それくらいにシンプルだぞ、おい。 ……マグル学って、そんなに資料少ないかい? セブルスの部屋、資料があっちこっちに山積みなんだけど……。 「ど、どうしましたか?」 思考にはまっていたのを不審に思ったらしく、クィレルが聞いてくる。 『ああ、すみません。意外と片付いてて吃驚したので……。ほら私、立場がらどの教授の自室にも一度は入ったことあるんです。ですけど、どの教授も資料がたくさんあって本棚があっても入りきらないほどでしたので…………』 あの厳格な性格のミネルバでもそうだった。 ま、床に直...
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今年の仕上げ
あの後詳細を話し、とある契約を交わして私は無事にホグワーツへと戻ってきた。 無傷で何のショックもなく帰ってきた私の姿にセブルスとアルバスじいちゃんは驚いていたが、あの家族の動向は本来普通の在り方であると思うべきである。 そりゃあ、自分の親の親友とはいえ自分の家族の安全と引き換えにはできないよねぇ。 大体それを人質のように振りかざして味方にさせられても、お断りじゃんか。 そういえば居たなぁ「私は武器を振りかざしながら訴える平和など信じられないのでございますよ」って言ってる某有名ファンタジー小説のキャラが。 でもさ、双方がもう武器を持ってしまっていることが前提ならば、そういう時はどうすればいいんだろう。 人一人がやれることは、ただ一つじゃないのか? 人を見極めて歩く。 観察眼を高める。 そうして、時代の流れを感じながら、少しずつ慣れていけばいいのだと思う。 …...
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序章1
(ああ、これは理不尽だ) 鬱葱と生い茂る森。 いきなり入れ替わった視界は、それが映っていた。(いやいや、ありえない。たぶん、幻影を見てるんだ。この頃疲れてたし、ストレス発散し忘れてたし。あれだ、マイナーだけど何処かを痛くして……) 頬をつねり、現実かどうかを確かめる。(うん、痛い。って、ウソだろおいウソと言ってくれ) 少女の心の叫びなど、どこに聞いてくれる者はいない。 まるでそれを強調するかのように、森から得体のしれぬ音が響く。 少女はビクッと身体をこわばらせ、辺りを見回した。 少女が恐怖とあまりの事に吃驚していなければ、本来の冷静な判断を下せたことだろう。 その音は風が木々の合間をかける間に生み出す音だと。 彼女がこのような事態になったのは、先程の事である。 『よっしゃぁ!借金完済!』 某携帯型ゲーム機のタッチペンを握りしめ、ガッツポーズする少女、蔡塔禪(サイトウユズ)は自宅...
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リボーン来る
もうすぐ日が昇る頃。 私は目を覚ます。 ザンザス達とすごしたあの夏休みから、はや十二年。 時が経つのは早く、私は十七歳になった。 『……時が来てしまった、か』 ひんやりとした空気の中、私はベッドから身を起こした。 私が守護者になってから十二年。 沢田家の周りには、ひっそりとだが護衛する者が増えた。 ヴァリアーもその一端を担うため、月に一度は会いに来てくれる。 練習もその時にしていた。 足は速くなったものの、移動速度とナイフ術はベルフェゴールに劣り、剣技はスクアーロに何とか拮抗できる(三十分のみ)だけである。 筋力は言うまでもない。 ムエタイの使い手であるルッスーリアに勝てるはずもない。 詰まるところ、私はプロの彼らに劣る戦力ではあるが、一般人とは言えないくらいに強くなった。 そんな私をあの最強にして最恐様は、見逃すはずもなかった。 毎日...
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授業と友達
その後、結局私はその日だけセブルスの横にある自室で寝ました。 いやぁ、気まずいよ。 主に、セブルスがそれに吃驚して詰め寄って事の真相を根掘り葉掘り聞かれて。 ま、そのかわり早起きしまして……。 今現在、セブルスの助手してます。 つまり、罰則もどきの手伝いです。 「まったく、なぜ貴様は……」 大鍋をかき混ぜながら、ブツブツ言うセブルス。 『何度も言いましたが、昨日のは不可抗力です。私とて、入学日にこんなことはしたくなかったです』 寮に入れないとか冗談じゃない。 何人部屋かは知らんが、同室だった人がひどく驚くじゃないか。 材料を彼に渡すか、他の教材をそろえながら言い訳をする。 「そうでなくては、困る」 はぁと彼はため息をつきながらビンをくれと指示してきた。 どうやらもう完成したようだ。 複雑ではなくマイナーな魔法薬なのだろう。 セブルスにかかれば、フツーの物は一般人が作るよりもかなり早...
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寮・11月
既に遅い時間でもあったので寮の前まで、セブルスが送ってくれた。 『ありがとうございます』 セブルスに頭を下げ、礼を言う。 「気を付けるのだな」 セブルスはそう言って去っていった。 素直じゃないなぁ。 そこがいいと思ってしまう。 もの好きな私だが、そこはありがたく頂戴しておいた。 夫人に合言葉を言って談話室に入る。 談話室に入れば、そこはささやかなハロウィン会場と化していた。 入ると同時に、私はハーマイオニーとネビルに抱き着かれた。 あれ、デジャヴ? 「よかった!」 「もどってきたのね!」 『えっと、二人とも離れてくれません?』 と、お願いしてみたが、二人は離れてくれない。 二人ともご馳走を食べさせてください。 なんとかご馳走を皿に盛り、適当な席に皆で座っても、ハーマイオニーもネビルも離れなかった。 『食べにくいのですが……』 「だ、だって、禪いつもどこかにいっちゃうんだ...
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テスト前と最中
テスト前というのは、どの世界でもピリピリとした空気が漂う。 「そう、こうなのね。じゃ、あれをこうして、それを……」 ハーマイオニーはやはりブツブツと呟きながら、教科書とノートを見ている。 ま、最初っから諦めている人もいるけどね。 ちなみに諦めているのは双子。 ロンは、ハリーと頑張ってるよ。 ネビルは……頑張り過ぎて知恵熱を出しそうになってた。 私はよゆーです。 教科書とノートさえ見ておけばいけます。 あ! 忘れてた! 早くフリットウィック先生にダンス見せてもらわなきゃ!! それだけ不安なんだから!! 授業もみんな真剣になった。 私語がなくなり、雑音が減った。 余計な質問もなくなり、的確にわからないところを聞いてゆく生徒が増えた。 ……最初っからこの状態ならなぁ……。 授業初日からマジでうるさかった。 注意したくとも...
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魔法薬学
うそだああああああああ! 起きて思ったことが、まず否定の言葉であった。 起きると、セブルスのベッドに寝かされていました。 うん、あれだよね。 私、セブルスに洗いざらい今までの事言ったよね。 そっからの記憶がないってことは、それだけで寝ちゃったの!? 断頭台に上がったのではなく、崖から海に飛び込んだ感じがする…… 寝言聞かれた? それとも、庸がなにかイタズラをした? 少しパニックった後、枕元に杖が置いてあるのを見つけた。 庸が銜えて持っていた私の杖、慧である。 なぜに? え、庸は? 杖をポケットに入れて回収する。 きょろきょろと見回していると、セブルスが気づいて近寄ってきた。「気が付いたかね?」 その顔はやはり不機嫌そうで…… ああああああ! 穴があったら入りたい!『すみません。私、寝てしまったんですね』 寝起きで寝癖がついているかもしれないが、とにかくセブルスに謝った。 近寄った...
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杖とペット
どこに行けばよいのかわからない禪ではあったが、目的地はハッキリとしていた。 ・オリバンダー杖店 ・イーロップのふくろう百貨店 ・魔法動物ペットショップ 以上の三か所である。 杖は必須。 ふくろうは通信手段として。 ペットショップへは癒しを求めてだ。 問題はその移動手段。 移動手段その①、誰かに聞く。 移動手段その②、適当に歩いて探す。 移動手段その③、ここで待つ。 あのセブルス・スネイプがいれば、③を選ばされるだろう。 が、禪はそこまで待ってはいられない。 時間をできるだけ有効利用するのが彼女である。 となると、①か②だが…… ①は却下だ。 禪は人にものを尋ねるのは、得意ではない。 ついでに言えば、死喰い人に訪ねてしまうかもしれない。 例えば、ルシウス・マルフォイとか……。 もちろんこちら側の、味方側に話しかける確率の方が高いが、禪はこういう時に確率が低い方を引いてしまうことが多かっ...
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第二試合
はしゃぐナルトとすれ違いざまに『油断するな』と一言だけ言い、私は”上居”として舞台へと降り立った。 最小限で無駄のない飛び降りと着地。 そこからすたすたと中央へ歩いていく。 うーん、ちゃんと察してくれればナルトはカカシ君やサクラに伝えるだろう。 まぁ、伝えなくともカカシ君がちゃんと伝えているはずだがな。 対戦相手である葉菜も会場へと降りてくる。 ちょっと高めに飛んで飛距離を伸ばしてから、ほんの少し歩いて私の前へ来た。 ……めんどくさくなっているなぁ。 所詮にぎやかしと分かっているからこその余裕だろうけどさ。 なんていうのかなぁ、対戦相手私だぞ? それを分かっててやってるんだったら、大間違いな気もする。 会場のざわめきがやまない。 私はアイコンタクトでゲンマに指示し、試合をスタートさせる。 試合が始まった途端、会場は静まり返った。 本当に現金...
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飛行訓練
災難続きの土日を経て、突入した授業はとても楽勝なものに思えた。 魔王セブルスを体験した後では、そう思っても致し方ないよねぇ。 月曜:妖精の魔法、闇の魔術に対する防衛術、変身術 火曜:薬草学、闇の魔術に対する防衛術、天文学 水曜:魔法史、妖精の魔法、魔法薬学 木曜:薬草学、魔法薬学、天文学 金曜:魔法史、変身術、飛行訓練 以上が、この一週間のスケジュールだ。 既に木曜まで経過しており、土日以前には受けていなかった天文学も経験済み。 天文学は本当に星を観察するため、夜中にやっていた。 皆して毛布を羽織り、夕食後に星を観察し、講義を受けていた。 感想は、ただひたすら寒かった。 魔法薬学も地下牢で行うため寒いが、それとは別の寒さ――直に北風を受ける――があり、授業が終わると同時にみんな一斉に寮まで駆け上がった。 目的地は寮の談話室である。 皆そこで、暖をとり落ち着くと、...
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