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**ベニーズ ビデオ [#z7bd2a1b] #amazon(B000JVS57U) -監督:[[ミヒャエル・ハネケ]] -1992年/オーストリア/35ミリ/105分/カラー ---- 監督のミヒャエル・ハネケは、1942年ドイツ、ミュンヘン生まれ。オーストリアのウィーン大学在学中には哲学、心理学、演劇を学ぶ。卒業後はドイツのテレビ局で脚本家として活躍。1970年にテレビドラマを初監督、同時に舞台監督としても多くの作品を演出。最新作『[[ピアニスト]]』は今年のカンヌ国際映画祭で、グランプリはじめ3賞を受賞。ウィーン在住の巨匠。 東京フォーラムでの上映。ここで映画を観るのは初めて。ストーリーだけ言うと、とても衝撃的である。惨殺映像に惹かれる少年が実際に知り合った少女を殺してしまう。これだけでも十分に怖い。ありそうだというリアリティーが余計に恐怖をさそう。この作品は10年くらいまえのものだ。当時のオーストリアの状況は分からないが、今の日本を取り巻く状況からはけっしてあり得ない話ではないとも言える。 作中少年はとても乾いた表情と行動をとっている。殺した行為自体をも自らのビデオ映像となって、観賞の対象となっていた。なによりも両親へばれたのも、その映像を何気なく見せたからだし、息子の殺人を隠蔽しようと企てる会話さえビデオに残している。結果的にその映像がこの事件を暴いてしまう証拠となるのだが、少年は終始乾いた行動をとっていた。 殺人や、それを必死に隠そうとする両親の姿。それら自分を取り巻く様々な出来事を、少年はじっとビデオに残す。そして惨殺映像やTV番組と同列に並べられ、繰り返し観賞するのだ。そこには事の異常性とか進撃な衝動とかのすべてが脱色されていくようだ。 映画のなかに入り込む僕らへは、それら様々な映像が、本当に等価に見えてしまうから恐ろしい。少女が実際に殺される時の映像と、豚が撃たれるシーンが連続して流れる冒頭の場面と、全て映像に含まれる無機質な感じは同じように見えてくる。 少年の殺人を思い号泣する母親の姿はいたたまれない。ただそれを見据える少年の姿は、この映画を見ている僕の視線が同様に乾ききっていることをも感じさせていた。2001.11.18k.m ***コメントをぜひ [#t17803b1] #comment カテゴリー-[[映画]]

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