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ロンドン・パリ旅行記 - (2009/02/25 (水) 16:40:13) のソース

*ロンドン・パリ旅行記-2000
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***イントロ。そして総括。/2000.02.10

今回、1週間とはいえ、ヨーロッパを代表する2つの都市をまわる事が出来、色んな意味で東京との比較、そしてイギリスとフランスの首都の比較という意味でも、興味深い旅行だった。特に広場と道路の関係において、同じ西洋の都市でも、街のつくられ方に差があるものであることに改めて気付いた。ロンドンは、元々大土地所有者達によってつくられた街である。ある大きな一区画を、一財閥で管理しそして街づくりをする。広場を中心に、統一感のある景観は、完成度の高い、成熟した町並みを築いた。当然ながら、隣接する他者の区画との結びつきは弱く、それぞれの広場を結ぶ明確な動線も見当たらない。

一方パリは、ナポレオン三世時代のオスマンによる大改造と、度々行われた万博によって、凱旋門がまたぐシャンゼリゼの強烈な軸線と、モニュメントから放射状に広がる軸線とでパリ全体がつくられている。まさに政治力の成した偉業だ。近年のミッテランらによる、グランプロジェにも、同様な政治的手腕を感じる。大きな通りからは、必ずと言って良いほど、何かしらのモニュメントが望める。そのパースペクティブは、圧巻ですらあった。

どちらにも共通しているのは、軒高のそろった美しさであろう。特にパリでの集合住宅は、徹底している。東京で言えば、さしずめ丸の内あたりが近い感じだが、オフィス街特有の冷たさと違って、生活感のあるパリの町並みは、都市本来の多様性と豊かさがある。

東京には、東京なりの魅力があり、単純にヨーロッパの街並みへ、理想郷を見いだすことは出来ない。しかし、住民を都心から追い出し、単一化された機能主義によってつくられている都市。無作為な開発を奨励し、無限に広がり続ける都市。東京が、未来への危機感をたくさん含んだ街でもあることに、意識を向けられる。
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カテゴリー-[[建築]]、[[旅行]]