personal note内検索 / 「アメリカの影」で検索した結果

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  • アメリカの影
    アメリカの影 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 監督:ジョン・カサヴェテス 出演:レリア・ゴルドーニ/ヒュー・ハード/ベン・カールザース/アンソニー・レイ/ルパート・クロセー ジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、ウッディ・アレンをはじめとするニューヨーク・インディペンデントの元祖。ジョン・カサヴェテスのデビュー作品。ドキュメントタッチの演出。実際すべて演技は即興で行われたと最後にうたわれていた。 印象的なのは会話の自然さに迫るアングルの不自然さだった。やや近寄り過ぎな(横長のフレームをTV用にしているせいもあるが)数名の会話シーンは、彼らが親密な関係であることを伝えるにはとても明快なのだが、ちょっと圧迫感もある。 ただ、ドキ...
  • アメリカの夜
    アメリカの夜 阿部和重 講談社文庫 この小説が僕に訴えてくるモノは意外と大きかった。 一つには自意識過剰なこの主人公にたいする感情移入だった。コンプレックスのかたまりの中から日常をいかにくぐり抜け、あたかも自分はそのようなしがらみからは自由な存在であると振る舞い、どこか涼しげな顔をして、けれどもつらいものはツライ、がむしゃらなことは素直に顔に出す、そんな人を見て、それが意外とうまくいっている光景を目の当たりにするほどに、一体自分のコンプレックスほど不毛なことなどないではないか、と不自由な存在でしかない姿を思い浮かべることも頻繁にあることを意識させられるのだった。 それが過剰に表現されるほどに、あるいはそう感じながらこの小説を読むことで、なおいっそう現実の滑稽さを認識する手助けになる、とても「実用的」な物語であること、それを...
  • ロスト・イン・アメリカ
    ロスト・イン・アメリカ 著者:黒沢清、青山真治、塩田明彦、阿部和重 稲川方人編 樋口泰人編 出版:デジタルハリウッド出版局 「にわか映画好き」です フランス映画を見始めたとき、明らかにハリウッド映画とは違った「空気」に驚かされた。もちろんゴダールを初めとする「アート系」という括りはそれ以前から耳にはしていたけれど、特に映画自体あまり感心のなかった頃なので、なにがアートで、それと娯楽との違いについても、特に意識はしなかった。だからアメリカ映画の面白さや、年に数回映画館へ行くかどうか、それも超大作と呼ばれるものくらいしか見なかった頃にそれを相対的に語りうるなどとは想像もしていなかった。 「アート系」かどうかはさておき、「超大作」でない映画の存在と、その面白さをフランス映画から教わった。トリュフォーやリヴェットやカラック...
  • 映画に愛をこめて-アメリカの夜
    映画に愛をこめて-アメリカの夜 音楽:ジョルジュ・ドルリュー 監督:フランソワ・トリュフォー 出演:フランソワ・トリュフォー/ジャクリーン・ビセット/ジャン・ピエール・レオー/ジャクリーン・ビセット/ジャン・ピエール・オーモン 117分/カラー/ 映画を作る現場を描いた劇中劇。 トリュフォー自ら監督役として出演。現場の空気が臨場感をもって伝わってくる。同時に、「作られたもの」というフィクションを通して作家が伝えたい真実、役者の表現にむかう姿勢なども描かれている。このような人文的・内面的な側面を見せつつ、実際に大勢が集まって一つのことをまとめあげるその生な感覚、合宿という閉じた場所と、セット撮影の閉じた世界が微妙にリンクしていること、そしてなによりもフィクションの流れを掴むことへ向かった大勢が、同じ環境のなかでそれぞ...
  • こわれゆく女
    ...なつくり込みを行い『アメリカの影』を完成させたという。 暗い部分や強い影を作らない全体に明るく構成された「ハイキー」の画面によって爽やかな印象を与えるが、描かれているのは精神のバランスを崩していく主婦とその家族たちのドラマだ。 精神的な病に共通して言えることは「正常」と「異常」の境界があいまいで専門家にも判断が難しく、患者本人や社会の要請により境界自体がはしばしばゆらめくことではないか。 ジーナ・ローランズの演技が素晴らしいのは、躁鬱の変化を真摯に表現し、彼女が異常であると決定する家族の苦しさがとてもリアルに伝わってくるし、夫役のピーター・フォークも妻をなだめる姿は彼女の躁状態を超えたテンションで、いったい「異常」とは何かという愕然とした混迷を誘う。 半年間の薬物治療を終え家族の元へ帰った妻を迎えたパーティーでのクライマックスシーンは、壮絶で残...
  • アメリカ、家族のいる風景
    アメリカ、家族のいる風景 監督・原案:ヴィム・ヴェンダース 脚本・原案:サム・シェパード 出演:サム・シェパード、ジェシカ・ラング、ティム・ロス、ガブリエル・マン、サラ・ポーリー 人間は大地の上をひたすら車で走っていて、荒野の中へ小さくある賑わいが街で、何かへ動かされるままに失踪したり再開したり、そしてぶつかり合ったりするのがまた人間なんだということ。 この映画に描かれている全てへ「ロードムービー」はみなぎっていて、それは人生を旅にたとえるとか移動の中へ心の葛藤を見るとかの「抽象さ」ではなくって、動くもの、あるいは「動かなさ」の視覚的な確認であり、フレームへ納まったままのアメリカを受け入れる行為なんだということ。 そんなニュアンスを見終わってから感じた。つまりストーリーとか物語などの前に、全体として心を動かされる映...
  • セキュリティ社会
    ...化を遂げていく日本。アメリカの影響だけでなく、世界的な流れでもある。関連情報をクリップして考えるページ。2004-01-10/k.m JCBなど5社、マンションに「血流認証」を導入● 血流認証は、光学技術を用いて指内血管パターンを検出する方式の認証システム。血管パターンは、指紋と同様に個々人で特有のパターンを持ち、一卵性双生児でも全く異なる。 反対派サイト(いっぱいある imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 監視社会を拒否する会● 賛成派サイト(あります?) でも実際は肯定している例は多々 防犯カメラで「ゴミ出し」「駐車違反」など、マナーをチェックするマンションも。あなたは、防...
  • 映画
    ...カ、家族のいる風景 アメリカの影 アモーレスペロス アレックス イノセンス インサイドマン インテリア イヴォンヌの香り イーオン・フラックス イージー★ライダー ウルトラヴァイオレット エリ・エリ・レマ・サバクタニ エヴァンゲリオン オーシャンズ11 オースティン・パワーズ カテゴライズ。 カミュなんて知らない カメレオン カリスマ カル カルメン・ミランダ・バナナが商売 ガーゴイル キカ キッズ・リターン キル・ビル クライマーズ・ハイ クラッシュ クロエ クワイエットルームにようこそ グエムル ゴーストワールド サッドヴァケイション ザ・マジックアワー シェイディー・グローブ シティ・オブ・ゴッド シャンドライの恋 ショートカッツ シン・シティ ジョゼと虎と魚たち スクラップ・ヘブン スクール・オブ・ロック スチームボーイ ストレンジャー・ザン・パラダイス スパイキッズ スパイ...
  • ボウリング・フォー・コロンバイン
    ボウリング・フォー・コロンバイン 2002カナダ 監督・脚本・出演:マイケル・ムーア 製作:ウォルフラム・ティッチー 製作:チャールズ・ビショップ/ジム・チャルネッキ/マイケル・ドノバン/キャサリン・グリン 出演:マリリン・マンソン/チャールトン・ヘストン/マット・ストーン/ジョージ・W・ブッシュ 全米を震撼させたというコロンバイン高校銃乱射事件。その1時間前にアメリカはコソボへの大爆撃を行った。9・11後、国内の社会問題はほとんどがうやむやのまま軍事費増大の右傾化へ向かう。アメリカのこの状況に疑問や危機感を抱く世界中の声があふれている。 この映画の登場はタイミング的にもすばらしかった。マイケル・ムーアはアメリカ銃社会を皮肉に、そして批判的に、時に大爆笑させるギャグとして描く。大笑いしたあと、心のスキマにグ...
  • イージー★ライダー
    イージー★ライダー 1969年 アメリカ 脚本:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー 、 テリー サザーン 監督:デニス・ホッパー 出演者:ピーター・フォンダ 、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン 60年代アメリカ。マリファナを密輸して、大金を得たキャプテン・アメリカとビリー。大型改造バイクを買ってロスから南へ旅に出る。目指すは自由の国、真のアメリカ。2人の若者を通して、人種問題、反体制運動の激化など、当時のアメリカの不安定な側面をロックナンバーにのせて投影。 この作品から「ロードムービー」は始まったといわれている。 個人的には、「パリ、テキサス」こそ、「ロードムービー」の最高峰と思っていたが、修正が必要となった。そのヴェンダースに影響を与えたのがこの作品という事だけでなく、この作品が莫大な資金のもとで...
  • インサイドマン
    インサイドマン 監督:スパイク・リー 出演:デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン インサイドマンってのは劇中劇の語部のような存在だろうか。そんなワンシチュエーション群像劇のようにもなっていて、アメリカの都市でのそれはエスニシティによって表現されるのが常套手段で、そこへ差別意識を持ち込み緊張感を出している。2006-11-05/k.m コメントをぜひ 名前 コメント ...
  • マラノーチェ
    マラノーチェ 監督:ガス・ヴァン・サント 製作:ガス・ヴァン・サント 脚本:ガス・ヴァン・サント、ウォルト・カーティス 食料品店で働く白人青年ウォルトが、メキシコ系の不法移民ジョニーに恋をする。同性愛を描いていて、ガス・ヴァン・サントもそうなのだろうかと思ったけれど、原作があるようなのでどうか。 ピントが霞むような近景と遠景のカットが短くつながっていくモノクロの画像がとても印象深い。刹那的ではかない青春の風景といった感じで強烈だ。 原作者のウォルト・カーティスは、舞台であるポートランドの生ける伝説としてガス・ヴァン・サントも慕う詩人。ポートランド3部作と言われる監督のこの地への思い。アメリカのスラム街、ジャンキーを描いた映画はたくさんあるけれど、濃厚な空気はこの映画ならではの魅力では。2008-07-21/k.m
  • イーオン・フラックス
    イーオン・フラックス 監督:カリン・クサマ 出演:シャーリーズ・セロン 、マートン・ソーカス 、ジョニー・リー・ミラー シャーリーズ・セロンは爬虫類のような動きがコミカルで、それはいかにもキマったヘアスタイルや、ステイリッシュ過ぎるインテリアにも覚えてしまう既視感へつながる気がした。『ガタカ』の頃はむしろ好きだった洗練さ加減は、まるでレストラン業界を支配している「和ダイニング」インテリアのように食傷気味だ。 近未来SFアクションへどこまで期待するかはともかく、近未来も、SFも、アクションも、洗練さだけでは引っ張れないと思う。アメリカのヒステリー、トラウマといった心理学的なもの同様、アニメーション原作主義もちょっと飽きた。いっそタルコフスキーでも見直したほうが良いのか。面白いSF映画、ありますでしょうか。(そうは言っても、それなりに面白いケド)2006-10-04/...
  • クルーグマン教授の経済入門
    クルーグマン教授の経済入門 日経ビジネス人文庫 ポール クルーグマン (著) Paul Krugman (原著) 山形浩生(翻訳) 905円 読み始めは山形さんの口語訳が妙にくだけていて、そこにばかり気が行ってしまった。けれど思えばどんな本も入り込めるまでは時間がかかる。だいたい僕の場合50〜100項あたりでやっと入れる。だから短編の場合、訳分からない内に終わってしまうものもある。むしろ長編のほうが、読むのはシンドイけれど入り込んだ実感は持ちやすい。 で、結局この本になにが書かれていたのかといえば、あまりに多すぎて読んだそばからどんどん忘れてしまい今は漠然としている。アメリカの医療についてとか、ほとんど知らなかったので興味深かった。日本でも年金や医療保険について問題になっているが、経済大国アメリカで...
  • 森山大道 「I. レトロスペクティブ 1965-2005」 & 「II. Hawaii」
    森山大道 「I. レトロスペクティブ 1965-2005」 「II. Hawaii」 東京都写真美術館 2008年05月13日 ~ 2008年06月29日 ハワイの撮影風景をとらえたドキュメント映像があって、何でもカメラで追いかけている素朴な森山大道の姿だった。やっぱり、と思わせる土着的な部分がハワイにはあって、アメリカの荒涼とした空気とか、モノクロ写真に刻まれていく記録はその撮影現場の雰囲気からは想像できないほど深かった。 タテとヨコの写真には何か決定的な差があって、前者がより近景で細部を大胆にとらえているのに対し、後者はより空間的にパースペクティブを強調しながら画面を作っている。ハワイの展示でもヨコの続く部屋とタテの部屋とに大きく分かれていて、はじめはあまりそれに気づかなかったけれど、ムービーを見ていると使い分けが必然的に思えた。 ヨコには...
  • 小説
    今までに取り上げた小説リスト imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (01.jpg) 1Q84 3.11以降 Self-Reference ENGINE あらゆる場所に花束が… いつか王子駅で うたかたの日々 かもめの日 きょうのできごと この人の閾 さようなら、ギャングたち その街の今は なしくずしの死 ひなた まどろむ夜のUFO わたしたちに許された特別な時間の終わり われら猫の子 アフターダーク アメリカの夜 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? エロ事師たち オデュッセイヤ カテゴライズ。 カンバセイション・ピース キッドナップ・ツアー グランドフィナーレ ゲルマニウムの夜 コンセント ショートカット シンセミア ジョン・レノン対火星人 スティル・ライフ デジャ・ビュ ニシノユキヒコの恋と冒険 ニ...
  • ハード キャンディ
    ハード キャンディ 監督:デヴィッド・スレイド 脚本:ブライアン・ネルソン 出演:パトリック・ウィルソン 、エレン・ペイジ 、サンドラ・オー うーん。(まとめちゃうのもなんだけど、)なんでアメリカの子役ってこう賢い大人風に振舞おうとするのだろう。不自然だ。この主人公も、目線をフワフワさせながらおどけて話すしぐさが妙に大人ぶっていて違和感を覚えた。出会い系サイトで知り合った男と駆け引きしながら会話をしていくシーンだから分からない演出でもないけど、その後もずっとこのしぐさは続いて行くもんだから・・。 カット割やカメラアングルはとてもスタイリッシュで近景ショットの多用は、吉田喜重の『戒厳令』みたくカッコ良い。けれど緊張感は前半まで、というか単調さが続いてしまい、ミステリーとしての切迫感が乏しい。 そもそも主人公の女の子が自身を「異常」と言うくら...
  • マグノリア
    マグノリア 99年アメリカ作品3時間7分/ 監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン 製作:ジョアン・セラー 出演:ジェレミー・ブ ラックマン、トム・クルーズ、メリンダ・ディロン、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、リッキー・ジェイウィリアム・ H・メイシー、アルフレッド・モリーナ え?いつ落ちるの?で、これが? やっぱり映画の魅力は一筋縄でないかないなーなんて思う。出だしの引用からしてなにかを誘うつかみがある。そして音楽にのせてドラマのはじまりを演出するのですけど、これがまた長い。普通の長さを越えて、このまま続くのかと思わせておいてそうでもない。いくつものストーリーが交錯し、どこかで繋がって行くようで、そうでもない。けれどもそれぞれの調子が妙に共時的で面白い。小さな山場を迎えていくと次...
  • eanak
    I think and walk, therefor I am. identity office worker in Tokyo now occuppied changing my job!! こちらのページの目次です。 こちらのページの目次です。 [#n8b15cb1] 発言ページのリストです。 [#db1b2358] 対話 [#h6151729] 英語、ボケ、そしてお笑い [#fd9210b6] 読書談義 [#l4e32058] 漱石とか。 [#k18e3eda] 漱石など。 [#v23e0c37] 漱石デビュー。 [#b3e01d18] ちょっと宣伝。 [#o8f5b102] ご無沙汰です。 [#t9a3c5b6] 発言ページ...
  • ランド・オブ・プレンティ
    ランド・オブ・プレンティ 監督:ヴィム・ヴェンダース 出演:ミシェル・ウィリアムズ、ジョン・ディー 2004年アメリカ・ドイツ ヴェンダースのロードムーヴィというだけで見る前から満足なんだけど、やはり良かった。『パリ・テキサス』での美しく哀しい荒野をまた見ることが出来た。音楽も素晴らしい。両者の組み合わせが、ヴェンダース映画特有のカタルシスを与えてくれる。けれど浄化できない苦悩の大きさを思い知る映画でもあった。 亡き母親の伯父への手紙を預かって10年ぶりにアメリカに帰ってきたラナ(姪)。伯父ポールは911事件から、ベトナム戦争のトラウマに悩まされながらテロを未然に防ごうと実生活全てを犠牲にして個人パトロールを行なっている。という設定。 ちょっと極端なくらい伯父の人間像はヒステリー化されていたが、きっとアメリカはそれ...
  • 現代イスラムの潮流
    現代イスラムの潮流 宮田 律著 集英社 英仏のアラブ支配は大戦後の1920年、サンレモ会議で国際的に認定された。かくて今日のイラク、ヨルダン、パレスチナは英、シリアとレバノンは仏の委任統治領となった・・・。 パリを旅行したときの楽しみの一つにアラブ世界研究所を見る事があった。ジャン・ヌーベルほかの設計でコンペに入選した作品で、1987年パリに竣工した建物。最大の特徴は、南側のファサード。アラブ文化特有の幾何学模様のパターンで、カメラの絞り機能を応用したダイヤフラムが圧巻だった。 かつて列強時代に支配していたアラブ世界に関する研究機関がこうしてパリに存在するいきさつは複雑なのだろう。当然アラブ世界への影響力を保持したいフランスの思惑はあるのだと思う。このようにヨーロッパとイスラム世界はきってもはなせない関係があるのだが、日本とのそれは希薄だ。 この本にはイ...
  • レインメーカー
    レインメーカー 監督・脚本・製作総指揮:フランシス・F・コッポラ 原作:ジョン・グリシャム 出演:マット・デイモン/クレア・デーンズ/ジョン・ボイト/ダニー・グローバー/ダニー・デビート/マリー・ケイ・プレイス/ミッキー・ローク/ロイ・シャイダー マットデイモン主演、若き弁護士の映画。 アメリカ映画にはめずらしく、淡々としたストーリー。 もっぱら、デイモンの独白的せりふはこびが多く、人間の内面を描きたいというねらいが、伝わってくる。 負け知らずのやり手弁護士に勝ったのは、その純粋な正義感だった。ただ大きな勝利の感触が、勝つことを目的へと換えて行き、やがて自分も堕落してしまうことを悟ったデイモンは、弁護士という職業の限界を感じる。そして弁護士を育てる「教師」への道を選ぶのであった。 契約社会として、この日本よりも断然...
  • 2003年ベスト
    2003雑感 今年はwikiを使ってサイトを構築し、それまでのやり方と大きく変わった。更新が楽だということが、「サイトする」ことの意識をも変えていった。 ひとつは「近況」として日記的な書き込みを継続していけたこと。これはウェブログという形式が主流を占めつつある状況の中で、むしろ旧来のウェブ日記をしているという感覚だった。そして個人日記というメディアに対して考えさせられる出来事でもあった。「はてな」を中心に広がっているブログは、2度目の個人サイトブームを引き起こし、ある決まったメンバーによる思考の流れがとても視覚化された状況をつくっている。もはやそれらとの距離感によってしか、自分のサイトを位置づけるこが出来ないかのようでもあり、やや息苦しさを感じている方も多いのではないか。 もうひとつは、すべてのページにコメント欄をもうけられたことにより、3年前に書いたノートが再び話...
  • クラッシュ
    クラッシュ 監督:ポール・ハギス 出演:サンドラ・ブロック 、ドン・チードル 、マット・ディロン 、ジェニファー・エスポジート 、ウィリアム・フィクトナー シリアス版、ロバート・アルトマン。またはミステリアスな三谷幸喜。ようするに群像劇なのだが、描かれている人種間、夫婦間、職業間、 それらのディス・コミュニケーションぶりが生々しく息苦しい。この群像劇によって見えてくるものは、現在という環境に置かれている私たちが、常に近視眼的にしか生きることが出来ず、目先の不安へ脅えながら閉じ込められた迷路の中をだましだまし歩んでいく絶望的な姿ばかりだ。 まさに強い立場から支配的に扱われるように、運命へ翻弄されてしまう姿だと感じるのは、群像劇自体に神の視点めいた構造があるからだろうか。銃社会、多人種社会、劇中のロサンジェルスからは、世界中がそこへ向...
  • 路上
    路上 ジャック・ケルアック (著) 福田 稔 (翻訳) 河出文庫 「いいかね、諸君、われわれにはあらゆることがすばらしく、世の中のことは何もくよくよすることはない。本当にくよくよすることは何もないとおれたちが理解することはどういう意味をもつかを悟らねばならないよ。おれは間違っているかい?」(本文引用) アメリカ大陸を何往復もするサル・パラダイス(主人公)と大半を共にするディーン・モリアーティ(親友)の軌跡を描きとめた小説。20代前半の二人がトリツカレたように移動を繰り返してその場ごとにパーティやドラッグに明け暮れ、現地で働き金を貯めまた移動、時に伯母から送金させまた移動する。手段もヒッチハイクからバス、ピックアップトラック、旅行案内所が斡旋する車、代行運転する車などなど。 ディーンが出かけてきたのは、まったく意味のない事情によるものだったが、同時に、僕が彼と...
  • 俘虜記
    「なぜ自分は米兵を殺さなかったか」 大岡昇平 新潮文庫 629円 思えば「戦争小説」というものをほとんど読んだことはなかった。それは余り興味がなかったのと同時に、戦争という極限状態に参加し、その最前線で描かれるドラマへ、なにも共感を得られないだろうと諦めに近い感情をもってしまうからだった。空襲が背景にあった小説は幾つか読んだし、爆撃に打ちのめされて行き、街にうごめく人間の退廃的な姿への描写へは、深く心を奪われて来た。俘虜記がどうやら「いちれん」の戦争小説とは違うらしい、と言う読書人ならみんな知っているような批評を目にして、読んでみることにした。 冒頭の「捉まるまで」を読み、その余りにも緻密で分析的な文体へ、まったく新鮮な感覚を覚えた(どうやらこれも発売当時からの評判らしいが)。今までに読んだ小説とは明らかに違った文体で、どちらかと...
  • リアルな恐怖
    リアルな恐怖 1999年7の月、ノストラダムスの予言は、当たりませんでした。集団自殺、カルト宗教によるテロなど、天変地異よりもなによりも現代においてリアルな恐怖は、人間の精神ではないだろうか。 世界中あふれる民族争い。ユーゴやアフリカでの殺し合いをみると、冷戦後の原理主義的横暴は、人類の本質的野蛮性が、露呈してきているのではないかとも思える。 それにしても、民族争い、宗教争いは後を絶たないです。 国連の介入も順番待ちの感じです。 けれど、どうも国連、アメリカ的モラルは、マイノリティを守ることを正義とし、政治的に絶対正しい道として、突っ走り過ぎている様に思える。原理主義にしても、そんなアメリカ的発想にたいして抵抗しているのではないか。デリケートな問題も、正義感を理由に、ないがしろな扱いをされがちでは。 どんなにグローバル化が進もうと、多様化、複雑化は守...
  • ラスト・サムライ
    ラスト・サムライ [監][プ][脚]エドワード・ズウィック [製][出]トム・クルーズ [プ]ポーラ・ワグナーほか [脚]ジョン・ローガンほか [出]渡辺謙 真田広之 小雪 ティモシー・スポール 原田眞人 [制作データ] 2003米/ワーナー [上映時間] 154分 明治維新についてどうのと気になるところは今後補足(*1)するとして、映画としてはなかなか面白かった。トム・クルーズの話す日本語にはどうしても「にんまり」してしまい、「キル・ビル」のユマ・サーマンをも思い出すし、ハリウッド・スターへ日本語をたどたどしくしゃべらせるのは笑える。 先日ビデオで見たペキンパーの「戦争のはらわた」で感じたドイツ兵がみな英語を話している違和感と同じように、アメリカ映画ではいつもみんな英語を話す。今回も天皇陛...
  • ニッポニアニッポン
    ニッポニアニッポン 阿部和重 新潮社 1200円 「関係性の悲劇」 個人的には単行本で小説を読むのはあまり好きではない。高いし大きいし、何よりハードカバーというのは電車では読みづらい。元々あまり多く読まないのだから、困らないのだけれど、どうしても新しいのを読みたいときにはしょうがない。今回もそれに近い。阿部和重に興味を持ったのは、文庫化された「インディビジュアル・プロジェクション」を読んでからだけど、恐らく「アメリカの夜」と合わせてまだ2冊しか文庫化されていない作者なので、彼のを読むことは、単行本への「葛藤」とは切り離せない状況にある。おまけに今回の本は、先日パルコブックセンターにて「サイン会」があり、たまたまの「ついで」にのぞいた場で、もう誰もサインしに並んでいるモノがいなくて、そばで見ている僕らへ当然のように声を掛けて...
  • 最後の対話
    最後の対話/ナショナリズムと戦後民主主義 福田和也著・大塚英志著 PHP研究所 「ナショナリズムと戦後民主主義」というタイトルが示すように、福田和也と大塚英志の思想的差異と、共通意識などをベースにした対談。昨年の選挙前に出版されたモノの続編的存在。 この二人の著作はあまり読んでいないので、論壇での位置づけなど知る由もないが、大塚 英志の執拗なまでのこだわりから出たセリフによって、福田 和也とは相容れないながらも、お互いの差異が同じ認識による表現の差からくるものでもあるのがよく分かる。もちろんそこらあたりにはあまり興味はなかったのだけれども、今回の「テロ以降」にされた対談であることがまず興味を引いた。 ナショナリズムを表徴するモノはなにか?「天皇」がどうのと、こだわっているのはこうした言論の世界だけで、僕が抱くその距離感というものは無意識なりにも縮まらな...
  • 陰翳礼讃
    陰翳礼讃 谷崎潤一郎 中公文庫 谷崎の作品。きっとその昔は当たり前だったであろう日本の美的感覚について。それらは今日、日本人ですらオリエンタリズム的な目で見てしまう感性ではないか。 部屋の隅に闇を感じさせることへ、美しさではなく、不透明で不安な気持ちを抱く思いの方が多いかもしれません。ここに描かれていることを「和」のキーワードとして使用する日本人って、谷崎の目から見てどうなのでしょうか。土着的、風土的感性、もののあわれ、無常観。今日の日本人的感性にしっくりくる言葉はなんでしょう? 「つまり、一と口に云うと、西洋の方は順当な方向を辿って今日に到達したのであり、我等の方は、優秀な文明に逢着してそれを取り入れざるを得なかった代わりに、過去数千年来発展し来った進路とは違った方向へ歩み出すようになった、そこからいろいろな故障や...
  • カルメン・ミランダ・バナナが商売
    カルメン・ミランダ・バナナが商売 「ドキュメンタリードリームショー2010」 世界の音楽に心湧く、からの1作品 戦時中、虚実・幻想のラテンアメリカをショービズで描くハリウッド。そのただ中で象徴的存在としてエンターテイメントの場へ立つ。やがて不幸な結婚で精神的に苦しみ・・。カトリックで祖国愛の強い伝説的歌手、カルメン・ミランダの生涯。 山形に限らずドキュメンタリー映画祭は一度も行ったことがなくって、このユーロスペース企画も過去上映の抜粋で、夜9時の会には15人くらいしか居なくって単なるレイトショーだった。 まったく調べなくって単に行ける時間がこの映画だったのだが、「バナナが商売」って!。「カルメン」はまだラテン音楽思わせ期待もてそうな感じだったがバナナを頭にのせてイケイケな感じで歌う姿には驚きで!。 1930年代だからボサノヴァ誕生以前...
  • バベル
    バベル 監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、 ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子 モロッコの場面、冒頭から何か息苦しさがあり銃を受け渡されてそれをもてあそぶ兄弟の危なっかしさ。彼らにはどこか殺伐とした空気があって、それは思春期特有のものかも知れないが、銃を持っているせいか断絶感が漂っていた。 一方でブラッド・ピットら演じるアメリカ人夫婦は行き詰っていて、旅行中なのにくつろぐ気配もない。さらに舞台が日本へうつり菊地凛子演じる女子高生(無理あり)で息苦しさは頂点に達しそうだった。心に響く切ない音楽、広大で荒涼とした大地。コミュニケーション不全に溺れる夫婦、そして女子高生。 不全と息苦しさはこの後も続き、様々な場面で展開される。そして不法労働者の乳児が子供を連...
  • 俺達に明日はない
    俺達に明日はない 監督:アーサー・ペン 出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、ジーン・ハックマン アメリカン・ニューシネマには「俺」とか「明日」とかが付いた邦題が多いように思う。この作品はまさに典型的だ。それが代表作の証だろうか。 主人公の二人はとても軽快に走り回る。カントリー調のリズムにのって次から次へと銀行強盗をしていく。 途中から参加した青年や、兄夫婦達も軽やかなテンポにはまっていく。まるでそこが最後の楽園とでもいうように、次の瞬間訪れる逃亡劇などまったく予測もしていないかのように楽しげに騒ぐのだった。 逃げ回るロードムービーには幾つもの作品があるが、不思議とどれもが踏んでいくあるパターンのように、破局の旅へと向かっているのを物語なかば気づいていながら、はかなさを一秒でもながく延命させようとする主人...
  • ミッション・インポッシブル3
    ミッション インポッシブル3 監督:J・J・エイブラムス 出演:トム・クルーズ 、フィリップ・シーモア・ホフマン 毎回楽しみにしているけど今回も良かった。何だかんだ言っても続きものではがんばっていると思う。 『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマンはとても悪そうな感じで怪演っていうの?あれ。 最後は愛の力っていうのもトム・クルーズの好きそうな感じだ。それとアメリカならでは。2006-12-03/k.m コメントをぜひ 名前 コメント ...
  • :近況-2003-11
    近況-2003-11 2003-11-28 12月6日夜放映のNHK BS「デジタルスタジアム」にて、宮島達男がゲスト出演します。番組内の「クリエーターズ・カフェ」というコーナーで、「1000 Deathclock in Paris」をスタジオ内に再現。 ● http //www.art-labo.com/jp/news/031206.html 2003-11-25 昨日は祝日に朝早く起きて、有楽町の朝日ホールへフィルメックスを見に行ったが、残念ながら今年選んだ2作はかなりイマイチだった。いや、1つ目はけっこうよかったし、映画的な魅力も多かった。けれど2つ目のは、もう見終えるのがちょっと苦痛なくらいだった。通常、映画を見ていて「何が言いたいのか分からない」と思うのはすでにかなりまずいレベルで、その前に感覚的に絵が醸し出す雰囲気が好きかどうか、というのが僕の中の評価の殆どを決め...
  • スペイン-ポルトガルを探る場所-書物編
    まだ行ったことのない国を旅行する際、いきなりガイドブックのたぐいを見てしまうと、細かく配置されたイメージの洪水へお腹いっぱいになってしまう。自分はむしろ活字から入ることで、記憶に残っているイメージを頼りに膨らませていくほうが自然なようだ。 映画はイメージの洪水にはならない。スペイン、ポルトガルには素晴らしい映画がたくさんある。けれどまとめて見るにはそれなりのテンションを必要とするものばかりだ。映画や文学はラテンアメリカのそれと切り離せないのも特徴だ。そこには両者の関係の複雑さが象徴されている。 もっとも、まず現地へ行き興味を持つことで、その後調べたりする。何度も気軽に行ける生活を手に入れていればそれでもよいのだけど・・。そんな貧乏根性を頼りに意識がそこへ向かっている内に手にした情報をメモして行く。 「ヴァンダの部屋」にでてくるような、リズボンのスラム街。以前見た南米...
  • 雨月物語
    雨月物語 監督:溝口健二 出演者:京マチ子 、森雅之 、水戸光子 、田中絹代、小沢栄 溝口健二の作品をはじめてみた。映画はある程度コンテクストを学んでおく必要もある。もちろんそんな人を選ぶことのないアメリカンエンターテイメントが成功しているのだが、それだけでは飽き足りないから世界中で映画が創られてもいるのではないか。 しかし残念ながらまだまだ日本映画のそれを準備できていない僕は、もう一つよく分からない映画だった。同じ50年代の「東京物語」に感じた共感と比べても差が大きい。オリエンタリズムとして消費されそうにも見える。けれどこの監督の他の作品も、もっと観ていきたいと思った。2002.03.03k.m ---- カテゴリー-映画
  • レクイエム・フォードリーム
    レクイエム・フォードリーム 監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:エレン・バースティン/ジャレッド・レト/ジェニファー・コネリー/マーロン・ウェイアンズ/クリストファー・マクドナルド /ルイーズ・レッサー/ショーン・ギュレット-脚本:ヒューバート・セルビーJr./ダーレン・アロノフスキー 配給:ザナドゥー 2000年/アメリカ/1時間42分/カラー やっぱりドラッグなのか。人間の堕落と破滅を描くのに適しているテーマとは。現代人の隙間を象徴しているもとして、映画におけるドラッグ中毒を見かける作品は多い。精神をいかに都合よくコントロールして、孤独を癒していくかが、現代人の関心の中心なんだと思った。 アロノフスキー監督は前作「π」のヒットからなにを感じたのだろうか。そして今後大きな資本とのなかでどんな映画を出して来るのだ...
  • ディパーテッド
    ディパーテッド 監督 マーティン・スコセッシ 出演者 レオナルド・ディカプリオ 、 マット・デイモン 、 ジャック・ニコルソン リメイクだけど紛れもないアメリカ映画という感じでよかった。スコセッシはここ数年あまりぱっとしない作品が多かったように思うけどこれは傑作では。 見ているこちら側は2人の「ネズミ」へ同時に感情移入する。正義とか地位とか、すがるものをウリにして身を削り、「裏切り」を武器にしながら同時にそれへ襲われる2人はまるで鏡のようだ。 工作員がミッションを終えても懐疑心から普通の生活に後戻りできないように、はじめからハッピーエンドが約束されていない任務には宿命へ翻弄されるドラマがある。どのように崩壊していくかを描くことは、マーティン・スコセッシの得意部分かと思った。2007-07-01/k.m コメントを...
  • 「私」探しゲーム―欲望私民社会論
    「私」探しゲーム―欲望私民社会論 ちくま学芸文庫 上野千鶴子著 1992.6 「トレンド考察=歴史資料?」 10年たてば「昔」になる世相風俗の変化の中で、本書は、80年代の「歴史的資料」として読まれるだろう。 あとがきのように、これは80年代を読み解くとても興味深い著作。辛辣な時代批判がゆえに、いまだ新鮮さを失っていない。むしろ現在を読み解く書として再度手に取るべきではないか。以下は引用とメモ。 「権力の推移」 「ウケたい学生」という存在から、権力の移り変わりを論じる。最新のそれは「人気」という実体的な基盤のない権力。たとえばモー娘のような普通の女の子をスターに仕立て上げるのは聴衆のほうだ。だとすればその場合の権力とは共犯関係か?。「プロセスを共有」することが商品となる現在、権力の所在をますます見えにくくしているのか。 「日本人の排他的な性質」 関西...
  • どんてん生活
    どんてん生活 [監][脚][編][出]山下敦弘  [脚][編]向井康介  [音]赤犬  [出]山本浩司  宇田鉄平  康季丹  前田博通  今枝真紀  柴田剛  神田新  加茂浩志  [制作データ] 1999スローラーナー [上映時間] 90分 山下敦弘監督の作品をまさかDVDで見られるとは思わなかった。「リアリズムの宿」公開の影響だろうか。ともかくTUTAYAの新作コーナーにこの「どんてん生活」を見てちょっと感激した。なにをそんなに惹きつけられるのだろうか。自分でもよく分からないまま興味だけは尽きず、見逃していた映画にまたあえた満足感で見るのだった。 特にどうと言うわけでもない。あっさりしたものだ。けれど「カウリスマキ風」と語られるらしいが、そんな趣はある。アメリカン・ニューシネマの雰囲気もある。...
  • リンダ リンダ リンダ
    リンダ リンダ リンダ 監督・脚本:山下敦弘 脚本:向井康介、宮下和雅子 出演:ぺ・ドゥナ、香椎由宇、前田亜季、関根史織 さすが山下監督!。好きだなーこの感じ。あの「間」の良さはどこから来るのだろう。映画ならではの贅沢な空気だと思う。 チラチラっと描かれるメンバーの生活ってのが、『リアリズムの宿』や『ばかのハコ船』での「切実な笑い」を思い起こさせるので嬉しくなった。 しかもけっしてクライマックスを大音量の歌で飾り、イワユルここ数年続いた「スポ根的・バンドもの」に系列されていくだけじゃない所がよい。 元々が無気力なままを描いてるせいか、そのゆるさが「デフォルト状態」として意識されず、盛り上がることへイヤラシイ演出はいらないのだろう。 そんな空気を描く同時代としての映画は、きっと将来に渡って参照されるの...
  • Vフォー・ヴェンデッタ
    Vフォー・ヴェンデッタ 2005年 アメリカ映画 監督 ジェームズ・マクティーグ 脚本 アンディ・ウォシャウスキー ラリー・ウォシャウスキー 主演 ナタリー・ポートマン なんの前情報もなく見ていたら、政治色の強いドラマだった。 最近多いですねこういったの。 原作はコミックで、ウォシャウスキーが製作・脚本で、 マトリックスの助監督がジェームズ・マクティーグだったよう。 なんかテイスト違うって思っていたら、しっかり最後のほうに スローのアクション・シーンがあったw。 クライマックスで、仮面のVが銃で撃たれてもなかなか倒れない時、 「この服の下には理念しかない。理念を銃弾で殺すのは不可能だ。」 みたいなセリフがいかにも革命家っぽくてキマっていました。 ガイ・フォークスの火薬陰謀事件ってのがキーのひとつみたい。...
  • グエムル
    グエムル −漢江の怪物− 監督:ポン・ジュノ 出演者:ソン・ガンホ 、 ピョン・ヒボン 、 パク・ヘイル やっぱりこの監督はすごい。怪獣系パニック映画をハリウッドのそれとは随分と違った描き方で、しかも面白いエンターテイメントとして作れるんだから。 そんなに怪獣系映画を見てきたわけではないけど、パニックの発端が何も考えていないアメリカ人の仕業っぽいところや、根拠のない事実を捏造してしまうあたりなど世相へのニヒリズムを感じた。 スローモーションのタイミングやカット割りの鮮やかさは他の作品同様にレベルの高いものだし、徹底して怪獣を不可解な化け物のままに描ききる潔さ。それは内面を写す説明的なカットを排除していく人物の描きにも表れていた。 ヒロインは絶対に救われるという希望、またそこへ向けた家族愛も丁寧に描いているの...
  • 「いちご」どうなんでしょう?
    「いちご」どうなんでしょう? 新企画「新研」! 新しいモノやヒトやコトについて、真剣(?)に考察する「新製品研究所」略して「新研」です。 (清水健太郎、略して「しみけん」みたいなものです) 記念すべき第1回は 「いちご」どうなんでしょう? 今、コンビニなどには色々なお菓子のイチゴバージョンが売られています。 2〜3食べましたが、う〜ん・・・。 包装を開けると、何とも言えない人工的な香りがします。 これが良ろしくない! 続けて食べられなくなります。 香りにやられてしまい、食欲減退です。 この感覚により、コンビニに陳列されているイチゴコーナーに近づけません。 次から次へと出されるお菓子のイチゴバージョン、手が伸びていかない自分。 この調子では果物の「いちご」まで、嫌いになりそう。 これじゃ〜、逆効果だよ〜。 追記トーク...
  • ヴァージン・スーサイズ
    コミュニケーションの断絶と監禁された女の子 監督・脚本:ソフィア・コッポラ 製作:フランシス・フォード・コッポラ、ジュリー・コスタンゾ、ダン・ハルステッド、クリス・ハンレイ 出演:キルステン・ダンスト、ハンナ・ハル、チェルシュ・スウェイン、A・J・クック、レスリー・ヘイマン、ジョシュ・ハートネット、ジェームズ・ウッズ、キャサリン・ターナー、ダニー・デビート、スコット・グレン、マイケル・パレ 99年アメリカ作品1時間38分 昨日見た「ロスト・イン・トランスレーション」が気になった。なのでソフィア・コッポラのデビュー作を見ることにした。5人姉妹が皆自殺してしまうという凄まじい話。結構話題になっていたような。「ロスト・・」と同様に女の子が(半ば監禁された)部屋の中から外を眺めているシーンが多い。 ソフィア・コッポラは2作において...
  • 「プログレス」
    「プログレス」 a+uの一記事。 今世紀のプログレスに対する信仰。 そこには技術革新や開発へ、一心不乱に励む事を美徳としてきた人類(特に日本人)の姿があると訴えた内容。 筆者はこういった進歩への盲目的信仰が、過去へ立ち戻り、そこから学ぼうとする姿勢をなくしている原因だと懸念している。 そして、建築資料の保存活動が、日本において遅れていると指摘している。 むしろ歴史の浅いアメリカにおいては、積極的に活動しているそうだ。このように日本人の歴史認識不足を訴えた言論は結構よく見かける。 欧米では、保存文化財に対しての社会的認識がとても高い。どうしてこのような差があるのだろうか。 ちょっと違う話だが、報道番組などを見ていると、何か大きな事件が起きたとき、「徹底検証」とかいいながら、ひたすら騒ぎ、 直接的な原因ばかりに注目するが、根本的な事へはあまり...
  • 「π」
    「π」 監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ショーン・ガレット/マーク・マーゴリス/スティーブン・パールマン/ベン・シェンクマン/サミア・ショアイブ/アジャイ・ナイデゥ 1997年/アメリカ/85分/モノクロ ダーレン・アロノフスキー監督作品。わずか6万ドルの低予算で制作されながら、大ヒットを納めた作品。 北川原さん設計の渋谷シネマライズに見に行った。21:20〜のレイトショーだというのに、立ち見まで出る勢いだった。 先週キューブリック遺作の「アイズワイドシャット」を先行オールナイトで見にいったときは、30人程度だったが。 オープニングはテクノサウンドにのった激しい数字のカットが続き、久々に期待感がまった。けれども見終わった感じでは、ただパラノイアの苦悩が、永遠と続くだけだったような、、。 映像と音楽の連続観は、確か...
  • ロードムービー
    ロードムービーが好き imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ロードムービーについて 人間は大地の上をひたすら車で走っていて、荒野の中へ小さくある賑わいが街で、何かへ動かされるままに失踪したり再開したり、そしてぶつかり合ったりするのがまた人間なんだと感じさせる映画。 人生を旅にたとえるとか移動の中へ心の葛藤を見るとかの「抽象さ」ではなくって、動くもの、あるいは「動かなさ」の視覚的な確認であり、フレームへ納まったままの姿を受け入れる行為なんだと感じさせる映画。 ストーリーとか物語などの前に、全体として心を動かされる映画。映画を見続けられることが一番うれしいとか、見続けていないと映画は楽しめないと感じさせる映画。実際こんな映画ほど疲労感は大きく、しばらく離れたくなる気も...
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