personal note内検索 / 「俺達に明日はない」で検索した結果

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  • 俺達に明日はない
    俺達に明日はない 監督:アーサー・ペン 出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、ジーン・ハックマン アメリカン・ニューシネマには「俺」とか「明日」とかが付いた邦題が多いように思う。この作品はまさに典型的だ。それが代表作の証だろうか。 主人公の二人はとても軽快に走り回る。カントリー調のリズムにのって次から次へと銀行強盗をしていく。 途中から参加した青年や、兄夫婦達も軽やかなテンポにはまっていく。まるでそこが最後の楽園とでもいうように、次の瞬間訪れる逃亡劇などまったく予測もしていないかのように楽しげに騒ぐのだった。 逃げ回るロードムービーには幾つもの作品があるが、不思議とどれもが踏んでいくあるパターンのように、破局の旅へと向かっているのを物語なかば気づいていながら、はかなさを一秒でもながく延命させようとする主人...
  • ロードムービー
    ...ィ・ブルー ラザロ 俺達に明日はない ダージリン急行 WALKABOUT美しき冒険旅行 テルマ&ルイーズ モーターサイクル・ダイアリーズ ばかのハコ船 めがね 転々 カテゴリー-映画
  • 2003年ベスト
    ...メリカの夜 俺達に明日はない 過去のない男 亀虫 座頭市 死の棘 宗方姉妹 秋刀魚の味 初恋の来た道 戦争のはらわた 東京画 突入せよ!あさま山荘事件 内なる傷痕 猟奇的な彼女 狼たちの午後 2003年読んでノートした書物リスト 「愛国」問答 「小さな家」の気づき 80年代建築/可能性としてのポストモダン この先の建築 さようなら、ギャングたち インフォアーツ論 カンバセイション・ピース シンセミア フランス映画史の誘惑 ペンギン村に陽は落ちて レイアウトの法則 阿修羅ガール 煙か土か食い物 何がどうして 家族を容れるハコ家族を超...
  • ミスター・アンド・ミセス・スミス
    Mr. Mrs.スミス 監督:ダグ・リーマン 出演:ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー 二人が実際の夫婦になってしまったのも関係ないわけじゃないけど。結局手の込んだ夫婦喧嘩じゃん。そんな感想でもいいかと思った。 仮にラストの壮絶さの中で血まみれになって二人が抱き合うように死んでいったとすれば、蜂の巣になったウォーレン・ベイテイとフェイ・ダナウェイの『俺たちに明日はない』に匹敵する映画になっていたかもしれない。 けれど今の時代、ハリウッドにそんなリスキー・エンディングは不可能だ。まるで何事もなかったかのように微笑みあう「勝ち組夫婦」の小さな倦怠を埋めるべく付き合わされている高級カウンセリングでちゃんちゃんだ。 もちろん、そんな映画が嫌いなわけではない。まるで失神寸前な興奮の先にちょっと安心すらもらって、日常に...
  • 映画
    ...外と速く泳ぐ 亀虫 俺達に明日はない 僕と未来とブエノスアイレス 僕を葬る 全てはロードムービー 凶気の桜 回路 夏の嵐 天然コケッコー 太陽-The Sun 女ともだち 嫌われ松子の一生 害虫 家路 巨人と玩具 幸せになるためのイタリア語講座 映画『LOFT』の公開 映画に愛をこめて-アメリカの夜 映画覚書vol.1 時をかける少女 暗殺の森 月曜日に乾杯! 東京原発 東京物語 桂子ですけど 欲望 歩いても 歩いても 死の棘 殯の森 永遠のハバナ 海を飛ぶ夢 潜水服は蝶の夢を見る 激情 火星のカノン 現金に体を張れ 百万円と苦虫女 県庁の星 花とアリス 華氏451 華氏911 見えない嘘 転々 逆噴射家族 過去のない男 階段・・映画的 隠された記憶 雨女 雨月物語 霧の中の風景 音楽(映画) 鬼が来た! 鬼火 鬼畜大宴会 2006・今年のベスト6 5時から7時までのクレオ MOVI...
  • 百万円と苦虫女
    百万円と苦虫女 監督・脚本:タナダユキ 出演:蒼井優、森山未來、ピエール瀧、竹財輝之助、 齋藤隆成、笹野高史、佐々木すみ江 同居予定のルームメイトが勝手に彼氏を住まわせる手配。しかも引っ越し当日に二人は別れ男だけが同居。そいつに拾った猫を捨てられ、反動で男の荷物を全て処分したら刑事告訴。前科者の烙印を押され、自宅にも居づらくなり、百万円を貯めて家を出る。その後も百万円を区切りに転々とするロードムービー。蒼井優のおっとりした演技とうまく共鳴させながら、とてもテンポよく運ぶ。『俺たちに明日はないッス』が気になっている監督だけど、さらに興味沸く。 海から山へと、なんとも優雅なロードムービー。こんな生き方出来る人が多ければ派遣切りなんて悲壮になるばかりじゃないのかも。強さを感じる放浪に見えたが一方で、行く場所ごとにかかわる人たち全てに対して打ち解けず逃げるように移動...
  • :近況-2004-1-2004-3
    近況-2004-1-2004-3 2004-03-30 10+1。隈研吾さんと森川嘉一郎さんの対談はなんだかかみあっていない、というか森川さんの指摘に隈さんが、ただそうですねと言っているだけのようにも。そもそもなぜ隈さんなのか。渋谷駅の改装したから?。藤森さんの赤派とか白派ってなつかしいな。五十嵐太郎さんのデータベース的事例はすごいけれど、その先にいく言葉もほしい気がする。とくにセキュリティー社会に対する危惧のような、東さんとかぶっているところは違った切り口も見せてほしい。建築側からそれらへの態度をとるとすればどんなことがあるだろう。セキュリティーフェアとか言って徹底的にキャンペーンしてみるのも面白い。ある意味滑稽なくらい切実に振る舞いたい気もする。今気づいたけれどカルスタの上野さんと毛利さんも執筆しているのか。毛利さんはセキュリティーについてなど。 2004-03-28 10+...
  • グランドフィナーレ
    グランドフィナーレ 阿部和重(著) 講談社:群像12月号 群像12月号に掲載されている新作を読んだ。シンセミア以降の作品をこんなにも早く読めるとは思っていなかったのでそれだけで感激なのだが、今回の作品によって何か新たな方向性のようなものを見られたこともまたよかった。 この小説では一見するとロリコンの主人公が自らまねいた困難へ苦悩している姿が延々と描かれているようでもあった。けれど同時に吐き出されているものが、紛れもない現代時評であることも確かだろう。 それは米同時多発テロやチェチェン独立派とみられるイスラム武装勢力がモスクワ中心部の劇場を占拠した事件や、バリ島の繁華街で連続して爆発が起こり外国人観光客を含む百数十人もの被害者を出したテロなどといった実際の事件を持ち出していることや、幼児ポルノ規制や自殺サイトや地方都市周辺の郊外化と...
  • 見えない家族
    見えない家族 日経デザイン98年2月号 この一見センチメンタルなタイトルは、日経デザイン http //nd.nikkeibp.co.jp/nd/index.shtml98年2月号の特集です。 戦後の家族解体の流れ。アジア的封建制度を否定する様に、家族という共同体の息苦しさを否定し、個人主義の奨励をいそしんできた日本の現状を批判的に見る視点。それを商品コードにそって分析した、非常に興味深い特集でした。 時代の流れは速い。久々にこの雑誌をめくるとそれを実感させられるが、面白いのでここに並べてみます。 ヘヴィーデューティー使用のラジカセやポータブルCDプレイヤーの登場。→ストリート系の若者が増えてきた。興味の対象は家にだはなく外へ向いている。本物志向にこだわり、常に周りの友達の目を気にしている。反面、無関係な人への関心は皆無なため、地べた、階段、コンビニの前、自...
  • :近況-2004-7-2004-12
    近況-2004-7-2004-12 2004-12-23 相対的浮世絵●久々にお芝居を観た。三茶で。「相対的浮世絵」 作・演出:土田英生。20年前、親友と弟を見殺しにしてしまった。親友と共に、死んだずの二人から夜の墓地に呼び出される。他愛無い昔話に興じる4人。二人が死ぬ事なった事件については触れようとしなかった・・・。かなりヒット。タイトルもシブイ。死者。他者。過去。記憶。恨み。和解。途方。黄昏。終了。お気に入りの映画監督である、大谷健太郎の新作ではこの土田さんのお芝居が映画化されている。さっそく近日シネクイントに行こう。 2004-12-20 星野智幸●なんだかんだと5冊目。「ロンリー・ハーツ・キラー」に入りました。そして今日アマゾンから過去の著作3冊届きました。もう、とことん魅了されています。「どういいのか」を考えるよりも、ただこの文体に「ひたって」いたいです。●とこ...
  • :近況-2003-9
    近況-2003-9 2003-09-25 雑誌ファウストの掲載小説で3つめ(西尾維新)のを思い出したように読んでみると意外と面白かった。探偵とかゲーム、青春、無意味、残酷など、キーワードを色々とあげたくなるような感じ。そういえば石原慎太郎の「完全なる遊戯」が文庫新刊で出ていたけど、それを思い出す作品(どんなだ)。ここでも10歳の少年がとても理路整然と語る姿がある。このような低年齢化はもう行き過ぎとかいう印象を通り越して一つのお約束のようでもある。それにしてもこの3者はコアなファンがたくさんいそうだ。どれか1冊でも(舞城はとりあえず読んだから、佐藤、西尾作品のどれか)読んでみなくては・・。 昨日、24時間連続で6人の女性タレントとデートするという企画の「堂本剛の正直しんどい」を見ていて、堂本のシンドイ姿はわざとらしいけど、けっこう癒されるなぁとか思っていたら、こちらをみかけた ● 。彼は...
  • 過去のない男
    過去のない男 2002フィンランド/ユーロスペース 監督・製作・脚本:アキ・カウリスマキ 撮影:ティモ・サルミネン 出演:カティ・オウティネン/マルッキィ・ペルトラ/マルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカ/アンニッキ・タハティ/ユハニ・ニエミラ/カイヤ・パカリネン/サカリ・クオスマネン ああ、このテンポ!。と思わずにはいられないカウリスマキ節。昭和歌謡のようなマッタリした曲調を連続させ、さらに磨きをかけた独自の世界観ではないか。見ていてとても嬉しくなってしまう不思議な映画だ。 人々の連帯意識と殺伐とした都会の空気とが入り交じっていて、でも全体的には心あたたまる人間関係ばかりでもあって、感情を抑制していることがかえってそのような気分がありありと伝搬してきて、モノや事象が等価に存在して、時間の感覚が無いばかりでなく、 すべ...
  • :近況-2003-8
    近況-2003-8 2003-08-31 森のビアガーデンにて。ここは20年も続いているそうだが、ハッキリ言って知らなかった。外からはほとんど気配すら感じられない静かな森の中だが、一端はいると900人収容という広さがほとんどうまっていた。まさに大盛況だ。見上げれば空、目線には木々、ややちらりと周辺のビルが見える程度で、ここが都心とは思えないことがシチュエーションの贅沢さを出している。今回はお二人が初参加。こうして新たな広がりがでるのはとても楽しい。周囲が騒々しくナカナカ皆さんとのお話が深まらなかったが、まあこれもビアガーデンならでは。その後2件のカフェをハシゴし、解散。僕らは小腹が空き明大前でつけめんを食べて帰宅。 今日は所用で少し出かけただけなのに、妙に疲れた。ウダウダとマラソンを見るが、なかなかスタートしないTBS。ああパリ行きたい・・。 2003-08-29 やさしさで人を傷つけ...
  • :近況-2003-7
    近況-2003-7 2003-07-31 8月か。はや。●クリニックはもうじき出来上がる。暑さが戻り湿気も厳しい現場で3時間半も打ち合わせ。先生はホントにねばり強い。たいがい打ち合わせは10時とか11時過ぎたりするのだけどまったくひかない・・。結局今からまた穴開け・・汗。●ホールも上棟間近で緊迫状態。●改修がはじまりこちらも盆無し。●マンションもマキはいってきたなぁ。●オープンデスクさん今日は遅くまで頑張っていた。 2003-07-30 なんでこんなものをつくってしまったのか●そんな空間に住みたい。創作の意図が自分でも分からなくなってしまうような空間。かろうじて住まいであることを示すものが、滑稽で仕方がないような空間。恐らくこう使ったら明日から違う生活になってしまう、そんなことを毎晩考えてしまうような空間。ドアを開けた瞬間、昨日までの自分をそこに確認できないような不安をもってし...
  • :近況-2004-4-2004-6
    近況-2004-4-2004-6 2004-06-16 セキュリティ社会。日経アーキテクチュア見ていたら、あの池田小学校新校舎のレポートが載っていた。既存校舎をメモリアルとして残したり、教育大附属という性格上求められる「新しさ」の追及など。結局オープンスクール(=新しさ)という考えは、見通しが良いので、避難しやすいということもあって準用されたようだ。ただし完全にオープンではない。保護者からオープンすぎる使用勝手に抵抗があったようだ。非常呼び出し装置は314ヶ所。警報ブザーは105ヶ所に設置されたそう。 2004-06-15 中原昌也。さっきコンビニでSPA!の映画評を立ち読みしたら、今回は自虐ネタ99パーセント。まったく映画には言及していない。よくこれでOKだすよな。しかも気になっていた「21グラム」についてだったのに。自虐のスキマからにじみでた評価を結構参考に(そんなの参考にする...
  • 間宮兄弟
    間宮兄弟 監督:森田芳光 出演者:佐々木蔵之介 、 塚地武雅 、 常盤貴子 いかにも仲のよい兄弟、多くのモノ達に囲まれた「男子」の部屋、子供のまま大きくなった無垢な二人。 そんな「描き」はきっと江國香織の原作にある「あざとさ」だとか思ってしまうのだけど、日々の繰り返しを愛しみ、生活のリズムを大切にし、何事にも誠実であろうとする間宮兄弟を前にして、自分は嫉妬に近い羨望を持ち、斜めに見ようとしてしまう。それも仕方のないことでは・・。 森田芳光としては劇場映画デビュー作、「の・ようなもの」に近い傑作ではないかと思った。それは最近原作ものばかりで、オリジナル脚本のデビュー作みたいな面白さはないけれど、描かれたシーンには小学校の校庭や河川敷、坂道など、映画的な奥行きがあってとても雰囲気のある。という意味です。2006-11-12/k.m
  • こわれゆく女
    こわれゆく女 監督・脚本:ジョン・カサヴェテス 出演:ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク 1974年、アメリカ、145分、カラー 10年ぶりくらいに見た。監督のジョン・カサヴェテスは、アメリカ・インディペンデント・フィルムの代表的存在。自宅を抵当に入れて撮影し、出来るだけ一般的な共感を「得られない」ようなつくり込みを行い『アメリカの影』を完成させたという。 暗い部分や強い影を作らない全体に明るく構成された「ハイキー」の画面によって爽やかな印象を与えるが、描かれているのは精神のバランスを崩していく主婦とその家族たちのドラマだ。 精神的な病に共通して言えることは「正常」と「異常」の境界があいまいで専門家にも判断が難しく、患者本人や社会の要請により境界自体がはしばしばゆらめくことではないか。 ジーナ・ローランズの演技が素晴らしいのは、躁鬱の変化...
  • 「空の穴」
    「空の穴」 2001年/35mm/カラー/127分 第10回PFFスカラシップ作品 第51回ベルリン国際映画祭ヤングフォーラム部門正式招待 第30回ロッテルダム国際映画祭コンペティション部門正式招待 国際批評家連盟賞スペシャルメンション授与 監督/熊切和嘉 脚本/熊切和嘉、穐月彦 撮影/橋本清明 出演/寺島進、菊地百合子、澤田俊輔、権藤俊輔、外波山文明 心の交通? 寺島進演じる主人公は、恐らく一度も家を出たことが無く、閉じた狭い輪の中で生きてきたのだろう。それはいわゆる「ひきこもり」とは違って社会へ適応出来ていない訳ではなく、交通(他者との関わり合いをそう呼ぶとすると)を持とうとしていないだけだ。そしてそのような孤独感だけを見れば、世の中にはそれに共感出来る人がたくさんいるのかも知れない。ただそれでは物語としてありきたりなだけだ。この作品の面白い所は、誰しもが持つであ...
  • カミュなんて知らない
    カミュなんて知らない 監督 柳町光男 脚本 柳町光男 音楽 清水靖晃 出演 柏原収史、吉川ひなの、前田愛、中泉英雄 劇中劇というスタイルを使って、見る側へ映画というものを考えさせるという点で、高橋伴明監督の作品である『光の雨』を思い出した。 あちらが、立松和平の同名長編小説を映画化しようとする「今の時代」を生きる人々の物語であるのに対して、こちらは愛知県豊川市で実際に起きた老婆刺殺事件と、その犯人である男子高校生の証言を手がかりに、大学生たちが事件の映画化に取り組むというドラマ。 連合赤軍事件と、不条理殺人。どちらも若者の起こした事件が、大きな社会問題となったもの。それを若者が映画化し、その過程で苦悩したり、ぶつかったりする様をドキュメンタリーのように映し出す。どちらも似たような構成ではないか。 「...
  • 「ひらきこもり」のすすめ
    「ひらきこもり」のすすめ 「ひらきこもり」のすすめ/デジタル時代の仕事論 講談社現代新書 渡辺浩弐著 \680 インターネットという手段を得て、僕らの生活は確実に変わりつつある。その瞬間、その感情をプレゼンしておく。そして発信される。同時にストックされる。全ての情報が等価に並べられる。時系列や感情の優劣に関わらず、キーワードによって検索される。そしてある時発見されることによって、別の組み合わせが発生する。何度もヒットする内に付き合いがはじまる。これらどれもに大きな可能性が含まれている。 この著作はネットを利用しているあらゆる人にポジティブな思考を与えるだろう。誰もが想像し得る世界はすぐそこにあるが、誰もがそれに気づくまでにはまだ何段階かのステージを踏む。ひらかれたデジタル時代の活きる術を教えてくれる著者の語りようは...
  • 存在の耐えられない軽さ
    存在の耐えられない軽さ ミラン・クンデラ (著), 千野 栄一 (翻訳) 集英社文庫 われわれの人生の一瞬一瞬が限りなく繰り返されるのであれば、われわれは十字架の上のキリストのように永遠というものに釘づけにされていることになる。 ニーチェの永劫回帰について考察をはじめる冒頭からちょっと変わった小説という印象。物語の全貌を前段で明かし、振り返るように進む。まるで芝居のような構成に惹きつけられた。 作者は登場人物たちを人間とは考えていないようだ。SFが思考実験であるように、小説の世界を動く人物はあくまでもキーワード、そこから広がる物語は思索の場でしかない、そう言っているかのよう。 内面を深く描写していくドラマでなく人物を「感情モデル」で動かし、それを見て思考を広げるキャッチボールのようだ。 主眼はどこか。「存在の軽さ・重さ」であったり、「俗...
  • 未来を担う美術家たち-DOMANI・明日展2010
    未来を担う美術家たち-DOMANI・明日展2010 国立新美術館 アーティスト 古郷秀一、三好耕三、流麻二果、神戸智行、近藤聡乃、遠山香苗、近藤高弘、深井総一郎、鈴木涼子、山口紀子、町田久美、赤崎みま 国立新美術館のDOMANI・明日展が良かった(以下、興味のあった作品について)。まず三好耕三の写真が素晴らしい。「CACTI 1995」はサボテンが空間を構成する装置として見え、やがて北アメリカ大陸の先住民達が彫刻したトーテムポールにも見えてきた。 また、「ROOTS 1990」は植物の根がまるでアルコールづけの奇形児を見てしまったかのように緊張が走る。それは妖怪が実在の奇形からヒントを得てその形をかりたような概念的なものではなく、この世に実在するデカダンスとして迫ってきた。 流麻ニ果の油絵は、雑誌や日常で出会った見知らぬ他人をモチーフにしていると言うが、溶け...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年2月1日-パリ3日目
    2000年2月1日-パリ3日目 さすがに疲れの出てくる頃だが、今日はホテル近くの国立図書館から見学。付近は建設ラッシュで、クレーンが立ち並ぶ。集合住宅の建設が、ここでも目立つ。 4冊の本を開いて互いに向き合ったようなタワーは、内部の広大なヴォイドを予感させている。ドミニク・ペローがヴォイドを説明的に言うには、「パリの広場」としての役割を担う存在である、と言うことだ。今後開発の進む、パリ13区のスタート・ポイントとして、必要なのもは、スペースとエンプティネス。確かに明快な考えと、歴史への参照という姿勢の伺える提案に思える。それはまた、タワーと広場という、都市のランドマークとして、パリのみならず、ヨーロッパの街々ほとんどに共通した理念を持ち込んでいる。 読書する者への、家としての落ち着つける空間と、国立という威厳を、慎重に表現された内部空間だ。回廊から見え...
  • 1Q84
    1Q84 村上春樹/著 新潮社 2009/5/29 まとまりなく、感想。当然ネタバレとなっていますw。 登場人物達はみな生い立ちに強烈なトラウマを抱えコミュニケーションの齟齬をきたし生きにくさに繋がっている。思春期を宗教集団の厳しい規律の中で育ち、そこから抜け出し精神の解放を望みながらも、身体に埋め込まれた生き方が消えない青豆。父親の養育に不条理さを覚え、記憶の中だけの倒錯した母親像に救いを求める天吾。カルト教団のリーダーを親に持ち、10歳でそこを抜け出し、彼女の語った不思議な体験記が出版されベストセラーとなる深田絵里子。 連合赤軍以降、タブー視される政治思想の中でかえって先鋭化してく日本的な背景とともに、そもそも思想自体が内面化されやすいコミュニケーションの構造を持っていて、分散型ネットワークとなって1990年代から急速に進化した情報技術革新...
  • :近況-2003-6
    近況-2003-6 2003-06-30 うわぁーもう7月だ●早いなー。海の日。海行きたい。山もいい。のんびりと・・。ぼーっっとしたい。いまもしてた・・。今年こそ沖縄行くか。あっというまにお盆休みだよ。「時間」について考える・・。●昨晩はついにネットで本を購入すべく手続きにチャレンジ。今時みなさんやられていることだろうに・・。新宿の紀伊国屋で30分くらい探したあげく、コンピューター検索したら、店内にありませんて・・。その時決めた。もうネットだと。けれどその30分で読みたい本をわんさか発見。この感覚はやはり本屋ならではのモノ。けどそれはそれ、これはこれだ。●近所の紀伊国屋は最近、啓文堂書店が出来たからかリニューアルをした。期待して先日行ったら、配置がちょっと変わってるだけだ。なんだそれ。期待させて・・。まぁ見やすくはなったが。それにしてもプレゼンが弱いぞ。古いぞ。もっとわくわくさせる並べ...
  • ピストルオペラ
    ピストルオペラ 監督:鈴木清順 出演:江角マキ子、山口小夜子 2001年 /112分 この作品を見たとき、本当に清順の作品なのかと疑った。それほどに清順的というものが「ありあり」としており、それがパロディー的にも感じられた。70-80年代の作品を見てきたプロデューサー達に捏造された「清順的」ではないのか。そんな疑いと共にやや興ざめしてしまった。けれどそれは見るモノの浅はかさというものだろう。 しまった。 見終わってしばらくしてからちょっと後悔した。鈴木清順の作品をまだぞんぶんに見込んでいない故にやってしまうこどだ。普通の映画として観てしまったのだ。この膨大な細部をもつ世界を。奥行きの無い世界を。単調なくらいシンプルな世界を。「間」が支配している世界を・・。清順監督にとっては67年に製作し、日活を解雇されるきっかけとなった因...
  • まぼろし
    まぼろし 監督・脚本:フランソワ・オゾン 共同脚本:エマニュエル・バーンハイム/マリナ・ドゥ・ヴァン/マルシア・ロマーノ 出演:シャーロット・ランプリング/ブリュノ・クレメール/ジャック・ノロ 2001年/フランス/95分/原題:Sous le sable 配給:ユーロスペース 死とは、その不在を受け入れることなのかもしれない。しかしこの映画では、まずその不在があって、後に死の知らせがくる。ながい不在だけの期間が、死を受け入れることを拒む妻をつくっていた。まぼろしという幻影を見続けながら、妻は夫の不在をやり過ごしていた。やがて訪れるだろう死をまちながら。 ここであらためて死とな何なのかと問われているような気がした。不在は既に始まっていて、死はそれを永遠のものとして告知されたに過ぎない。戻ってくるかの希望を断...
  • :近況-2006-4-2006-7
    2006-07-22 下北沢で久しぶりに飲んだ。いつ来ても和める街だ。渋谷のようにオジサンがいないからだろうか。自分はオジサンにはならないという変な自信があるのだけど、そういう私を若い人はオジサンだと思うかもしれない。下北沢は、そんな気分だけの自称を問わない若者ばかりが集まっている街だと思う。2件目のバーは狭くてものがぎっしり詰まった「らしい」場所。80年代のミュージック・ビデオをノンストップで流していた。 2006-07-21 某・デザイン業務コンペの2時審査。正直こんな規模のがきたらどの様に動かしていくのか不安。もはや広告代理店のような役目であって、建築家のする仕事なのだろうかとも疑問。けれどモノをコツコツ作っていくことだけが建築的な思考でなくなっていることは、自分の仕事暦を見てもあきらか。そこを立脚点とすることが生き残っていく術でもあるのだろう。その話になると建築家という存...
  • 「伊東 豊雄」メモ書き
    「伊東 豊雄」メモ書き 伊東さんは、僕の学生時代で一番気になる建築家でした。 分厚い著作集の「風の変様体」を、なんだかよく分からないまま読んでいたのを思い出します。 ある一人の建築家へのこだわりは、逆に色んな人達をも教えられました。富永譲さんや、長谷川逸子さんなどの菊竹さん門下生達を知ったのも伊東さんからです。 90年頃ですから、ちょうど公共的な仕事へシフトしてきた頃です。それまで初期の作品など、なにか内向的な空間表現も伺えていましたが、なにより伊東さんが、学生の僕にうったえかけていたのは、その軽やかさでしょうか。 風の様に漂う建築、シュミレーション的、浮遊する建築。光と風の視覚化。なにか建築の存在そのものを否定するかの様なコンセプトをなげかけられ、それらは僕らの存在そのものを解放系へとさそう魅力にも感じられました。 小さい作品から、突然大きな...
  • :近況-2008-3-12
    2008-12-05 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 木曜日に槇さんの講演会にいった。海外プロジェクトの多さに驚いた。そしてあの年齢でハキハキと話すその姿へ恐れ入った。3年ぶりくらいにこの防水メーカー主催の講演会へ来た。途中、有楽町の駅前が随分と変わっていたことへ驚いた。講演後またそこを歩いた。ついでに銀座をブラブラした。疲れたのでファーストフードでお茶した。すごく会話へ夢中になっている人たちばかりがいた。日本じゃないみたいだった。本を読みながらまわりが気になってしょうがなかった。 2008-11-21 照った身体をキャタツに預けて●THE JORKERS・3 11月21日(金) 新宿区早稲田鶴巻町 銀のヘルメット 20 00〜22 00  ...
  • 鬼火
    鬼火 1963年/フランス 監督:ルイ・マル 出演:モーリス・ロネ、アレクサンドラ・スチュアルト、ジャンヌ・モロー 「僕は自殺する。誰も僕を愛さず、僕も誰も愛さなかったからだ。 僕は自殺する。君達に消し難い汚点を残してゆく・・・」 ラストシーン(思い切りネタバレw)。こんなセリフで終わる。それでも衝撃的な終わり方だった。死に向かっていることが明らかで、主人公も散々にほのめかしていた。けれど友人達との会話を繰り返し、苦悩するシーンが重なるほどに、死という不在が現実感を失っていくのだった。 雰囲気がとても好みな映画だ。ヌーベル・バーグらしさというのか、パリの街を自由に駆け回り、哲学的な会話を喧しげに交わす。友人と散歩をし、何度も向かい合う。女性達がみな緊張感のある美しさで登場し、絵に描いたようなセリフを言う。それら全てがブルーがかったモノクロ(そう見えるだけなのか)映像で...
  • 建築的反省
    建築的反省 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 新建築6月号/丸山洋志氏 青木さん、伊東さん、妹島さんなどの、メディアへ多く取り上げられる建築家。彼らへ共通にみられる言葉。「自由な感覚」「柔らかな境界」などにうんざりだ、というちょっとショッキングな意見。もちろん、それらの分かり易さには、なにか見落としている視点、あるいは履き違えた感覚がつきまとうものなのかもしれない。 「分かる」ということ、理解とはものごとの分割と整理からはじまる。しかしこれは裏返せば、思考がときに誤った分割から出発し、したがって初めから終わりまで、徹頭徹尾誤ったまま理解だけが進むことがある。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画...
  • :近況-2006-8-2008-1
    2008-01-26 週末日記●昨日は近所の現場事務所で長い打ち合わせをおこなっていて、6時くらいからなんだか「いいにおい」がただよっていて、近くの夕飯にしては臨場感あるなぁとか思っていた。8時頃、そろそろ終わりそうな感じになってきて事務所へ戻ってあれとこれを、なんて考えていたら、ニコニコしたおじさんがやってきて、どうぞおねがいします、コミュニケーションが大事ですからと。職長会の飲み会で、工務担当者〈現場監督)と、職長〈職人さんたち)が20人くらい集まり5時半からはじまっていて、焼肉パーティーだった。みなさんかなり出来上がっていて、テンションの開きに戸惑いながら気づけば10時のお開き。やれやれと直帰して、土曜日起きれば、なんだか風邪もよう。花粉症かとおもっていたら、体もだるくなってきた。結局今日1日ゴロゴロしていた。まだぼーっとしています。来週も忙しいのになー・汗。 2008-0...
  • 暴走するインターネット
    暴走するインターネット+ネット覚え書き 暴走するインターネット ネット社会に何が起きているか 鈴木謙介著 \1,500 2002.9 「私たちはある見方を通じて、その人にとっての真実やリアリティを体験しているのであり、その見方の重要な部分は、その人に先行するある社会的な前提から供給されているとみるべきであろう。」 冒頭に出てくる上記のような考え方が、社会学系の著作を読むとき最大の魅力となってあらわれてくる。一見自明なことのようだが、僕らはこの前提を盲目的にやり過ごすことで新たな日常を送っている。新鮮な響きや、納得できる事柄、「あるある」とうなずいている真実。すべてフレームの中へ納まる思考となっている。それゆえにフレームをはみ出す見方、あるいはフレームそのものを見せつけてくれるパッケージングへ魅力を感じるのだ。しかしそれは既に日常的ではない。身構えた思考でもある。...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年1月31日-パリ2日目
    2000年1月31日-パリ2日目 どうやら明日はゼネストがあり、地下鉄やバス、タクシーですらほとんどつかまらないそうだ。とりあえず動きやすい今日の内に比較的外側へ行こうと、まずはコルビュジェ財団ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸へ。途中キュビズム的ファサードの建物を見つつ迷いながら到着。コルビュジェのピュリスム的純粋幾何学の構成を、ピロティや連続水平窓などの新しい建築言語によって造られた最初の例として位置づけられている。 銀行家ラ・ロッシュ邸の玄関を入ると3層吹抜けホールがある。今でこそモダニズムの構成として珍しくない造り。3階まで上がって行きながら様々な角度で展開する。新しく空間を構想する時のような、素直な興奮に見舞われる。ギャラリーへと降りるスロープ、さほど大きくない住宅だが視線が様々に抜けていく。広がりと連続感。 ここからはしばらく歩いた。マレ・ステヴァン...
  • イージー・トラベラー
    イージー・トラベラー #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (イージー・トラベラー) 発行…年4回(季刊)/B5変形/全144ページ 定価…700 円(本体価格667円) 発行・発売…EASY WORKERS 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-35-13 原宿リビン302 url http //www.easytraveler.org/ 今日は久しぶりに午後まで眠っていた。ゆっくりと起きあがり、遅い朝食、そしてのんびりと借りてきたDVDを見る。「まぼろし」には重たいテーマとは別に、日常を送る様々な所に快適さがあり、それはデザインによって支えられていることも伝わってくるシーンがある。快適なことを察知する姿勢とは、このような精神的くつろぎの時にこそ冴えて...
  • プラスティック・ソウル
    プラスティック・ソウル 阿部和重著 出版 : 講談社 発行年月 : 2006.3 『グランドフィナーレ』以来なので1年半ぶりくらいに阿部和重の小説を読んだ。けれどこれは『シンセミア』よりも以前に書かれたようだ。特に彼の分岐点とかって言われるような作品のようだけど、それほど分析的に読むわけではないので気にしない。 そもそも「主体の分裂」など、彼の批評性に注目した書評は多いけど、何故そうなってしまうのかよく分からない。確かに語り手が突然変わったり、二重に話していたり、トリッキーな構成は目立つ。けれど小説がそれほど行儀の良い書かれ方をされている読み物だとは思えないし、もっと不可解なものも多い。 むしろ阿部和重の小説は読んですぐに彼の作品と分かるようなスタイルがあって、それを支える形式的な中に批評性があるのだと思う。だから...
  • 「私」探しゲーム―欲望私民社会論
    「私」探しゲーム―欲望私民社会論 ちくま学芸文庫 上野千鶴子著 1992.6 「トレンド考察=歴史資料?」 10年たてば「昔」になる世相風俗の変化の中で、本書は、80年代の「歴史的資料」として読まれるだろう。 あとがきのように、これは80年代を読み解くとても興味深い著作。辛辣な時代批判がゆえに、いまだ新鮮さを失っていない。むしろ現在を読み解く書として再度手に取るべきではないか。以下は引用とメモ。 「権力の推移」 「ウケたい学生」という存在から、権力の移り変わりを論じる。最新のそれは「人気」という実体的な基盤のない権力。たとえばモー娘のような普通の女の子をスターに仕立て上げるのは聴衆のほうだ。だとすればその場合の権力とは共犯関係か?。「プロセスを共有」することが商品となる現在、権力の所在をますます見えにくくしているのか。 「日本人の排他的な性質」 関西...
  • 見えない嘘
    見えない嘘 本年度カンヌ映画祭コンペ部門出品作 2002年/125分(フランス公開:02年8月21日) 監督:ニコール・ガルシア 出演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラルディン・ペリャス、エマニュエル・ドゥヴォス ニコール・ガルシアという女性監督の作品。実話を題材にした原作を映画化。18年に渡り、自分は医師であると友人や家族を欺き、嘘を積み重ね、その発覚を怖れて両親、妻、子供二人までの殺した男。そんなちょっと信じられない話。 映画は18年間嘘をついて来た男の殺害に至る最後の数年を描いている。なぜ18年も騙せたのだろうか、いくら何でも無理がある。劇中その男は朝子供を送って、WHOという偽った仕事場へとりあえず足を運び、ただホールで新聞を読んだり、公開会議を傍聴したり時間を潰す。そして夕方自宅へ帰り、疲れたふりをしつつも家族をいたわる。そこには優しくて芯の強い一人の...
  • パレード
    同居生活をチャットやBBSにたとえる 吉田修一著 \1,600 幻冬舎 2002.2 2003-04-29 「家族」や「空間」という視点で見ても面白い小説だ。大学進学時点で一人暮らし(援助受けて)している経験から、家族という概念自体が世間体やら規範などのぼんやりとしたルールとしてあるように思う。別に家族の崩壊だとか、幻想だとかまで広がらなくても、どこかそんな意識はあると思う。 「家族」する。という行為の問題として考えることが出来れば、血縁という繋がりだけに限ったことではないことはあきらかで、そのような「ゆるい共同体」が最近の小説のなかで様々に定義され、その断面がこの作品にも出ているのだろう。 「空間」という意味では、そんな「ゆるい共同体」という現実は、空間がどのようにつくられていようとも存在していくもの...
  • マイノリティ・リポート
    マイノリティ・リポート 20世紀フォックス映画 2002年製作 米 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演者:トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートン 先行オールナイトで見てきました。久々の大作をそれも一足早く!。これってMI2以来だろうか・・。そうか、トムクルーズ好き?ってことかもしれない。 2054年、ワシントンDC。テクノロジーの発達により犯罪は予知され犯罪者は犯行前に逮捕されるという話し。フィリップ・K・ディックの原作は読んだことないし、クレジット出るまで知りもしなかったのだが、この映画の素晴らしさは、やはり原作に因るところも大きいのだろう。もちろんそれを映像化し、自らのメッセージを込めたスピルバーグはもっとすごい!。とまあ誰がすごいかなど、もう分からないくらいな大作なのだが。 「犯罪予...
  • ダイアログ・イン・ザ・ダーク
    ダイアログ・イン・ザ・ダーク imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 開催期間 2004年07月31日(土)〜2004年09月04日(土) 1日27ユニット(1ユニット定員10名) 体験時間は約1時間 会場 梅窓院 祖師堂ホール  東京都港区南青山2丁目26-38 関連ホームページ http //www.dialoginthedark.com/contents/index.html 不意に知ったこのイベント。いや、ワークショップのようだ。つまり研究的な集会ということか?。暗闇を歩くイベント?。体験した方は大体喜んでいるものの、前情報からは不安な要素も多かった。実際は。笑顔で終わった。とてもオススメなイベントだ。 暗...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年1月29日-ロンドン
    2000年1月29日-ロンドン 朝からカムデン・タウンへ。若い人に人気のストリート・マーケット。観光客も多く混雑する名所にもなっているようす。デビット・チッパーフィールドをはじめ、建築家やデザイナーのスタジオも多い。早い時間のせいか余り人はいなかったが、屋台ではおいしそうなソーセージを焼き、露天の店が多く昔の原宿駅前の雰囲気に近い。 ロンドンと言えば、ハイテック建築をイメージする。ロジャースやフォスター、ピアノだけでなく、最近ではウォータールー駅をデザインしたニコラス・グリムショーの印象が強い。ここでも88年の作品、セインズベリー・スーパーマーケットと住宅の複合施設が見られる。ハイテックスタイルというと、古い建物の多いヨーロッパではいささか唐突な存在感が気になる。雑誌では既存の町並みとの折り合いの付け方まで分からないので、この建物もそのあたりが気になっていた...
  • 路上
    路上 ジャック・ケルアック (著) 福田 稔 (翻訳) 河出文庫 「いいかね、諸君、われわれにはあらゆることがすばらしく、世の中のことは何もくよくよすることはない。本当にくよくよすることは何もないとおれたちが理解することはどういう意味をもつかを悟らねばならないよ。おれは間違っているかい?」(本文引用) アメリカ大陸を何往復もするサル・パラダイス(主人公)と大半を共にするディーン・モリアーティ(親友)の軌跡を描きとめた小説。20代前半の二人がトリツカレたように移動を繰り返してその場ごとにパーティやドラッグに明け暮れ、現地で働き金を貯めまた移動、時に伯母から送金させまた移動する。手段もヒッチハイクからバス、ピックアップトラック、旅行案内所が斡旋する車、代行運転する車などなど。 ディーンが出かけてきたのは、まったく意味のない事情によるものだったが、同時に、僕が彼と...
  • :近況-2005-2-2006-1
    2006-01-12 リア王●岩波文庫/シェイクスピア (著)/野島 秀勝 (翻訳)/映画『乱』の映像と重ねて読んでいたからか、すごく面白かった。さすが黒澤。さすがシェイクスピア。例えばボリス・ヴィアン『うたかたの日々』にインスピレーションを得た映画『クロエ』のように(新旧めちゃくちゃw)、この作品はイワユル原作モノとは違う、あくまでもオリジナルだと思った。テクストはあくまでもイメージだ。原作に忠実な映画なんて基本的にありえない。それにしても。翻訳ものは苦手なんだけど、これはとても美しい日本語のリズムだ。激しい罵倒がまるで妖艶な歌のように響く。憎しみ合うさまが濃密に絡みつく。全てが夢のようにリアルではかない感じだ。 2006-01-11 買いすぎ●最近、本屋へ行くたびに何か買ってしまう。今月は文芸誌が面白そうだったし、とか。文藝と新潮2冊。星野智幸の自作解説は面白かった。小...
  • ビューティフル
    ビューティフル 幻冬舎文庫 島村洋子 \495 様々な登場人物達の視点が一人称で語られ、複数の目で読み進められる。事件の終盤への4日間に絞って全貌を徐々に見せていく。そんな明快な物語構造がまるで映画のシナリオのようにシークエンスをつくっている。 家族がめちゃくちゃ、というニュアンスで、三池監督の「ビジターQ」を思い出しつつも、あの映画ほど破天荒な主題は無く、描かれていたのは以外と普遍的な恋愛の姿ではないか。 十七歳の女子高校生キリエという、不幸の連続のなかでうごめく主人公。消えた家族を心の中で追い求めて全裸で立てこもる、差し押さえの自宅(これ、かなり説明不足です)。 はたして家族というものが、このように現代小説の主題たりえる存在感を持ち得るのだろうか。殺伐とした空気の和則の一家。失踪、教祖、一気のみ死という...
  • 華氏911
    華氏911 2004米/ギャガ・コミュニケーションズ=博報堂=ヘラルド 監督・脚本・出演:マイケル・ムーア 製作:キャスリーン・グリン/ジム・ザーネッキ 撮影:マイク・デジャレ 音楽:ジェフ・ギブス 果たしてこれはプロパガンダ映画なのだろうか。そもそも現実を歪ませていない情報など世の中に存在するのだろうか。むしろそれと気づかずに歪んでいる「見え掛かり的現実」のことを情報と呼ぶのではないか。 この映画をみて泣いてしまいそうだった。それは遺族を悲しむ母の鳴き声に感化されたわけでもなく、多くのイラク人達がすさまじい姿で死んでいく映像に対してでもない。もちろんそれらは戦慄を覚えるほどに悲痛なものとして目に映った。 けれどなによりも突き刺さってくるのは、どんなに情報化社会と言われようが、人は「今そこに見えてい...
  • 「いちご」どうなんでしょう?
    「いちご」どうなんでしょう? 新企画「新研」! 新しいモノやヒトやコトについて、真剣(?)に考察する「新製品研究所」略して「新研」です。 (清水健太郎、略して「しみけん」みたいなものです) 記念すべき第1回は 「いちご」どうなんでしょう? 今、コンビニなどには色々なお菓子のイチゴバージョンが売られています。 2〜3食べましたが、う〜ん・・・。 包装を開けると、何とも言えない人工的な香りがします。 これが良ろしくない! 続けて食べられなくなります。 香りにやられてしまい、食欲減退です。 この感覚により、コンビニに陳列されているイチゴコーナーに近づけません。 次から次へと出されるお菓子のイチゴバージョン、手が伸びていかない自分。 この調子では果物の「いちご」まで、嫌いになりそう。 これじゃ〜、逆効果だよ〜。 追記トーク...
  • 過防備都市
    過防備都市 五十嵐太郎:著 中公新書ラクレ 昨年から「自由を考える」東浩紀・大澤真幸(著)とか、「不自由」論 仲正昌樹(著) とか「プチナショナリズム症候群」香山リカ(著)など、9・11前後のセキュリティー社会の動きや、愛国心を謳歌する若者へのズレなどを憂う著作の延長線上にあると思う。 これはもともと建築系の雑誌「10+1」などで連載されていたものだ。セキュリティ意識が恐怖を再生産するという悪循環を分かりやすくまとめている。 建築の設計をしていてもセキュリティの問題はここ1年くらい関心が高い。周辺でも泥棒などの被害に合う人が多くなった。一方で、この本に象徴されるような「恐怖をあおる社会」なるものが、近年顕著になっていることを痛感する。 もうひとつ象徴しているのは、このような著作のように「情報のパッケージ」を最大の売...
  • 「せんだい」
    「せんだい」へ建築視察-2001 お盆休みを利用して仙台へ建築視察に行ってきました。 発端はやはり「せんだいメディアテーク」を見たい思いでした。けれど結果的には仙台市を中心に、宮城県にここ数年続々と竣工した「公共施設」を見ることが出来ました。それらを通じて、開かれた公共空間の最先端を実感し、市民生活をサポートする公共資産の明るい未来をのぞむことが出来ました。 一泊二日という短いスケジュールでしたが、朝早く東京を発ち、次の日の夜遅くまで仙台に居たので、まる二日間滞在したことになり、予想以上に多くの建築を見ることが出来ました。 初日は仙台市内に絞り、地下鉄とバスを利用して3つの施設を見学。次の日はレンタカーを利用して、松島から名取市まで5つの施設を見学しました。初日の行動によって、車では感じ得ない仙台の街の大きさ、郊外ニュータウンの存在、起伏と緑の多い多様な都市...
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