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とりあえず現行の16スレ目と一個前の15スレ目のSSについて鋭意保管中。
-[[haunted カレー その1~21(hauntedカレー◆F57im1gMT.) 〔播磨×愛理〕>http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/27.html]]
-[[haunted カレー その22~62(hauntedカレー◆F57im1gMT.) 〔播磨×愛理〕>http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/28.html]]
-[[haunted カレー その63~109(hauntedカレー◆F57im1gMT.) 〔播磨×愛理〕>http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/29.html]]
-[[haunted カレー その110~114(hauntedカレー◆F57im1gMT.) 〔播磨×愛理〕>http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/30.html]]
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-[[進級をかけた男のあがき 〔花井×美琴〕>http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/18.html]]
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-[[haunted夢枕 その28~44(hauntedカレー◆F57im1gMT.) 〔播磨×愛理〕>http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/21.html]]
-[[haunted夢枕 その45~52(hauntedカレー◆F57im1gMT.) 〔播磨×愛理〕>http://www31.atwiki.jp/kokona/pages/22.html]]
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*こちらもどうぞ
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2009-05-25T21:10:44+09:00
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19-27[播磨×愛理]
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<p>27 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/20(水) 22:16:00 ID:gh7OGDyq<br />
ベタではあるが、Z最終回でなんとなくインスピレーション<br /><br /><br /><br />
桜の花びらが風に踊る。<br />
温暖化によるいいことがあるとすれば卒業式の桜が珍しくなくなったことだ。<br />
一人、学校の屋上で物思いに耽る男は播磨拳児。<br /><br />
閉じた瞳の裏に映し出すは一生ものの恋。己の全身を賭け、破れた恋。<br /><br />
だが後悔はしていない。<br />
塚本天満による答辞、そこには惚れた女の魅力全てがあった。<br />
だから後悔はしていない。<br />
彼女の幸せに自分の入る余地がないとわかっていたとしても・・<br /><br /><br /><br />
やがて開いた眼下ではあちこちから笑いあう人人人<br /><br />
教師に抱きついて泣く生徒<br />
卒業生は証書を手に写真撮影<br />
別れを惜しむは残される後輩達<br /><br /><br />
そして拳児は<br /><br />
1.俺は不良だ。お礼参りに職員室でも行く<br />
2.どこかで見覚えのある長えリムジンが突撃してきた<br />
3.プロの漫画家として仕事がある。おや校門のところにいるのは<br /><br /><br />
以上、勢いでやった<br /><br />
42 名前:27[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:12:35 ID:pwkwzuS6<br />
>>27の2ルートでのお話です。<br />
念のため確認しておくと、これは旗展開となります。<br />
本編やZと矛盾したり作者解釈のオリ設定が入りますが、そのあたりは緩い目で流してもらえれば。<br />
んでは、やっぱり作者の力量の底が見えるような話ですがどうぞ。<br /><br />
43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:13:04 ID:pwkwzuS6<br /><br />
そのとき拳児の耳に入ってきたのは大型の肉食獣のような咆哮音。<br />
同時、懐の携帯が震えだす。<br />
「ん…お嬢か。 おう俺だ。あ?すぐ来い?」<br />
見れば校門に見慣れた黒塗の特注リムジン。あんなものに乗る知り合いは一人しかいなかった。<br />
「ったく。落ち着きのねえ女だぜ」<br /><br />
言葉とともに拳児は屋上を後にする。桜はまだ空を舞っていたが、もう誰の瞳にも映ってはいなかった。<br /><br /><br />
「播磨様、ご卒業おめでとうございます」<br />
「うっーす。こんな日もお勤めご苦労さんっス」<br />
「何言うの。あんたに用があって来たのに」<br /><br />
執事の中村。その息子(?)マサル。その間に立つのは金糸の少女、沢近愛理。<br />
鋭さと柔らかさがギリギリで同居しているような瞳が真っ直ぐ拳児に語りかける。<br />
同じ矢神の制服を纏いながら彼女の持つそれは年頃の少女達と比較しても明らかに異彩。<br />
女性をつくりや容姿で判断することを好まない拳児であっても、<br />
よく見知った少女の持つ、異性を惹きつけて止まない魅力は理解していた。<br /><br />
「これから皆で卒業パーティなのは知ってるわよね。ただ…ちょっと……あの」<br />
「…わかった」<br />
愛理の細い指が拳児の袖を引く。歯切れの悪い態度に少し思うところがあって拳児はそれに従った。<br />
その当たり前のような流れに周囲の生徒達による雑音はざわっと一層強くなる。<br />
やがて再び、重低音。リムジンは校門を抜け桜並木を跳ねていく。<br />
名残を惜しむ間もないまま、三年の日々がこもった母校はあっという間に背後へと流れて行った。<br /><br />
44 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:14:05 ID:pwkwzuS6<br /><br /><br />
どれだけ精を込められ整備がされても機械というものは年月と共にきしみが生じる。赤信号を前にして短い制動が拳児らを揺らした。<br /><br />
「で、どうしたお嬢。何かワケアリなんだろ。あれか、許婚ってのか?解決したんじゃなかったのか?」<br />
「……」<br />
ブレーキを機に、拳児は誘われた時の違和感を口にした。車内を流れていた高質の音楽が声に反応するように音を落とす。<br />
広い車内にも関わらず隣に座る愛理以外が知る、顔に傷を負った狂犬の反乱。拳児は己の手が下る余地もなかった事件を思い返しながら反応を待った。<br />
だが当の本人は珍しく物静かな表情を崩さない。熱でもあるのか頬が少し赤みを帯びているようにも見える。<br />
「若旦那……もとい播磨殿、喉はかわいておりませんか。さ、マサル」<br />
そして珍しくナカムラが会話を遮るようにマサルに指示を出す。<br />
沢近家で普段から愛飲していた高級酒。酒といってもアルコールは含まれず、便宜上そう呼ばれているだけである。<br />
子供が夜会などに出席したとき、家の品格を落とさないよう、大人の雰囲気を演出するために扱われているに過ぎないものだ。<br />
オウ、と普段どおりの返事をしてマサルから杯を受け取り播磨は一気にそれをあおった。<br /><br />
「――ぬあ!?」<br /><br />
これは違う。拳児は思った。香りや色は同じだが舌の上での味がまるで違うのだ。<br />
アルコールを直接喉奥に流し込まれたように食道が締めつけられる。とたんにやってくる急激な眩暈。<br />
最後の記憶は、昔見たテレビ放送・・・注射器一本で一秒かからず人間が気を失う映像。そして<br /><br />
「……南アマゾ …秘境……以前から摂 ……お嬢様の香水…共に…………しないと禁断 状」<br /><br />
不吉な言葉が脳裏を横切っては消えていった。<br /><br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br /><br />
「オイ」「何よ」「何だこりゃ」<br />
「何言ってるの、ヒゲが急に眠っちゃったんでしょ」<br />
「奇遇だな、俺も急に眠らされた覚えがあるぜ」<br /><br />
目覚めた拳児が見たものは屋根つきベッドの屋根の裏だった。要するに愛理の部屋の中でフツーに寝ているのである。<br />
風呂に入った後のように肌はさっぱりとしていて、着ている服は学生服ではなく、肌触りのいい毛皮のガウン。<br />
視界は薄暗いが愛用のサングラスの存在を感じない。今の部屋自体の明かりがほとんどないのだ。<br />
「ナカムラがちょっと間違えたみたい」<br />
「あのオッサンの仕事は完璧だって以前聞いたんだが」<br />
上半身を持ち上げて部屋を見回す。なるほど、電気はなく数時間は持ちそうな長めのキャンドルが三本テーブルの上に鎮座していた。<br />
そしてその隣に座る愛理の姿に拳児は目を丸くした。首から上はいつものツインテールだが・・てるてる坊主?<br />
一輪の大きなバラの刺繍が与えられたシルクのケープ。首から下の全てが薄手のカーテンに隠されている。奇妙な格好だ。<br />
「全く、もう日付が変わったところよ。本当は卒業パーティがあったんだけどアンタがこーだから仕方なくつきあってあげてたの」<br />
「おいィ!?いつにも増して強引すぎんだろ!」<br />
拳児は叫んだ。だが。<br />
「あら、不良のくせに楽しみにしてたんだ。……仕方ないわね、今からでよければお祝いしてあげる」<br />
綽々とした態度で拳児の隣に愛理が腰掛ける。充分な広さのあるベッドは音もなく二人を受け入れた。体を拳児に傾け、愛理は僅かに潤んだ瞳で上目遣いに呟く。<br /><br />
「お祝いよ。私を…あげる」<br /><br />
45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:14:50 ID:pwkwzuS6<br /><br />
整われた愛理の睫が数えられそうな距離。寝起きの意識に深く入ってくる彼女の香。拳児自身がこの一年で意識するに至った美貌の髄。<br />
そして発した言葉の意味するところが分からないほど拳児は子供ではない。<br />
「……馬鹿野郎」<br />
それでも拳児の第一声はそれだった。今まで攻めの姿勢を見せていた愛理の表情に影が差す。<br />
「…強引すぎたかしら。ごめんね」<br />
「おお、大馬鹿だ」<br />
ごめんね、と愛理は再びより小さな声で侘びる。だが……拳児は少しずつ紅潮しながらも、続けた。<br />
「日本にゃ二度あることは三度あるってことわざがあるんだよ。…また家の事情で大変なことになったと思ったじゃねーか。<br />
ホントてめーは大馬鹿だ。………心配、させやがって」<br />
「あ…」<br />
愛理の心と頬に赤みが差す。それは自然に生まれた嬉しさだった。何でこのヒゲはこんな嬉しいことを言ってくれるのだろう。<br />
中村達との打ち合わせでは断られた場合に備えた仕掛けは多くあった。だが…もうそれはいらない。<br />
それだけ想ってくれる相手に打算はいらない。ありのままの自分をぶつければそれでいい気がした。<br /><br />
「ごめんね。本当にごめん。でも本当にもう大丈夫だから」<br />
「なら…んな似合わねえ顔、してんじゃねーよ」<br />
「だったら聞かせて。 私を……もらってくれる?」<br /><br />
拳児と愛理は双方に見つめあう。二人の呼吸は止まっていて互いの瞳の奥を見ていた。<br />
その中にあったものはすれ違いと誤解を繰り返しながら、接触寸前まで近づいていた二人の距離。そこに至るまでの思い出。<br />
この後の展開が予想できてしまっていた。2年間の積み重ねが輪郭を描く。<br /><br />
「……悪かねえよ」<br />
「え?何何聞こえない」<br /><br />
――何度も何度も聞きたいから。<br /><br />
「悪くねえよ」<br />
「よく聞こえなかったわもう一度」<br /><br />
――はっきりとその瞬間を覚えておきたいから。<br /><br />
「悪くねえって!」<br />
「日本語が分からなかったわもう一度!」<br /><br />
――本当に自分を愛してくれる人なのか教えて欲しかったから。<br /><br />
「もらってやるっつってんだ!」<br />
「誰を!天満?それとも八雲?」<br />
「お嬢以外にいるわけねーだろーが!」<br /><br />
変わらないものはないと信じ続けていれば、いつか来ると思っていた日。<br />
瞬間、愛理は拳児の腕の中に飛び込んでいた。<br /><br />
46 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:15:49 ID:pwkwzuS6<br />
「だったら…行動で示してよ。男でしょ」<br /><br />
目を瞑る愛理に拳児は思う。これだ。この女はいつもガンガン突っ込んできやがるくせに突然しおらしくなりやがる。<br />
そーいうのがどうにもこうにも俺の心に……そして気付けばその顔を見てしまうのだ。<br /><br />
そして――とうとう二人の距離はゼロになり、至福の一時が訪れた。<br /><br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
「んっ……!」<br /><br />
愛理の表情にほんの少し怖気づくような色が混ざる。肩に置かれた手。触れた唇。これから起こることへの不安。<br />
だがそれが逆に拳児の感情を燃え上がらせ、そしてわずかに潜む女を扱うことへの憂慮をかき消した。<br />
やや大きめに口を開き、全てを食べてしまうようにして唇を覆う。<br />
もごもごと本能で抵抗を見せる愛理の口内に強引に舌を突き入れた。<br />
「……!」<br />
ぶるっと震える彼女の肩を拳児はより強く抱いて、唇といわず体全体を押し付ける。見つけた小さな舌の先をつつくように絡めあう。<br />
くちゅ、くちゅり。やがて水が交わる音が二人の間から漏れ出した。<br />
愛理は初めての口付けに息苦しさを自覚していたが、それ以上の幸せの前には呼吸をすることすら些事に過ぎない。<br />
こんな行為を人前ではできる人間が本当にこの世にいるのか信じられない程に、嬉しすぎたから。<br />
キスをする時は目を瞑るべし。それはムード云々ではなく、全ての神経を今最も熱い部分に集中させ愛する人間の存在を感じるためだろう、と知った。<br />
そして――自身の上半身、首より下。二つのデリケートな部分に男の手の存在を覚える。<br />
オーダーメイドのダイヤモンドケープは透けて見える程に生地が薄い。肌を直接触られることの違いも慣れなければわからない程に。<br />
本来は下着代わりにつけるようなものではないこれを選んだのは背水の覚悟と失望させない上品さとの兼ね合いだった。<br />
しかし愛理は撫でるような指先を感じた瞬間、0.1ミリ以下のシルクに感謝した。<br />
痺れが奔ったのだ。もし直に触られていればそれだけで体が動かなくなってしまうような刺激が。<br />
「っ…ぁ…」<br />
恥ずかしさに顔がますます上気する。我慢できず目を開いてしまった。与えられた愛を拡散させるような行為に申し訳なく――<br />
「――ア、アンタ何してるのよ」<br />
あろうことか目の前のヒゲ男は自分より先に目を開いてしまっているではないか。しかし。<br />
「いや…なんつーかその。悪ぃ」<br />
「歯切れが悪いわね。はっきりしなさい」<br />
「いや実は…お嬢がキレイで可愛いくてな、つい」<br />
「あっ――!」<br />
ドクン、と高鳴るのは体の奥にある肉の淫炉。自分の中央が震えて熱を帯びるのが伝わってきた。<br />
「あ、ぅ…バカ。慣れない事言わないでよ…すごく、キュンってする……でも、ありがとう。大好き」<br />
「俺もだ。んじゃ、続きすっか」<br /><br />
結局、会話にもならぬ会話であった。<br />
けれども愛理はすっと肩の力が抜けていくのを感じながら、額をこつんと厚い胸板に寄せる。<br />
そしてこれからの行為が自分達の新たなはじまりと自覚して、余計な先入観や知識を忘れ彼の全てを受け入れようと思うに至った。<br />
拳児も同じであった。愛理の纏う薄布を苦戦しながら外し、徐々に露になる女の部分。愛理は下着もつけていなかった。<br />
晒される肢体に感動を覚え、自らも与えられていたガウンを脱ぎ捨てながらに考えていた。<br />
気付いたのだ、このお嬢様をどんな不安からも守ってやりたい。彼女が喜べば自分も嬉しい。<br />
それはまぎれもなく愛なのだと。ならばそれを今度こそ男として守り通すのみ。<br /><br />
47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:16:31 ID:pwkwzuS6<br />
愛理の裸体を組み敷くように覆いかぶさる拳児。返事より先に喉が鳴る。雄の熱い視線が守るもののない肌に突き刺さる。<br />
「どう……かな」<br />
平均よりワンランク大きい程度、おそらく彼女が理想とするサイズに保たれた胸。先程に触れたばかりの先端はやや隆起を見せる。<br />
過剰な脂肪も筋肉もつかないよう、時間と努力の痕跡が見られる整ったウエスト。<br />
両手の指先が重なって隠されているのは最も女性を象徴する部分。全てが淡いキャンドルに照らされて、一際美しく眼に映った。<br />
「すげえ綺麗だ」<br />
「! …ありがとう」<br />
愛理には夢があった。いつか目の前に自分を愛してくれる男が現れてくれる夢。<br />
家柄と出生の事情からそんな望みはない――いくら自分を磨き上げても現実は残酷で、それはどこかの権力者への供物でしかない。<br />
そんな影を引きずりながらも育ってきた自分の女としての体。それを綺麗だと言ってもらえて愛理はとてもとても嬉しかった。<br />
「……ヒゲ。私を、抱いて」<br />
だからこそ、全部を見て欲しい。全てを知って欲しい。愛して欲しい。<br />
拳児の手が胸の上に伸びる。けれどそれは愛の理由。愛される理由。そう思うと負の感情は微塵もなかった。<br />
「…っ……あ…ぅ…」<br />
ぐに、ぐにとむき出しの乳房の形が変えられる。左右の手は器用にも別々の動きをして異なるリズムで心臓へ刺激を送った。<br />
愛理は反射的に体をくねらせるが、ややエビ反りの背が胸を張った体勢に繋がってしまい拳児へのより強い誘惑と化す。<br />
クレーンのように動く太い指が乳輪をなぞり、くすぐるように這い回る。<br />
「ンっ…そこ……や、はっきり…して」<br />
円を描くように中心に向かえば、愛理の甘い声が加速する。そして到達するより前に指が止まれば、ねだるようなものに変わる。<br />
「あ…あぁ……もうっ」<br />
何度ももどかしそうに身をよじる愛理。やがて拳児は確かな柔らかさから指を離し、硬く尖った箇所に顔を近づける。<br />
ふと思った。じらしているいのはお互い様だ。こちらとて、自身を解き放ちたい欲望と必死で戦っているのだから。<br /><br />
―――じゅるっ<br /><br />
「ひゃんっ!や…吸っちゃ……」<br />
もっとも、全てを委ねようとしてくれている彼女が、先に進んでも苦しい思いをしないようにするための愛撫。<br />
その行為が苦痛であるはずもないのだが。<br /><br />
「は……は…うぁ。だ、め……ら…め」<br />
音を立てないで。恥ずかしい。愛理はそう続けたかったができなかった。ちゅ、じゅる、じゅるる。<br />
二番目に敏感な部分が大きな口に食べられて、たっぷりと喜びに震え、破廉恥な調べに繋がってしまう。<br />
舌に転がされた先端はピリっと痺れて、唾液に濡れた部分が空気に当たれば冷たくて、指で絞られるようにされる部分は熱い。<br />
そしてその全てがキモチイイのだ。ドクンドクンと高鳴る胸のポンプに反応するように、一番目に敏感なトコロから何かが溢れてくる。<br />
その正体を考えるだけで羞恥を覚え、それも受け入れて欲しいとより強く願うのだった。<br /><br />
48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:17:03 ID:pwkwzuS6<br /><br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
「あっ……う、や、やっぱり濡れて……はぁっ…ん……ふあっ!」<br /><br />
少女の美声、毒が回ったような苦しい息遣いがこだまする。混じった愉悦が隠し切れず、耐えることなく反響する。<br />
双丘をなぞっていた手は一本になっていた。そして片手が――開かれたばかりの、けれど蜜に溢れた敏感な割れ目に添えられていた。<br />
一本の指で透明なバターがかき回されて、クチュクチュと泡立つ淫水の音が糸を引き拳児と愛理の興奮を高める。<br /><br />
「ふぅんっ……! ちょ、ちょっと…やめ…!」<br /><br />
拳児が愛するのは乳房や乙女の森、奥の泉だけではない。首筋に息を吹きつけてみたり、耳を撫でたり。<br />
まだ奥までは見ていない処から落ちる雫を掬い上げて、糸引くそれを口に含ませてみたり。<br />
愛理が先程から体をいやらしくくねらせるだけなのとは対照的に、拳児は両手や体を幅広く使って愛理を愛していた。<br />
その行為に愛理はプライドで持って抵抗しようとするが、一度流されてしまえば易々と白旗を掲げてしまう。<br /><br />
「はあっ!……ヒ…げ。わた、私……もう…」<br />
「…見せてくれ、お嬢の全部」<br />
「! また…そんなことっ……あっ……あぁ………はあぁっ!!」<br /><br />
引き金となった言葉に背筋がぴんと伸び、体が強張り、甲高い声。あえて避けられていた肉芽が指の腹にぐぐっと押し込まれる。<br />
姫貝への刺激が強く強く加速して、飛翔させまいと支えていた意識を弾き飛ばした。<br />
「ダメ、だ……あ、ああああぁ――っ!!!!」<br /><br />
初めての男がどうして自分の体を操ることができるのだと――それは大好きな男には体が勝手に反応してしまうから――<br />
丁寧にセットしていたはずの髪を振り回し、子供がいやいやと駄々を込めるように愛理は叫びながら聖なる肉の秘口より白っぽい牝のエキスを吐き出す。<br />
この瞬間、彼女は初めての絶頂に達した。<br /><br />
愛理の愛液のしぶきがぷしゅうと拳児の指の間から零れ落ちる。<br />
漏れっぱなしだった情欲の息が止まったと思うと、少女の全身は空気の抜けた風船のように脱力した。<br /><br />
(ま、待って……何、コレ。こんなにきちゃうの?男の人にされるのって)<br />
誰かに答えて欲しかったがやがて愛理は自力で答えを見つけるにたどり着く。そうなのだ。<br />
女にとって、愛する男に抱かれるとはたまらなく嬉しくて気持ちいいことなのだ。<br />
目には見えない愛という感情を確かめることができる機会。<br />
答えに満足しつつも視線を移すと、拳児は膝で立ちこちらをじっと見ている。夢見心地な表情のままで余韻に震える唇を動かす。<br /><br />
「…すごく、気持ちよかった」<br />
「みてえだな」<br />
けれどこれで終わりではない。少し目線を下げると、先程から気にはなっていたソレがこちらを向いていた。<br />
「凄い。私…で、こんなに?」<br />
普段のサイズを知っているわけではないが、愛理は天を突くような勢いで怒張しきった播磨のペニスを見て呟く。<br />
思うのは不思議な満足感とこの後の期待、何より熱の冷めない内に繋がり合いたい――ということ。<br />
「責任…とるわ」<br />
「何か変な言い方だが…悪ぃ、頼む。もう限界だ」<br />
拳児は愛理の体はそのままに、足元のほうへ移動して向かい合って腰を落とす。<br />
あおむけになった少女の両足を中空に開き、潤滑油に満ちた肉薔薇に自らのそれを突き出すように近づけた。<br /><br />
49 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:17:40 ID:pwkwzuS6<br /><br />
(見られてる……近づいてる。私の大事なトコロに)<br /><br />
恥ずかしさに飛び退きたくなるが、押さえこむ覚悟はあった。あと必要なのは彼の背中をほんの一押しするだけ。<br />
「ヒゲ…」<br />
「あ?」<br />
「大好き。私を――あなたのものにして」<br />
「――くっ」<br />
挿入の直前、愛理は拳児に微笑みかけた。それを受けて拳児は改めて愛理の美しさに沈む。<br />
汗か先走りか、わずかなテカりを見せる突貫を膣口に当てて一思いに力を込める。瞬間、子宮に通じる門が左右に一気に開かれた。<br />
「っ! あ…はぁ……入っ」<br />
直後、ズクンと剛直が突き刺さる。愛理は羞恥と恍惚の声はあげるも、自由な手はシーツを握り締めるばかりで目立った抵抗は見せなかった。<br />
「あ、くぅ、あぁっ!!」<br />
激しい締め付けが拳児の侵入を拒む。だが拳児にとって処女の抵抗はもはや更なる高ぶりへの燃料でしかない。<br />
愛理の太腿を両手で掴んで引き寄せるように、また自らも深々と突き入れた。<br />
「はぁっ……入った…全部、ナカに。ヒゲのが…全部」<br />
愛理の言葉にシンクロするように繋がった隙間から処女の証が流れ出る。<br />
「お嬢…」<br />
「だ、大丈夫…このくら…い。それより、ねえ、私って……どう…なの?」<br />
「…俺も経験ねえけどよ。サイコーだと思うぜ」<br />
目の淵に涙を溜めながら気遣いを見せる愛理。拳児は今にも動き出してしまいそうな下半身を殺し、<br />
せめて痛みを紛らわそうと、身をかがめて唇を重ねる。<br />
「んっ!? ん……ちゅ、んむぅ……」<br />
突然の不意打ちに驚くも、男の愛に応えようと愛理は貫かれながら唇を動かす。<br />
味わうように、味わわれるように互いに舌を這わす。先程のときよりも、時間をかけて互いの粘膜をかき回される。<br />
惜しみながら唇を離しても、それは息継ぎ。すぐさま距離はゼロに。再開される愛のついばみ。互いの愛を確かめ合う。<br /><br />
(バカぁ…こんなことされたら、ん、どれだけ愛されてるかって…逆に)<br />
接吻を何度も続けた後に、愛理の、外部からの異物に本能的な拒絶を見せていた部分がこれまでと違う反応を見せ始める。<br />
血の色が薄れて奥からの湧き水があふれ出し、硬くなっていた腰がわずかに浮いては引こうという動きを見せる。<br />
それを悟ったのか拳児自身も前後に運動を開始していた。<br /><br />
グチュン――グチュッ!<br /><br />
「んっ! ふあっ……お、奥っ!!」<br />
「お嬢…お嬢……!」<br />
「はあっ……ヒゲぇ、あのね、痛みがだんだん………代わりに、気持ち……イイ…よ…あぁっ!!」<br />
背中に手を回し、熱いくちづけを交わし、隙間なく密着した体勢で互いの口の中を隅々まで味わう。<br />
ぷしゅ、ぷしゅう――<br />
下の口で拳児がピストン運動をすれば、愛理はそれに合わせるように愛液を漏らしていた。<br />
「っ…もう一回…ううん、もっと」<br />
「くう……お嬢、中身全部持っていかれちまいそうだ」<br />
拳児が堪えるような声をあげる。キモチイイのは自分一人ではない。愛理はより一層深く感じてもらおうと、体の内の緩急をきつくした。<br /><br /><br />
50 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:18:08 ID:pwkwzuS6<br /><br />
「うお!? お、お嬢……それ…待て……!」<br /><br />
拳児はより強い締まりを突然見せた女の蜜壺に、脳が痺れそうな快感を味わうことになった。<br />
元々一度も達しておらず、色々な意味でご無沙汰していた息子である。正直なところ、挿れた瞬間は暴発しそうになったのだ。<br />
「ダメ……もう待たない。待てない。王手よ……だって私ももう……んっ! ひゃっ!!」<br />
切なげに目を閉じ、喘ぎの混じった言葉をつむぐ愛理。その姿に拳児は待ったの声を無理矢理封じられてしまった。<br />
求められていることが分かり腰の動きも再開してしまう。<br />
「くう、くううっ……! お嬢、もう……!」<br />
「来て…全部、私に頂戴……おかしく、なる。おかしくしてぇっ……!」<br /><br />
ぐっちゅん、ぐっちゅん。ちゅぱちゅぱ。じゅくん、トロトロ。<br />
上下の口による旋律はクライマックスを迎えていた。<br />
ぶつかりあう、汗ばんだ肌と肌。<br />
拳児のかつてないほどに膨れ上がっていたペニス。強く脈打ちその内部に情動の塊が集う。<br />
愛理の膣内は雄の限界に合わせるように収縮し、幾度となく突かれた子宮口はわずかな広がりを見せていた。<br />
二人は互いの繋がる部分から、一つの頂点へと昂ぶっていく。<br />
「お嬢、く…くうぅっ……出す! 出るっ! イクぜっ!」<br />
グワッ――<br />
「来る、何か来る……! …ヒゲ……あ、はぁ、熱い、熱いよ、出、ああぁっ―――!」<br />
鮮烈な光が女の膣の中で瞬いた。互いの声に、快楽に、見せる表情に、二人は確かな愛へと導かれていく。<br />
子宮が白い涙を流せば、拳児の抑えに押さえ込んできた鯨のごとき欲望がそれを飲み込んだ。<br /><br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
「……あ…まだ、奥でトロって……ん、やっぱり熱い。ねえヒゲ」<br />
「あ?またかよ。ったく」<br />
互いに果てて、一通りの情事が終わった後も、愛理はたっぷりと注がれた子種の存在を己の中心に感じていた。<br />
拳児の胸板に自身の胸を乗せるように弛緩した体で抱きついて、甘えるように時折キスをねだる。<br />
やれやれと甘えんぼのお嬢様に呆れを見せるも、しっかりとその度に応えていた。<br />
「んちゅ……ぷはっ。ありがとう。ねえヒゲ?」<br />
「おいおいもう寝ろよマジで。明日ぶっ倒れても知らねえぞ」<br />
「分かってる。けど、あのね……お願い。これからも私と一緒にいてくれる?」<br />
「あ?」<br />
「卒業しても、友達とか元クラスメイトとか、元許婚とかじゃなくて。ずっと一緒に…」<br />
「…そりゃお願いじゃねえだろ」<br />
拳児はぴしゃりと言い切ると、少しだけ気を悪くしたように天井の仰ぎ、そこのよくわからない模様を数え始める。<br />
その態度に愛理は放心したように固まってしまった。<br />
「俺が惚れた女を離すと思ってんのか?」<br />
「!」<br />
愛理は泣き笑いの表情で抱きついて、最後にもう一度愛する男とキスをした。<br /><br /><br />
51 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:18:54 ID:pwkwzuS6<br /><br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
数年の時が経過した。愛理は――かつては沢近、今は播磨という姓を得た少女は成人しアメリカの地にいた。<br />
腕の中にいるのは、いまや最も大切な存在。半年ほど前に生まれた我が子。<br />
そして隣にいるのは愛する男、播磨拳児。自分と同じほどにまで伸びた髪が風に流れる。<br />
今の自分が紛れもなく幸せの絶頂にいるのは間違いないし、疑う余地はカケラもない。しかし――<br /><br />
「納得いかないわ。ありえない。なんなのよ、いくら慣れてるからって…一体あの子は何なわけ?」<br />
「しつけー奴だな…いい加減機嫌なおせ、な?母親なんだから寛大な心でだな」<br />
中古で買ったオープンカーの運転席にて。拳児は日本とは比較にならない広大な大地を走りながら必死で機嫌取りに徹する。<br />
アンタが悪いんでしょ、とは愛理の言だがあの事態は収まった。結果オーライではないのか?<br />
全く、久しぶりに友人達の見舞いと溺愛すべし我が子のお披露目に行ったというのに、何故最愛の女の膨れっ面を見なければならないのだろう。<br />
そんな文句をぶつくさ続ける拳児の額にあるのはまだ新しい腫れ痕。それを見ながら愛理は回想する。<br /><br /><br />
『これが愛理ちゃんの子供?うわあ~可愛い~~!。見て見て八雲、烏丸君!』<br />
『うん、すごく可愛い…男の子ですか?本当に珠の様な……』<br /><br />
最初は確かに順調だった。愛理にとっても昔の影を思い出させることもなく、天満とも八雲とも互いに祝福と安らぎの時間があったのだ。<br />
だが――慣れない大学病院の空気が悪かったのか、再会に喜んでつい赤子の存在をないがしろにしてしまったのが悪かったのかは知らない。<br />
愛理の抱いていた赤ん坊が突然火がついたように泣き出したのだ。<br />
『あ、こらお嬢何やってんだ!ほれほれべろべろば~いい子でちゅね~』<br />
『え?あ?ご、ごめんねつい話し込んじゃって…ほらほらお母さんよ。ちゃんと傍にいるわ、ほらほら』<br />
普段なら二人であやしていれば次第に収まるのだが…一向に泣き止まない。授乳の時間にはまだ早いしおむつにも問題はない。<br />
赤ん坊にはそういうことはよくあるし自身も経験しているが、これほどに手がつけられない事態は全くの未知。<br />
『任せて愛理ちゃん! ほらほらお母さんとお父さんがいる、だめだよボク。あ、名前なんていうの?』<br />
医者となっていた天満も持ち前の笑顔で奮闘するも空回り。ピコピコを動かしても効果はゼロ。<br />
『…お嬢が怖いんじゃねえか?よっしゃお父さんに任せな! ほれほれ泣くな、びろ~ん……なんてこった泣き止まねえ!』<br /><br />
そして強引に赤ちゃんを奪ったこの男は、馬鹿面のままとんでもないことを言い出したのだ。<br /><br />
『…妹さん頼む!』<br />
『あっ…は、はい!』<br />
『え?ちょっとだめよ今は泣いてるんだから……え!?』<br /><br />
ねーんねーん…ころーりよ…おこーろーりーよ…ぼうや~はよいこ~だ…ねんね…し…な……<br /><br />
歌だった。日本の歌。無論、自分だって歌はよく聞かせる。しかし八雲の高らかな声、美しい唇に乗るのは確かな愛。<br />
『……泣いたらだめよ。あなたは多くの人に祝福されてる。素晴らしい人達の子供。それに男の子なんだから、ね?』<br /><br />
縦に抱きまだ全て見えないはずの瞳を見つめて、初対面の幼児に慈愛でもって接する八雲の姿には正直愛理すらが目を奪われてしまった。<br />
既に号泣どころかとびっきり機嫌がいいときの笑顔がそこにはある。<br /><br />
『すごーい八雲!どこで習ったの?あ、そっかサラちゃんのトコでいろんな歳の子のお世話してるんだもんね!』<br />
『さすが妹さんだぜ。それに比べぶべらっ』<br /><br />
確かに――すごい。しかし、それとこれとは話は別。数年ぶりのはずの足技は衰えどころか更なる冴えを見せていた。ゴキッ。<br /><br /><br /><br />
52 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:19:24 ID:pwkwzuS6<br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
『ウチの母親っていつもガミガミ説教ですぐ怒るし、厚化粧で誤魔化してるけどホントはシワだらけ。腹の肉も気にしてるんだぜ。<br />
けど口と手の出る早さだけは年々成長して親父も形無しでよ~その点八雲姉ちゃんはいいよな~<br />
一歳違いなんて信じられねーくらい綺麗だし遊びに行くといつも優しいし。独身なんだろ?俺、中学になったら家飛び出して絶対』<br /><br />
「ま、待ちなさいっ!!」<br /><br />
悲鳴とともに跳ね起きる。遅れて束ねた髪が弧を描く。肌に吸い付く滝のような汗。愛理は気付けばホームにいた。<br />
まだ息吹を感じる自然の香り。少し動くだけで音を立ててしまう粗末なベッド。太いがやや曲がった柱。<br />
十代の頃に住んでいた所とは比較にならない小ささだが、愛理は逆にそれが気に入っていた。<br />
充分な自由を不自由のないだけの資産と引き換えにして父方の家を抜け、<br />
絵描きをする拳児と自分がCAとして働いていていた時期に溜めた貯蓄とで購入した年代ものの一戸建て。<br />
日本と違い、州を選べば「買うだけ」にそれほどの大金は掛からない。もっとも"T"の力添えあってではあるが。<br /><br />
家具などの住むために必要な品々は子供が増えて買い替えの多い花井夫婦から譲ってもらえばある程度揃う。<br />
赤子の養育に掛かる費用は時折届く謎の仕送りで賄っていた。<br />
『自由は認めたが、孫を愛する権利の剥奪は許していない』添えられた一文である。<br />
おかげで、拳児の稼ぎはあまり多いほうではなくとも贅沢さえしなければなんとかなっていた。<br /><br />
「うるせーなお嬢……コイツが起きるだろうが。まだ気にしてんのかよ…ったく」<br />
「あっ…わ、悪かったわよ」<br /><br />
記憶を探る。そう、例の出来事から帰宅したらすぐに自分は寝入ったのだ。安らかに眠る子を抱きしめながら。<br /><br />
「あのよ。あんまり不安にならなくてもいいんじゃねーの?」<br />
「え…」<br />
「……俺はよ。俺は、お前がいい母親になったと思ってる。ほら見ろよ。<br />
こいつはホントよく笑う。愛されてるってのが、”ママ”も言えねえのによくわかってるじゃねえか」<br /><br />
播磨の言葉と抱かれた我が子の表情に愛理は少し頭が冷えた。そして悟る。気にしすぎていたのは自分だけだったのだと。<br /><br />
「わ、わかってるわよ。別に……問題があるわけじゃないの。ただちょっと驚いちゃっただけ」<br />
「は?わけわかんねーがまあ、分かったならいーんだよ」<br /><br />
そう。不安なんて何もない。困難があれば二人で乗り越えていけばいい。<br />
私はこの子を全力で愛しよう。広い家で一人待つこともないように。親にさえ本当のことを言えない思いをしないように。<br />
友達に囲まれて、いつか私達のように恋をする日が来るように。<br />
人を愛し、愛され、理不尽に立ち向かい、自信を持って笑っていられる強い子になるように。<br /><br />
「ねえヒゲ」<br />
「ん?」<br />
「大好き。これからも一緒に頑張ろうね」<br />
「オウ……って、んだよ、今更」<br />
「えへへ」<br /><br />
二人ならきっと大丈夫。この男ならきっと全てから私とこの子を守ってくれる。愛の確かさ、その理由を教えてくれる。<br />
愛理は我が子に申し訳ないと思いながらも、横たわったまま目を瞑り、新しくそして幸せな未来に想いを馳せた。<br /><br /><br /><br />
おわり<br /><br />
53 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/24(日) 20:20:20 ID:pwkwzuS6<br />
・・・まあ、あれですが、こんな感じで。<br />
ライトエロコメっぽいのを目指そうとしましたが無理でした。<br />
お目汚し失礼ー</p>
2009-05-25T21:07:15+09:00
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18-152[絃子]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/44.html
<p>152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/03/14(土) 00:59:15 ID:ySrNehlQ<br />
拳児「なぁなぁ…絃子。勉強教えてくれよ。」<br />
絃子「しょうがないなぁ…夏の友かい?宿題は夏休みの最初に終わらせるよういったろ?」<br />
拳児「いいじゃんか別に。…絃子って勉強教えんの上手いし、後で何とかなるとおもったんだよ。」<br />
絃子「……はぁ。君は私を便利やかなんかと勘違いしてないか?」<br />
拳児「そ、そんなことないよ…だって俺の先生より教えんの上手だもん。―ッ!そうだ!絃子、先生になれよ!<br />
俺が生徒になってやるからさ。うん、それが良いって。そしたら俺さ、絃子の事『絃子先生』って呼んでやるよ!」<br />
絃子「やれやれ、判った判った。『先生』だろうがなんだろうが好きに呼びたまえ。明日が提出の日なんだろう?」<br />
拳児「マジか!サンキュー絃子!やっぱ俺、葉子お姉ちゃんより絃子の方が好きだぜ!!」<br />
絃子(…たく、まだまだ子供の癖に。……それにしても先生か…ふふ、それもいいかもしれないな。)<br /><br /><br />
絃子「…という懐かしい夢を見たんだ。」<br />
葉子「へぇ…拳児君、絃子さんにはそんなこと言ったんだ。」<br />
絃子「…ちょっとまて『には』だと。」<br />
葉子「私の時は、図工の宿題で絵を描くのを手伝ったんですけどねぇ。」<br />
絃子「……………へぇ。(拳児君……後で殺す。)」<br /><br /><br />
超姉はジャスティス!な俺です。<br />
10年近く片思いって良いと思いません?</p>
2009-05-25T21:04:57+09:00
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17-962「花摘み」[一条×鈴木]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/43.html
<p><br />
---------------------------------------------------------------------------<br />
961 名前:花摘み[sage] 投稿日:2008/12/21(日) 22:09:10 ID:Ht2E0KDZ<br />
意外と好意見が多いようなので寝取られモノ投下します<br />
寝取られを知らない方に簡単に説明しますと<br />
両思い、また片思い、もしくはいい感じな相手を他の人間に奪われるジャンルです<br />
NTRとも言います<br />
苦手な方はスクロールかNGしてください<br /><br />
内容は#231のIFでカプは一条×鈴木です<br /><br />
962 名前:花摘み[sage] 投稿日:2008/12/21(日) 22:11:21 ID:Ht2E0KDZ<br />
平日の横浜中華街は陽が落ちていくにつれて少しずつ人影が増えていく。<br /><br />
「ごめんね。今日はつきあってもらっちゃって」<br />
「いえ、私も今日は暇でしたし」<br />
冬も半ば以上過ぎたがまだまだ日の出てる時間は短い。<br />
既に薄暗くなった街を歩きながら一条は小さな不安に襲われていた。<br />
(なんか……。言われるままついて来ちゃったなあ。用事があるとはいえ、これってデートよね)<br />
今、一緒に歩いているのは今鳥ではなくバイトの先輩の鈴木だ。<br />
一条にとって鈴木は信用の置ける先輩だ。<br />
面倒見がよく、バイト中もずいぶん世話になっている。<br />
しかし自分の想い人以外の男と二人きりでいて平気でいられるほど一条の異性との豊富では<br />
なく、この状態に今鳥に対しての罪悪感を感じずにはいられなかった。<br />
(今鳥さんが見たら……妬いてくれるかな? 放っておく? ……私がもっとオトナになれば振<br />
り向いてくれるのかな)<br />
それでも鈴木の誘いに流されるようについて来たのは今鳥に対して僅かに反感があったからか<br />
もしれない。<br />
これまで一条としては今鳥に必死にアピールしてきたつもりだ、その甲斐あって二人の距離は<br />
確実に縮まってきたとは思う。<br />
しかし今鳥が自分を女性として見てくれてるのかという不安があった。<br />
彼の周りにいる女の子達は誰もが大人っぽく魅力的で、正直コンプレックスを感じていた。<br /><br />
963 名前:花摘み[sage] 投稿日:2008/12/21(日) 22:12:33 ID:Ht2E0KDZ<br />
「ここだよ」<br />
鈴木の後に従い、ぼんやりとした明かりの灯った階段を降りた先は一条には見慣れぬ空間で<br />
あった。<br />
テンポの良い音楽が響く室内には人波が揺れ、喧噪に満ちている。<br />
天井からのカクテル光線に彩られる空間はどこか淫靡で薄暗く、同じ日本だとは信じられな<br />
い。<br />
実際、中には外国人も多く見られ、一条にとっては何もかもが未知の体験で言い知れぬ恐怖<br />
に駆られた。<br />
「緊張してる? 大丈夫ついててあげるから」<br />
鈴木が自分の不安を察してか優しく声をかけてくれるが、それに答える余裕もなく、目の前<br />
の異質な光景に視線を彷徨わせていた。<br />
本当は今すぐ帰りたかった。<br />
しかし鈴木の心情を慮るとそういかず、それに鈴木に対してそれなりの信頼はあった。<br />
(わからない私……。平気……!? ホントに平気!? 今鳥さん!!)<br /><br />
今鳥は一条と鈴木へのむしゃくしゃを吹き飛ばすため、だれかれ構わずかけた誘いに唯一応<br />
じてくれたのは自分の天敵とも言えるララだけだったが、彼女ともララの用事が終わってすぐ<br />
に分かれた。<br />
結局、暇を持て余した今鳥は冴子達と合流した。<br />
目まぐるしく変わる今の彼女達の話題は中心は横浜に来ている有名なDJの話だ。<br />
「横浜かー、行ってみる?」<br />
女の子の一人が皆を誘うが、今鳥は乗り気なれなかった。<br />
今日はなんとなく一条の顔は見たくない、横浜には一条がいるはずだ。<br /><br />
「やめよーぜ。俺、今日はあんま遠出する気になんねーよ。どっか近場楽しもうぜ」<br /><br />
964 名前:花摘み[sage] 投稿日:2008/12/21(日) 22:17:03 ID:Ht2E0KDZ<br />
以上です。<br />
今回は導入だということもあって短くてすみません。<br />
内容も原作のトレースですが次の話からはオリジナルに分岐していきます。</p>
2009-05-25T21:03:50+09:00
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「塚本家の日常」 (ユカラカキ ◆57bPn7v4tg)[播磨×八雲]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/42.html
<p>96 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:45:18 ID:UkWwOwmS<br />
ごめんなさい、申し訳ありません。<br />
数日とか言いながら、滅茶苦茶時間かかってしまいました。<br />
これからも、自分が申告する作品完成予定は信用しないで下さいorz<br /><br />
とりあえず、オマケの「塚本家の日常(播磨居候時)」は完成しました。<br />
あっさり描写ですませる予定だったのが、妙にねちっこくなってしまいました。<br />
この後も、天満にバレるまで、一緒にお風呂に入ってのパイズリ等等、イチャイチャラブラブ話を考えてあるのですが、<br />
さすがにオマケにしては、長くなりすぎると思うので割愛します。<br />
(もしくは後日、従業員さん編が終わった後にオマケシチュSSとして書きます)<br /><br />
あと。<br />
狙った訳では無いのですが、>>93さんのシチュにぴったりな感じになりました。<br /><br />
97 名前:「塚本家の日常」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:46:06 ID:UkWwOwmS<br /><br />
ぬちゅ。ぬぷっ、ちゅぽ。<br />
エラの張った赤黒い肉棒が、白桃のようにキレイな尻の間に吸い込まれ、とろりとした糸を引いて抜き差しされている。<br />
その度に、播磨の股間に甘い快感が走り、支配欲が満たされる。<br />
「ふぁ、あっ、ぁぁ、播磨さんの……奥、ま……で」<br />
「ああ、すげー気持ちいいぜ、妹さん。最高だ」<br />
「はぁぁ、よ……かっ、た、です」<br /><br />
最近まで、使う者のいなかった塚本家の書斎。<br />
絃子のマンションから締め出され行き場の無くなった播磨が作業場とさせてもらっている場所。<br />
そこで――。播磨は、八雲を机にしがみつかせたまま、後ろから犯していた。<br />
長く真っ白な脚、細い足首には脱がされたスカートが纏わりついていた。<br />
……ショーツは、無い。<br />
上半身は脱がされず、八雲お気に入りのセーターを盛り上げるふくらみがたぷんたぷんと揺れている。<br />
その先端は布地に擦れて反応したのだろう、ニット地の上からでもクッキリとその形が解るほど尖っている。<br /><br />
そう。<br />
八雲は――下着をつけていなかった。<br /><br />
98 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:48:23 ID:UkWwOwmS<br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
数十分前。<br />
お茶をもってきた八雲の変化に気付いたのは、絵の構図を把握する為、モデルを頼んだ時だった。<br />
書き始めてからの数分で、八雲の豊かな胸がいつもより深い陰影を描いており、先端がうっすら布地を押し上げていたことに気付いた。<br />
――ソレが気になってじっと見つめてしまうと、心を読んだように八雲はその可憐な美貌を真っ赤にして……。<br /><br />
「これは、あの。いつでも……播磨さんの力になれるように……」<br /><br />
そう小声で呟いた。<br />
つまりは、いつでも播磨の性欲処理を出来るように下着はつけていないということだった。<br />
「あ、すまねぇ、だけどよ。ここには塚本がいる……から……ぅ」<br />
深い谷間に落ち込み曲線を描く布地。<br />
もしかしたら――と、播磨の頭に不埒な想像が浮かんだ途端、身体に欲望のスイッチが入った。<br />
「ぁ、播磨、さん……私」<br />
それを悟ったように八雲が近づく。<br />
「もしかして、こっちもか?」<br />
ロングスカートをめくり上げるようにして、ふくらはぎから膝の裏、太股へ指を滑らしてゆく。<br />
太股の付け根に、とろりとした感触。<br />
ぬめりに乗って、更に奥へ――ぴちゅ。ちゅぴ。<br />
濡れた暖かい感触に、僅かに触れる柔らかな恥毛の肌触り。<br />
「ふぁぁ、ん。は、はい……播磨さんが望めすぐに……その……んっ」<br />
ちゅぷぅぅ。<br />
指を秘所に沈ませると八雲の息が荒くなる。<br />
力が抜けたのか播磨の肩に手をつき、よりかかってきた。<br /><br /><br />
99 名前:「塚本家の日常」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:48:55 ID:UkWwOwmS<br /><br />
たぷん、たぷん。<br />
目の前に柔らかな曲線を描くニット地。<br />
(やべ……もう、だめ――だ。塚本に見られたらやべぇのに……)<br />
その扇情的な光景によって、播磨のスイッチが入った。<br />
「……やっぱ、妹さんの胸でけぇな。周防と並べて絞ってみてぇぜ」<br />
「だ、ダメ……で、す」<br />
そんな播磨の酷い言葉に応える八雲の声は妙に甘い。<br />
目の前にぶらさがるように揺れている、ニットの皮に包まれた大きい果実を無造作に鷲づかみにして<br />
播磨は更に八雲を責めつづける。<br />
「ここも、カッチカチだ。――ホントは妹さんがヤりたかったんじゃないのか?」<br />
普段の播磨は八雲に対して、不良とは思えない程優しく、大切な女友達としての態度で接している。<br />
八雲もまた播磨に対し良妻賢母というべき従順な、それでいて言うべきことはハッキリと言う理想的な姿勢で、良い関係を築いてきた。<br />
だからこそ、というべきか。情事になると播磨は八雲に対する普段の態度とは真逆な乱暴な言葉を使うようになり、<br />
そして八雲は普段の従順さが更に顕著になり、M的な気質が発露してしまう。<br />
播磨も八雲も「相手が望んでる」と無意識で解ってるからこそのやり取りだった。<br /><br />
100 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:49:21 ID:UkWwOwmS<br /><br />
「ふぁ、ち……ちがっ」<br />
「――やらしいな。妹さん」<br />
たぷたぷ。<br />
掌で八雲のスレンダーな身体に似合わぬ豊かな乳房を弄び、囁く。<br />
そして、ニットを強く盛り上げる先端を摘んでコリコリと苛める。<br />
くっと引っ張ると、ニットごとその柔肉が僅かに弾力を示すように張りを保ったまま大きくなる。<br />
「ぁっ、ああっ――ひぅ」<br />
「っ。出したくなっちまった」<br />
ちゅぴぃ。<br />
秘所を弄くっていた指をトロトロの糸をひかせつつ離し、立ち上がる。<br />
素早くズボンに手をやると、パンツごと降ろす。<br />
ぶるんっと逞しく育ったソレを見せ付けるように。<br /><br />
八雲はそそりたつ播磨の肉棒をうっとりと見つめた後、当たり前のように四つんばいになる。<br />
セーターが重力に従って垂れると、ウエスト部分の隙間から八雲のたっぷりとした下乳と谷間がうっすら見えてゾクリと欲望を刺激する。<br />
その余韻に浸りながら、播磨は――スカートをめくり上げ、八雲の白い尻を剥き出しにする。<br />
「いくぜ、妹さん」<br />
「は、はい」<br />
声をかけると、きゅぅっと締まる尻タブが劣情を誘う。<br />
播磨は極上の獲物へ向け、その牙(肉棒)を突き立てていった。<br /><br /><br />
101 名前:「塚本家の日常」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:49:46 ID:UkWwOwmS<br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
「んっ、く。出る!!」<br />
ぐちゅり。<br />
イヤラシイ音をたてて播磨の肉棒が八雲の最奥へこすり付けられる。<br />
「ハイ……いっぱい……っ」<br />
膣出しをねだる様に八雲の真っ白なお尻が更に掲げられる。<br />
動物が交尾をしているような姿勢で、学校でも一、二を争う美少女を犯している。<br />
天満命の播磨には、その信じられないような幸運は実感出来ない。<br />
だが――。<br />
(あの、優しい、いつも良くしてくれる妹さんを性欲処理に……犯しちまってる。<br />
天満ちゃんの妹なのに。いつ天満ちゃんが来るか解らねぇのに――膣出ししたくてたまらねぇ)<br />
背徳感が播磨の全身を貫き、更に性欲を高めてゆく。<br />
勿論、八雲の美しさ、芽生え始めた彼女に対する好意もまた欲望を高める材料となり、播磨を獣にしてゆく。<br /><br />
どぷっどぷっどぷっっ。<br />
当たり前のように、開ききった子宮口のリングに押し付けての直接射精。<br />
華奢な八雲の背に胸板を押し付けるように密着し、掌はその身体に似合わぬ巨乳をセーターの中へ入れ直接揉みしだいている。<br />
どくんどくんと精液を送り込む度に、乳首を擦ってやると、きゅっと膣を締め付けてくるのが可愛い。<br />
(妹さん、コレが好きみてーだな)<br />
ケダモノじみた欲望に囚われながらも、女の弱点は見逃さず把握してゆく。<br />
播磨が性欲漬けの生活を送るようになってから、無意識に身につけた習慣だった。<br /><br /><br />
102 名前:「塚本家の日常」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:50:23 ID:UkWwOwmS<br /><br />
「は、ぁぁぁ……あん――ふぁ」<br />
温泉に浸かった時のような、心底キモチ良さそうな声が八雲の唇から漏れる。<br />
「最高だ、妹さん」<br />
「ぁ、よか……た、です」<br />
うっとりした顔を向け微笑む八雲へキス。<br />
後ろで繋がったままぴちゃぴちゃと舌を絡め、唾液を交換する。<br /><br />
――普通の性交だったらここで終わり、だろう。しかし。<br /><br />
「あっ、ぁぁっ!は、播磨さ……また、おおきく……」<br />
ぐちゅぐちゅ。<br />
精液と愛液にまみれた肉棒が再び硬度を増してゆっくり出し入れされると、キスに浸っていた八雲の唇が離れ、悲鳴のような喘ぎが漏れる。<br />
「今度は――」<br />
じゅぷり。とろとろと白濁した濃厚な糸をひき、筋肉質と表現できるような逸物を引き抜く。<br /><br />
そして、ごろりと仰向けに。<br />
八雲へ見せ付けるように大の字になる。<br />
二人は身体を重ねるようになって間もない。<br />
しかし、八雲は播磨の"シタイコト"を言わずとも理解し、素直に……どんな破廉恥なことも嫌がるそぶりも見せず従ってくれる。<br />
今もまた――。<br /><br />
103 名前:「塚本家の日常」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:51:05 ID:UkWwOwmS<br /><br />
「はい……ここ、で……ご奉仕します」<br />
とろり。精液と愛液、本気汁のブレンドが八雲の太股から滴る。<br />
その瞳は播磨のモノを熱っぽく見つめ……ゆっくりと跨ってゆく。<br />
「ぁ……恥ずかしい……」<br />
そのまま、羞恥に満ちた表情で真っ白な自分の尻タブを広げ、ぬるぬるとした液体に塗れた播磨の逸物へ後ろの恥ずかしい場所を合わせていく。<br />
(すげぇ、いつもはあんな清楚な妹さんが……おお)<br />
八雲の後ろを騎乗位で、彼女自身に貫かせる。それが播磨の要求だった。<br />
そんな破廉恥なコトを、自分から当たり前のようにシてみせる八雲に播磨の興奮は高まってゆく。<br /><br />
じゅちゅ。ちゅぷぷぅぅ。<br />
「あっ、ふぁ、ぁぁっ」<br />
八雲の後ろを使っての性交は初めてではない。肉棒は精液と愛液でこれ以上無くぬめっている。<br />
そのせいか、ゆっくり、とてつも無くきつい感触を伝えながらも赤黒い逸物は真っ白な八雲のお尻の間。<br />
ピンクの菊を蹂躙してゆく。<br /><br /><br />
104 名前:「塚本家の日常」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:52:38 ID:UkWwOwmS<br /><br />
「すげっ、妹さんのに飲み込まれてるぜ」<br />
「ぁっ、播磨さ、いわない……で、くださ……ふぁぁっ」<br />
長大な播磨のモノが奥まで沈んだ途端、八雲の声が甘く切なくなる。<br />
ぐぽっぐぽっ。僅かに動かすだけで、たぷたぷと乳首の尖りきった乳房が揺れるのが楽しい。<br />
「おまんこ、見えてるぜ。クリがすげぇ立ってる」<br />
八雲の哀願を楽しむように、播磨は更に言葉で責める。<br />
後ろを犯しているせいで、貫かれていない方は全て見えるのだ。<br />
特に、薄い恥毛では隠し切れない充血し剥けきった八雲のお豆は目立つ。<br />
「ぁっ、ふ。ぁぁ、ダメ――だ……め」<br />
「ここだろ?妹さんの弱ぇーところ」<br />
カリ首で裏側からGスポットを刺激。<br />
同時に愛液をたっぷり塗りつけぬめる無骨な指先で膣孔とクリを擦り上げた。<br /><br />
「――っ!!!ぁっ、ゃっ――んんんんんっ!!!!!」<br />
必死に声を堪えながら、八雲は播磨にしがみついて激しく痙攣する。<br />
ぎゅぅぅっと肩に爪を立てられるのが逆に心地よく、播磨は何度も小さく突き上げては、指先でぐちゃぐちゃと音をたてていじめた。<br />
その度に、八雲が激しく絶頂に昇りつめるのが解る。<br /><br />
105 名前:「塚本家の日常」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 07:56:22 ID:UkWwOwmS<br /><br />
ぷしゃ、ぷしゅうぅぅぅぅぅ。<br /><br />
「でちゃ……ぁぁ、とまらな……ぃ」<br />
お漏らしのような潮が派手に吹き上げ、股間と指を濡らす。<br />
同時に激しい菊座の収縮。八雲の絶頂と合わせる様に肉棒を締め付ける。<br />
「くぅっ、ぐっぁ!!」<br />
堪らず播磨もまた、その欲望のたけを一気に放出。<br />
どぷっどぷっどぷっ――。<br />
一度出した後とは思えない程の量を八雲の中へ送り込み続ける。<br />
(たまんねぇ、妹さんのは病みつきになりそうだぜ)<br />
ケダモノじみた思考。<br />
未だ後ろでつながったまま、ぐったりとした八雲の美貌へ唇をよせ貪る。<br />
「ぁ、ん……はりまさ……ちゅ……ふぁ」<br />
前も後ろも蹂躙され貪られたにも関わらず、八雲はとても嬉しそうに口付けに応え、その可憐な舌を差し出した。<br />
濃厚な恋人同士のキスの音が、塚本家の書斎に響く。<br /><br /><br /><br /><br />
「なぁ、妹さん。もう一回、いいか?」<br />
「ぁ、は……い」<br /><br /><br /><br />
――これが。<br />
播磨居候後の塚本家の日常だった。<br /><br />
106 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 08:00:44 ID:UkWwOwmS<br />
これで終了です。<br />
この後、イロイロあって天満に見つかり播磨は追い出され、その後、ミコチンの家に転がり込んで「裸エプロン」に繋がります。<br /><br />
次回は、やっとお嬢様の出番です。<br />
ただ、シチュをなるべく自然にするため(エロパロである以上、それだけで無理があるのですが)、<br />
エロに入るまでが少し長いかもしれません。<br /><br />
なるべく早くUP出来るようにがんばりますが……あまり信用しないで下さい。<br />
多分やっぱりゆっくりめになると思いますorz</p>
2009-05-25T21:01:59+09:00
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「お手伝い(後編)」(ユカラカキ ◆57bPn7v4tg)[播磨×八雲]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/41.html
<p>
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33 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:28:52 ID:LvNfxO7u<br />
後編書き終わりました。<br />
あとは「おまけ」として、塚本家で天満に隠れての淫行三昧模様を投下する予定です。<br />
ミコチン、お嬢との3Pはその後にー。<br />
オマケなので、今回のように細かい描写はせず、ダイジェスト気味にエロエロいちゃいちゃっぷりを書きます。<br /><br />
因みに、八雲の胸のサイズですが、原作♭2で天満が八雲の胸は大きい(文脈から「自分と比べて」では無く「普通より」と読みました)と認め、<br />
その上で、でも自分の友達の方がもっと大きい(恐らくミコチンのこと)と言っている描写があったので、八雲のカップは一般より大き目と考えて良いと思うのです。<br />
また、♯60では今鳥が八雲の写真を見て「八雲ちゃんはもしかしてC以上か!?」と発言しています。<br />
その後、ミコチンはDだから一番、という流れとなり、天満がミコチンはそれ以上というような反応を示していることから……。<br /><br />
♯60時点では<br /><br />
ミコチン―E<br />
八雲―D<br /><br />
と解釈しました。<br />
その上で、思春期の成長を考慮し、エロパロ補正を加え、♯60時点よりワンサイズUPさせ、SSを書いています。<br />
……という訳で、播磨暴走時でミコチン―F 八雲―E 。ビジュアル的には17巻表紙を参照としています(なのでお嬢もD位の美乳に成長してると妄想)。<br />
尚、八雲はかなり細いという描写も原作にあったので、スレンダー巨乳として描いています。<br /><br />
34 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:32:35 ID:LvNfxO7u<br /><br />
「妹さん、脚……もっと開いてくれ」<br />
涎が滴りそうな欲望に満ちた播磨の声、そして破廉恥な要求。<br />
「……はい」<br />
その言葉に八雲は抗うことができない。<br />
恥ずかしさを堪え、その白く長い脚を開いて局部を露にしてゆく。<br /><br />
(そういえば、出会ってからずっと……)<br />
漫画を見てくれという不躾な要求を受けたこと、テスト寸前にも関わらずアシスタントを徹夜でしたこと。<br />
ここに来たのも、播磨の我侭な助けを求める声に応じたからだった。<br /><br /><br />
「すげぇ、キレイなピンク色だ」<br />
「ぁ……」<br />
八雲を辱めるように言葉が紡がれる。<br />
それは心の声と一緒で――本心から言っていることが解る。<br />
だから、恥ずかしくても嬉しい。八雲の頬がまた一段と紅く染まる。<br />
「次は指で、開いて見せてくれ」<br />
仰向けになったまま、播磨に乙女の泉を見せるように脚を開かせるだけでは飽き足らず、<br />
とろとろに濡れそぼった秘貝を"自分で"奥まで見せろというのだ。<br />
「ふぁ……は、はい」<br />
処女の八雲には淫ら過ぎるこの要求も――。<br />
(播磨さんが喜んでくれる……なら)<br /><br />
35 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:33:16 ID:LvNfxO7u<br /><br />
くぱぁぁ<br /><br />
八雲の細い指がクレバスの裂け目を開くと、蜜の滴るサーモピンクの秘貝が奥まで外気に晒された。<br />
羞恥に耐え切れず目を瞑ってしまう。と、そこに熱い息。<br />
「ふぁ……ぁ」<br />
「はぁはぁ、妹さん。もう我慢できねぇぇ」<br />
いつの間にか全裸の播磨がすぐ傍まで来ていた。ぐいっと掴まれる脚。<br />
そして――こちらもトロトロの先走り汁が溢れている肉棒の先端が八雲の溝を擦り上げた。<br /><br />
「ふぁ。……ぁぁぁあ」<br />
それだけで、敏感な身体が跳ねて軽く潮を噴いてしまった。<br /><br />
ぷしゅっ、ぷしゅ。<br />
間欠泉のように小さな潮は播磨の肉竿にかかり、淫水焼けした極太のモノに更なるテカリを与える。<br />
「妹さんも待ちきれねぇみたいだな」<br />
淫乱女を扱うような播磨の口調。<br />
不良っぽい外見からは考えられない程、八雲に低姿勢だった播磨の姿はもう無い。<br />
今目の前にいるのは、欲望に囚われたケダモノ。<br />
けれど八雲には――それが嬉しい。<br />
(私が、播磨さんをこんな風に……)<br />
それ程までに求められているという事なのだから。<br /><br /><br />
36 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:34:32 ID:LvNfxO7u<br /><br />
「ふぁ、は……はい」<br />
だから、羞恥を堪えて頷く。途端――。<br /><br />
じゅぷぅぅぅぅ。ぬぷっ。ぐぢゅ。<br /><br />
八雲の膣に、赤黒く逞しい播磨の肉剣が突き刺さった。<br />
淫らな蜜に濡れ、限界までほぐされてさえキツイ、八雲の膣はぎゅぅぎゅぅと締め付けながら、<br />
乙女の証の部分で一瞬止まる。しかしそれもつかの間。<br />
ちゅぷ。紅い一筋の流れが溢れる愛液に混じっただけで、ずっぽりと肉竿が更に奥へ深々と――。<br /><br />
「くぅっ……妹さんの中、すげぇ締まる」<br />
「ぁっ、ふぁ、播磨、さ……ん。あっ、あああああっ!!!!」<br />
処女喪失の痛みと緊張。<br />
この二つで停滞していた快感が――体内の奥底、子宮口を柔らかく撫でられた瞬間に弾けた。<br />
太い肉剣で裂かれた痛みが、あっという間に経験したことの無い快感で上書きされる。<br />
何度も絶頂を迎えてほぐされ尽くし、更に播磨の受ける快感とリンクし、八雲の締め付けを楽しむ肉棒の甘い感触が肉豆に発生しているのだ。<br />
犯される悦びと犯す悦び。その二つが同時に身体へ刻まれている。<br /><br /><br />
37 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:37:09 ID:LvNfxO7u<br /><br />
じゅちゅぅぅぅ。じゅぶじゅぶ、ぐちゅ。<br /><br />
真っ白な尻を掴まれ、膣の奥まで蹂躙される。<br />
播磨のカリ高な性器は八雲の柔らかくそれでいてキツイ膣壁をこすりあげ、凄まじい快感を齎す。<br />
「ぁっあああっ!!ふぁっ、ぁぅ――はりまさ……っっ!!」<br />
ぷちゅぅぅ。ぷしゃぁぁ。<br />
紅い流れが押し流され薄められる程にぬとぬとになった結合部から、一突きごとに愛液が溢れる。<br />
潮が八雲と播磨の恥毛をぐしょ濡れにする。<br />
(ぁぁ、だめ……。こんなキモチイイこと……もう、忘れられない……私……播磨さんから離れ、られなく……)<br />
八雲の思考が蕩ける。<br />
腰がもっともっとと言う様に、ヘコヘコ無様に動いてしまっている。<br />
「妹さん、胸、すげぇぜ?こうやると……」<br />
じゅぶん。じゅぼじゅぼ。<br />
播磨が腰を掴んで激しく出し入れすると、八雲の乳房がたぷんたぷんとイヤらしく縦揺れする。<br />
先端は乳輪までぷっくり膨らみ、ビンビンに勃起している。<br />
(私……ぁぁ、こんな身体に。ふぁ、播磨さんを欲しがってる……)<br />
「恥ずかしい……ぁっ」<br />
「――うまそうだ」<br />
「きゃぅっ!あぁっぁ!!――そ、それ、だめで……ぁっ!!」<br />
肉剣が八雲の膣に全部納まり、子宮口を亀頭で押し広げる。<br />
同時に、柔肉の先端を唇で摘まれた。じゅるじゅると音を立てながら吸われ、亀頭で子宮口のノック。<br />
時々、ぬるぬるとした鈴口からの液体が膣奥で放出され、八雲の身体を熱くする。<br /><br />
身体を起こされ、対面座位にされ、膣奥を互いの体液でぬめった肉竿でぐちゃぐちゃに蹂躙。<br />
その上、敏感な乳肉をこれでもかとしゃぶられる。<br />
しかも、播磨の快感がリンクしている為、肉豆が八雲自身の締め付けを味わっているかのような刺激がひっきりなしに来る。<br />
クリトリスの皮は完全に剥けて、播磨の恥毛が擦れる度に全身へ電流が走る。<br />
既に何十回も絶頂を迎え、思考は完全に蕩けさせられた。<br />
播磨の逞しい腕に抱かれ、何度もその背中に爪をたてる程イかされた――。<br /><br />
38 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:39:40 ID:LvNfxO7u<br /><br />
「ぁっ、ぁぁん、ふぁ――んんっ、ぁ」<br />
気がつけば、八雲は対面座位のまま腰を激しく振っていた。<br />
唇からは涎が、つい先程まで乙女だったアソコからはイクたびにお漏らしのような潮が。<br />
じゅぷん、じゅぷん。<br />
「妹さん。今度はもっと俺のでかき混ぜるように動いてくれ」<br />
「は、はい……ぁん、くぅん」<br />
淫らな指示へ当たり前のように頷き、八雲は播磨の上で淫らなダンスを踊る。<br />
快感で張った乳房がゴム鞠のように揺れると、播磨の大きな掌が無造作に揉みしだく。<br />
その時軽く乳首を指に引っ掛けるように擦られると、軽くイッてしまう。<br />
もう、何をされてもキモチイイ。<br /><br />
「くっ、上手いぜ……妹さん。こりゃ――ご褒美、やらねぇとな」<br />
播磨の獰猛な笑み。<br />
また、尻を掴まれ、ぐっと欲望の塊を一番奥に押し付けられる。<br />
子宮は今まで与えられた快感に反応し、完全に下りてきている。子宮口が最初よりずっと広く広げられているのが解る。<br />
「ごほう……び」<br />
「ああ、妹さんには世話んなってるしな、今はココもよ」<br />
播磨の視線が愛液と潮で濡れそぼりぬるぬるとイヤラシく出し入れされている結合部へ。<br /><br />
ぐちゅり、ぐちゅり。<br />
そんな視線に羞恥を覚えながらも<br />
うっとりとした表情のまま八雲は自分から腰を動かして播磨に奉仕する。<br />
(腰……ぁぁ、止まらない……私、こんな……えっち、に)<br />
その奉仕によって播磨が受ける快楽と、膣壁がぬるぬるにぬめった極太の肉竿で擦り上げられる悦びの二つを享受する。<br />
播磨のこれからシようとしてることが、体内に深々と刺さって蠢く肉棒から伝わってくる。<br /><br /><br />
39 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:40:22 ID:LvNfxO7u<br /><br /><br />
たっぷり、出してぇ<br />
孕ますくらい 溢れさせてやる<br />
妹さんのオマンコも欲しがってるな<br /><br />
(あ、播磨さん。……膣だしするつもり……、ご褒美にいっぱい……)<br />
意中の男の淫らな思念を浴びる心地よさにうっとりと瞳が霞む。<br /><br />
両の尻たぶを掴んでいた播磨の手が、片方だけ肩にまわった。<br />
甘い快楽に溺れきった八雲がその"思念"を察知した瞬間。<br /><br />
――唇を奪われていた。<br /><br />
膣奥深く、子宮口に密着されながらのディープキス。<br />
無意識にぐちゃぐちゃに濡れそぼった膣壁と子宮口が播磨の肉棒を締め付けると……。<br />
八雲を抱きしめた腕に力が入り――。<br /><br />
びゅるるっ、どぷっっ。<br />
ドクドクドクドクッ、プシュゥゥゥ。プシャァァ。<br /><br />
熱い肉棒の先端から大量の精液が迸った。<br />
「くっぅ――ぐっ」<br />
播磨の気持ち良さそうな呻き。<br />
「ん、んんんっーーーーーーっ!!ゅぷ、ん、くぅん」<br />
口腔と膣で深くつながったまま、播磨の思念、欲望とリンク。<br />
射精特有の圧倒的な快感を全身に感じながら、同時に女として、たっぷり膣出しされる快感を刻まれる。<br /><br /><br />
40 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:42:28 ID:LvNfxO7u<br /><br />
ぷしゅぅぅぅぅぅうぅぅ。<br />
ぷちゅぅぅぅ。しゃぁぁぁぁ。<br /><br />
播磨の射精に合わせるように、八雲の秘部から、お漏らしそのもののような熱く透明な液体が迸る。<br />
「ぁ、とまら……な…い。ふぁ、どっちも……ぁ、ぁ」<br />
熱く濃い男の樹液を初めて子宮に注ぎ込まれ、膣出しの快感を刻まれている。<br />
つぅぅっと端整な唇から涎が伝う。<br /><br />
とぷとぷとぷ。<br />
結合部から本気汁と精液の混じった白い液体が溢れ、八雲が身体を震わせる度に潮が播磨の腹部まで濡らす。<br />
(子宮に……いっぱい、入りきらないほど……)<br />
一滴も逃すまいと八雲はぎゅぅぅっと播磨の逞しい身体に抱きつく。<br />
逞しい胸板とたっぷりとした乳房が密着し、乳首が擦れてキモチイイ。<br />
膣口は精液を飲むように、何度も何度も痙攣して快楽を享受している。<br /><br />
ちゅ、ちゅぱ、ちゅぴ。<br />
イキながら、射精されながらのキス。<br />
(死ん、じゃ……う。播磨さんの胸で……ぁ、ぁっ。こんなコト知ってしまったら私は……)<br />
普通なら何度も失神する程の快楽。実際、大きくイク度に軽く失神していた。<br />
けれど――播磨の思念、欲情があっという間に八雲の心をを覚醒し昂ぶらせる。<br />
播磨が完全に満足するまで、強制的に発情させられてしまうのだ。<br /><br />
枷。<br />
そんな言葉が八雲の脳裏を過ぎる。<br />
(あの子が言っていた。私の力……『枷』)<br />
枷の形が、今までと変わってゆく。<br />
今目の前にあるのは快楽という枷。イメージは"首輪"。それは八雲が誰かの所有物となった証。<br />
飼い主は、目の前で八雲を犯している逞しい獣。<br />
(播磨さん、ぁ……もう、絶対――これ無しでは生きてゆけない……播磨さんに捨てられたら……私は……)<br />
野良猫には戻れない。<br />
八雲は自らに嵌められた"首輪"を想い"ご主人様"に奉仕する為、また腰を振り始める。<br /><br /><br />
41 名前:「お手伝い(後編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:44:02 ID:LvNfxO7u<br /><br />
甘い甘い蜂蜜に漬けられたように蕩けた理性は、膣出しへの不安等一切無くしていた。<br />
それどころか。<br />
「播磨、さ……ん、ふぁ、も……っと、その。せ、性欲の処理、お手伝い……します」<br />
ぐちゅ、じゅぶ。<br />
イったばかりだと言うのに、播磨のソレは膣内で未だ硬度を保っている。<br />
そのケダモノじみた性欲は、膣の奥深く、子宮口から八雲に流れ込む。<br />
ぐにゅぐにゅ。<br />
犯されたくてたまらず、八雲は言い訳を口にしながら、自分の大きな胸を胸板に押し付けおねだりする。<br />
「おう。――頼む」<br />
つつっ。<br />
播磨の指が、真っ白な尻たぶを揉んだあとに、白桃の割れ目へ移動する。<br />
「ひっ……ぁ、播磨さ……そこちが……あっ、あぁ」<br />
ぬぷっ。<br />
愛液にぬめった指が"後ろ"を刺激しだした。軽く撫でてからゆっくりと沈ませてゆく。<br />
異物感と違和感、そしてキモチヨさと背徳感が八雲の背筋を走ってゆく。<br />
なにより"播磨が欲しがっている"――それだけで八雲は逆らえない。<br /><br />
「妹さん、全部、使わせてもらうぜ」<br />
播磨の言葉に。<br />
「……はい」<br />
八雲は、甘い吐息と共に小さく頷いたのだった。<br /><br /><br /><br /><br />
42 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:55:47 ID:LvNfxO7u<br />
これで播磨ハーレムの八雲攻略編(?)「お手伝い」終了です。<br />
この後、播磨は八雲の後ろと口と胸を全部使って白濁まみれにし、性欲処理の「お手伝い」をして貰い、<br />
正気に戻ったところで漫画をなんとか書き上げます(アレの後処理は八雲が……)この様子を全部書いてると膨大な量になってしまうので割愛。<br />
その辺り(後ろ、口、胸)は塚本家での「おまけ」に書く予定です。<br /><br />
(あと、一緒に帰っての誕生日プレゼントの時のらぶらぶ(?)会話とか、<br />
締め出された時、例の張り紙に絃子先生が小さく「浮気したらコロス」と書いてあったりするとか色々浮かんだのですが、<br />
やっぱり結構な量になるので、エロに直結する部分優先で、と)<br /><br />
おまけの方は、さららっと短くエロシチュ三昧で早めに投下できれば良いなと思っています。(また二三日後位に)</p>
2009-05-25T20:59:11+09:00
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「お手伝い(中編)」(ユカラカキ ◆57bPn7v4tg)[播磨×八雲]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/40.html
<p>12 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:41:07 ID:PQ7MqUuI<br />
あけましておめでとうございます。<br />
播磨x八雲の前編書いてから、時間あきまくってしまい申し訳ありませんでした。<br />
全裸で待っていた方、凍死されてませんか?(汗<br />
やっと書き始められる状況になり、少しは進んだのですが思いの他長くなってしまい、今回の更新で中篇……となります。<br /><br />
この後、後編(本番&オマケ)→次回作 播磨x(ミコちんxお嬢)のプチ百合&従業員さんラブ&お風呂&3P展開へ。<br />
無茶であっても、シチュになるべく必然性を持たせたいので、やはり長くなる可能性大です。<br /><br />
尚、さすがに今回投下の続きとなる後編は、明日か明後日、最低でも三日後には書き上げ、投下したいと思っています。<br /><br /><br />
13 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:45:25 ID:PQ7MqUuI<br />
(前回は八雲と播磨のキスシーンからでした。覚えているでしょうか?:汗)<br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
播磨の温かい舌が八雲を捉える。<br />
下から痛いほど抱きしめられ、唇への柔らかな感触が深くなる。<br />
じゅるる。イヤラシイ音を立てて唾液ごと吸われる。<br />
舌先が八雲の小さな口腔を思うままに蹂躙する。<br />
「ちゅ……ぁ、くちゅ……んんっ」<br />
少女の唇を貪ることになれた播磨の舌技に八雲はされるがまま、だった。<br /><br />
八雲の想像していたキスは昔の少女マンガのような唇を触れさせる程度の淡いもの。<br />
だが、今サれているのは全く違う存在だった。<br />
ちゅぷ、くちゅ、ちゅぱ。<br />
舌、歯、唇、口腔をトロトロの唾液で汚され、吸われ滑った力強い舌先で愛撫される。<br />
キスが"キモチイイ"ということを身体に刻まれ、侵食されてゆく。<br />
その上――八雲の"能力"は精神的なもの。今の状況に反応しない訳が無かった。<br />
(え……これ……)<br /><br />
八雲の力は、八雲自身に好意を持つ人物の心が読めること。、<br />
それは通常、文字という形で脳裏に映りこむ。<br />
しかし今は……。<br /><br />
妹さんの唇柔らけぇ<br />
舌でもっと…… 飲ませて――ぐちゃぐちゃに<br />
胸、柔らかい 脱がしたらもっと<br />
大きさ、周防と同じ位か。すげぇ。<br /><br />
欲望に飲み込まれ野獣と化しつつある播磨の思考。<br />
そして同時に――。<br />
(ぁ、ぁ……これ……播磨さんの……ふぁ)<br />
絡み合う舌先、飲まされる唾液を媒介として、思考を"文字化"したものだけでなく播磨の受けている"感覚"まで伝わってきたのだ。<br />
征服欲と性欲。八雲を喰らうことへの期待感。それらがダイレクトに伝わってくる。<br /><br /><br />
14 名前:「お手伝い(中編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:47:51 ID:PQ7MqUuI<br /><br />
ちゅぴちゅぴ、くちゅ。<br />
これから八雲をどう犯し尽くすか、という欲望に塗れた期待による歓喜。<br />
性器に感じる八雲の体温による気持ちよさ。<br />
何も知らない処女の唇を舌で蹂躙する快感。<br />
それらが、八雲の感覚とリンクし、自分自身の感じている心地よさや欲望に重なる。<br /><br />
「ちゅ……ぁ、や……播磨さ……んんっ」<br />
ちゅぱぁぁ。<br />
あまりの気持ちよさに、唇が離れる瞬間、もっと……というように舌先を伸ばしてしまった。<br />
(う、そ。こんなの知らない……ぁ、こんなキモチイイことを知ったら、私)<br />
不安に八雲の心が震える。<br />
そこへ――播磨の無骨な手が伸びる。<br /><br />
まずは、このデカイ胸をぐにゅぐにゅと <br />
それで乳首を摘んで、イクまでたっぷり……<br />
妹さんの鳴き声、すげぇ、ヨさそうだ<br /><br />
思考がケダモノ仕様となり、方向性が統一され始める。<br />
八雲を犯し尽くすというベクトルに収束されているのだ。<br />
それでも、播磨によるセクハラのような思考は八雲の五感とリンクして身体を昂らせてゆく。<br />
(私、播磨さんに――ぁ、ぁんな……ことされてしまう……の?)<br />
八雲の脳裏に刻み付けた言葉通り、播磨の無骨な指が慣れた動きで八雲の乳房を揉み、その重さや質を確かめるように蠢いた。<br /><br />
周防、梢並みだな。絃子もなかなかだったけどよ。<br />
妹さんのもやっぱデケぇ <br />
あいつ等より前にせり出してる、ロケットなんとかってやつか?<br />
美味そう。早く喰いてぇ<br /><br />
15 名前:「お手伝い(中編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:50:55 ID:PQ7MqUuI<br /><br />
既に、あれほどあった播磨の理性の抵抗は消え去り、今や完全に欲望を処理する相手としての扱い。<br />
今まで"食べて"きたであろう相手と比較までしている。<br />
八雲の心が嫉妬で焼ける。だがその感情は、播磨では無く"食べられてきた相手"に向かう。<br />
(姉さんの友達……も、絃子先生も……もしかしたら、あの人も?)<br />
が、それもつかの間。<br />
「ひぅ、ぁ、やぁ」<br />
服の上から簡単に乳首を見つけられた。そのまま摘まれた。<br />
そして、クリクリと。途端、快感が身体を抜けてゆく。<br />
それは播磨の"乳首を摘み、愛撫することによって猛る播磨の獣欲"とリンクし倍化したものだった。<br />
「やっ、ぅ。ぁ……播磨さん、それ、ダメ……」<br />
弱弱しい言葉に、播磨の獰猛な笑みが濃くなる。<br />
――ちゅ、くちゅぅぅぅ。ぴちゃぴちゃ。<br />
また唇を奪われた。再び全身に走る快感。<br />
快楽など知ることの無い正真正銘の乙女であり、かつ人の心を深く知ることの出来る特殊な能力故に、<br />
八雲は人並み外れた播磨の獣欲による影響をモロに受けてしまっていた。<br />
粘膜による接触をシたまま、思考と欲望を流し込まれると、精神に引きずられるように身体が発情する。<br />
深い接触は対象者との同期を生み出す。<br />
ありえない程の力強さに満ちた播磨の心(欲望)は八雲の迷い子のような精神をいとも簡単に犯していた。<br />
(私、播磨さんの――欲望、と……ぁ、いっしょ……に)<br /><br />
"こうなるコト解ってなかったの?<br />
あーあ、こーんなケダモノと性欲リンクだなんて……スゴいことになっちゃいそうじゃない?"<br />
あの少女の楽しげな声が脳裏に響く。<br /><br />
16 名前:「お手伝い(中編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:52:28 ID:PQ7MqUuI<br /><br />
「妹さんの、胸、たっぷたぷだ。すげぇ」<br />
下品なもの言いと共に、揺れる柔肉が強く揉みしだかれる。<br />
普段ならそんな触れ方をされれば痛い筈だった。しかし――。<br />
「ぁぁっ、はりまさぁ……。んんっ!!」<br />
漏れたのは甘い声。体中が信じられない位敏感に……快感に対する耐性が無くなっている。<br />
つぅ、っと唇の端から銀の糸が光って落ちる。<br />
八雲は一瞬、何が起きたのか解らなかった。<br />
ただ、小さな痛みを圧倒する程の快感が乳房に流れて、経験したことの無い大きな感情の波に浚われたのだ。<br />
トクトク。熱い液体がショーツに染みを作っているのが解る。<br />
子宮と大切なトコロが熱く疼いている。<br /><br />
「……もしかして、妹さん。イッちまったのか?」<br />
面白がるような播磨の声。その声色は、獲物を弄ぶ肉食獣のような響きを湛えていた。<br />
「ぁ、わかりませ……ん」<br />
恥ずかしさのあまり、消えるような声で答えたものの――自然と声が甘くなってしまう。<br />
唇が小さく開いて、熱い吐息を漏らす。身体が熱い。<br />
「すげぇ敏感なんだな。こいつぁ楽しみだ」<br />
そう言うと、播磨の手が軽い仕草ではだけた八雲の胸元へ入った。<br />
「ひゃんっ」<br />
同時に抱き寄せられ、その逞しい腕と胸板に陶然となってしまう。<br />
(――お父さん……?)<br />
一瞬の想い。けれど――。<br />
「ふぁっぁ、ぅぅあっ!!!やっ、それ……ぁぅぅっ!」<br />
そんな温かな連想を、電撃のような快感が飲み込んだ。<br />
父親ならば絶対にしないこと。<br />
白いたっぷりとたゆたう八雲の乳肉を播磨の無骨な掌が直接揉みしだき始めたのだ。<br />
いつの間にかブラのホックは外されており、八雲自身恥ずかしく思うほどに発達した乳房がカップから露出している。<br />
ぷっくりと膨らんだ薄桃色の先端へ、ハモッっと喰いつくように播磨の唇が摘みあげた。<br />
そして――。<br /><br /><br />
17 名前:「お手伝い(中編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:53:42 ID:PQ7MqUuI<br /><br />
じゅるるるるぅぅぅぅぅ。<br /><br />
恥ずかしい音をたてて、上方へ引っ張りながら吸い込んだ。<br />
「きゃぅぅぅぅっ。ぁぁっ、はりま……さ、――だ、めぇ」<br />
悲鳴のような嬌声。<br />
だが、播磨は一切容赦はしてくれない。<br />
――勿論、八雲には"視え"ている。どれだけ八雲の柔肉に欲情し、食べたいと思っているか。<br />
ただ、未知の快楽に乙女の本能が拒否の言葉を紡いだだけなのだ。<br /><br />
ちゅぽちゅぽ、じゅる、ちゅぅぅぅ。<br /><br />
「ぁっ、ぁぅ、くぅぅんっ!!やぁ、いっ……ぁ」<br />
恥ずかしい程に勃起した乳首を乳房ごと吸い上げられ、吸引されたまま舌先で弄ばれる。<br />
その一舐めごとに、軽く潮を噴いてイってしまう。<br />
(ぁ、おもらし……とまらな……い。播磨さんに、嫌われ……ちゃ――)<br />
八雲が経験したことの無い快楽の波に浚われている間、播磨の指は柔肉を揉みしだきながら、<br />
八雲の身体を覆う制服・ホックの外れたブラも剥ぎ取り、八雲の双乳全てを露出させ、掌と唇、舌によって蹂躙されている。<br />
まだ脱がされていないショーツは、何度も噴いた潮でぐっしょりと濡れ、その用を果たしていない。<br />
そして――。<br />
「ぁ、そこ……だ、めで……す」<br />
「ん?こりゃぁ――」<br />
スカートの中に手を入れ、内股までなぞり上げた播磨の表情が獰猛な肉食獣の笑みに彩られた。<br />
ぬるりとした液体が八雲の太股まで垂れていることに気付いたのだ。<br />
「ち、ちがうんです。これは――お……」<br />
お漏らしではない。そう言いかけて羞恥のあまり、口を噤んでしまう。<br />
「妹さん、お漏らししてたんだな」<br />
「ち、ちがっ」<br />
"オンナ"に慣れた意地の悪い声での言葉責め。<br />
播磨の真意や八雲に起きた現象は、心の声ですぐに知った。<br />
(潮?……キモチヨクなると……こんな風に……それも、恥ずかしい……)<br /><br />
18 名前:「お手伝い(中編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:54:35 ID:PQ7MqUuI<br /><br /><br />
妹さん すげぇ <br />
感じやすいどころじゃねぇな<br />
こりゃ、結構経験ありか? だったら……俺も遠慮なく<br /><br />
播磨の思考が八雲をどう貪るかを具体的に描画し始める。<br />
そこには、八雲が想像できないほどのイヤラシイ行為も……。<br />
(ぁ、そんなこと――も?お尻、でなんて……)<br />
ゾクゾクゾク。<br />
播磨の淫らな想像と欲情。<br />
その心とリンクしてしまっている八雲にはどんなことを要求されても断ることは出来ない。<br />
"播磨のシたいこと"が八雲の"シたいこと"となってしまうから。<br />
播磨が八雲を淫らな子として扱えば、八雲の心と身体もそう変えられてしまう。<br />
それでも――。<br />
誤解されることが絶対にイヤなことが一つだけあった。<br />
「あ、の。私……ひぅっ、ぁぅ、は、じめ……て、です、から。今まで誰とも……ちゅ、あむ」<br />
ぐちゅりぐちゅり。<br />
ショーツの上から"具合"を確かめるように溝をなぞられただけでイきかけながら、息も絶え絶えに言う。<br />
その唇がまた塞がれ、口腔を貪られる。<br />
なだめるようにたっぷりと舌を愛撫された後、やっと唇が離れた。<br /><br />
「おう。……ちと疑っちまった。すまねぇ妹さん――お詫びに……」<br />
「え?」<br />
じゅぶ、じゅちゅ。ちゅぅぅうぅ。<br />
脚を広げられ、スカートの中に突っ込まれた手が蠢いた。同時に敏感に尖った乳首を唇が強く舐め扱く。<br /><br />
「きゃぁっ、ぁ……ああ…ぁ、ぅぅ――っっっっ!!!」<br /><br /><br />
19 名前:「お手伝い(中編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:56:33 ID:PQ7MqUuI<br /><br />
ぷしゅぅぅぅ。ぴしゃぁぁぁ。<br />
ずぶ濡れになったショーツから透明な液体が滴り落ち続ける。<br />
敏感なソコを播磨の指に押し付けるように身体が勝手にブリッジしてしまう。<br />
はしたなく"オネダリ"する格好のまま潮が止まらない。<br />
(ぁ、ぅ。でてるぅ……こんなはしたない姿、播磨さんに見られて――ぁぁ)<br />
全身に走り回る快楽の電流は播磨が軽く指を動かすだけで、腰に淫らなダンスを踊らせ、<br />
その度にぶるんぶるんと露出させられた大きな乳房が揺れる。<br /><br />
「ひぅ……ぁ、ん」<br />
「さて、妹さん。今度ぁ」<br />
播磨が淫らな笑みを浮かべて、ぐったりした八雲のショーツに手をかけた。<br /><br />
誰にも見られてねぇ、妹さんのを<br />
ほぐれてるぜ……ずっぽり入れてやる<br />
膣(なか)でたっぷりと <br />
ぐちゃぐちゃにカキマゼて<br /><br />
ナニをドウするか。<br />
八雲にはすべて視える。そんな露骨で下品な思考を知っても尚――。<br />
『誰にも見せたこと無いところ、播磨さんになら見せたい』<br />
『いっぱいほぐされたココに播磨さんのを……』<br />
『かきまぜ、られたい……』<br />
無意識に同調し、同じ快楽を八雲自身がもたされてしまう。<br />
播磨の強烈な欲情は、無垢な乙女そのものの八雲だからこそ一気に染め上げてしまっていた。<br />
(私。どんどん、変えられてしまう……ぁ、ぁ、播磨、さん)<br /><br />
とろぉぉ。<br />
潮と白濁した愛液がショーツとクレバス全体からたっぷりと粘着質な糸をつなぐ。<br />
「は、ぁぁ」<br />
外気に触れた乙女の泉は、体温によって限界まで蒸され、放出される熱で湯気がたつかのような感覚すらあった。<br />
(全部……みられて……)<br />
じゅん。<br />
そう思うとまた疼きが強く、トロリと流れる愛液は止まる様子すらない。<br /><br />
20 名前:「お手伝い(中編)」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 22:58:06 ID:PQ7MqUuI<br /><br />
すげぇ美味そう<br /><br /><br />
既に靴下を除いて、全裸にされた八雲を見つめての思念。否、獣欲。<br /><br />
性欲の塊となった播磨のソレが身体の芯、子宮まで叩きつけられた。<br />
「ぁ……ぅ」<br />
アレほど何度も絶頂を迎えたのに、まだ疼きが止まらない。<br />
それどころか激しくなっている。濁った愛液――播磨の思念は本気汁という下品な表現をしていた――が滴る。<br />
それもその筈だった。<br />
素早く脱ぎ散らし、その逞しい身体を見せた播磨の肉竿は、信じられないほど大きく太く、硬そうに起立しているのだから。<br /><br />
(播磨さんの、おいしそう……)<br /><br />
常人の枠を遥かに越える欲望の塊を叩きつけられたせいだろう。<br />
播磨の思念とリンクした八雲は乙女らしからぬ想念に囚われ、次の瞬間頬を真っ赤に染めてしまう。<br />
(私、なんてことを……ぁぁ、でも)<br />
ソレから目を離すことが出来ない。播磨に犯されたくて仕方が無い。<br />
(もう、絶対戻れない……播磨さんの身体見るだけで――)<br />
八雲の純真な心は身体より前に、ケダモノの欲望に染め抜かれ徹底的に陵辱されていた。<br /><br />
21 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 23:00:58 ID:PQ7MqUuI<br /><br />
これで中編終わりです。<br />
なるべく早めに、八雲がとろとろになるまで心身共に種付けされてしまう後編を投下したいと思います。<br />
引き続きエロエロで行きます。<br /><br />
それにしても、ヤクモンの能力って拡大解釈すると便利ですよね。</p>
2009-05-25T20:56:41+09:00
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お手伝い 前編(ユカラカキ ◆54bPn7v4tg)[播磨×八雲]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/39.html
<p>874 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:25:04 ID:OvJlqf/l<br />
ご無沙汰していました。<br />
播磨のハーレムシリーズを書いていたユカラカキです。<br />
>>456で書いた通り、今回は時系列を少し戻り、ヒロインは八雲となります。<br /><br />
ヤっている順番(時系列)としては<br />
冴子・梢(カラオケ)→冴子・梢(屋上)→絃子(家で絡まれ)→円(体育館裏)→美琴(体育館裏)→絃子(朝フェラ)→八雲(今回の話)→美琴(裸エプロン)<br />
裸エプロン後に、お嬢様登場予定です。<br /><br />
まずは、おにぎりから。<br /><br />
875 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:27:10 ID:OvJlqf/l<br /><br />
――部屋が暑い。<br />
僅かに、汗が胸の谷間を伝う。<br />
塚本八雲は目の前で執筆を続ける播磨に悟られないよう、熱い吐息を漏らす。<br />
季節は冬。<br />
冬休みも近づいてきたこの時期に暑い筈が無い。<br />
八雲の体温を上昇させている原因は……播磨の"思考"だった。<br />
「ホントにすまねー、妹さん。いつもいつも助けてもらっちまって……」<br />
申し訳なさそうな声が八雲の耳朶を打つ。<br />
同時に心の声も。<br /><br />
そうだ、助けてもらってるのに<br />
こんなこと考えるな俺<br />
妹さんの胸、でけぇ<br />
ダメだ<br />
もみてぇ<br />
ヤメロ<br />
梢みてーにたぷたぷと<br />
考えるな俺!<br />
集中し…… <br />
そんな場合じゃ<br />
四つんばいにして――うおぉ、くそっ、勃つな!<br /><br />
情熱的な愛撫のように、八雲に欲情した"声"が心を犯しているのだ。<br />
「ふぁ……」<br />
つい、播磨の思考通りのコトを想像して、また甘い吐息が。<br />
(播磨さん、こんなんじゃ……原稿……)<br />
同時に全く進んでいない真っ白な原稿用紙を見て不安になる。<br />
これを完成させなければ播磨は――。<br /><br />
876 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:28:11 ID:OvJlqf/l<br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
八雲が播磨から電話でヘルプを受けたのは数時間前。<br />
慌てて指定された談講社26階の部屋へ駆けつけてみると……。<br />
カーテンを腰に巻いて窓から逃げようとしている播磨が情けない顔で振り返っていた。<br /><br />
「インクをこぼしてしまって?<br />
これはもう逃げるしかないとカーテンをくぐって窓から……。<br />
でも、ここが26階だったことに気付いて途方にくれていたと……。<br />
――じゃあ、とりあえず原稿を」<br /><br />
再生不可能な程にインクの染みた原稿用紙。<br />
有名漫画家の原稿を滅茶苦茶にしてしまった。それはつまり――。<br />
(なんとかフォローしないと、播磨さんの漫画家生命も……)<br /><br />
「頼む。助けてくれ妹さん!」<br /><br />
八雲に否応は無かった。<br /><br />
877 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:29:04 ID:OvJlqf/l<br /><br />
◇ ◇ ◇<br /><br />
その時は、普段通り何も聞こえず、何も見えなかった。<br />
けれど、四足の小さな座卓に向かい合った時、播磨の瞳が胸元へ向けられた。<br />
途端――"播磨の心"が視えるようになった。<br />
自分に好意をもっている人の心が解る。その能力が播磨にも通じたという事は――。<br />
戸惑い、そして紛れも無い喜びが八雲の心を覆った。<br /><br />
しかし、その声の内容は。<br /><br />
妹さんの胸――。<br />
ぐっ、ナニ考えてやがる俺!<br />
あいつらとは違うんだ<br />
集中しろ<br />
漫画に……<br />
処理しねーと<br />
冴子や梢を呼んだ方が<br />
ちがっ<br />
来てくれたのに 助けてくれるのに <br />
失礼なコト考えるんじゃねぇ!俺!<br />
妹さんは大切な――。<br /><br />
噂は知っていた。<br />
播磨が、美人でスタイルの良い先輩二人を侍らせている。<br />
可愛い子なら見境がない。硬派から軟派へ鞍替えした。<br />
絃子先生や妙子先生とも関係している。デートしているのを見た――屋上でエッチしていた等等。<br />
最近流れ始めた播磨の"噂"は酷く、実際、教室で女の子と連れ立っている様子をみたらしい姉の天満は、<br />
「やっぱりお猿さんだったんだ!」と怒り心頭だった。<br />
(……播磨さん。噂、本当に……)<br />
心が痛む。<br />
けれど、心の中で自分を特別に見てもらっていることもヒシヒシ伝わってくる。<br />
だから――心は痛いまま、"嬉しい"という気持ちもまた、小さく芽生えていた。<br /><br /><br /><br />
878 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:30:05 ID:OvJlqf/l<br /><br />
それから十数分の間。<br />
播磨は原稿用紙を目の前にしても筆は動かず、ただ己と葛藤していた。<br />
播磨の八雲にに対する欲望、逆にどれだけ大切な存在かという力説。<br />
欲望にねじ伏せられそうになる度、八雲のことを思いやる心もそれ以上の力強さで発露する。<br />
それら全てが思念となって八雲を愛撫するように心へ入り込んでいた。<br />
(熱い……)<br />
憎からず想っている相手に、激しく求められ、気遣われ、絶対に傷つけないよう渾身の力で護られている。<br />
その様子をずっと見せ付けられているのだ。<br />
じわりと、身体が熱くなる。……下腹の辺りが特に甘い熱を帯びている。<br />
「あの――」<br />
「なっ、なんだ?妹さん!」<br />
慌てたように播磨が返事をする。<br />
少し前の思考は、矢雲の上半身を脱がした上、襲うように胸に吸い付いているところを<br />
もう一人の播磨が一生懸命止めていた……という妄想だった。<br />
「お話……自分で作るんですよね?」<br />
頬を染めつつも懸命に話しかける。元の原稿用紙は真っ黒。物語の筋も覚えおらずネームも無い。<br />
播磨は"自分で考えるしかねえ!!"と断言し、作業にとりかかったもののこの有様。<br />
まずはコレをどうにかしなければならないのだ。<br />
「お、おう!ちゃ、ちゃんと考えてるぜ」<br />
「じゃあ、ラブコメの続きを……?」<br />
「い、いや!それはダメだ!」<br /><br />
この状態でそんなもん書いたら――<br /><br />
播磨の思考が見えて、再び頬に熱が戻る。<br />
「ホラ、似たものを描いたらニセモノってバレるだろ。ここはいっそ――甲子園だ!」<br />
播磨がそう宣言した途端、八雲の目の前から"声"が消えた。<br />
(あ、漫画の方に……?)<br />
どうやら、漫画を描くための頭に切り替わったらしく一瞬で雑念が消えた。<br />
見ると、すぐさま机に齧り付いてガシガシと物凄い速さでペンを動かしている。<br />
――こういうところを見ると、八雲は彼のその情熱が少し羨ましくなる。<br />
彼のこの姿がみたくて、自分はアシスタントを引き受けているのかもしれないとすら思う。<br />
「よしっ!お次はバトルだ!!これが少年漫画の王道よ!!」<br />
……情熱の方向は、かなり個性的ではあるけれど。<br /><br /><br />
879 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:31:12 ID:OvJlqf/l<br /><br />
審判は魔王、ナインは操られて――等。<br />
もはや甲子園とは全く関係無い構想を熱く語る播磨に気おされながら、八雲は、ほっと心の中で一息つく。<br />
(もう大丈夫、かな?)<br />
「……次はどうするんですか?」<br />
「こーなりゃ、次は当然――お色気しかねぇぜ」<br />
ドクン。<br />
八雲の鼓動が少し前に視た播磨の"妄想"を思い出し、跳ねる。<br />
「え……」<br />
「俺は苦手なんだが、間違いなく人気はでる!」<br />
何も見えない。どうやらまだ漫画脳のままらしい。<br />
「ただ何を描けばいいかわからん……。妹さん何かいい手はねぇかな?」<br />
「え……!?え……あの、じゃあ……」<br />
頭に浮かぶ先程の妄想を振り払い、真っ赤になったまま八雲は浮かんだアイディアを囁くため播磨に近づく。<br />
(……恥ずかしい)<br />
八雲の提案は「相合傘」。<br />
これには播磨も大いに照れていて、さっきのような淫らな妄想は一片も浮かんでいない。<br />
それどころか――。<br />
「そういえば……!前に読んだ漫画でこういうのあったぜ!」<br />
八雲が近づいても全く動じず、漫画のコトだけで頭の中が占められているらしい。<br />
ほんの少しだけ寂しく思いながら話を聞く。<br />
主人公がヒロインとぶつかって押し倒してしまうという典型例を描きたい、とのこと。<br /><br />
「いける!これならいけるぜ!」<br />
「で……でも、大丈夫なんですか?」<br />
ベタ過ぎる展開もさることながら、あまり描く機会の無い構図は難しい。人体が重なるような形は特に。<br />
「うーむ、実際にやってみて構図を掴めば大丈夫なはず!」<br />
「え…」<br />
「そのためには……やってくれるか、妹さん!」<br />
純粋に漫画のことだけを考えているのだろう、"声"は見えない。<br />
何より。八雲には……播磨の頼みは断れない。<br />
播磨に見つめられると、どうしても助けてあげたくなってしまうのだ。<br />
「あ……あの……ハ、ハイ……」<br />
「よっしゃ、助かるぜ!!」<br />
ぐっと握りこぶしを腰へ引いて笑みを浮かべる播磨。<br />
そのサングラスに隠れた瞳が八雲を捉えた時――。<br />
"声"が復活した。<br /><br />
880 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:32:51 ID:OvJlqf/l<br /><br />
あれ?<br />
……なにやってるんだ、俺?<br />
そんな形で妹さんに密着したら<br />
ま、まて、落ち着け<br />
考えるな考えるな!!<br />
どわーーーー、復活しちまった!!<br />
今<br />
覆いかぶさったら 襲っちまう 絶対<br />
ぐおおおぉぉ!<br />
何か違う手を<br />
そうだ!!!<br /><br />
そんな思考を爆裂させたかと思うと、播磨はずささっと八雲から離れて、畳に仰向けになった。<br />
「さあ妹さん!!俺におおいかぶさってくれ!!」<br /><br />
下なら<br />
襲われる方の格好だもんな<br />
覆いかぶさられるなら<br />
大丈夫なハズだ!<br /><br />
「………」<br />
八雲の頬がみるみる熱を帯びてゆく。<br />
(あ……れって)<br />
視線の先には仰向けになったことで強調された足の間にあるモノ。<br />
ソレが漫画脳から煩悩に切り替わった途端に膨張、今ではズボンを思いっきり押し上げ、その大きさを誇示しているのだ。<br />
「あ!まず『あ』っていって転んでくれ」<br />
まだ気付いてないのだろう、八雲から瞳を反らしたままの播磨から指示が飛ぶ。<br />
「そうですか……『あ』」<br />
自分でも棒読みだと思う声を上げて、ふわりと播磨へ向けて倒れ込む。<br />
瞬間。獣のような男の香りが八雲を包む。<br />
顔が近い、肌が近いのだ。<br />
(ぁ……)<br />
とくん。とくん。静寂の中、心臓の音が聞こえるような気がする。<br /><br />
881 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:34:34 ID:OvJlqf/l<br /><br />
妹さん<br />
いい香り<br />
喰いてぇ ダメだヤメロ<br />
ぜってぇぇ、させねぇ<br />
襲ったら<br />
後悔 大切な――。<br />
我慢 シロ <br /><br />
既に漫画脳は遥か彼方に消え去り、今、八雲の全身を播磨の欲望と理性が奔流のように駆け巡ってゆく。<br />
(ぁ、播磨さん。こんなに私を……欲しがって……)<br />
また、身体が熱くなる。<br />
顔が、近い。肌が近い。良く視ると整った精悍な顔立ち。<br />
もっと近づきたくて――つい、身体を沈ませてしまう。<br />
たぷんと揺れる胸の先端が播磨の胸板へ。<br /><br />
うおおおおぉぉぉぉ<br />
妹さん!近づきす<br />
鎮まれ、ぐぁぁ!!<br />
なんか、難しいこと考えろ俺!!<br />
数式とかいいっていうよな? <br />
いんいちが……なんだっけ? <br />
うぁ、やわらけぇ<br />
揉みしだきたい……吸いてぇ<br />
やめろぉぉ<br />
描き終えたら、絃子に頼んで<br />
梢か冴子ん家でもいい いざとなりゃ城戸か周防に……<br />
だから、妹さんには――<br /><br />
あんまりと言えばあんまりな播磨の思考に、八雲の心が燃える。<br />
(播磨さんが、他の人の処へ……それは、いや)<br />
力を抜き、身体全てを播磨にすっと預ける。<br />
自分でも大きくなり始めたと自覚している乳房が、播磨の逞しい胸板でぐにゅりと形を変えた。<br /><br />
882 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:35:56 ID:OvJlqf/l<br /><br />
「はぁ……」<br />
「ぬぉっ!!妹さ……」<br />
「こんな、感じ――ですか?」<br />
真っ赤になりながらも、そう尋ねる。<br />
既に播磨の思考は欲望で染まりつつあり、腕は無意識か矢雲を抱きしめるように背に回され始めている。<br />
「あ、いや……ぐっ」<br />
「ぁ……」<br />
そして、自己主張の激しいモノが丁度、八雲の足の間へ。<br />
体重を預けるとぐぐっと熱を帯びた太いソレが、八雲の泉を制服のスカート越しに刺激してくる。<br />
今や播磨のモノは完全にそそり勃っていた。<br />
「妹さ……ん、逃げてくれ」<br />
「え?」<br />
苦しそうな播磨の声。<br />
「すまねぇ、襲っちまいそうだ。俺ぁこんな男なんだ……ホント情けねぇ。頼む、逃げて、くれ」<br />
サングラスが落ちる。<br />
そこには泣き出しそうな播磨の瞳。<br />
野生的ながら整った顔立ちに、悔しさを湛えた瞳の色。<br />
トクン。トクン。<br />
熱い気持ちが鼓動を早める。<br /><br />
思わず微笑が浮かんでしまう。<br />
その瞬間、八雲の心は――解放された。<br /><br />
883 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:41:05 ID:OvJlqf/l<br /><br />
「大丈夫、です」<br />
ぐっと腰を落として播磨の欲望の証と、自分の秘所を制服越しに密着させる。<br />
「どわっ!」<br />
「あの――苦しそうだから、その……こちらもお手伝いします……」<br />
クスクスと美術室で会ったあの子の笑い声が聞こえるような気がした。<br />
"この期におよんで、まだそんな言い訳?"と。<br />
「手伝いって……そりゃ」<br />
「播磨さんの。え……と、シたいよう……に、して下さい」<br />
播磨の頭の中で繰り広げられていた妄想を思い出しゾクリと背筋が震える。<br />
(私、あんな風に……)<br />
突然、ぐっと身体が抱きしめられた。<br />
「すまねぇ、ホント。妹さんには頼りっぱなしで……こんな」<br />
ぐりっ、強く熱いモノが押し付けられる。<br />
「ふぁ……だ、大丈夫……ですから」<br />
顔が今までよりずっと近くなる、自然と瞳を閉じると。<br />
唇に温かな感触。<br />
(ファーストキス……播磨さんと)<br /><br />
884 名前:「お手伝い」 ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:43:08 ID:OvJlqf/l<br /><br />
やわらけぇ<br />
傷つけないように<br />
たっぷり犯してやる<br />
やめろ!優しくだ<br />
妹さんの気持ちを――<br />
すまねぇ<br />
もう、我慢は<br />
うぉぉ 妹さん<br />
好きだ<br />
優しい でも天満ちゃんを<br />
でも妹さんは ぐぉ 俺は―― <br /><br />
混乱した思考の中で、播磨の欲望と好意と謝意が八雲の心を侵食してゆく。<br />
唇を通すと、その感情はハッキリ把握出来た。<br />
(好き……って想いが少しだけ……。ぁ――嬉しい)<br />
ゾクゾクゾク。<br />
数多の少女と関係を結んで、獣欲のままに貪っている男。今も八雲で性欲処理をしようとしている。<br />
それでも、播磨の心に僅かな"好き"があるだけで、八雲の心は満たされてしまう。<br />
その好意を播磨の心に残す為ならば何でもしたくなってしまう程、嬉しい。<br />
(私――播磨さんが、好き。こんなに……)<br />
まだ言葉にして伝えることが出来ない。だから――。<br />
ちゅぴ……。乱暴に差し込まれる舌を迎える為、唇を開く。<br />
"不器用ね。まあ、いいわ。面白い展開だし"<br />
また、声が聞こえた気がした。<br /><br /><br />
885 名前:ユカラカキ ◆57bPn7v4tg [sage] 投稿日:2008/10/17(金) 05:45:13 ID:OvJlqf/l<br /><br />
ここで前編終了です。<br />
後編はエロエロ、甘甘三昧になる予定です。<br />
この作品が終わった後は、ミコちんとお嬢様の親友丼をと考えています。<br /><br />
ではではー。</p>
2009-05-25T20:55:09+09:00
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18-842-858リレーSS[絃子]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/38.html
<p>842 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/10(水) 23:02:53 ID:sb8NCsPZ<br />
こんなになるまで何故放っておいたんだ……と、絃子は呟いた<br /><br />
843 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/11(木) 12:36:06 ID:jx3Eyxig<br />
ただ寂しくて、絃子の指はクレバスの奥へと差し込まれた。<br /><br />
844 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/11(木) 19:04:54 ID:ENmdNlhs<br />
たとえ今、播磨が部屋に入ってきても絃子はこの行為をやめないだろう。<br />
今夜の刑部絃子は珍しく酔っている。<br /><br />
845 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/11(木) 23:14:49 ID:gmhbY/wm<br />
留守電の音だけが寂しく鳴っている。<br />
暗い部屋に絃子は一人、そこはとても静かであった。<br /><br />
846 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 02:16:12 ID:/nESqQcz<br />
「たくっ、何してるんだ。絃子のヤローはよ」<br /><br />
電話を切った播磨は、画面を見ながら呟く。<br /><br />
847 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 07:53:46 ID:8shi1xMW<br />
「クリスマスだしバイト代入ったしで、一緒に飯でも食おうと思ったのによ。<br />
どこほっつき歩いてやがるんだ? …まぁとりあえず家に帰って待つか…」<br />
と、播磨はバイクにまたがり家路を急いだ。<br /><br />
848 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 11:28:43 ID:2RMKnY7d<br />
「駄目だなぁ私は……」<br />
絃子は一人自嘲した。部屋中に散らかるビールの空き缶が何だか哀れで面白くて、絃子は笑ってしまう。<br />
「何をやっているんだろうなぁ、私は……」<br /><br />
849 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 12:45:02 ID:ZqXwMoGS<br />
はじめて彼を想い、一人指を走らせたのはいつだったろうか…<br /><br />
霞みのかかった頭で、ふとそんな事を考えてみる<br /><br />
だがその問いに答えるものは、絃子の中にすらいない<br /><br />
妄想の世界では、既に播磨の脈打つペニスが絃子の膣口に押しあてられていたから<br /><br />
播磨の侵入を待ち、潤み切った瞳をふせたとき…<br /><br />
『ガチャ』<br /><br />
牝の匂いの充満する、部屋のドアノブが廻った<br /><br />
850 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 12:49:28 ID:IC2wx5L2<br />
「肌には自信が有るのに見せる人が居ないなんてね。 ウフフ」<br /><br />
全身を映せる姿見の前で全てを脱ぎ捨てて男を誘うようなポーズとる<br />
その姿を3cm程度の超小型隠しカメラが捉えてるとも知らずに<br /><br />
851 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 18:16:31 ID:/vZVs/rY<br />
先着順ということで<br /><br />
「た、ただいま……」<br />
凍った空気の中で播磨はそれだけをやっと絞り出した。<br />
正面に目を向けるとあられもない姿をした絃子。呼吸をする度に部屋中に満ちた女のすえた匂いが脳まで犯す。<br />
視覚と嗅覚が……、いや五感全てが播磨の雄としての本能を刺激する。<br />
これ以上ここにいたらやばいと、直感で判断した播磨はそそくさとその場を立ち去ろうとする。<br />
「うん、俺は何も見てない。ここに絃子はいなかった。あいつに話があったんだがまたあとで……」<br />
「待て」<br />
ドアノブに手をかけ、そう言って部屋から出ようとした時、絃子の静止の声がかかる。<br /><br />
「待て」<br />
先ほどよりも小さく、随分と弱々しい声だ。<br />
絃子は俯き加減のまま播磨に近寄る。<br />
近づいてくる絃子から播磨は食い入るように目を離せなかった。<br />
どんな時も自分の中にあるはずの大好きなあの娘の笑顔が今は浮かんで来ない。<br /><br />
852 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 20:02:24 ID:2RMKnY7d<br />
「い、絃子……」<br />
「やっと帰って来たと思ったら、挨拶も無しか?」<br />
クスクスと静かに笑う絃子。その姿はいつものソレとはかけ離れた物で、播磨は背筋に悪寒を感じた。<br />
「随分遅いおかえりだね。どうせ君の事だからどこかの女とでもシケこんでいたのだろう?」<br />
「し、シケこむって……何言ってんだお前?」<br />
「しらばっくれないでもいいよ、今日はクリスマスだ。塚本君か、沢近君か……それとも、もしかして愛しの君とでも結ばれたかい?」<br />
そう言う絃子は顔に穏やかな微笑を浮かべたが、播磨には何故かそれが単なる笑みではなく内にある何かを覆い隠す為の物である気がした。<br />
「おい絃子、大丈夫か?」<br /><br />
853 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/14(日) 00:18:39 ID:WHpdWn2x<br />
「確認するまでもない、私は大丈夫だ」<br /><br />
絃子は穏やかな笑みを保ったままそう言った。<br />
しかし、あまりに悲しい声だったので、播磨は言葉を失う。<br /><br />
854 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/14(日) 12:39:00 ID:KH/AOG+m<br />
「嘘ではないぞ……ほら…」<br />
絃子は播磨の左手をとり、自分の胸に強く押し当てるとうっすらと頬を赤らめた。<br />
「我が心臓はこんなにしっかりと鼓動を刻んでいるぞ……それに、こっちも…な?」<br />
思わぬ不意打ちに、左手の感触に集中することしか出来ずにいた播磨は、今度は<br />
右手の指先が触れている、ぬるっとして生暖かいものの正体に気付くのに数秒を<br />
要した。<br />
「ちょっ!? おま……」<br /><br />
855 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/14(日) 16:33:51 ID:ezJrs9kY<br />
待て、まさか、何故、など様々な言葉が播磨の脳裏に浮かぶがどれひとつ音にはならない。<br />
播磨の意識と神経は右手に集中していた。<br />
未知の感覚だった。そこはとろっとして、温かくて、やわらかくて、そして播磨をもっと欲しがるように絡み付いてくる。<br />
「君はこんな状態でも何も思わないのかい?」<br />
上気した声で絃子は問う。<br />
「例えば……目の前の女を抱きたいとかさ? ……それとも私はそんなに魅力がないか?」<br />
サングラスで播磨の表情は分かりづらい。<br />
それでも播磨の呼吸が荒く激しくなっていることは播磨の耳元に顔を寄せている絃子にもよく伝わっていた。<br />
だから自分自身も驚くような甘ったるい声で囁いた。<br />
「今なら君に何をされても文句は言えないよ」<br /><br />
856 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 18:45:18 ID:VIJLbesv<br />
「よよっ、酔ってるのか!?そっ、そうなんだろ!いや、そうに決ま……」<br /><br />
絃子の発言を聞いた播磨は、半ば叫ぶように言う。<br />
しかし、播磨は最後まで言い切ることはできなかった。<br /><br />
857 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/16(火) 21:41:19 ID:Ps0EMV58<br />
「た……」<br />
「た?」<br />
何故なら絃子がいきなり顔を真っ青にして、床に膝を付いたからだ。<br />
「た、頼む……バケツ、持って来て……」<br />
「お、おい! 絃子! 大丈夫か――って、おま」<br />
「もう、ダメ……限、界……だ」<br /><br />
絃子は喉に手をやり、そして床に向かって思い切り――――<br />
「うげ……」<br />
吐いた。<br /><br />
858 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/09/20(土) 13:10:12 ID:eMXrOnCB<br />
おいw</p>
2009-05-25T20:48:55+09:00
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17-768(タイゾウ氏)[播磨×八雲]
https://w.atwiki.jp/kokona/pages/37.html
<p>768 名前:タイゾウ[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 00:29:04 ID:C8BAVtrQ<br />
「ごめんなさい…少し…疲れました」<br />
愛ってなんだろう? 姉さんの様にひたすら前向きにいれば良いのか、烏丸先輩の様に秘めた思いを押し込む生き方が良いのか…。<br />
…私にはわからなかった。…私に好意を持つ異性は大概が性欲まじりだった。それも愛の形だとは理解している。<br />
(わからない…わからないよ…誰か教えて下さい…)<br />
今、私の前には播磨さんが居てくれている。<br />
(播磨さん…あなたは…あなたなら…)<br />
「今夜は…一緒に歩いて下さいませんか?」<br />
今はこの人に寄りかかっていたかった。<br />
…私を特別視してくれないでいてくれる、この人なら…。<br /><br />
「あぁ…俺もさっき…ヒマになってよ」<br />
播磨さんはそれだけ言い、歩きだした。<br />
(何も言わないのね。…姉さんとどんな言葉を交わしたのかな…)<br />
今、姉さんは烏丸先輩といる。それは播磨さんが送りだしたからだ。<br />
(播磨さん…あなたは姉さんを諦めてくれたんですか?)<br />
歩く彼の表情は見えない。だけど、その佇まいは寂寥感が漂っていた。<br />
(そんな所に私は播磨さんにすがり付いたんだ…)<br />
急に恥ずかしい感情が溢れてきた。思えばそれは自分が異性にはじめて示した行動だったのだ。<br />
自分とて異性…男子に対して興味がある。誰かの恋人として、女として男性に抱かれる妄想に耽った事もあったのだ。<br />
(…播磨さんは私をどう見てくれているんだろう? 私を女として見てくれるのかな)<br />
女として…。そう思った瞬間、鼓動が早くなった。<br />
…彼の背を見上げる。広く、厚い上背があった。<br />
(そう言えばウェディングドレスの私をお姫様だっこしてくれたんだ…)<br />
(もし…もしそれが現実になるのなら、私は播磨さんに抱かれるのね)<br />
今までなら、それは妄想以前の空想であったが、今はそれが現実の手前にあるんだとわかる。(…私は好意を抱いているんだ…)<br />
…胸に違和感を覚えた。それは胸の先端、2つの先端が過敏になっていた感覚だった。<br />
(あ…)<br />
姉さんの想い、烏丸先輩の想い…自分の想いに感情が高ぶり、はじめての想い描いた異性。<br />
播磨拳児という男の存在に自分の中の女が反応したのだった。身体が火照ってきたのがわかる。その生々しさにとらわれ、傍らの男が何かを話しているのに気がつかなかった。<br />
「………だからよ妹さん。もしアンタがその…」<br />
(え…あ?)<br />
「その…なんだ…言いづれェこったが」<br />
(は播磨さん…何を言おうとしてるの)<br />
鼓動がさらに速まった。<br /><br />
続く<br /><br />
770 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01:28:03 ID:C8BAVtrQ<br />
>>768の続き<br /><br />
「女としての気持ち的に問題がねぇなら…これから一緒にょ」「え…?」<br />
月明かりの下、播磨さんの表情が強ばっているのが見えた。<br />
(女としての気持ち…って、これから一緒に…って)<br />
身体の火照りが耐え難く、意識せずジャージのチャックを引き下げていた。熱さを逃がすように、鼓動を伝えたいように…。(それってつまり…、その…私を……?)<br />
頬の火照り、胸の痛み…そして…下腹部からそれらと違う熱い何かを感じていた。<br />
(あ…あぁ播磨…さん)<br /><br />
「妹さんが烏丸のことをよ…まあ俺に無理して…」<br />
「え?」<br />
(なに?)<br />
急に話がわからなくなった。<br />
「あ…あの!」「いやァ、ホレさっきよ…烏丸のことが気になってたんじゃないかとさ…」<br />
「あ…あれは違うんです! 全然違います!」彼の勘違いに思わず声を荒げてしまった。<br />
(私が好きなのは…)<br />
「…! 私が…好きなのは!」…衝動が私をつきだした。播磨さんの身体に飛びついたのだ。<br />
もう知ってしまった。知ってしまったのだ。<br />
(沢近先輩…私卑怯です。卑怯でいいです!)決めてしまった。覚悟を決めたのだ。後ろめたさは感じなかった。<br />
…私は、ひとりの女として覚悟を決めた。<br />
「私が好きなのは! 播磨さんです! 播磨さんが好き…好きです!<br />
好きです!!」「!? お…おい妹さん…なに言って」<br />
見上げなくても動揺しているのがわかる。私もそうなのだから!<br />
私は彼の首に腕を伸ばし、しっかりと力を込めた。<br />
(離したくないんです。私を…私だけを感じて下さい)<br />
「妹さん…俺…俺は…天満」<br />
「!」<br />
言わせたくなかった。それ以上言わせては私は…。<br />
もう衝動だけが私を動かすチカラだった。そのままに…そのチカラのままに、彼を引き寄せた。<br />
後悔したくなかった。うつ向いての告白では駄目…。私は思いきって播磨さんに視線を合わせた。<br />
…驚きに目を見張る播磨さんがいた。私にとってはじめての距離であったけど、絶対に必要な距離だから。<br />
(播磨さん。私を見て下さい…。姉さんでもなく、沢近先輩でもなく…私を)<br />
「…好きです。…播磨さん…私を見て…私を選んで下さい」<br />
そのまま全身を押しつける。私の胸が彼のたくましい胸板で潰れる。<br />
(感じて下さい。私の鼓動も何もかも!)<br />
「い妹さん」<br />
播磨さんの強ばった腕が私の身体に回された。(…播磨さん)「妹さん…」<br />
(選んで下さい!)<br />
「…俺は…」<br />
(お願い!)<br /><br />
続く<br /><br /><br />
772 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 02:22:09 ID:C8BAVtrQ<br />
>>770の続き<br />
><br />
(今、あなたは私をどう見ているんですか?)クラクラして思わず目を閉じてしまった。<br />
その瞬間、私の唇に何かが重ねられた。<br />
(!)<br />
播磨さんの唇を感じた。…はじめて口づけ。<br />
(これが…キス…)<br />
不思議な感覚がそこにあった。誰かと…異性と触れあうなんて思っていなかった。<br />
(…あぁ…播磨さんを感じる)わずかに位置がずれ、どちらともなく舌が唇の隙間から侵入を果たした。<br />
頭が…思考が痺れたように働かない。ただ互いの息づかいと舌だけが生きていた。<br />
触れあう舌が口腔内に広がり、私と彼が競いあうように求めあった。<br />
…思考がおぼつかなくても、情欲を感じる事が出来る。<br />
私の下腹部が…子宮が更なる欲望を求めていた。<br />
(…濡れて…いるんだ…)<br />
今まで異性の好意が私を辱しめてきた。<br />
嫌悪し、絶望してきた女の性。だけど、今は違う。<br />
…今は自分の性が全てを上書きした。<br />
(…もう抗えない。だけどわかるよ。…私…今は播磨さんが欲しい)<br />
彼が何を思っているのかはわからない。しかし、私の身体をまさぐっている。それで十分だった。<br />
…嫌悪感は感じなかった。むしろ先ほどまでの自分なら考えられない程…積極的に胸を押しつけ、腰が押しつけていた。<br /><br />
男の手がジャージの中に侵入してくる。下着をまさぐり、そして素肌へとたどり着く。<br />
(播磨さん…もっともっと触って下さい。もっと私を感じて下さい!)<br />
情欲になぶられ、いやます興奮に脳が溶けていった。<br />
舌は一瞬すら離れる事なく、手は素肌を這い、互いの秘所へと導かれた。<br />
(あ? …これが播磨さん…の…)<br />
はじめて触れる男性の性器。知識では習ってあるし、密かに回ってきたAVを見て、どんなモノかは知っていた。<br />
そしてそれがどういう事に使われるのか間近に迫っているのに嫌悪感も無くなっていた。<br />
自分を辱しめ、悩ませてきた事は過去へ押し流されたのた。<br />
…今や播磨のソレは幸せになる魔法のアイテムに他ならない。硬くても柔らかみがあり、熱いソレは待ち望んでいた未来であった。<br />
(これが…播磨さんの…、私の…な…か…に)熱く溶け出した情欲に流されていたが、不意に理性が現実に還せてしまった。<br />
「…は播磨さん?」<br />
「! うぉっ! す済まねえ妹さん!」<br />
互いに正気に戻ってしまった。いや、熱量は変わらない。変わってはいけなかった。<br />
「…その、服を脱いでもいいですか?」<br />
流される? …違う。進むの。<br />
続く<br /><br />
773 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 04:27:45 ID:C8BAVtrQ<br />
>>772の続き<br /><br />
もう引く気にはならなかった。夜明け前の森は寒くもあったが、全てをさらけ出す事に躊躇はなかった。<br />
…最後まで行き着くのかどうかは判らない。だけど、自分の全てを見て貰いたかったし、播磨さんの全てだって見たかった。<br />
(だけど…それだけじゃない…)<br />
私の心の奥底では自分が卑怯である事はちゃんと認識していた。いや、だからこそ寒さを無視して全裸になった。<br />
衣擦れの音が途絶えた。視線が私を捉える。<br />
(…いつもなら、異性の視線が辛い…けど、今の視線は暖かいんだ…)<br />
自分を捉える意識…播磨拳児という男の想いが流れてきた。<br />
普段より熱く暴力的で、それでいて寒さをはね除けるように包みこむ柔らかい暖かさ。そして美しいと思ってくれている思考。<br />
嬉しかった。<br />
他の誰からも与えられなかった想いが確かにあったのだ。<br />
「播磨さん…私…見て下さい。私だけを見て下さい…」<br />
(そして…選んで…)<br />
向き合った先に一糸纏わぬ男の姿があった。普段、夜中であっても外すことのないサングラスさえ無い、本当の播磨拳児という男がそこに居た。<br />
「…妹さんよぉ…。イイんだな? 決めたんだな?」<br />
播磨さんの言葉と思考が重なっている。初めてのオンナ。初めての行為。僅かな恐怖…そして情欲。<br />
何よりも、私を…私という存在そのものをちゃんと見ていてくれている。<br />
(…播磨さん、ありがとうございます。…絶対後悔しませんから!)<br />
「あ…あの播磨さん。…その…妹さんって呼び方…、呼び方やめて下さい。姉さんの付属じゃなく…あの、その名前で…呼んで下さい…!」(…これで私の壁は全て取り払いました。播磨さん、後は…)…後はそう…。だけど、もう構う必要は認めない事にした。<br />
一つは避妊。ちゃんと周期は測っていて、今なら大丈夫なハズ…。<br />
…そしてもう一つ。いやもう決めたから、私はもう進みだしたから。<br />
…だから先輩…そこで見ていて下さい。…じゃましないでいて下さい。<br />
「あ、あのさ…妹さ…あ~八雲さん…でイイか?」<br />
「はい!」<br />
播磨さんは不器用だけど真っ直ぐな男性。すぐに姉さんから代えてはくれないだろうけど、絶対に私を見てくれる人だから…。<br />
(だから、私は躊躇わない)<br />
「播磨さん…播磨さんの望むどんな事でも…して下さい」<br />
私は今から…あなたに抱かれます。<br />
私を愛して下さい。私だけを愛して下さい! 私だけの男でいて下さい!<br />
(……ずっと…ずっといつまでも…)<br />
愛してます<br /><br />
終わり<br /><br />
774 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 05:01:32 ID:C8BAVtrQ<br />
>>773の続きではなく、後書き。<br />
尺が誤り、高野達が覗いているシーンはカットしました。<br />
一応、これで終わりです。<br />
今回の投稿は21刊の後日談として、①純愛系八雲 ②ヤンデレ系八雲 ③絃子の三本から選びました。<br />
構想とか投下時間の制約から①を選び、②③は廃案です。まあ③は…先日投下したやつの改改定版みたいなんで、あんまり意味なかったですからね。<br />
あとヤンデレについては自分と周囲の捉えかたが随分違うんでねぇ…。まだまだ勉強不足ですよ。<br />
とゆーところで逃走します。お粗末様でした。</p>
2009-05-25T20:47:07+09:00
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