愚者のエンドロール

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愚者のエンドロール」を以下のとおり復元します。
*「愚者のエンドロール」の各話あらすじ
-[[ストーリー|氷菓 公式ホームページ>>http://www.kotenbu.com/story/]]
このページでは、アニメ「氷菓」についての各話あらすじについて分かりやすく詳細に紹介していきます。
初見さんにでも理解できるよう、解説などを交えながら紹介します。
&bold(){多少のネタバレがあります。また真相や種明かしに関しては反転処置を取らせていただきます。ネタバレを見る場合、自己責任でお願いします}
加筆・修正・編集大歓迎。


[[第八話「試写会に行こう!」>#01]]

[[第九話「古丘廃村殺人事件」>#02]]

[[第十話「万人の死角」>#03]]

[[第十一話「愚者のエンドロール」>#04]]
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*第八話「試写会に行こう!」&anchor(01)
 冒頭、女性がメール・チャットをしていた。「L」なるHNの人物からは「古典部」の名前が出ていた。

 夏休み最後の週、里志と奉太郎は古典部文集「氷菓」の編集会議のために神高に向かっていた。水泳部決勝進出の垂れ幕をみて里志は自分にはあんな才能はない、今後の未来も可能性薄という。データベースがなにいってるんだと奉太郎は返すが、知識を幾ら浅くもっていても何も出来ないという。奉太郎は天才には俺ら一般の普通の生活はできないだろう、というが里志は奉太郎は一般の生活に憧れるのはそうだろう、果たして送れるのかなどといった。里志は奉太郎への評価を保留したいと。そんな話をしながら部室いくが案の定遅れて伊原にしかられる2人。

 しかし千反田がまだ来ていなかった、とおもったらはいってきたと思いきや、皆で試写会にいかないかと誘ってきた。2年F組のクラス展示のミステリのビデオ映画。千反田の知人がそのクラスにいて見て感想聞かせてほしいらしい。その相談をしていて遅れたという。視聴覚室にはいると、闇から染み出るように日差しにでてきた制服姿の2年生女子が招きに応じてくれてありがとうという。
 見た目は美貌といっていい、しかしそれに冷厳をもった、まるで軍隊にでもいるかのような雰囲気、しかしそれがぴたりと嵌っている。
 千反田が全員の紹介を終えると女子生徒は入須冬実だ、と名乗った。それに里志はいち早く反応し、6月の文化祭実行委員会における演劇部と軽音学部の調停は素晴らしかったと手放しで誉めた。しかし入須は覚えていなかった。千反田とは子供の頃から家ぐるみで付き合いが合ったらしい。

 ビデオ映画のDVDらしいケースを入須は見せ、これをみてどう思ったかそっちょくな感想がほしいと。しかし奉太郎は感想だけでいいのか、いまさら不評いったところで取り直しが聞かない、宣伝でもなければ見せる意味が分からないというと入須はまず見てもらったほうが効率的と奉太郎を納得させた。
 入須はカーテンを閉めると、まだタイトルはついていない仮称は「ミステリー」。終わったら1つ聞かせてもらいたいことがあるのでしっかりみるよう。それでは健闘を。
 健闘?その言葉に奉太郎はひかかったが映画が始まってしまった。

 2年F組の有志は楢窪地区の展示取材のため現地へとむかった。俳優は6人、髪を茶色に染めており、よく日に焼けた肌の山西みどり、眼鏡をかけており、ひょろりとした細長い体型の杉村 二郎、全体的に背が低く、丸い印象をうける瀬之上 真美子、地味な装いで一番背が小さい女子、鴻巣 友里、顔立ちが人がよさそうな印象の男子勝田 竹男、浅黒く焼けた筋肉質の体型の男子海藤 武雄。
 山道を歩き、楢窪地区に到着、どこか泊まれる所探し、劇場跡を選ぶ。入る直前、鴻巣が嫌な予感がするなどと呟く。伊原と里志が違う意味で「館物!」と叫んだ。劇場の中は床にガラスが散らばっていて休める所はなかった。そのため館に散って探すことにした。見取り図をカメラが映す。事務所にあったマスターキーを除くキーを使い、散って休める場所を探し始めた。そして調べ終わり、ロビーに集合してみると海藤だけが帰ってこない。みんなで彼が言った右袖下にいって控え室を確認するがいない。右袖をあけようとするが鍵がかかって開かない。鴻巣達がマスターキーをとってきて解錠すると上手袖室内には腹部を地で真っ赤にした海藤が倒れていた。さらにそばには切断された腕。勝田はくそっと立ち直りすぐそばの窓を開けようとするがなかなか開かない。なんとか窓を上におしあげて外を見るが夏草が茂ってるだけで異常がない。さらに部隊を通って下手袖へいこうとするがガラクタで塞がれていた。

 ここで映像が終わった。カメラはブレまくり。役者は棒読みときて映画としては評価すら付けがたいが、クラス展示なんてこんなもんだろと奉太郎。
 そこで再び現れた入須が映像はここまで、この映像の犯人は誰だと思うと。

 入須は順を追って説明するという。その前に映像の技術的なものはどう思うと問うと、正直稚拙だとおもうと伊原。それに同意する入須。技術のないものが幾ら情熱を注いでも結果は知れた物だと入須。しかし奉太郎はそれはそれでいいんじゃないのかという。これにも入須は同意。自己満足はゆるされていいと。では何が問題か? 里志が完成しないことというと、入須は頷く。この映像は夏休みにしか撮影できないという特殊なロケ地だというのにまだ完成していない。撮影が上手くいかなかったのかという千反田の問いに入須は首を振り、撮影は順調だった、スケジュールも上手くこなし次の日曜で完成するはずだった。伊原の何の問題が?という問いに入須は脚本だ、と。クラスで唯一漫画を書いたことがある本郷真由という子に一時間の映画の脚本が託された。本郷はよくやってくれたが、今見た場面までかいたところで倒れた。
 その続きを俺達にという奉太郎の問いに入須は首を振る。そんなことは頼まないと。最初の質問だけれど犯人は誰だと思う?と。

 里志はしかし素人が書いた脚本にちゃんと手がかりがまかれているのかと問うと、入須はそのへんは大丈夫と。あの子は神経使って脚本書いていたから十戒も九命題も二十側も守ったはずよ。
 奉太郎はモーゼの十戒か?と里志に聞が、いいや、ノックスの十戒だよ。九命題も二十側も探偵小説にかかせないものだそうだ。そして入須が言う。つまり謎を解く鍵はフェアに提示されている。それを踏まえて犯人は誰だと思う? 奉太郎は「健闘」ってのはこのことかとぼんやり考える。
 古典部3人はいろいろ呟くが最終的に全員奉太郎を見た。物凄く嫌な顔をする奉太郎。この手は奉太郎の分野じゃないかとおもって探偵役はねと里志。気の乗らない奉太郎は真剣に見ていなかったとはぐらかす。入須に促され、じゃぁ山西先輩、と適当に回答。

 そこで入須を見る。じゃあ入須先輩が考えればいいのではないかという奉太郎の問いもミステリには疎くてねとかわされる。ではじゃぁなぜミステリ映画をとめなかったのかと問うと、入須ははじめクラス展示に参加していなかった、北海道から戻ってきて、事態の収拾に乗り出したのが一昨日。もし最初から参加していれば企画を進めはしなかっただろうという。さらに奉太郎は食い下がる。なぜ俺たち古典部が選ばれたのか?と。入須はまず千反田の話を聞いたこと。氷菓の話を聞いたこと。事態の収拾に乗り出したとき君達を思い出した、君達なら探偵役を勤められるのではないかと。

 変な期待は困るという奉太郎にそうだなと入須。ありがとうとすまないと頭をさげ、これで試写会は終わりだと去ろうとした時、千反田があの映画はどうなるのかと食い下がった。それになぜ脚本の本郷さんが信頼と体調をそこねてまで途中でやめなければならなかったのか、気になりますと奉太郎に迫った。古典部面々は笑ったが、入須も少し笑ったように見えた。しかし奉太郎はもし謎が解けなかったらどうする?先輩達の前で土下座でもするのか、と千反田にいうが絶妙な間で入須がいった。オブザーバーのような役目はどうだろう、うちのクラスの探偵役志願の話を聞いて参考意見を述べる、どう? 古典部全員にもにらまれて奉太郎は諦めのため息をついた。

 学校からの帰り道、里志が入須は有名だという。彼女の家族は学校から見える恋合病院の経営者だそうだ。さらに入須には渾名があると曰く「女帝」。奉太郎はサディスティックなのかというと、それは女王様でしょと伊原に突っ込まれる。美貌もさるごとながら人使いが上手く荒く、いつの間にか彼女の手ごまになっているらしい。女帝がご登場したんだから僕らもシンボルの一つもほしいという。
 摩耶花は正義かなと。審判と迷ったという里志。里志自身は魔術師で、愚者は千反田に譲るという。どうやらタロットをしっているのは里志と千反田の2人だけのようだった。そして奉太郎は力。千反田は星だとおもったらしいいが。

 翌日、物凄い暑さで神高へいくのを断念した奉太郎はわざわざ家まで迎えに来た千反田に引っ張られていった。千反田は部室につくなり、案内役の人に案内してもらい、探偵役の人に話しを聞こうという。いつの間に打ち合わせしたのという伊原の問いに千反田はチャットですと。神高HPには学生しか入れないチャットルームがあるそうだ。そのうち2年F組の使い、江波倉子が来た。移動しながら里志が質問をする。話を聞くのは助監督、小道具、広報の3人。千反田は江波に何の役をやっていたのかと聞くと、企画に参加していなかったそうだ。しかし本郷と仲が良かった。本郷の特徴をあげて私の親友といった。
 2年F組前までくると江波がドアを引くと3人の探偵役志願者がいた。


***原作との相違点
・アニメでは「水泳部決勝進出」の垂れ幕から才能の話になったが、原作では奉太郎が「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」というがニ物をもつものもいるしなどといったといった哲学的な話題ふりからの会話だった。 
・アニメでは里志は奉太郎の評価を保留にしたいでおわってるが、原作ではその先の理由で「氷菓事件を解決した為」の旨を述べている。
・アニメは部室にきた千反田の試写会にいきましょうで潰れているが、原作ではすぐに「氷菓」編集会議に入り、お昼を食べてすべて用事が終わった後、千反田が皆さんこのあとお暇ですか?と誘った。
・アニメはへークラス展示で終わっているが、神高のクラス展示についての説明がカットされている。
・アニメでは入須冬実は制服姿だったが、原作では紺色の私服姿だった。
・アニメでは「6月の文化祭実行委員会での騒動」について覚えていない、といったが原作では「ああ思い出した」と騒動を治めたことを覚えている。(後の里志の話から、騒動を治める意見をもってる3人を見極め、代理として出ている自分がでしゃばると騒動が大きくなるため「3人を使い」、それぞれ意見を述べさせ、騒動を鎮圧した)
・アニメでは入須がもっていたケースに入ったDVD(と思われる)だったが、原作では長方形の黒いビデオテープだった。
・アニメでは入須の「健闘を祈る」に奉太郎は反応していたが、原作では無反応。
・アニメではすでに楢窪地区へ向かっている所から始まっているが、原作ではどこを取材しようかという企画会議から始まっている。
・アニメでは廃村程度の説明だったが、原作では古丘町楢窪地区について詳しく説明されている。
・アニメでは本郷は「倒れた」のみで症状は明確に言われていないが、原作では「神経性胃炎及びうつ状態」。
・アニメでは山西先輩だと思いますとそれで終わっているが、原作ではじゃぁ勝田先輩だ。力がありそうだからと奉太郎は抵抗している。
・アニメでは入須先輩が考えれば、といったが原作では「2年F組が考えれば」となっていて、それに対する入須は広く意見を集めたけれどどれもピンとこなかった、と述べている。
・アニメでははまず千反田の話を聞いたこと。氷菓の話を聞いたことと言っているが、原作ではまず千反田と面識があったこと、もう一つは、君(奉太郎)がいたこと、といっている。君の話は千反田と遠垣内と、学外の人間1人とから聞いていて君なら探偵役になれるのではないかと述べている。
・アニメではタロットカードの話、翌日、江波の案内探偵役と会う一連の流れになっているが、これは原作「ニ 古丘廃村殺人事件」の序盤のあらすじであって「一 試写会にいこう!」と合体し、アニメとしては大変長い尺となっている。(これは以前にもあった)
・アニメでは千反田は「チャットです」といっているが、原作では「わたしブラウザがつかえるんです」と言っている。
・アニメでは2年F組のクラスだったが、原作では教室を用意できず2年C組が始め使われた。
・アニメでは3人いっぺんに1日で話を聞いたが、原作では1日ごとに1人、火曜、水曜、木曜とわけて話を聞いた。



[[用語集>用語集]]
[[質疑応答>質疑応答]]
[[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]]
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*第九話「古丘廃村殺人事件」&anchor(02)
 お前らか、ミステリーにくわしいってのは、と大柄で筋肉質、毛の濃い男子が言った。中城順哉、撮影班で助監督と江波が紹介。眼鏡を掛けた中肉中背の男子が羽場智博、小道具班。お団子みたいに髪を3つまとめ、スカーフをしていないチャオっと言ってきた女子が沢木口美咲、広報班。
 ではよろしくお願いしますと江波がいい、中城だけ残して去っていった。中城は巻き込んですまんなと挨拶。
 その時、みなさんで食べようと思っていたといっていたお菓子を机に出す千反田。高級そうな箱に装丁で、伊原がこれってウィスキーボンボン?と眺める。
 新製品の試供品らしく、中城含め全員で食べてみるもかなりウィスキーの成分が強い。全員が思わず口をあけるもなぜか千反田だけがもくもくと平気そう。
 
 全員が落ち着いた所でさぁ始めるかと中城。里志はメモをだし、それをみて伊原が代表して質問する。所にさっきのウィスキーボンボンを2個目を食べる千反田。

伊原:撮影はたいへんだったか? A:撮影は演出なんかも楽しくやれたが、移動が大変だった。なんで電車とバス乗り継いで一時間だった
千反田:なぜだったのか? A:見た目が面白い場所ってことで推した奴がいた。確かにいい絵が取れたがやっぱり遠かった。
里志:楢窪地区は廃村だって聞きましたが、よく立ち入りできましたね? A:そいつが管理人に話をつけてくれた。それがなんか関係あるのか?
いえ、勉強になりましたとデータベース。
千反田:脚本の本郷の容態はどうか? A:あまりよく話しをきいていないがよくないようだ。あいつを責める訳にはいかんだろうが
千反田:本郷はあまり丈夫じゃなかったのか? A:学校も休むこともあったし、撮影にもでてこなかった。
奉太郎:本郷の脚本は評判悪かったのか? A:誰もケチをつけたことはなかった。誰も本郷を責めた事はなかった。
奉太郎;ということは内心はそうしたかった? A:何が言いたい?本郷の仕事は全員が認めていた。もちろん俺もだ。

 場を取り直すように伊原が咳払いをする。それでですね先輩、

伊原:本郷から誰が犯人役か聞いていなかったか? A:俺の知る限りじゃ、いやまてよ、鴻巣に頑張れよとかなんとかいっていたような。
伊原:では役者の人に聞いてないか、誰かそういう話を受けていないか? A:誰も。
伊原:物理的なトリックなのか、心理的なトリックなのか? A:どうちがうんだ?

 伊原がだめだこりゃという感じになりほかに質問はないかと中城。俺の話を聞いてもらおうと。いよいよオブザーバーの役割を果す。
 中城曰く、普通の客はトリックなんて気にしない、要はもりあがればいいんだと。犯人はお前だ!ときめつけて、犯人が涙ながらに私情を語る。これで話が決まる。
 その話を聞いた奉太郎達はあっけに取られ、なぜか千反田だけうん、と肯く。
 そういう意味では海藤の死ぬ所はよかった、あの小道具の腕もと。
 奉太郎はあれはアドリブだったと聞く。中城はああ、どいつもこいつもこだわりすぎなんだよと。ミステリーの作法やらなんやら。そんな細かい話よりドラマだ。タイトルもストレートに「古丘廃村殺人事件」とかにして客を呼べる様にしないと。本郷だってそのあたりのことわかってたさ。
 しかし中城の話にピンとこない古典部の面々。伊原が聞く、それで中城先輩のお考えは?

 あれはあれだろと。密室ってやつだ。他のやつが誰も入れない部屋の中で海藤が死んでいた。さて、犯人はどうやって殺したんでしょう、ってこと。伊原がではどうやってと促すと中城は言う。簡単さ、窓だよ、と。犯人は海藤を殺した後に窓から出て行ったに決まっているじゃないかと。
 窓、どうも記憶が曖昧なんですがと奉太郎。里志に見取り図を出すように言うと巾着からだして広げる。里志がペンを交えて説明。海藤が死んでいたのは上手袖。みんなが駆けつけたときは鍵がかかっていた。下手袖にいこうとしたが舞台と通路はガラクタでふさがっていた、そうなると右側通路のドアと窓の2箇所しかなくなる。
 そこで千反田が本郷もしっていたのかと言った。里志はそれは重要で、現場の状態も分からず見取り図だけで脚本だけを書いていたら、別のルートも考えていた可能性もある。しかし中城は否定。本郷も1度下見にいったらしい。5月の終わりごろに。
 つまりだ、と中城。犯人は窓から出入りした。こうすればドアから出入りせずに海藤が殺せるシーンが取れると。そしてなぜか奉太郎にいきなり「どうだぁあ!」と一括。奉太郎はびっくりして両手で口を塞いだ。

 そこで伊原が言う。それはミステリーとして出来が悪すぎると。それは本郷にいってくれと中城。あいつも詳しくなく立派なトリックが用意できなかったと。そこで伊原、だとしても犯人は?と。しかし中城は犯人?と反応が薄い。伊原は仮にそれがトリックになるとして犯人は誰になるのかってこと。
 そこで腕を組んだ中城に伊原が畳み掛ける。窓の外を取ったシーンでは生い茂る夏草のせいで人の通った痕跡がない。窓を通るというのは無理ですと。
 しかし中城は本郷が書き忘れたかもしれないなどという。伊原はそれをいったらおしまいですと。本郷の脚本は全てつじつまが合っていると聞いていると。中城はだとしたら、と。そこで急になにかひらめいたようにあ、そうだ夏草だ!といった。さっき言った本郷が下見に来た時にはまだ夏草が茂ってなかった。だから本郷は窓を使えると思い込んだ。だったら今度の撮影で夏草を刈り込み、死体のシーンから取り直せば辻褄があうと。
 そしてなぜかやはり奉太郎にほらみろどうだ!と指差し一括。奉太郎はえっ、ともらすだけ。それで満足したように中城は立ち上がりよろしく頼むぞと去っていった。

 千反田が奉太郎に中城案はどうかと聞くと矛盾があると。ごく単純な物理的トリックの解決ははごく簡単な心理的側面から否定されると。千反田はつまりはどういうことなのかと。窓から入ろうとすると館に散った人たちに目撃される、または危険性があるからつかえないという単純なもの。千反田はなぜかまたうんうんと頷いてウィスキーボンボンを手に取る。3個目。伊原は本郷がどこまで知っていたかによると。奉太郎はそれは本郷の脚本をみればある程度わかるという。
 そこで里志がみんなどれくらい探偵小説は読んでるかと聞いてきた。奉太郎はあんまり。文庫をいくつかくらい。摩耶花は普通。クリスティーとか。千反田は読みませんと。私はあまりミステリーを楽しめないのかもしれないと思うぐらいは読んだと、ボンボンの包み紙を折る。
 そして里志はシャーロキアンに憧れていると伊原。シャーロックホームズの熱心なファンのことだろうと奉太郎。しかし里志はシャーロキアンっていうのもそういうものとは違うんだけれど、とはっきりしない、ところで扉がノックされた。江波が次の志願者、羽場を連れてきた。そして却下を伝える。羽場は何かの袋を持って現れた、と千反田はなぜかひゃっくりをした。奉太郎は江波に本郷の脚本要求した。

 羽場は本郷はミステリーに詳しくないといった、後ろの机に積まれているシャーロックホームズを指してそれが彼女の一夜漬けだと。ホームズでミステリを勉強しようとしていたのかという伊原に羽場だから素人だっていうんだという。少しむっとする伊原。そこで千反田が本の間にホームズのタイトルの上に◎、○、×、△がかかれた紙片を見つける。奉太郎は使えるネタかどうかの確認だろうと流す。

 そこで羽場案が披露。計画的犯行ではなく、たまたま条件がそろったため犯人は犯行に及んだ。その理由は海藤が自発的に上手袖の鍵を選んだから。そしてこれは密室殺人。唯一のルートの窓の外には足跡などはない。つまり海藤を殺した犯人は普通には逃げられなかった。では犯人はマスターキーで侵入。しかしこれは成立しない。鍵がある事務室には玄関ロビーを通らなければならないがどの人物にも見られてしまう。つまり右手通路自体に近づくことが出来ない。これが重要、なぜかと伊原に。
 トリックを仕掛けるのに密室に近づくことさえ出来ないから。
 羽場は続ける。被害者が密室を作ったことも否定される。他の可能性、機械仕掛けの殺人や、早業殺人も不可能。そして奉太郎に君、折木君だったかなと、君ならこれをどうとく? 奉太郎は半笑いでさぁ、わかりませんというと羽場はだめだなぁそんなんじゃと勢いづく。
 そこでもってきた袋から登山用のザイルを出す。小道具班だった羽場は本郷から人が乗っても切れないロープをと要求されていた。これの使い方わかるだろ?という。誰も答えないので羽場は続ける。一階から入れないなら二階からはいればいいと。二階の右通路には鴻巣がいた。鴻巣は華奢にみえて登山部。二階からザイルで1階に侵入、海藤を殺し2階へ逃走した。あの映画にタイトルをつけるなら「不可視の侵入」というところだろうと。
 そこで君らの意見を聞こうかというところで千反田しゃっくり。奉太郎はザイルのほかになにか本郷から注文はなかったかと。羽場はむらっけがあったのか、指示されていた血糊が全然たりなくて大量にこちらで用意したと。最後に奉太郎は聞いた。出来てる映像はみたか?しかし羽場は実はまだみていないんだといった。

 伊原は羽場にご立腹。シャーロックもバカにされてというが、里志はシャーロックは初心者向けの読み物というのは一面の真実と怒りもしない。古典部の面々は羽場案はいいというが千反田がなんだか納得できないと言う、わからないが。そこで奉太郎がウィスキーボンボンを食べる千反田を止める。先に食べたのを含めてすでに11個も食べていた。伊原の大丈夫?という問いに大丈夫ですよ~だいじょう~ぶ~……ふふふふと明らかに酔っている風。
 あの案で賛成ですかと千反田にきかれ、出来ないという。あの映像との矛盾。あの映像では一階の窓は立て付けが悪かった。ザイルで降りて窓をがたがたやってる時海藤はつったってるのか?と。伊原はださからさっきあの映像を見たか聞いたのねと納得。つまり本郷は窓の状態なんか気にしていなかったと奉太郎。

 次を呼んできた江波が現れ、頼んだ脚本を奉太郎に渡す。そこで千反田はせわしなく動き、いいなーいいなーわたしもほしいですと酔っ払ったまま。脚本はしっかりしていることを確認。そこで3人目の沢木口美咲がきてチャオ!と挨拶。それに千反田はこんにちは沢木口さんチャオですと会釈した。
 
 沢木口曰く広報班としては早くタイトルだけでもほしい、脚本もこの辺でけりをつけたいと。千反田は本郷は立候補だったのかときくと他薦だったと沢木口。いろいろ質問する千反田がわたし気になります、といってるうちに沢木口が議事録を貸してくれた。
 そして沢木口案。ミステリーってきいたらなにを思い浮かべるか。奉太郎がオリエント急行というと沢木口は13日の金曜日とかと上げる。それじゃぁホラーでしょと奉太郎。しかし里志は一般でみるならホラーもミステリーもかわらないと。
 沢木口は7人目がいたという。実は本郷はあの出演者以外のキャストをさがしまわっていたという新情報。互いの疑心暗鬼が高まった所、満を持して怪人が登場、どのくらい殺す予定だったのかわからないが、2人ぐらい残してさくっとやっちゃえばよかった。ラストは2人で怪人を倒して朝日にキスで決め。タイトルはそーねー「Bloody Beast」。
 でも密室はどうなのかと伊原。鍵がかかっていたのは。そして沢木口は別にいいじゃない鍵くらいとさらっといった。怪人なんだから壁抜けぐらい出来ないとという。そうじゃなかったら…怨霊なのよ! 以上沢木口案。

 異常に沢木口案に反対する千反田。顔は真っ赤。理由を聞いてもとにかく違うんです!といったとき、さっっと赤かった顔が真っ白になった、曰く、万華鏡のようです、と。途端にいす机に崩れ落ちた。慌てて伊原が確認するが「寝てる」。
 寝ている千反田を見ながら里志と奉太郎は沢木口案を気に入っているという、しかし矛盾はあるけどなと。脚本は綿密で指示も的確。もし最後にホラーで大量殺人をやらかすつもりだったなら血糊の量が圧倒的にたりない。だから却下。

 帰り道。千鳥足で伊原に付き添われてかえる2人を見て奉太郎達も帰途につく。里志と雑談をしながらわかれ、道路を渡ると彼女がいた。
 入須冬実。ちょっと、茶を飲むだけの時間をもらえないかな。


***原作との相違点
・アニメでは探偵役志願者3人が次々に面談したが、原作では1日おきだった。
・アニメでは「バスと電車で」とバスが通っているように中城は言っているが通っていない。原作ではコネがある奴がマイクロバスを回してくれた。
・楢窪地区の管理人に話をつけて許可を取った、といったが、「日曜日限定」に触れていない。
・アニメではないが、原作では2日目ではわざわざ千反田からの電話できてくださいね、と奉太郎は言われている。
・アニメでは描写されていないが、オブザーバーと平行して古典部文集「氷菓」の編集も行われている。
・アニメでは伊原は「クリスティー」とだけ答えているが、原作では「クリスティーからクイーン、それとカー」と述べている。
・アニメでは奉太郎は「文庫を何冊か」としか述べていないが、原作では「黄色い背表紙の文庫本」を数冊。その後の里志の「ははぁ、すると日本人さっかだね、割と固い所の」といっている。(これで奉太郎が呼んでいたミステリが特定できる)
・アニメでは里志は「ホームジスト」であることが省かれている。
・羽場は役者になろうとしたが多数決で落とされていることが省かれている。
・沢木口が第三話で謎になった図書室の金曜の貸し出しの図書カードに名前が書かれていることについて触れられてない。
・アニメでは沢木口はスカーフなしの制服姿だが、原作ではタンクトップにGパン、また肌の色も白くなく、浅黒い。
・頭のおだんごのようなシニョンはアニメでは3つだが、原作では両脇に二つである。
・アニメではすでに酔っている千反田は沢木口のチャオという挨拶にチャオと返しているが、原作はこの時点で酔っていないので普通にこんにちはといったらダメだし&テイク2された。
・議事録の内容がアニメでは公開されていない。
・アニメはそのまま徐々にウィスキーボンボンをたべて潰れているが、原作では3日目の沢木口を待っている最中に出し、7個目で酔っ払った。
・アニメでは本郷はむらっけがあって指示された血糊ではたりなかったといっているが、原作ではそのようなことは一切いっていない。
・沢木口の大量殺人にかんしても血糊についてあまりふれてない。



[[用語集>用語集]]
[[質疑応答>質疑応答]]
[[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]]

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*第十話「万人の死角」&anchor(03)


[[用語集>用語集]]
[[質疑応答>質疑応答]]
[[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]]

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*第十一話「愚者のエンドロール」&anchor(04)




[[用語集>用語集]]
[[質疑応答>質疑応答]]
[[作中登場の小物、その他>作中登場の小物、その他]]
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- 愚者のエンドロール素文作成。  -- L  (2012-06-24 16:00:46)
- リンク修正、雛型修正。  -- L  (2012-06-24 16:04:20)
- 8話追加  -- L  (2012-06-26 13:21:40)
- 9話追加  -- L  (2012-06-27 23:11:14)
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