黒子テツヤ
本編の主人公。強豪・帝光中バスケ部出身で「キセキの世代」の5人からも一目置かれた「幻の6人目」。自らを「影」と主張し、相棒の火神大我を「光」と見立て、彼とのコンビで誠凛のメンバーとともに、強豪校やキセキの世代との試合を勝ち抜いていく。 目の前にいる相手にも気付かれないほど極端に影が薄く、無表情で自己主張も控えめ。誰に対しても丁寧語で話すも、冗談や声を張ることが苦手で、言いたいことはストレートに言う性格。激昂した時には口調が砕ける。小食。好きなものはバニラシェイクと読書。得意科目は国語。他の教科は軒並み平均的。 当初は「影として光(火神)を日本一にする」ことを目標に掲げて試合に臨むが、IH予選の桐皇学園との試合で大敗。かつての相棒である青峰に自分のスタイルが全く通用しなかったショックでスランプに陥ってしまう。その後、かつて目標を掲げたコートで火神に、「火神を利用して、キセキの世代に自分のバスケが間違っていなかったことを証明しようとしていた」と告白。そして「帝光中のシックスマン」ではなく「誠凛高校の11番 黒子テツヤとして日本一になりたい」と志を改めた。 恵まれない体格と運動能力が災いし、中学時代は長く三軍から上がることができず挫折しかかったが、一年の秋に、偶然三軍が使っている体育館に青峰が足を運んだ事で一緒に練習するようになり、青峰と同じく一年で一軍メンバーであった赤司征十郎に見出されその異質な才能を開花させていく。当初は「勝つことがすべて」という帝光中バスケ部の理念を受け入れていたが、三年の全中時の「ある事件」を切っ掛けに決別。無敗を誇った「キセキの世代」の一員であるゆえに「嬉しくなければそれは『勝利』ではない」という哲学を持つようになる。 身体能力は低くほぼすべてが限界値で、フリーの状況でレイアップすら決めることができない凡百以下のプレイヤー。しかし並外れた観察眼と存在感の薄さを活かし、マジックなどで用いられるテクニック「視線誘導(ミスディレクション)」を使用して相手のマークを自在に躱し、華麗なスティールとパスワークでチームを得点に導いていく。その様はまるで本当に相手の眼前から消失しているかのように描かれる。 ミスディレクションの肝である、コート内で最も強い存在感を持つボールを保持することを忌避していたが、木吉や日向のアドバイスやライバル達からの叱咤激励により、自分の新たなスタイルを開拓していく。その結果、「消える(バニシング)ドライブ」や、かつての相棒であり現在の好敵手である青峰大輝との決着後に彼と特訓して体得した「幻影の(ファントム)シュート」などを利用し、自ら得点することも可能になっていく。得意料理はゆで卵。座右の銘は一期一会。
火神大我
黒子のクラスメイトかつ現・相棒。バッシュのサイズは29.5cm。 アメリカ帰りの帰国子女である無名の大型新人。日本のバスケのレベルの低さに失望し、中3の時はバスケから離れていたことも手伝って強者との対戦を熱望している。荒削りながらもハイレベルな技術を持ち、発展途上であるがその比類なき才能は「キセキの世代」の天才たちと同格と目される。 やや短気で頭に血が上りやすいが、基本的に素直で物分りが良い。何よりもバスケが好きで、バスケをプレイする時に細かい理屈を持ち込むことを嫌う。勉強は不得意で、0点を取ったこともあるほど。誠凛への入学もギリギリだったらしい。特に苦手な科目は国語で、英語力も日常会話に不自由することはないが授業で習うような堅苦しい英語は苦手。またアメリカ暮らしが長かったために敬語も苦手である。秀徳高校との初試合において敗北を目の前にしたときは「勝利」にとらわれ暴走してしまうものの黒子の叱咤で正気に立ち戻り、それから「仲間」を背負う責任感を持つ頼もしいエースへと成長していく。 父親は仕事の都合でアメリカに残っているため、現在はWC本戦会場の近くにある広々としたマンションに一人で暮らしている。家の中には必要最低限の家具とバスケ用具しかないなど私生活はかなりストイック。氷室と分けたペアリングを通したチェーンを首から提げている。一人暮らしが長いため自炊ができる。 ジュニアスクール時代、日本人であるために周囲から浮いてしまっていたものの、氷室辰也と知り合い、彼に誘われバスケットボールに傾倒していく。それから氷室と実力伯仲の試合を演じ続けていたが、負傷した彼との試合で手を抜いてしまったことで確執を生み、ストバス大会において半ば喧嘩別れした彼と因縁の再会を遂げる。 恵まれた体格と、アメリカのストリートバスケット仕込みの荒々しいプレイスタイル。天性の跳躍力の持ち主で、高い最高到達点と長い滞空時間は空中で姿勢を変えられるほどで、丞成高校との試合ではレーンアップさえ可能としている。しかし全力でのジャンプは体力と脚を激しく消耗するために多用はできない。また左手でのボールハンドリングが拙いことを緑間に指摘され、矯正を開始。キセキの世代と渡り合うために自分のフィールドである「空中戦」での技術を磨きあげていく。 WC本戦を前に単身渡米し、かつての師であるアレックスに再び師事して「野生」を取り戻す。更にはWC本戦第一試合での青峰とのマッチアップで彼と同じ「ゾーン」に入ったうえ、「土壇場で目の前の相手に集中してしまいパスを出せない」という弱点を克服して突破口をこじ開けるなど、強敵とのマッチアップ時に目覚しい成長を遂げていく。
日向順平
バスケットボール部主将。眼鏡をかけた一見地味で温厚な青年だが、本性はかなり毒舌家という二面性の持ち主。口癖は「だアホ」。得意科目は社会(特に日本史)。猫派。 いかなるときも自信を失うことのないバスケットボール部の精神的支柱。挑発的な態度を取る相手に担架を切ることも珍しくない。また前述の通りに「スイッチが入る」と相手選手に対しても容赦のない暴言を吐くが、この状態だと平常時より集中力が著しく向上しクラッチシューターとして機能する。二重人格気味になった理由は、プレッシャーに強くなるために「練習中にシュートを外した数だけお気に入りの戦国武将フィギュアを壊す」という特訓を続けた結果らしい。 リコと伊月とは同じ中学出身で、伊月とともにバスケ部に所属していた。練習を一度も休んだことがなく、相田スポーツジムで自主練を行うなど熱心に打ち込んでいたが、全ての大会で一回戦敗退を喫し、高校進学とともに一旦はバスケを捨てる。しかし携帯の待ち受け画面をレイ・アレンにしていたところを木吉に見られてバスケットボールに誘われ、彼との1on1において「バスケを諦めることを諦めろ」という説得を受け、埋めがたい虚しさを埋めるために一度は捨てたバスケットボールに再び打ち込むこととなる。 中学時代に結果は振るわなかったものの、非常に高い精度とメンタリティを誇るクラッチシューターで、日向の3ポイントで試合の流れが変わることも珍しくない。しかしクイックネスはそれほどではなく、ドリブルも得意ではないためボールをスティールされる局面も目立つ。相田景虎のトレーニングを受け「不可侵のシュート(バリアジャンパー)」を体得した。
伊月俊
冷静沈着なチームの司令塔。突出した才能は持っていないが、「鷲の目」と呼ばれる空間認識能力を持ち、コート全体の状況を把握できる。そのためほとんどのパスが的確で、他のチームの選手も注目している。得意科目は数学。 落ち着いた性格と整った容姿からバスケ部の中では一番の女性人気を獲得しているが、安直なダジャレを好む一面があり、秘蔵のネタ帳をこしらえている姿を見て大抵の女性は去っていく。空気を読まずダジャレを言うためチームメイトに度々うざがられているが本人は改善するつもりがない。中学時代から日向のチームメイトである。
木吉鉄平
「無冠の五将」の一人「鉄心」。誠凛バスケ部を創った男。IH敗戦後の誠凛バスケ部に復帰してくる。 ギャグを正面から受け取ったり、真顔でズレたことを言うなど天然ボケの一面を見せる反面、非常に明晰な思考の持ち主で「いつも何かを企んでいる」、とらえどころのない強かな人物として描かれている。中学時代に友人に自らのコンプレックスである長身を活かすバスケットボールに導いてもらった経緯から、仲間に対しての思いは強く、仲間を傷つける者に対しては自らの危険を顧みず激昂する。不屈の闘志の持ち主で、口癖は「楽しんでこーぜ」。その性質から、紫原からは苦手意識を持たれている。 「無冠の五将」に名を連ねる非常に優秀な選手だが、昨年度のIH都予選決勝トーナメントで、花宮の策略によって膝を負傷。以降、一年以上の治療期間を経て復帰するものの完全に治りきってはおらず、WC以降は治療に専念するために一線から退くことになっている。 非常に優れたセンターだが、実際はポイントガードのパスセンスを持つセンターという異色の選手。手の大きさと強靭な握力によってボールを鷲掴みにして保持することが可能で、相手の出方を見てからボールのリリースのタイミングと方向を変える「後出しの権利」を持ち、WCでは空中のボールを片手で掴む「バイスクロー」を披露した。
小金井慎二
猫のような口元が特徴。非常に明るく元気なお調子者で、苦境でもめげない精神力の持ち主。バスケットボールは高校からだが、中学時代はテニス部に所属していたため、運動能力は高い。非常に器用貧乏で、何でもできるが何もできない。得意技は全範囲(オールレンジ)シュートだが成功率はそこそこ。喋らない水戸部の心情を代弁するシーンが多い。
水戸部凛ノ助
寡黙で温厚な仕事人。心配性のため、いつも周りの人間を気遣っている。小金井と同じ中学出身で、中学からのバスケットボール部出身。得意技はフックシュート。木吉が復帰してからはスタメンではなくなったものの、小金井とともに黒子・火神との交代要員として出場している。
土田聡史
糸目が特徴。スタメンではないため二年の中では出番が少ない。得意技はリバウンド。誠凛バスケ部唯一の彼女持ち。
相田リコ
生徒会副会長にして男子バスケットボール部監督。メンバーからは「カントク」と呼ばれる。 実父の経営する「相田スポーツジム」の一人娘。幼い頃からスポーツ選手のデータや肉体に親しんできたため、選手の体格を視認するだけで身体能力や詳細なデータを分析することができる。マネージャーも兼務しており、作戦立案からスケジュール管理、トレーニングメニューの作成などを一手に引き受けている。 伊月と日向と同じ中学出身。高校入学当初、帝光中やそのOBとの圧倒的力量差の前に挫折した日向に幻滅したことから、木吉のスカウトを拒否していたが、屋上からの木吉たち、そして心を入れ替えた日向の宣誓を聞いてバスケ部へ加わる。 バストサイズは桃井曰く「ギリギリB」。本人もその小ささを非常に気にしており、巨乳やそれに目が釣られる男を敵視している。 頭脳明晰で、中間テストでは2年生305人中2位。料理が壊滅的に下手であり、のちに火神の指導によってまあまあ食べられるレベルには進歩するものの、サプリメントなどを同時に盛り付けるため最終的な味が壊滅的なのは変わらない。
緑間真太郎
「キセキの世代」No.1シューター。眼鏡をかけた理知的な風貌の青年で、語尾に「~なのだよ」とつけるのが特徴。左利き。 プライドが非常に高く理性的な男だが、裏腹に「人事を尽くして天命を待つ」を座右の銘とする運命論者である。「おは朝」と呼ばれるテレビ番組の占いに傾倒しており、必ずその日のラッキーアイテムを買って常にそばに置くなど徹底した変わり者。裸眼ではライオンの置物と人の区別がつかないほど目が悪い。黒子と性格の相性は悪いものの、身体能力に恵まれないながら帝光のレギュラーであり続けた彼を評価している。他、自分が認めたライバルである火神や黄瀬などにエールやアドバイスを送るなど、素直ではないが義理堅い一面を覗かせることも。 自陣ゴール下からでもフォームを崩されない限り100%命中する「超長距離(スーパーロングレンジ)3Pシュート」が唯一にして最強の武器。当然ながらそれ以外の力量も高く、オフェンス・ディフェンスともに高水準のプレイヤー。当初は自分だけを信じたスタンドプレーを貫いていたが、黒子と火神を中心とした誠凛のチームプレイの前に惜敗。その後、基礎体力の強化により大幅に弾数が増加したことに加え、その3ポイントのプレッシャーを活かして自分に引き付けてから仲間にパスを回すなど、勝利とリベンジに対する執念からチームプレイを行うようになる。WC予選における誠凛との試合から、試合中の苦境においても笑顔を見せるようになった。
高尾和成
1年生にして王者・秀徳のレギュラーを努める若き司令塔。 緑間とよく行動を共にしており、彼の奇行を面白おかしく眺めなる傍ら心情を良く理解している良き相棒であり、「真ちゃん」と呼ぶ。コミュニケーション能力に長け、誰とでもすぐに仲良くなれるお調子者。込み入った事情は持ち込まずにバスケットボールを楽しんでいる人間でもある。緑間とともに誠凛の試合を観戦するうちに彼らに興味を持った。 伊月の更に上を行く広い視野「鷹の眼」を持ち、ミスディレクションを無効化する黒子の天敵。その視野を活かした的確な状況判断やパスワークで誠凛を苦しめる。
大坪泰介
バスケットボール部主将。東京屈指の大型センター。その巨体を生かしたダンクシュートが得意で、秀徳の攻撃の要。緑間の言動に怒りを見せる時もあるが、緑間の実力は認めている。
青峰大輝
「キセキの世代」のエース。色黒の恵まれた体格の持ち主。帝光中学時代の黒子の相棒で、未だに彼のことを愛称の「テツ」で呼ぶ。 非常に傲慢な自信家で、「オレに勝てるのはオレだけ」と豪語する。それらは確たる実力に裏打ちされたもので、チーム内の誰も寄せ付けない圧倒的な得点数を記録しながら練習を一切せず、惰性でバスケットボールをやっている節があり、試合を無断でサボることも珍しくない。たとえ年長の先輩に対してだろうと敬う態度を見せることはなく、気に入らないことがあれば暴力に訴えることもある。 黒子のかつての光であるためか現在の光としてプレーしている火神を意識し、「お前の光は淡すぎる」と彼の実力に辛辣な評価を下した。だがWC本戦第一試合で自分と互角の勝負を演じた火神に対しては「最高だ」と評価を改め、彼らに惜敗した後はわずかながらバスケットボールへの情熱を取り戻す。敗戦の翌日にシュートを教えて欲しいと申し出てきた黒子に対し、戸惑いながらもそれを受諾し練習に付き合うと、「負けんなよ」と激励の言葉を送った。 幼い頃からバスケに接してきた生粋のプレイヤーで、幼馴染の桃井から「バスケバカ」と呼ばれていたほど。特に中学時代に黒子に説いた「チームに不要な奴なんていない」という考えは現在の黒子に強い影響を与えていた。しかし元から突出したプレイヤーだったが次第にその才能の凄まじさが周囲との実力差を産んでしまい練習を忌避するようになり、黒子の説得を受けて一度は全力でプレーするものの、相手校がやる気を失っていることに気づいてしまい絶望する。以降、「オレに勝てるのはオレだけ」という信条に行き付き、自分と対等以上に戦える強者を探しながらも見つけることができない鬱屈した日々を送っていた。 IH決勝リーグ初戦において、第2Q終了間際から参戦。練習をしていないのにも関わらず火神をはじめとした誠凛メンバーを圧倒し、黒子のパスも完全に封じ込んでダブルスコアでの圧勝を記録する。楽しめることはなかったものの、最後まで諦めるのことのなかった黒子を馬鹿にした先輩に対して激昂を露わにするなどの一面を見せた。IH準々決勝では自分の動きを「模倣(コピー)」した黄瀬との接戦を演じるが辛勝、しかしその試合で肘を痛めたため、海常戦がIHにおける青峰の最後の試合となった。WC本戦第一試合では、死力を尽くしてぶつかってくる誠凛の新技を全て封じ込むものの、最終盤での火神との競り合いに敗北し、一点差で惜敗した。 天性のスピードと、ストバス仕込みの類まれなるボールハンドリング、ドリブルしながらでも全速力の火神を寄せ付けない敏捷性、一瞬での連続フェイクを入れたり相手のフェイクを完全に見切る反射神経、どんなフォームであろうとディフェンスをかいくぐりシュートを決める技術など、プレイヤーに望まれる多くのものを体得しているバスケットボール選手として究極の域にある天才。更に理想とされるフォームとかけ離れた「型のないバスケスタイル」は誰であろうと予測することができないため、「DF不可能の点取り屋(アンストッパブルスコアラー)」と呼ばれている。火神と同種のプレイヤーと称される通り彼の持つものと同じ「野生」、更に自分の意思で「ゾーン」に入れるなど、作中でも圧倒的な存在として描かれている。
桃井さつき
帝光中時代からマネージャーを務める「キセキの世代」と同期の女生徒。黒子に好意を抱いている、自称「テツ君の彼女」。 容姿端麗且つ、バスト91cmのFカップの持ち主。人懐っこく賑やかな性格で、選手でないためか帝光時代の理念には染まっておらず、現在のキセキの世代に対しての考え方は黒子と近いものを持っている。青峰とは幼馴染で家族のように接しており、彼のことを放っておけなかったために桐皇へ進学した。青峰が敗北によってかつてのように立ち戻ってくることを期待していると同時、敗北がありえないほど強くなっている姿に複雑な感情を抱いている。 情報収集能力と、選手の特性を見極める能力に長けている参謀役としてキセキの世代の躍進に一役買っていた縁の下の力持ち。相手選手の成長傾向まで分析して対抗策を練るため、相手の策を事前に封殺してしまう。 リコとは同じような立ち位置にいるためか強い対抗意識を持っており、料理が苦手という点も相似している。中学時代の仲間を「テツ君」や「ミドリン」、火神のことを「かがみん」などの独自の愛称で呼ぶ。
最終更新:2012年07月28日 19:35