いざなみ
CV:粕谷雄太(ガソリンスタンドの店員)、朴璐美(ゲーム版) / 水島大宙(ガソリンスタンドの店員)、米本千珠(テレビアニメ版)

公式

本作における「真のラスボス」であり、全ての元凶。

外見はテルテル坊主のような服装にクセの強い長髪。
テレビの世界の管理者たるアメノサギリクニノサギリは、いずれも彼女から分かたれた「仮の姿」である。(なおP4Gで新たに登場した「クスミノオオカミ」も同様の設定)

稲羽市の外から来た足立透生田目太郎主人公マヨナカテレビに誘う。
それぞれ虚無・絶望・希望の役を演じられる素養(何かを芽吹かせる可能性)を持った外来者に力を与えている。
主人公の前にやって来た花村が力を与えられなかったのは、それらの役割の素養が無かったか、またはイザナミが行動する前だったか、ガソリンスタンドに立ち寄らず彼女と関わる機会がそもそも無かったなどが考えられる。
はっきり判明しているのは、足立・生田目・主人公の3人にきっかけ(テレビに入る力)を与えたことと、マヨナカテレビを作り出したことの2点である。
3人について付け加えるなら、足立と生田目にはそれぞれサギリを潜ませ、主人公の特別な適性(ペルソナ能力)を目覚めさせている事くらいだろう。

稲羽市中央通り南側入り口にあるガソリンスタンドの店員になりすまし、一貫して事態の傍観に徹していた。
しかし、足立および彼と同調したアメノサギリが敗北した後黒幕であることを主人公に見破られてしまい、本性を現す。
その際「あの場所で待っている」という宣戦布告と共に姿を消し、テレビの世界に新たに形作られたダンジョン「黄泉比良坂」の最深部にて自称特別捜査隊を待ち構えている。
正体を現すと声がと同様にノイズがかったものになるがシャドウではない(P4Gプレミアムファンブックより)。

3人の中では主人公だけが彼女の正体に気づきテレビに入る力についても知ることが出来たが、他の2人は(展開の都合上仕方ないとはいえ)それは叶わなかった。

上記のような行動をとったのは、彼女曰く「人の望みを見極める為」らしく、最終的に彼女は人の望みを「嘘や虚飾に目隠しされることを幸福と感じる世界=霧に包まれた世界」だと判断する。

戦闘時の第一形態は白い拘束具を身に纏った姿で登場。
この姿は虚像であるらしく、HPを0にしても倒す事は不可能だがイゴールより託された見晴らしの珠により真の姿を現す。
真の姿である黄泉の禍津神「伊邪那美大神」は、無数の腕を携えた赤い骸骨という禍々しい風貌をしている。
神話よろしく無数の雷を従え、「幾千の呪言」を使い主人公達を追い詰めるが絆の力により復活した主人公に覚醒したペルソナ・伊邪那岐大神のスキル「幾万の真言」を受け敗北。
人間の可能性を認め、「見事」の一言を残し集合的無意識の中へと戻っていった。

ペルソナ4 ザ・ゴールデンにおいては、撃破後にマリーの口からイザナミの正体が明かされ、それによるとイザナミは元々八十稲羽の土地神イザナミノミコトから分化して発生した存在とされる。
見晴らしの珠を受け取る際のマリーの話とも統合すると、そもそもイザナミノミコトの中核を成す神格はマリー(クスミノオオカミ)であり、「人々が共有する無意識の"願い"」が具現化した存在であったイザナミノミコトであるが、時が進むにつれて人々は辛い真実から眼を背けるようになってしまい、それとともに意識の集合体である彼女の中の「人の願いを叶えたい」という部分が肥大化していき、遂には本体である「人を守りたい」という念を上回るほどになってしまう。
そして、巨大化・独立した「人の願いを叶えたい」部分がイザナミノミコトから神格を分割されてイザナミとなって、その際に力の大部分を奪って主導権を握り辛い真実から目を背けたいという願いを叶えようと暴走、更には力を失った本体の記憶を封じ込めてクスミノオオカミへと貶めたのである。

元々が土地神という限定地域及び心の世界でのみ権能を使える存在である為、神としての格は前作ペルソナ3のボスであるニュクスには劣り、ニュクス・アバターやエレボスほどでしかない。
しかしそれは稲羽市という主人公たちの町を滅ぼすには十分で、自分たちの暮らす町と大切な人を守るために真実を追い求めた主人公たちの最後の敵として立ちはだかった。
なお、幾万の真言を受けたイザナミは消滅した訳ではなく、集合的無意識の中へと退いて主人公たちが今後どのような未来を進むのかを見届けるようになっただけである。
元々彼女は人々の願いを叶えようとしただけで、彼女が人々の願いだと思っていたものは実際に人々が無意識の内に考えていたものだった。
それは本当の願いではないという主人公たちの否定が「幾万の真言」であり、その具体的な解決法は未だ見出せていないにしろ、主人公の強い想いに人の可能性を感じたイザナミは一先ず行く末を見守ることにしたのである。
これは過去作ペルソナ2の黒幕であるニャルラトホテプが主人公たちの強い想いを認めつつ「一部の特別な人間だけが至れる真実では何も変えられない」と一蹴した行為とは対となるものであり、イザナミがあくまで「名もなき人々のため」になろうと行動していることを示している。
故に、再び真実を覆い隠したいという人々の願いが高まれば、彼女はその願いに応えて復活する可能性もある。
ただし、P4Gでは本体であるマリーにアメノサギリ・クニノサギリとともに吸収され、イザナミノミコトに「戻った」ようである。

ちなみにデザインについて、副島氏は「本作の一応の決着が着いた後の敵なので、それまでのボスとはデザインのコンセプトが異なる。」と述べている。

神話

伊邪那美。
名前は「イザナ」は「誘う(いざなう)」の語幹、「ミ」は女性を表す語

カミノヨナナヨ(神世七代)の一柱で、イザナギとは兄妹であり夫婦でもある。
彼と共に日本の国を創成した地母神。

しかし火の神ヒノカグツチを生んだ際に火傷を負い、その傷が元で命を落とすことになる。
彼女とイザナギにまつわる神話のエピソードの詳細は修学旅行イベントにおいて月光館学園に赴いた際、保険医・江戸川の特別授業の中で聞くことが出来る。


非公式

存在がネタバレになってしまうせいか、P4Gを含めスタッフロール及び声の出演に名前が載っておらずゲーム版のCVは他の媒体でも未だに公開されていない。
また真のラスボスがガソリンスタンドの店員に化けているというシュールな光景やインパクトのある初台詞など全ての元凶にしては憎めない点が多く、そのせいか一部のプレイヤーから「ナミさん」とあだ名を付けられたりと人気は割と高い。しかし最終的には完全に退場したも同然であり、P4Gで新たに登場したマリーの存在もあってか本編以外の作品には全く出ていない。
ゲーム版のCVについてはネット上では声質が似ている事から直斗と同じ朴璐美女史が担当したとされているが、あくまでも非公式の情報である。

西谷史氏の「デジタル・デビル・ストーリー」のヒロイン・白鷺弓子はイザナミが現世に転生した姿。それ故に副題「女神転生」となるのである(後に「女神転生」という副題はメガテンシリーズのタイトルともなるが、「真・女神転生」では「女神転生」は大破壊でヒーローを金剛神界に送りそれを庇う形で死亡したヒロインが転生し、主人公のパートナーとして大破壊後の時代を共に歩む事の意味になっている)。
弓子はイザナミ神の転生という設定の為、「デジタル・デビル物語 女神転生」においてはCOMPが使えるが魔法を使えない主人公・中島朱実の代わりに魔法を使い、中島をサポートしてくれる。
こうした主人公とパートナーの相互関係は後のシリーズまで伝統と化した。

また、原作小説版では弓子に憑依した上で、夢魔に惑わされ群衆を殺害した挙句、弓子にも斬りかかった中島を殺害するという苛烈な一面も持つ。

  • デジタル・デビル物語 女神転生
大魔王ルシファーにより仮面を着けられ、大魔宮の後半に広がる「炎の腐海」の片隅にある玄室に幽閉されている。
「しず玉」「あら玉」「ふる玉」を仮面に正しくはめ込むとイザナミの仮面が外れ、「イザナミの衣」が貰える。

  • デジタル・デビル物語 女神転生II
魔界の一角「狂いの原」を支配する魔王ベリアルにより殺され、魂だけの存在になっている。
ただし、モロクの神殿で手に入れた、死せる神をも蘇らせる「反魂香」を使えば、イザナミを蘇生させることが出来る。
復活したイザナミは後にアドンの塔から祭壇に飛ばしてくれ、そこからルシファー城まで送ってくれる。
余談だが反魂香でイザナミを生き返らせる事はストーリー上必須ではないので、生き返らせなかった場合は、イザナミが担う役は全てイザナギが担当する事となる。

  • 真・女神転生II
エキストラダンジョン・金剛神界にて登場する。
姿こそは見せないが、主人公達を全回復してくれる。

  • ペルソナ2罪&ペルソナ2罰
PRIESTESSイザナミとして登場。廃工場(防空壕)にてエンカウントし、倒すとマテリアルカード「黄泉の険路」を落とす。
貴重な「慈愛の祈り」を使えるペルソナ(合体魔法「マハ○○カジャ」を使う為に必須)なので役立つ。
また、PSP版「PERSONA2罰」のアディショナルシナリオ「無影無綜」では、宮代詩織を救う為訪れる事となる「カダスマンダラ」の中でも遭遇する事となる。


余談であるが、日本神話の神に付けられる神号の格としてはオオカミ(大神)>ミコト(命・尊)である。
大神は神々の中でも特に偉大なものに奉られる尊称であり、命・尊は特定の役割を与えられた神格に対する称号である。
神号まで含めて区別するなら、イザナミノオオカミとは「日本という国とそこにおわす全ての神々の偉大なる母」としてのイザナミの名であり、イザナミノミコトとは「国産みおよび神産みの使命を与えられた女神」としてのイザナミの名と言える。
これに沿うとしたならば暴走した分霊体の方が本来の存在よりも格上になるのだが、あくまで自称であることを考えると暴走と共に肥大したイザナミの自意識が、ミコトとしての役割を超えて人の行く末すら左右する「大神」を名乗らせたのかもしれない。

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最終更新:2024年04月10日 23:50