二年、秋、初めての学校祭――if

豊音「ここだよ。さっき歩いてる時に見かけたんだ」

京太郎「休憩所?」

豊音「疲れたんだったら、いいかなって」

京太郎「それはいいんだけど……」


京太郎(なんでこの部屋、こんなカーテンで見えなくしてんの?)

京太郎(まさか……休憩所って書いてヤリ部屋とか読むわけじゃないよな?)


豊音「仮眠をとりたい人用にベッドもあるって!」

京太郎「マジか……アウト気味だな」

豊音「ほら、入ろ?」グイッ

京太郎「ちょっ」



京太郎「……」

豊音「なんか、薄暗いね」

京太郎「……」

豊音「それに、なんか変な声も……」

京太郎「……」

豊音「みんな風邪ひきさんなのかな?」


京太郎(……あかん、予想が的中したっぽい)

京太郎(しかもこの甘ったるい匂い……体が熱くなりそうだ)


「ご利用はお二人さまで?」

豊音「あ、はい――」

京太郎「悪い、やっぱやめとくわ」

豊音「え、お休みしなくていいの?」

京太郎「多分、全然休まらなさそうだしな」

豊音「?」

京太郎「ほら、行くぞ」グイッ

豊音「わっ」



京太郎「危ないところだった……ああいうのって都市伝説じゃなかったんだな」

豊音「あそこ、危ないとこだったのかな?」

京太郎「まぁ、怪我する危険とはまた別の意味でな」

豊音「ふーん?」

京太郎「とりあえず別のとこ行こうぜ。休むならベンチでもできるんだし」

豊音「うん……でも、ちょっとベッドで横になりたいかなーって」

京太郎「具合悪いのか?」

豊音「えっとね、ちょっと体が熱くて頭がボーッとして、それにお腹の下がなんか……」

京太郎「えっ」


京太郎(お腹の下ってなに、なんなのよ)

京太郎(まさかさっきの部屋の……)

京太郎(そういえば、俺もなんか体が……)


豊音「ね、ねぇ、京太郎くん?」

京太郎「な、なんだ?」

豊音「どこか人のいない場所、知らない?」



豊音「わぁ、ちょー薄暗いよー」

京太郎「この用具室なら今はあまり人も来ないし、マットを敷けばベッドの代わりにもなるだろ」

豊音「じゃあ、早速……えいっ」

京太郎「――むぐっ」

豊音「ぷはっ……ちゅーってすごいよ」

京太郎「い、いきなりだな……」

豊音「ごめんね、もう我慢できないんだ。京太郎くんのこと見てるとドキドキして、体がムズムズしちゃうの」

京太郎「こんにゃろっ」ガバッ

豊音「きゃっ」

京太郎「そんなの俺も同じだっての。人のいない場所に行きたいとか言いやがって」

豊音「あはは、両想いだね……いいよ」


豊音「好きに、して……?」


京太郎「言われなくても」



豊音「……こうやって抱っこされるの、好きだな」

京太郎「言えばいつでもしてやるぞ」

豊音「うん……ね、京太郎くん?」

京太郎「なんだ?」

豊音「ちょーすごかったね」

京太郎「……思い出したらまた……」ムクムク

豊音「……もしかして、もう一回したいのかな?」

京太郎「ダメか?」

豊音「ううん、いいよ」


豊音「私もまたムズムズしてきちゃった」


京太郎「じゃあ、お言葉に甘えて――」

豊音「――ぁん」



豊音「ところで、あの休憩所ってなにが危なかったのかな?」

京太郎「ああ……説明するのはあれだけど、今更隠すこともないか」

豊音「ちょー気になるよー」

京太郎「じゃあちょっと耳貸して」


豊音「わっ、わわわわわわわっ」ボンッ

京太郎「以上が一般的な意味でない休憩所の概要です」

豊音「わ、私そんなところに京太郎くんを連れ込もうとしてたなんて……」カァァ

京太郎「うん、どっからどう見てもえっちな女の子だな」

豊音「ご、誤解だよー!」




つづ……かない
最終更新:2015年12月05日 19:19