三月十五日、好みのタイプは?

宥「クロちゃん、誕生日おめでとう」

玄「これで私も大人に一歩近づいたのです」ウンウン

灼「まだメンバーが出揃ってないのに気が早……」

宥「穏乃ちゃんたち遅いね」

玄「それまでこのおもちみたいなプリンもお預け……」

灼「これ、だれ用意したの?」

玄「もちろん私なのです」

灼「……聞くまでもなかった」

玄「その間は……お姉ちゃんのおもちでっ!」

宥「きゃっ」

灼「やめい」ピシッ

玄「あうっ」


玄「ねえねえ……ちょっとお話しようよ」

灼「さっきからしてる」

玄「そうだけど……ほら、なにか特別なこととか」

灼「誕生日おめでとう」

玄「さっき気が早いって言ってたよね!?」

宥「うーん、クロちゃんは話したい話題とかあるの?」

玄「それは……そうだっ」


玄「恋バナとか!」


灼「……」

宥「えっと……」

玄「え、どうしたの? 反応が微妙だけど」

灼「だって……だれか好きな人とかいるの?」

玄「特には、いないかなぁ?」

宥「私も」

灼「ほら、こうなった」

玄「あぅ……あっ、好みのタイプとかはどうかなっ?」

宥「好みのタイプ?」

玄「お姉ちゃんは?」

宥「やっぱり、あったかい人かな」

灼「正直この答えはわかりきってた」

玄「もっとほら……具体的にどうぞ」

宥「うーん、よくわかんないや」

玄「それなら、灼ちゃんは?」

灼「ハルちゃんみたいに背が高くて麻雀が強い人」

宥「わっ、即答」

灼「じゃあ、玄は?」

玄「私っ!?」

灼「当たり前、言いだしっぺなんだから」

宥「うんうん」

玄「お、お姉ちゃんまで……じゃあね」


玄「うーん、どっちかって言うと背の高い人がいいんかな」

玄「それと、優しくて一緒になにかしてくれる人だと嬉しいのです」

玄「あとは……やっぱり趣味が共有できたらいいかなって」


灼「……」

宥「……」

玄「は、恥ずかしいよぉ……」

灼「意外に具体的……」

宥「クロちゃんかわいい」クスッ

玄「もうっ、この話はやめるのです!」

灼「あ、そういえば……」

宥「どうかした?」

灼「玄の好み、合う人いるかも」

玄「だから――」


灼「須賀京太郎」


玄「ふぇ?」


灼「身長あるし、ほとんど赤の他人におせっかい焼く程度には優しいと思……」

灼「それになにより……」チラッ


宥「私?」


灼「大きいのが好きみたいだし」


宥「京太郎くんかぁ……あったかい人だよね」

灼「で、玄的にはどう?」

玄「そ、そんなっ……でも胸触られたし私も触っちゃったし……」カァァ

宥「わ、顔真っ赤」


玄「……きゅ~」パタッ


灼「あ、オーバーヒートした」
最終更新:2015年06月01日 00:24