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*燎原の火-サンプル- 本日の来客数&counter(today) 昨日の来客数&counter(yesterday) 来客数合計&counter() ---- #image(http://www26.atwiki.jp/kyuutei/?cmd=upload&act=open&page=%E7%99%BA%E8%A1%8C%E7%89%A9&file=%E4%B9%9D%E9%BC%8E%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC%E6%9C%AC%E6%96%87P018%E8%A6%8B%E6%9C%AC.jpg,width=400,http://www26.atwiki.jp/kyuutei/?cmd=upload&act=open&page=%E7%99%BA%E8%A1%8C%E7%89%A9&file=%E4%B9%9D%E9%BC%8E%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC%E6%9C%AC%E6%96%87P018%E8%A6%8B%E6%9C%AC.jpg,blank) ※印刷時のイメージです 一九四年夏、曹操は徐州の民十数万を虐殺した。 兗州に動揺が走り、張邈も揺れた。 曹操の親友だなどと言われているが、そんなものは周りが勝手に言っているだけだ。自分は少し目をかけられているに過ぎない、ただの部将である。 曹操は、兗州を手にするために劉岱と鮑信を殺したと言われている。どちらも青州黄巾と戦って死んだのであって、下らない噂だ。 だが、曹操の底知れなさと、異質さ。それを間近で見せられてきた張邈は、その噂が心に引っかかり続けている。 怖い。裏切ることも、出奔することも出来ない。地の果てまで追い詰められて、無残な殺され方をされるに決まっている。 だからこの時、張邈は陳留を固めて反乱に備えた。忠義を尽くす限り、自分の命は保障されると思ったからだ。 「陳宮、城の防備はどうなっている」 城壁に登り、陳宮にたずねた。兗州で一斉に蜂起が起きたという報告を受けていた。同調しないとなれば、城外は叛徒で満ち溢れるだろう。 「万全です。これなら、いつ攻められても守りきれます」 「ならば良い」 「今頃、鄄城では大騒ぎでしょう」 「流石に、鄄城が背くことはあるまい。曹操殿の根拠地であるし。なにより、あの荀彧が守っている。我々はここ、陳留を守ることに腐心すればいい」  陳宮は地平線をまっすぐに見つめている。どこか毅然とした風であり、張邈は気圧されるような気分になった。 「張邈殿は」 「ん」 「この檄文をご覧になりましたか」 「檄文だと」  そう言って陳宮は懐から絹を巻いたものを取り出し、張邈はそれを受け取った。鼻で笑いながら読んでいたが、最後に書かれた名を見て目を疑った。あるはずのない名。張邈。自分の名がそこにある。  血の気が一気に引いた。膝が震え、歯がかちかちと音を立てている。 「ど、どういうことだ」 「見ての通りです。この反乱は張邈殿の名の下に起こったものなのですよ」 「陳宮。貴様、まさか」 「今。ここで私の首を取られても無駄なことです。どう言い訳しても、貴方は曹操に殺される。いや、その前に逆上した叛徒に殺されるかもしれませんな」 「…」 「貴方の生き残る道は唯一つ。殺される前に、曹操を殺すことです。お分かりでしょう」  張邈は、崩れ落ちた。 #right(){&font(){-&link_up()}} ---- いつかこれ書き直したいです 文体が前のままなので #right(){&font(){-&link_up()}} ----
*燎原の火-サンプル- 本日の来客数&counter(today) 昨日の来客数&counter(yesterday) 来客数合計&counter() ---- #image(http://www26.atwiki.jp/kyuutei/?cmd=upload&act=open&page=%E7%99%BA%E8%A1%8C%E7%89%A9&file=%E4%B9%9D%E9%BC%8E%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC%E6%9C%AC%E6%96%87P018%E8%A6%8B%E6%9C%AC.jpg,width=400,http://www26.atwiki.jp/kyuutei/?cmd=upload&act=open&page=%E7%99%BA%E8%A1%8C%E7%89%A9&file=%E4%B9%9D%E9%BC%8E%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC%E6%9C%AC%E6%96%87P018%E8%A6%8B%E6%9C%AC.jpg,blank) ※印刷時のイメージです 一九四年夏、曹操は徐州の民十数万を虐殺した。 兗州に動揺が走り、張邈も揺れた。 曹操の親友だなどと言われているが、そんなものは周りが勝手に言っているだけだ。自分は少し目をかけられているに過ぎない、ただの部将である。 曹操は、兗州を手にするために劉岱と鮑信を殺したと言われている。どちらも青州黄巾と戦って死んだのであって、下らない噂だ。 だが、曹操の底知れなさと、異質さ。それを間近で見せられてきた張邈は、その噂が心に引っかかり続けている。 怖い。裏切ることも、出奔することも出来ない。地の果てまで追い詰められて、無残な殺され方をされるに決まっている。 だからこの時、張邈は陳留を固めて反乱に備えた。忠義を尽くす限り、自分の命は保障されると思ったからだ。 「陳宮、城の防備はどうなっている」 城壁に登り、陳宮にたずねた。兗州で一斉に蜂起が起きたという報告を受けていた。同調しないとなれば、城外は叛徒で満ち溢れるだろう。 「万全です。これなら、いつ攻められても守りきれます」 「ならば良い」 「今頃、鄄城では大騒ぎでしょう」 「流石に、鄄城が背くことはあるまい。曹操殿の根拠地であるし。なにより、あの荀彧が守っている。我々はここ、陳留を守ることに腐心すればいい」  陳宮は地平線をまっすぐに見つめている。どこか毅然とした風であり、張邈は気圧されるような気分になった。 「張邈殿は」 「ん」 「この檄文をご覧になりましたか」 「檄文だと」  そう言って陳宮は懐から絹を巻いたものを取り出し、張邈はそれを受け取った。鼻で笑いながら読んでいたが、最後に書かれた名を見て目を疑った。あるはずのない名。張邈。自分の名がそこにある。  血の気が一気に引いた。膝が震え、歯がかちかちと音を立てている。 「ど、どういうことだ」 「見ての通りです。この反乱は張邈殿の名の下に起こったものなのですよ」 「陳宮。貴様、まさか」 「今。ここで私の首を取られても無駄なことです。どう言い訳しても、貴方は曹操に殺される。いや、その前に逆上した叛徒に殺されるかもしれませんな」 「…」 「貴方の生き残る道は唯一つ。殺される前に、曹操を殺すことです。お分かりでしょう」  張邈は、崩れ落ちた。 #right(){&font(){-&link_up()}} ---- #right(){&font(){-&link_up()}} ----

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