【上田明也の探偵倶楽部】
昼下がり、君へのプレゼントを買いに出かけると、冬の風が虚しい速度で頬をかすめていった。
俺はそれに縋り付くことも出来ずに唯々惚けてしまったかのように頬を触り、その感触を思い出すだけだった。
空を見上げると太陽は白く輝いていて自分のようなプー太郎には少々眩しく感じられたのだ。
「こんにちわ、俺の名前は上田明也。今日は前から気になっていた雑貨屋に寄ろうと思っていたんだ。」
そんな風に呟いていないとこのプー太郎は実際やっていられなかったのさ。
ちょっと古い建物。
目当ての雑貨屋に辿り着いた俺は当たり前のように扉を開いた。
俺はそれに縋り付くことも出来ずに唯々惚けてしまったかのように頬を触り、その感触を思い出すだけだった。
空を見上げると太陽は白く輝いていて自分のようなプー太郎には少々眩しく感じられたのだ。
「こんにちわ、俺の名前は上田明也。今日は前から気になっていた雑貨屋に寄ろうと思っていたんだ。」
そんな風に呟いていないとこのプー太郎は実際やっていられなかったのさ。
ちょっと古い建物。
目当ての雑貨屋に辿り着いた俺は当たり前のように扉を開いた。
【上田明也の探偵倶楽部7~間違い探しのペアルック~】
そう、その時丁度俺は赤い部屋にインテリアを飾る為に家具を少しばかり買いに来ていたんだ。
茜さんは殺風景な部屋の方が好みだと言い張っていたが俺が何か好きな動物がないか聞くと
「………ウサギ」
と小さく呟いていたのでウサギの置物を買うことにしたのだ。
「ウサギが好きなのか、意外と子供っぽいなあ」
と言うと彼女はうつぶせになって床をドスドスと叩いていた。
茜さんは殺風景な部屋の方が好みだと言い張っていたが俺が何か好きな動物がないか聞くと
「………ウサギ」
と小さく呟いていたのでウサギの置物を買うことにしたのだ。
「ウサギが好きなのか、意外と子供っぽいなあ」
と言うと彼女はうつぶせになって床をドスドスと叩いていた。
まあ良い。
そんな話はほほえましいのだがどうでも良い。
そんな話はほほえましいのだがどうでも良い。
それよりもだ。
雑貨店に入った俺を出迎えた人間、否、都市伝説の方が問題だったのだ。
雑貨店に入った俺を出迎えた人間、否、都市伝説の方が問題だったのだ。
「いらっしゃい………!」
「っあ!」
目と目が合ってしまった。
そこには俺が以前戦った吸血鬼の都市伝説が居たのだ。
彼の契約者は厨二病全開だったのだが俺がノリノリで合わせていたらわりと喜んでいてくれた記憶がある。
そう、カンタレラだったかな?
俺のような男にはピッタリだ。
店内に流れる気まずい空気。
「済まないが、ウサギの置物は無いかな?」
ええい、こうなったら仕方がない。
徹底的に知らない振りしてやる。
「……ああ、それならそっちの奥の方に有ったかもしれませんなあ。」
「それはそれはアリガトウゴザイマス。ところでお爺さん?」
「なんじゃろうか?」
「俺達会ったことあるような気がしたんですけどそんなこと全くないですよね。」
「はっはっは、妙な事を言うお客さんじゃのう。そんなこと有るわけがない。」
「ですよねー……。」
「っあ!」
目と目が合ってしまった。
そこには俺が以前戦った吸血鬼の都市伝説が居たのだ。
彼の契約者は厨二病全開だったのだが俺がノリノリで合わせていたらわりと喜んでいてくれた記憶がある。
そう、カンタレラだったかな?
俺のような男にはピッタリだ。
店内に流れる気まずい空気。
「済まないが、ウサギの置物は無いかな?」
ええい、こうなったら仕方がない。
徹底的に知らない振りしてやる。
「……ああ、それならそっちの奥の方に有ったかもしれませんなあ。」
「それはそれはアリガトウゴザイマス。ところでお爺さん?」
「なんじゃろうか?」
「俺達会ったことあるような気がしたんですけどそんなこと全くないですよね。」
「はっはっは、妙な事を言うお客さんじゃのう。そんなこと有るわけがない。」
「ですよねー……。」
それだけ会話すると店内のウサギコーナーを適当に漁る。
ウサギのランプ
ウサギの皿
ウサギの燭台
ウサギの食器棚
ウサギのナイフ
ウサギのフォーク
よくまあここまでそろえたものである。
ウサギのランプ
ウサギの皿
ウサギの燭台
ウサギの食器棚
ウサギのナイフ
ウサギのフォーク
よくまあここまでそろえたものである。
その中で、一つ妙な物を見つけた。
「お爺さーん、コレなんですか?」
モフモフの毛玉だ。
モフモフの毛玉がキーホルダーに加工されている。
「ああ、それは……、あれ?それはなんじゃろう?」
「え?」
「いや、見覚えが無くてのう……、それ。」
「じゃあコレを貰っていくことにするよ。」
「訳の解らないものを?」
「俺が直感で良い物だと思った。だから買っていく。」
「ずいぶん酷い判断をするものじゃ。」
「間違ってても悪くて死ぬだけさ。」
「やれやれ……。お代は、どうしようかのう。」
「とりあえず一万円でお願いします。二つで二万円。」
「只のキーホルダーかもしれないのにかい?」
「でも一万円で買えばどんな物でも一万円のキーホルダー。」
「………まったくもって度し難い。」
呆れた様子の吸血鬼を尻目に俺は鼻歌混じりで店を出た。
【上田明也の探偵倶楽部7~間違い探しのペアルック~】
モフモフの毛玉だ。
モフモフの毛玉がキーホルダーに加工されている。
「ああ、それは……、あれ?それはなんじゃろう?」
「え?」
「いや、見覚えが無くてのう……、それ。」
「じゃあコレを貰っていくことにするよ。」
「訳の解らないものを?」
「俺が直感で良い物だと思った。だから買っていく。」
「ずいぶん酷い判断をするものじゃ。」
「間違ってても悪くて死ぬだけさ。」
「やれやれ……。お代は、どうしようかのう。」
「とりあえず一万円でお願いします。二つで二万円。」
「只のキーホルダーかもしれないのにかい?」
「でも一万円で買えばどんな物でも一万円のキーホルダー。」
「………まったくもって度し難い。」
呆れた様子の吸血鬼を尻目に俺は鼻歌混じりで店を出た。
【上田明也の探偵倶楽部7~間違い探しのペアルック~】
「とまあそういう事情で買ってきたんだ。やる。」
茜さんにキーホルダーを投げつける。
「……それってウサギの尻尾じゃない?」
冷静に突っ込む茜さん。
恐らく俺にはどっちでも良いのだろう。
「眠い。」
「ここに家具なんて無いわ。」
「じゃあそこで寝させろ。」
茜さんの膝を指さす。
「え……、いや床で寝なさいよ。常識的に考えて。」
「良いだろう?キーホルダー買ってきてあげたんだからそれ位親切をしたって……。」
【上田明也の探偵倶楽部 続】
茜さんにキーホルダーを投げつける。
「……それってウサギの尻尾じゃない?」
冷静に突っ込む茜さん。
恐らく俺にはどっちでも良いのだろう。
「眠い。」
「ここに家具なんて無いわ。」
「じゃあそこで寝させろ。」
茜さんの膝を指さす。
「え……、いや床で寝なさいよ。常識的に考えて。」
「良いだろう?キーホルダー買ってきてあげたんだからそれ位親切をしたって……。」
【上田明也の探偵倶楽部 続】