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&font(red,yellow,b,125%){重要:ライセンスに違反すれば訴訟案件になる場合もあります。&footnote(出典:訴訟が増えている!? OSSライセンス違反:企業技術者のためのOSSライセンス入門(1) - @IT)&br()使っているソフトウェアのライセンスは、必ず確認しておきましょう。} *ライセンスとは このページでは、ライセンスについて記載しています。 このページはあくまでソフトウェアの利用の参考にする為に書かれています。 ご自身のソフトウェアのライセンスの決定は原文を読んだ上で判断してください。 また、参考文献などはページ末尾の外部リンクの項にまとめています。 #region(open,目次) 目次 #contents(fromhere=true) #contents(page=ライセンスとは/2,anchor_only=true) #endregion &anchor(ライセンスとは){} **ライセンスとは &font(b){ライセンス(米:License、英:Licence)とは、}&font(red,b){「それが存在しなければ違法となる行為をすることを許可する書面」}&font(b){であり、}&font(red,b){利用者が遵守しなければならない事項を記載した文書}&font(b){です。} &font(b){ライセンスは、一般的に各国の著作権法やその他法令に基づく}&font(red,b){利用許諾契約の一部として取り扱われる}&font(b){ものであり、}&font(red,b){ライセンスに反してソフトウェアを使用することは違法行為}&font(b){となります。} 有償のソフトウェアに限らず、無償のソフトウェアやフリーソフトウェア&footnote(どのような目的であっても実行、研究、変更、配布などの自由をユーザーに認めるソフトウェアのこと。ただし、著作権やライセンスが存在しないわけでも、破っていいわけでもない。)であっても、ライセンス違反をすれば&font(b){訴訟を起こされるケースもあります。}&footnote(出典:訴訟が増えている!? OSSライセンス違反:企業技術者のためのOSSライセンス入門(1) - @IT) しっかりとライセンスを読み、ライセンスを守って使用することが大切です。 **主要なライセンス ここからはLinuxやフリーソフトウェアなどで使用されることが多い、有名なライセンスについて解説していきます。 &font(red,b){あくまでも簡易な説明なので、実際に利用する際はライセンスの原文を読んでください。} また、別のライセンスを使用するソフトウェアも多く存在します。 &anchor(GPL){} ***GNU General Public License(GPL) GNU General Public License(GPL)は、GNUプロジェクトの為にリチャード・ストールマンによって作成され、フリーソフトウェア財団(FSF)によって公開されている、フリーソフトウェアライセンスです。 LinuxカーネルがGPLv2でライセンスされている他、多くのLinuxディストリビューションやソフトウェアがGPLv2やGPLv3でライセンスされています。 簡単に内容をまとめると、 -利用は自己責任 -著作権の表示は消さないこと -複製・改変・再配布・販売等は自由 -配布する場合ソースコードの公開を要求されたら必ず公開する -改変したものを配布する場合は、変更点を書いておくこと -改変するかしないかに関係なく、再配布する物もGPLにする(コピーレフト) というものです。 コピーレフトについては、 -GPLでライセンスされたソースコードを複製したり、改造したり、一部をコピーしたりして利用する場合 -GPLでライセンスされたライブラリを静的リンクする場合 -GPLでライセンスされた共有ライブラリを動的にリンクして、メモリ空間を共有して動作する場合 などに適用されます。 GPLでライセンスされたソフトウェアとプロセス間通信を行い動作する場合、つまり別々のソフトウェアとして動かす場合には流石に適用されません。 ただし、GPLでライセンスされたソフトウェアを修正して、プロセス間通信を行えるようにした場合は通信相手もGPLにする必要があります。 バージョンごとに互換性がなく、例外条項なども存在するかなり複雑なライセンスなので、使用する際は必ず原文を確認してください。 <例外の例> -GPLフォント例外 … GPLの下頒布されるデジタル・フォントを電子文書ファイルに埋め込む際に、ファイル自体へのコピーレフト制約を例外回避させるGPLの追加的条項。 -GPLリンク例外 … ライブラリコードを提供するソフトウェアのプロジェクトにGPLの全ての条項を適用せずに、他のプログラムがリンクすることを可能にするもの。 &anchor(LGPL){} ***GNU Lesser General Public License(LGPL) GNU Lesser General Public License(LGPL)は、かつてはGNU &u(){Library} General Public Licenseという名前でした。 かつての名前の通り、他のプログラムにリンクされることを前提とした、ライブラリの為のライセンスとして作られました。 簡単に言うと、GPLでライセンスされたライブラリを使おうとするとGPLにしなくてはならなくなる、というのは厳しすぎるので、少し妥協しよう、というライセンスです。 LGPLは基本的にはGPLと同じですが、コピーレフトについてはLGPLでライセンスされたソースコードを含む場合のみ適用され、ライブラリを組み込まずに利用する場合には適用されなくなりました。 やはり、バージョンごとに互換性がなく、例外条項なども存在するかなり複雑なライセンスなので、使用する際は必ず原文を確認してください。 &anchor(BSD License){} ***BSD License BSD Licenseは、カリフォルニア大学によって策定され、同大学のバークレー校内の研究グループ、Computer Systems Research Groupが開発したソフトウェア群であるBSDなどで採用されているフリーソフトウェアライセンスです。 BSD Licenseは何度か変更されており、四条項、三条項、二条項(現在)というように変わってきていますが、いずれにおいてもGPLとは違いコピーレフトではありません。 古いライセンスを使っているソフトウェアもまれにある為、それぞれ簡単にまとめておきます。 #region(open,四条項・三条項BSDライセンス) &font(b){四条項BSDライセンス} -ソースコードを再配布する時は、著作権表示と四条項BSDライセンスを残しておくこと -バイナリ形式で再配布する時は、著作権表示と四条項BSDライセンスをドキュメントまたは他の資料で配布すること -宣伝をする時は「この製品は 〜 によって開発されたソフトウェアが含まれています。」という謝辞を入れること -許可を取らずに作者の名前を派生製品の保証や宣伝の為に使わないこと &font(b){三条項BSDライセンス} -ソースコードを再配布する時は、著作権表示と三条項BSDライセンスを残しておくこと -バイナリ形式で再配布する時は、著作権表示と三条項BSDライセンスをドキュメントまたは他の資料で配布すること -許可を取らずに作者の名前を派生製品の保証や宣伝の為に使わないこと #endregion &font(b){修正BSDライセンス}(二条項BSDライセンス) -ソースコードを再配布する時は、著作権表示と修正BSDライセンスを残しておくこと -バイナリ形式で再配布する時は、著作権表示と修正BSDライセンスをドキュメントまたは他の資料で配布すること BSD LicenseはGPLほど厳しいライセンスではありませんが、どのバージョンなのか注意が必要です。 &anchor(MIT License){} ***MIT License(X11 License、X License) MIT Licenseは、マサチューセッツ工科大学を起源とする、BSD Licenseをベースに作成されたBSDスタイルのフリーソフトウェアライセンスです。 MIT Licenseも、GPLとは違いコピーレフトではありません。 有名なソフトウェアでは、X Window System(X11)がMIT Licenseでライセンスされています。 また、GitHubで最も使われているオープンソースライセンス&footnote(出典:GitHubで最も使われているオープンソースライセンスは「MITライセンス」:MarkeZine(マーケジン))でもあります。 簡単に内容をまとめると、 -誰でも無償で無制限に使える -再配布する時は、著作権表示とMIT Licenseを全てもしくは重要な部分に書いておくこと -利用は自己責任 というものです。 &anchor(Apache License){} ***Apache License Apache Licenseは、Apacheソフトウェア財団(ASF)によるフリーソフトウェアライセンス。 ASFが提供する全てのソフトウェア&footnote(代表的なものにApache HTTP Server(世界中でもっとも多く使われているWebサーバソフトウェア)など)はApache Licenseでライセンスされています。 また、特許関連の条項がしっかり定められている為、特許のことを心配している人や団体に向いています。 バージョン1.1まではApache Software Licenseという名称でした。 簡単に内容をまとめると、 -複製・改変・再配布・実行・商用利用・サブライセンス等は自由 -含まれている特許技術の利用も自由(ただし特許訴訟を起こすと取り消し) -利用は自己責任 -商標を使うことは出来ない -再配布する時は、著作権・特許・商標の表示、Apache Licenseのコピーを提供すること -改変したものを配布する場合は、変更点を書いておくこと というものです。 &anchor(MPL){} ***Mozilla Public License(MPL) Mozilla Public License(MPL)は、Mozilla Foundationによって作成されたフリーソフトウェアライセンスです。 MPLは修正BSDライセンスとGPLのハイブリッドと言えるライセンスで、プロプライエタリとオープンソースの間のバランスを模索したものになっています。 MPLは[[Mozilla Firefox]]やMozilla ThunderbirdなどのMozillaのソフトウェアで利用されている他、Adobe Flexや[[LibreOffice>OpenOffice.org/LibreOffice]]でも使用されています。 簡単に内容をまとめると、 -利用は自己責任 -著作権の表示は消さないこと -複製・再配布・販売等は自由 -配布する場合ソースコードも必ず取得できるようにする -改変は特許を含まない場合のみ可能 -商標を使うことは出来ない -改変するかしないかに関係なく、再配布する物もMPLで入手可能にする(準コピーレフト) というものです。 コピーレフト部分は、MPLでライセンスされたソースコードを含む場合のみ適用され、その他の部分には他のライセンスで保護されたファイルやプロプライエタリなファイルを使うことが出来ます。 また、必ずMPLで入手可能にしなければなりませんが、GPLやLGPLなどでも利用することができます。 &anchor(WTFPL){} ***Do What The Fuck You Want To Public License(WTFPL) Do What The Fuck You Want To Public License(WTFPL)は、パブリックドメインへの供与と同等条件のライセンスです。 非常に下品な名称のライセンスで、Wikipediaには「あえて語感を尊重して翻訳するとすれば『どうとでも勝手にしやがれクソッタレ・公衆利用許諾(契約)書』といったところ」と記載されています。 簡単に内容をまとめると、 -どうとでも勝手にしやがれクソッタレ というものです。 多くの国では自分の著作物であっても、それを直接パブリックドメインとして置くことを法的に認めていないので、WTFPLのようなパブリックドメインと実質的にほぼ同等の権利を与えるライセンスが役に立つことがあります。 それは日本でも例外ではなく、パブリックドメインとすることは様々な手続きを踏む必要があり容易ではありません。 WTFPLのもとでソフトウェアをリリースすると、パブリックドメインに著作物をリリースする権利がない国であっても、パブリックドメインでのリリースと同じ自由を与えることが出来ます。 後述する&link_anchor(CC0_PDM){CC0}でも自分の作品を能動的にパブリックドメインに置くことができます。 CC0はWTFPLより法的に熟慮されたものになっているため、あなたがもし自分のソフトウェアをパブリックドメインに置きたい場合は、CC0を利用する方が良いかもしれません。 &anchor(CC License){} ***クリエイティブ・コモンズ・ライセンス クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、クリエイティブ・コモンズが定義する著作権のある著作物の配布を許可するパブリック・ライセンスです。 ソフトウェア向けのライセンスではなく、著作物全般に対するライセンスですが、ソフトウェアも著作物である以上、このライセンスが適用されている場合があります。 #ref(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a8/Creative_common_leyfist%C3%A1kn.png,,x=480) &font(75%){▲クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのアイコン。著作権者は6種類から1つを選んで適用する。} クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでライセンスされている著作物は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに存在する必ず含まれる条項と3つの選択可能な条項を組み合わせた6種類の選択肢から、1つが選択されています。 必ず含まれる条項として、著作物を複製、頒布、展示、実演を行う場合は著作権者の表示(BY)が必要です。 3つの選択可能な条項は以下の通りです。 -NC - 非営利目的での利用に限定 -ND - 改変禁止 -SA - ライセンスが付与された著作物を改変して出来た著作物についても、元になった著作物と同じライセンスを継承させる(コピーレフト) NDとSAは矛盾する為、同時に指定することはありません。 これらを組み合わせた6種類の選択肢は以下の通りです。 -CC BY - 著作物を複製、頒布、展示、実演を行う場合は著作権者の表示が必要(以降「著作権者の表示が必要」と記載) -CC BY-NC - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定 -CC BY-ND - 著作権者の表示が必要、改変禁止 -CC BY-NC-ND - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定、改変禁止 -CC BY-SA - 著作権者の表示が必要、改変して出来た著作物はCC BY-SAなどになる -CC BY-NC-SA - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定、改変して出来た著作物はCC BY-NC-SAになる なお、CC BY-SA 4.0はGPLv3への一方向の互換性があります。&footnote(出典:CC BY-SA (表示-継承) 4.0からGPL v3への一方向の互換が実現–ゲーム、ハードウェア・デザインなど、コモンズにおける相互運用性が向上  | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン) &anchor(CC0_PDM){} また、作品をパブリックドメインであると宣言するツールとして、CC0とPDMが用意されています。 &font(b){CC0}は権利者が自分の作品を能動的にパブリックドメインに置くツールであり、&link_anchor(WTFPL){WTFPL}とほぼ同じ内容をよりはっきりと示すことができます。 &font(b){PDM}は、作品が既にパブリックドメインになっていることを示すツールです。 #ref(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/69/CC0_button.svg/800px-CC0_button.svg.png,,x=200) #ref(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/84/Public_Domain_Mark_button.svg/800px-Public_Domain_Mark_button.svg.png,,x=200) &font(75%){▲CC0(左)とPDM(右)のアイコン。} **主要なフォントライセンス コンピューターの世界ではフォントも歴としたソフトウェアであり、ソフトウェアのライセンスやクリエイティブ・コモンズ・ライセンスでライセンスされていることがあります。 しかし、それらのライセンスはフォントの事情には対応出来ない為、フォント専用のライセンスが存在します。 ここからは、無償配布されているフォントで使用されることが多い、有名なライセンスについて解説していきます。 &font(red,b){あくまでも簡易な説明なので、実際に利用する際はライセンスの原文を読んでください。} また、別のライセンスを使用するフォントも多く存在します。 &anchor(IPAフォントライセンス) ***IPAフォントライセンス IPAフォントライセンスとは、独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) によって配布されていたコンピュータ用のフォントセット、IPAフォントに適用されているライセンスです。&footnote(2020年以降は一般社団法人 文字情報技術促進協議会がIPAフォントを管理している。2021年現在、ライセンスはIPAフォントライセンスのままである。) Open Source Initiativeからオープンソースの定義に合致していると認定されています。 簡単に内容をまとめると、 -埋め込み・同梱・複製・改変・再配布・商用利用等は自由 -改変せず再配布する際は、IPAフォントの名称の変更は禁止 -改変せず再配布する際は、IPAフォントライセンスを同梱する必要がある -改変したフォントを配布する際は、「IPA」を含む名称の使用は禁止 -改変したフォントを配布する際は、利用者がオリジナルのIPAフォントに戻せる方法を提供する必要がある -改変したフォントを配布する際は、誰もが自由に入手できるように一般公開する必要がある -改変したフォントを配布する際は、改変に必要なフォント以外のファイルや改変内容についての説明も一般公開する必要がある -改変したフォントを配布する際は、IPAフォントライセンスにする(コピーレフト) というものです。 &anchor(OFL){} ***SIL Open Font License(OFL) SIL Open Font License(OFL)は、国際SILが自身で開発や支援を行っているUnicodeフォントに対して使用する為に定義されたライセンスです。 フォント用のライセンスですが、FSFからフリーソフトウェアライセンスの認定を受けています。 簡単に内容をまとめると、 -著作権の表示は消さないこと -埋め込み・同梱・複製・改変・再配布・商用利用等は自由 -配布する際はライセンスの明示が必要 -改変した場合、フォント名に元のフォント名を含むことは出来ない -改変した場合は、そのことを書いておくこと -改変するかしないかに関係なく、再配布する物もOFLにする(コピーレフト) というものです。 &anchor(M+ FONT LICENSE){} ***M+ FONT LICENSE M+ FONT LICENSEは、森下浩司によってデザインされているゴシック体の日本語フォント、M+ FONTS(OSDN版&footnote(フォントのリニューアルにより、OSDNでの開発を終了してGitHubへ開発環境を移し、GitHub版ではライセンスをSIL Open Font Licenseに変更している))に適用されていたライセンスです。 箇条書きに直すと、 -あらゆる改変の有無に関わらず、また商業的な利用であっても、自由に利用、複製、再配布することが出来る -全て無保証 というものです。 #include(ライセンスとは/2) #co(){ 「まとめ」「外部リンク」は「ライセンスとは/2」ページから読み込まれています。 「ライセンスとは/2」ページを編集する際は、以下のURLをアドレスバーにコピー&ペーストするか、「ライセンスとは」ページ下部の「まとめ・外部リンクを編集する」のリンクを押してください。 https://w.atwiki.jp/linuxjapanwiki/pedit/125.html }
&font(red,yellow,b,125%){重要:ライセンスに違反すれば訴訟案件になる場合もあります。&footnote(出典:訴訟が増えている!? OSSライセンス違反:企業技術者のためのOSSライセンス入門(1) - @IT)&br()使っているソフトウェアのライセンスは、必ず確認しておきましょう。} *ライセンスとは このページでは、ライセンスについて記載しています。 このページはあくまでソフトウェアの利用の参考にする為に書かれています。 ご自身のソフトウェアのライセンスの決定は原文を読んだ上で判断してください。 また、参考文献などはページ末尾の外部リンクの項にまとめています。 #region(open,目次) 目次 #contents(fromhere=true) #contents(page=ライセンスとは/2,anchor_only=true) #endregion &anchor(ライセンスとは){} **ライセンスとは &font(b){ライセンス(米:License、英:Licence)とは、}&font(red,b){「それが存在しなければ違法となる行為をすることを許可する書面」}&font(b){であり、}&font(red,b){利用者が遵守しなければならない事項を記載した文書}&font(b){です。} &font(b){ライセンスは、一般的に各国の著作権法やその他法令に基づく}&font(red,b){利用許諾契約の一部として取り扱われる}&font(b){ものであり、}&font(red,b){ライセンスに反してソフトウェアを使用することは違法行為}&font(b){となります。} 有償のソフトウェアに限らず、無償のソフトウェアやフリーソフトウェア&footnote(どのような目的であっても実行、研究、変更、配布などの自由をユーザーに認めるソフトウェアのこと。ただし、著作権やライセンスが存在しないわけでも、破っていいわけでもない。)であっても、ライセンス違反をすれば&font(b){訴訟を起こされるケースもあります。}&footnote(出典:訴訟が増えている!? OSSライセンス違反:企業技術者のためのOSSライセンス入門(1) - @IT) しっかりとライセンスを読み、ライセンスを守って使用することが大切です。 **主要なライセンス ここからはLinuxやフリーソフトウェアなどで使用されることが多い、有名なライセンスについて解説していきます。 &font(red,b){あくまでも簡易な説明なので、実際に利用する際はライセンスの原文を読んでください。} また、別のライセンスを使用するソフトウェアも多く存在します。 &anchor(GPL){} ***GNU General Public License(GPL) GNU General Public License(GPL)は、GNUプロジェクトの為にリチャード・ストールマンによって作成され、フリーソフトウェア財団(FSF)によって公開されている、フリーソフトウェアライセンスです。 LinuxカーネルがGPLv2でライセンスされている他、多くのLinuxディストリビューションやソフトウェアがGPLv2やGPLv3でライセンスされています。 簡単に内容をまとめると、 -利用は自己責任 -著作権の表示は消さないこと -複製・改変・再配布・販売等は自由 -配布する場合ソースコードの公開を要求されたら必ず公開する -改変したものを配布する場合は、変更点を書いておくこと -改変するかしないかに関係なく、再配布する物もGPLにする(コピーレフト) というものです。 コピーレフトについては、 -GPLでライセンスされたソースコードを複製したり、改造したり、一部をコピーしたりして利用する場合 -GPLでライセンスされたライブラリを静的リンクする場合 -GPLでライセンスされた共有ライブラリを動的にリンクして、メモリ空間を共有して動作する場合 などに適用されます。 GPLでライセンスされたソフトウェアとプロセス間通信を行い動作する場合、つまり別々のソフトウェアとして動かす場合には流石に適用されません。 ただし、GPLでライセンスされたソフトウェアを修正して、プロセス間通信を行えるようにした場合は通信相手もGPLにする必要があります。 バージョンごとに互換性がなく、例外条項なども存在するかなり複雑なライセンスなので、使用する際は必ず原文を確認してください。 <例外の例> -GPLフォント例外 … GPLの下頒布されるデジタル・フォントを電子文書ファイルに埋め込む際に、ファイル自体へのコピーレフト制約を例外回避させるGPLの追加的条項。 -GPLリンク例外 … ライブラリコードを提供するソフトウェアのプロジェクトにGPLの全ての条項を適用せずに、他のプログラムがリンクすることを可能にするもの。 &anchor(LGPL){} ***GNU Lesser General Public License(LGPL) GNU Lesser General Public License(LGPL)は、かつてはGNU &u(){Library} General Public Licenseという名前でした。 かつての名前の通り、他のプログラムにリンクされることを前提とした、ライブラリの為のライセンスとして作られました。 簡単に言うと、GPLでライセンスされたライブラリを使おうとするとGPLにしなくてはならなくなる、というのは厳しすぎるので、少し妥協しよう、というライセンスです。 LGPLは基本的にはGPLと同じですが、コピーレフトについてはLGPLでライセンスされたソースコードを含む場合のみ適用され、ライブラリを組み込まずに利用する場合には適用されなくなりました。 やはり、バージョンごとに互換性がなく、例外条項なども存在するかなり複雑なライセンスなので、使用する際は必ず原文を確認してください。 &anchor(BSD License){} ***BSD License BSD Licenseは、カリフォルニア大学によって策定され、同大学のバークレー校内の研究グループ、Computer Systems Research Groupが開発したソフトウェア群であるBSDなどで採用されているフリーソフトウェアライセンスです。 BSD Licenseは何度か変更されており、四条項、三条項、二条項(現在)というように変わってきていますが、いずれにおいてもGPLとは違いコピーレフトではありません。 古いライセンスを使っているソフトウェアもまれにある為、それぞれ簡単にまとめておきます。 #region(open,四条項・三条項BSDライセンス) &font(b){四条項BSDライセンス} -ソースコードを再配布する時は、著作権表示と四条項BSDライセンスを残しておくこと -バイナリ形式で再配布する時は、著作権表示と四条項BSDライセンスをドキュメントまたは他の資料で配布すること -宣伝をする時は「この製品は 〜 によって開発されたソフトウェアが含まれています。」という謝辞を入れること -許可を取らずに作者の名前を派生製品の保証や宣伝の為に使わないこと &font(b){三条項BSDライセンス} -ソースコードを再配布する時は、著作権表示と三条項BSDライセンスを残しておくこと -バイナリ形式で再配布する時は、著作権表示と三条項BSDライセンスをドキュメントまたは他の資料で配布すること -許可を取らずに作者の名前を派生製品の保証や宣伝の為に使わないこと #endregion &font(b){修正BSDライセンス}(二条項BSDライセンス) -ソースコードを再配布する時は、著作権表示と修正BSDライセンスを残しておくこと -バイナリ形式で再配布する時は、著作権表示と修正BSDライセンスをドキュメントまたは他の資料で配布すること BSD LicenseはGPLほど厳しいライセンスではありませんが、どのバージョンなのか注意が必要です。 &anchor(MIT License){} ***MIT License(X11 License、X License) MIT Licenseは、マサチューセッツ工科大学を起源とする、BSD Licenseをベースに作成されたBSDスタイルのフリーソフトウェアライセンスです。 MIT Licenseも、GPLとは違いコピーレフトではありません。 有名なソフトウェアでは、X Window System(X11)がMIT Licenseでライセンスされています。 また、GitHubで最も使われているオープンソースライセンス&footnote(出典:GitHubで最も使われているオープンソースライセンスは「MITライセンス」:MarkeZine(マーケジン))でもあります。 簡単に内容をまとめると、 -誰でも無償で無制限に使える -再配布する時は、著作権表示とMIT Licenseを全てもしくは重要な部分に書いておくこと -利用は自己責任 というものです。 &anchor(Apache License){} ***Apache License Apache Licenseは、Apacheソフトウェア財団(ASF)によるフリーソフトウェアライセンス。 ASFが提供する全てのソフトウェア&footnote(代表的なものにApache HTTP Server(世界中でもっとも多く使われているWebサーバソフトウェア)など)はApache Licenseでライセンスされています。 また、特許関連の条項がしっかり定められている為、特許のことを心配している人や団体に向いています。 バージョン1.1まではApache Software Licenseという名称でした。 簡単に内容をまとめると、 -複製・改変・再配布・実行・商用利用・サブライセンス等は自由 -含まれている特許技術の利用も自由(ただし特許訴訟を起こすと取り消し) -利用は自己責任 -商標を使うことは出来ない -再配布する時は、著作権・特許・商標の表示、Apache Licenseのコピーを提供すること -改変したものを配布する場合は、変更点を書いておくこと というものです。 &anchor(MPL){} ***Mozilla Public License(MPL) Mozilla Public License(MPL)は、Mozilla Foundationによって作成されたフリーソフトウェアライセンスです。 MPLは修正BSDライセンスとGPLのハイブリッドと言えるライセンスで、プロプライエタリとオープンソースの間のバランスを模索したものになっています。 MPLは[[Mozilla Firefox>https://linuxja.miraheze.org/wiki/Mozilla_Firefox]]やMozilla ThunderbirdなどのMozillaのソフトウェアで利用されている他、Adobe Flexや[[LibreOffice>OpenOffice.org/LibreOffice]]でも使用されています。 簡単に内容をまとめると、 -利用は自己責任 -著作権の表示は消さないこと -複製・再配布・販売等は自由 -配布する場合ソースコードも必ず取得できるようにする -改変は特許を含まない場合のみ可能 -商標を使うことは出来ない -改変するかしないかに関係なく、再配布する物もMPLで入手可能にする(準コピーレフト) というものです。 コピーレフト部分は、MPLでライセンスされたソースコードを含む場合のみ適用され、その他の部分には他のライセンスで保護されたファイルやプロプライエタリなファイルを使うことが出来ます。 また、必ずMPLで入手可能にしなければなりませんが、GPLやLGPLなどでも利用することができます。 &anchor(WTFPL){} ***Do What The Fuck You Want To Public License(WTFPL) Do What The Fuck You Want To Public License(WTFPL)は、パブリックドメインへの供与と同等条件のライセンスです。 非常に下品な名称のライセンスで、Wikipediaには「あえて語感を尊重して翻訳するとすれば『どうとでも勝手にしやがれクソッタレ・公衆利用許諾(契約)書』といったところ」と記載されています。 簡単に内容をまとめると、 -どうとでも勝手にしやがれクソッタレ というものです。 多くの国では自分の著作物であっても、それを直接パブリックドメインとして置くことを法的に認めていないので、WTFPLのようなパブリックドメインと実質的にほぼ同等の権利を与えるライセンスが役に立つことがあります。 それは日本でも例外ではなく、パブリックドメインとすることは様々な手続きを踏む必要があり容易ではありません。 WTFPLのもとでソフトウェアをリリースすると、パブリックドメインに著作物をリリースする権利がない国であっても、パブリックドメインでのリリースと同じ自由を与えることが出来ます。 後述する&link_anchor(CC0_PDM){CC0}でも自分の作品を能動的にパブリックドメインに置くことができます。 CC0はWTFPLより法的に熟慮されたものになっているため、あなたがもし自分のソフトウェアをパブリックドメインに置きたい場合は、CC0を利用する方が良いかもしれません。 &anchor(CC License){} ***クリエイティブ・コモンズ・ライセンス クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、クリエイティブ・コモンズが定義する著作権のある著作物の配布を許可するパブリック・ライセンスです。 ソフトウェア向けのライセンスではなく、著作物全般に対するライセンスですが、ソフトウェアも著作物である以上、このライセンスが適用されている場合があります。 #ref(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a8/Creative_common_leyfist%C3%A1kn.png,,x=480) &font(75%){▲クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのアイコン。著作権者は6種類から1つを選んで適用する。} クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでライセンスされている著作物は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに存在する必ず含まれる条項と3つの選択可能な条項を組み合わせた6種類の選択肢から、1つが選択されています。 必ず含まれる条項として、著作物を複製、頒布、展示、実演を行う場合は著作権者の表示(BY)が必要です。 3つの選択可能な条項は以下の通りです。 -NC - 非営利目的での利用に限定 -ND - 改変禁止 -SA - ライセンスが付与された著作物を改変して出来た著作物についても、元になった著作物と同じライセンスを継承させる(コピーレフト) NDとSAは矛盾する為、同時に指定することはありません。 これらを組み合わせた6種類の選択肢は以下の通りです。 -CC BY - 著作物を複製、頒布、展示、実演を行う場合は著作権者の表示が必要(以降「著作権者の表示が必要」と記載) -CC BY-NC - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定 -CC BY-ND - 著作権者の表示が必要、改変禁止 -CC BY-NC-ND - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定、改変禁止 -CC BY-SA - 著作権者の表示が必要、改変して出来た著作物はCC BY-SAなどになる -CC BY-NC-SA - 著作権者の表示が必要、非営利目的での利用に限定、改変して出来た著作物はCC BY-NC-SAになる なお、CC BY-SA 4.0はGPLv3への一方向の互換性があります。&footnote(出典:CC BY-SA (表示-継承) 4.0からGPL v3への一方向の互換が実現–ゲーム、ハードウェア・デザインなど、コモンズにおける相互運用性が向上  | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン) &anchor(CC0_PDM){} また、作品をパブリックドメインであると宣言するツールとして、CC0とPDMが用意されています。 &font(b){CC0}は権利者が自分の作品を能動的にパブリックドメインに置くツールであり、&link_anchor(WTFPL){WTFPL}とほぼ同じ内容をよりはっきりと示すことができます。 &font(b){PDM}は、作品が既にパブリックドメインになっていることを示すツールです。 #ref(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/69/CC0_button.svg/800px-CC0_button.svg.png,,x=200) #ref(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/84/Public_Domain_Mark_button.svg/800px-Public_Domain_Mark_button.svg.png,,x=200) &font(75%){▲CC0(左)とPDM(右)のアイコン。} **主要なフォントライセンス コンピューターの世界ではフォントも歴としたソフトウェアであり、ソフトウェアのライセンスやクリエイティブ・コモンズ・ライセンスでライセンスされていることがあります。 しかし、それらのライセンスはフォントの事情には対応出来ない為、フォント専用のライセンスが存在します。 ここからは、無償配布されているフォントで使用されることが多い、有名なライセンスについて解説していきます。 &font(red,b){あくまでも簡易な説明なので、実際に利用する際はライセンスの原文を読んでください。} また、別のライセンスを使用するフォントも多く存在します。 &anchor(IPAフォントライセンス) ***IPAフォントライセンス IPAフォントライセンスとは、独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) によって配布されていたコンピュータ用のフォントセット、IPAフォントに適用されているライセンスです。&footnote(2020年以降は一般社団法人 文字情報技術促進協議会がIPAフォントを管理している。2021年現在、ライセンスはIPAフォントライセンスのままである。) Open Source Initiativeからオープンソースの定義に合致していると認定されています。 簡単に内容をまとめると、 -埋め込み・同梱・複製・改変・再配布・商用利用等は自由 -改変せず再配布する際は、IPAフォントの名称の変更は禁止 -改変せず再配布する際は、IPAフォントライセンスを同梱する必要がある -改変したフォントを配布する際は、「IPA」を含む名称の使用は禁止 -改変したフォントを配布する際は、利用者がオリジナルのIPAフォントに戻せる方法を提供する必要がある -改変したフォントを配布する際は、誰もが自由に入手できるように一般公開する必要がある -改変したフォントを配布する際は、改変に必要なフォント以外のファイルや改変内容についての説明も一般公開する必要がある -改変したフォントを配布する際は、IPAフォントライセンスにする(コピーレフト) というものです。 &anchor(OFL){} ***SIL Open Font License(OFL) SIL Open Font License(OFL)は、国際SILが自身で開発や支援を行っているUnicodeフォントに対して使用する為に定義されたライセンスです。 フォント用のライセンスですが、FSFからフリーソフトウェアライセンスの認定を受けています。 簡単に内容をまとめると、 -著作権の表示は消さないこと -埋め込み・同梱・複製・改変・再配布・商用利用等は自由 -配布する際はライセンスの明示が必要 -改変した場合、フォント名に元のフォント名を含むことは出来ない -改変した場合は、そのことを書いておくこと -改変するかしないかに関係なく、再配布する物もOFLにする(コピーレフト) というものです。 &anchor(M+ FONT LICENSE){} ***M+ FONT LICENSE M+ FONT LICENSEは、森下浩司によってデザインされているゴシック体の日本語フォント、M+ FONTS(OSDN版&footnote(フォントのリニューアルにより、OSDNでの開発を終了してGitHubへ開発環境を移し、GitHub版ではライセンスをSIL Open Font Licenseに変更している))に適用されていたライセンスです。 箇条書きに直すと、 -あらゆる改変の有無に関わらず、また商業的な利用であっても、自由に利用、複製、再配布することが出来る -全て無保証 というものです。 #include(ライセンスとは/2) #co(){ 「まとめ」「外部リンク」は「ライセンスとは/2」ページから読み込まれています。 「ライセンスとは/2」ページを編集する際は、以下のURLをアドレスバーにコピー&ペーストするか、「ライセンスとは」ページ下部の「まとめ・外部リンクを編集する」のリンクを押してください。 https://w.atwiki.jp/linuxjapanwiki/pedit/125.html }

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