トップ > ゲーム機別のやり方概要 > PS4のゲーム実況では、シェア機能とキャプチャーボードどちらを使うべきか / 2020年08月24日 (月) 18時03分56秒



PS4のゲーム実況のやり方2種類を比較・検証

  • PS4のゲーム実況をやりたいという場合、大きく2種類の方法があります。すなわち、(1)PS4のシェア機能を使う方法と、(2)キャプチャーボードを使う方法です。

  • シェア機能は、コントローラーにあるSHAREボタンを押すことで使うことができます。PS4自体に録画・ライブ配信機能が搭載されており、簡単にゲーム実況ができるというものです。PCは必要ありません。無料で簡単です。


  • これに対し、キャプチャーボードを使う方法ではPCが必要です。各機器を下図のように接続することで、PCにPS4のゲーム画面が映り、ゲーム音もPCから聞こえてきます。そして、PCのほうで録画・ライブ配信するというかたちになります。あらゆることができるので、自由度が高い方法といえるでしょう。


  • では、どちらの方法が優れているのでしょうか。一見、シェア機能を使ったほうがよいように思えます。しかし、実際はそこまで単純ではありません。以下、9個の観点から両者を比較し、メリット・デメリットをあぶり出していきましょう。

目次




解像度・フレームレート


最大解像度 最大フレームレート
PS4のシェア機能 ノーマル(無印) 720p 録画は30fps、ライブ配信は60fps*1
Pro 1080p 録画は30fps、ライブ配信は60fps*2
一般的なキャプチャーボード 1080p 60fps

  • ゲーム実況をやるなら、多くの人が高画質にしたいと考えるはずです。ひとくちに画質といっても、さまざまな要素が絡んできます。今回は解像度に注目してみましょう。解像度が高ければ高精細な画質となります。また、見た目という意味ではフレームレートも重要です。フレームレートが高ければ動きが滑らかになります。

  • 上表をご覧ください。録画・ライブ配信できる最大解像度、および最大フレームレートを掲載しています。注意したいのは、ノーマルPS4のシェア機能は最大720pまでしか対応していないという点です。もちろん、けっして低画質というわけではありません。しかし、YouTubeに投稿されている1080pの動画に慣れていると、720pの画質に不満を持つ人はいます。筆者がノーマルPS4で録画し、アップロードした下記動画を参考にしてください。



  • 他方、PS4 Proのシェア機能であれば1080pには対応しているのですが、「録画」では30fpsが最大フレームレートになります。60fpsでは録画できません。ただ、「ライブ配信」であれば配信サイトによっては1080p/60fpsで配信することが可能です。つまり、PS4でもノーマルかProか、また録画なのかライブ配信なのかによって、最大解像度・最大フレームレートが異なってきます。もし、あらゆる場面で1080p/60fpsに拘るのであれば、キャプチャーボードを使用しましょう。


  • なお、シェア機能のスクショについては、PS4 Proが4Kに対応しています。

▲画面の上へ

機材にかかる費用


機材にかかる費用
PS4のシェア機能 無料
キャプチャーボード 10,000~25,000円(PC代を除く)

  • ゲーム実況で必要な機材は、どのくらいかかるのでしょうか。まず、PS4のシェア機能の場合は無料です。PS4本体さえ購入してしまえば、あとはなにも購入する必要はありません。自分の声を入れるのに必要なマイク(ヘッドセット)ですら、PS4に付属されています。もちろん、付属のマイクの音質が気に入らないのであれば、たとえばマイクを別途購入してもかまいません。


▲PS4付属のヘッドセット。青いスイッチ中央の上側のあたりにマイクが内蔵されています。

  • では、キャプチャーボードを使用する場合はどうでしょうか。まず、キャプチャーボードを接続するためのPCが必要です。PC自体は、ノートPCでもデスクトップPCでもかまいません。コスパを考えると後者のほうがお薦めですが、ノートPCでもゲーム実況はできます。ただ、ある程度のスペックは要求されます。とくに1080p/60fpsで録画・ライブ配信する場合は、注意しましょう。

        ゲーム実況で必要なPCスペックと、おすすめPCの選び方


  • キャプチャーボードについては、値段がピンキリです。デスクトップPC用の安いものであれば、実売価格は10,000円しません。これに対し、ノートPC用のUSB接続の製品は20,000円前後するものと思ってください。たまに「数千円程度の安いキャプチャーボードはありませんか?」という質問をされますが、答えはノーです*3

        キャプチャーボードキャプチャーボードの選び方

Game Capture HD60 S GC550 PLUS GV-USB3/HD
価格
商品画像のリンク先
PCとの接続 USB 3.0 USB 3.0 USB 3.0
対応ゲーム機
(接続できるゲーム機)
・PS4
・Switch、Wii U
・Xbox One、Xbox 360
・PS4
・Switch、Wii U
・Xbox One、Xbox 360
・PS4
・Switch、Wii U
・Xbox One、Xbox 360
1080p/60fps対応
TVへのゲーム画面出力
こちら こちら こちら
特徴 低遅延 筆者お薦め 編集ソフトつき

▲画面の上へ

難易度


難易度 やり方
PS4のシェア機能 1.SHAREボタンを押す
2.PS4側で録画・ライブ配信を開始する
キャプチャーボード 1.キャプチャーボードをPCに接続する
2.PS4をキャプチャーボードにHDMI接続する
3.PC側で必要な準備をする
4.PC側で録画・ライブ配信を開始する

  • ゲーム実況初心者の場合、「自分にもできるのか?」という点は気になるところでしょう。この点、PS4のシェア機能の場合は、まったく心配ありません。なぜなら、コントローラーのSHAREボタンから簡単にゲーム実況を始められるからです。録画であっても、ライブ配信であっても基本的には同じです。難しいことを覚える必要はありません。

  • では、キャプチャーボードの場合はどうかというと、少し難易度が上がります。ありがちなのが、ゲーム画面がPCに映らない、キャプチャーボードの動作が不安定、キャプチャーボードがPCで認識されない、などのトラブルです。とはいえ、ふだんからPCを使っている人であれば、あまり心配する必要はないでしょう。おおよそのトラブルは、当サイトを見れば解決できます。

▲画面の上へ

対応サイト


  • PS4のシェア機能を使用するうえで、覚えておく必要があるのが対応サイトについてです。下表をご覧ください。動画投稿と、ライブ配信で分けて考えます。

動画投稿(シェア機能) ライブ配信(シェア機能)
ツイキャス - ×
Twitch ×
Mixer - ×
niconico ×
OPENREC × ×
YouTube
Facebook ×
Twitter ×

  • シェア機能に対応しているサイトは限られています。たとえば、ツイキャスでゲーム配信したいという場合、PS4のシェア機能ではどうしようもありません。シェア機能はツイキャスに対応していないからです。

        PS4・Xbox Oneの配信機能/対応サイト

  • また、表中に掲載されているサイトであっても、シェア機能の用途が限定されている場合があります。その例がniconicoです。ニコ生でゲーム配信することは可能なのですが、ではシェア機能でPS4からニコ動に動画を直接投稿できるかというと、できません。対処法として、動画をPS4からPCに移し(USBメモリで可能)、PCから動画を投稿する必要があります。

        PS4の録画・編集機能/動画のアップロード

  • この点、キャプチャーボードがあれば、あらゆるサイトに対応できます。たとえば、ライブ配信であれば、ツイキャスでもOPENRECでも、どのような配信サイトであっても対応可能です。また、動画投稿についても、PCを使ってゲームを録画し、PCで動画編集して、PCから投稿するわけですから、すべての作業をPCで完結できるというメリットがあります。

▲画面の上へ

録画における制限時間


1回につき録画できる時間 備考
PS4のシェア機能 最大60分 バージョン 4.00以降
キャプチャーボード HDD/SSDの容量による

  • シェア機能の場合、録画できる時間(ビデオクリップの保存時間)は最大で60分という制限があります。つまり、1個あたりの動画の長さは、どんなに長くても60分までということです。以前は15分まででしたが、60分であれば通常は問題ないでしょう。

  • キャプチャーボードの場合は、録画できる時間に制限はありません。連続で何時間録画できるかは、ストレージ(HDD/SSD)の容量しだいです。高画質であるほど多くのストレージを消費します。

▲画面の上へ

遅延の有無


説明
PS4のシェア機能 ・遅延なし
・ふだんのプレイと変わらない
キャプチャーボード ・遅延あり
・パススルー出力のあるキャプチャーボードで対策可能

  • キャプチャーボードを使用するなら、遅延(表示遅延、タイムラグ)について考慮しておかなくてはいけません。PS4のゲーム画面をPCに映した状態でプレイすると、操作してからその操作に応じた画面が表示されるまでに0.05秒以上の時間がかかります。もっと端的にいうと、操作が重く(鈍く)感じられることがあるとしたら、原因はキャプチャーボードの遅延です。


  • とはいえ、対処法はとても簡単です。心配いりません。具体的には、パススルー出力というHDMI端子を搭載したキャプチャーボードを使えばよいのです(例 : GC550Game Capture HD60 S)。もし説明が難しい場合は、「パススルー出力機能を搭載したキャプチャーボードを買えばよい」と覚えておいてください。


▲画面の上へ

著作権への配慮(禁止区間)


説明
PS4のシェア機能 ・禁止区間がある場合、録画・ライブ配信はできない
・著作権侵害にならない
キャプチャーボード ・禁止区間があっても影響はない
・注意しないと著作権侵害になりうる

  • PS4のシェア機能には、録画やライブ配信が認められていない区間(禁止区間)が設けられていることがあります。これは、ゲームメーカーが著作権やネタバレなどに配慮して、ゲームタイトルごとに設定しています。つまり、メーカー側でシェア機能に制限をかけて、ユーザーが録画(投稿)やライブ配信できないようにしている場合があるわけです。


▲録画禁止区間に入ったときは、自動的に録画が一時停止になります

  • ゲームタイトルによっては、ほとんどシェア機能を使えない作品もあるでしょう。有名なものだと『龍が如く』シリーズがあります。一般論として、シェア機能がどの程度制限されているかというのは、実際に購入して検証するまでわかりません。ただ、発売まえにメーカーがガイドライン・規約、インターネット上の配信番組を通じてシェア機能について言及することがあります。たとえば、PS4版『ドラゴンクエストXI』は、発売の数週間まえにガイドラインが公開されており、シェア機能に対応していることが判明していました。

  • キャプチャーボードを使う場合は、このようなシェア機能の制限の影響は受けません。禁止区間であっても録画・ライブ配信は可能です。ただし、技術的に「可能」というだけであって、「許可」されているかどうかはまた別問題となります。著作権侵害を理由に動画・番組を削除されたり、アカウント停止処分になることもあるでしょう。

▲画面の上へ

個人情報への配慮


説明
PS4のシェア機能 ・個人情報、プライバシーは自動的に保護される
・待ち受け画面表示、モザイクがけ、カットなどが自動で行われる
キャプチャーボード ・自分で個人情報を管理する必要がある
・とくにライブ配信で注意が必要

  • PS4のシェア機能は、個人情報が漏れないようにしっかりと対策されています。たとえば、ライブ配信中に配信者が設定画面やホーム画面を操作しているときは、視聴者には自動的に待ち受け画像が表示されます。また、トロフィーの取得やフレンド依頼の情報などには黒色の帯にモザイクがかかり、視聴者には見えません。


▲シェア機能で配信時、視聴者に見える待ち受け画面(左)と、プライバシーが保護された画面(右)。ゲーム画面は、『ストリートファイターV』(カプコン)より。

  • これに対し、キャプチャーボードを使う場合は注意が必要です。とくにライブ配信でありがちなのは、まちがえて個人的な情報を視聴者にさらしてしまうケースです。たとえば、ゲーム画面以外のものを視聴者に見せようとして、名前や住所、メールアドレス、購入履歴、検索履歴などが映り込んだ画面を映してしまう人がいます。リアルタイムで配信しているので、気をつけましょう。

▲画面の上へ

汎用性の高さ


  • 汎用性の高さでは、キャプチャーボードが圧倒的に有利です。まず、対応できるゲーム機が多いのです。たとえば、PS4以外にもPS3、PS2、PSP、Switch、Wii U、Wiiなど、あらゆるゲーム機を接続してゲーム実況ができます。iPhoneも接続可能です。PS4のシェア機能では、そうはいきません。


  • また、キャプチャーボードを使えば、ゆっくり実況プレイ動画を作成できます。「ゆっくり」の声や絵は、ゲームを録画したあとに編集で入れます。具体的には、ゆっくりMoivieMakerAviUtlというソフトを使います。シェア機能で録画する場合は、残念ながらPS4単体ではどうしようもありません*4。動画をPS4からPCに移して編集する必要があります。

        ゆっくりMovieMakerAviUtlの使い方

  • さらに、キャプチャーボードがあればライブ配信で高度なこともできます。たとえば、ニコ生とツイキャスで同時にライブ配信(同時配信)して視聴者を集めるのもよいでしょう。あるいは、1画面内に複数の画面を並べて表示したり、リアルタイムで画面を切り替えるのも効果的です。ゲーム画面の周りに枠・境界線をつけたり、ゲーム画面に視聴者のコメント(チャット)を重ねて表示することもできます。PS4単体ではできなかったことが、PCであればできるようになるでしょう。


▲配信ソフト(例 : OBS Studio)を使えば、キャプチャーボードに接続したPS4のゲーム画面を視聴者に見せることができます。配信ソフトには高度な機能が搭載されており、うまく使えばプロのような配信も可能です。画像は、PS4版『グランド・セフト・オートV』(ロックスター・ゲームス)より。

▲画面の上へ

まとめ


  • PS4のシェア機能は、よくできています。機材を購入せずともゲーム実況ができるので、ユーザーとしてはこれだけでも大きなメリットといえるかもしれません。SHAREボタンによる操作もわかりやすく、だれにとっても簡単です。著作権や個人情報への配慮も安心感につながっています。しかし、その一方でシェア機能の仕様・制限によって、不便を強いられることがあるでしょう。


  • シェア機能のデメリットを払拭したい場合は、キャプチャーボードを使ったゲーム実況がお薦めです。たしかに、キャプチャーボードは安い買い物ではありません。しかし、持っていれば幅広い用途に使えます。ゲーム画面をPCに映せるというのは、「ながらプレイ」ができるので想像以上に便利です*5。また、PCを使って高度なことをやりたいという人や、日常的にPCを使用している人にもキャプチャーボードは向いています。ゲームやPCが好きなら、1台持っていて損はありません。


  • なお、キャプチャーボード使用時であっても、TVにゲーム画面を映してプレイすることは可能です。やり方は複数ありますが、いちばん簡単なのはキャプチャーボードのパススルー機能を使う方法です。ふだんと同じように、大画面TVでプレイできます。

▲画面の上へ

関連ページ








▲画面の上へ


名前:
コメント:

  • iPadで繋げて編集ってできるんですか? -- Aronn (2020-08-24 18:03:56)


最終更新:2020年08月24日 18:03

*1 720p/60fpsでライブ配信できるのは、YouTube LiveとTwitchに限られます。ニコ生の場合、PS4のシステムソフトウェアのバージョンが6.50以降であれば720p/30fpsで配信できますが、720p/60fps配信はできません。

*2 1080p/60fpsでのライブ配信に対応しているのは、YouTubeとTwitchに限られます。

*3 レトロゲーム機を接続する場合は、数千円で購入できるキャプチャーボードがあります。たとえば、当サイトでも使い方を掲載している「GV-USB2」です。

*4 なお、シェア機能でライブ配信する場合は、音声合成で視聴者のコメントを読みあげることができます。これはPS4の標準機能として搭載されているものです。

*5 たとえば、ゲームのクエストをこなしながらNetflixでドラマを見たり、ゲームの音を消して好きな音楽をかけながらプレイできます。PCを使ってPCの画面を見ながらゲームをプレイすると、いろいろと便利です。