泉こなたは、居酒屋の一室で、すっかり酔いつぶれて寝ている親友の柊かがみを眺めていた。
今日は、かがみを誘って二人だけで飲んでいたのだった。
かがみは、普段は酒癖は悪い方ではない。みゆきやみさお、あやのと一緒のときは、常に節度を守っていた。家族と一緒のときもそうだと聞いている。
酔いつぶれるまで飲むのは、こなたと二人きりのときだけだった。
酔いが回ったかがみは、仕事の愚痴をたれたり、破局した交際相手のことを罵ったりあるいは涙ながらに延々と語ったり……そして、最終的には酔いつぶれてしまうのだ。
こんな弱味を見せるのは、こなたの前でだけだ。
プライドの高いかがみは、友人にも家族にも、こういう弱味を見せたがらない。
逆に言えば、それだけこなたが信用されているということでもあり、また真の親友だということでもあった。
それはそれで嬉しいことではあるのだが、
「こういうところを男の前でも見せられるようになれば、もっとうまく行くと思うんだけど」
プライドが高いがゆえに甘え下手なのだ、かがみは。
交際相手にも弱味を見せないということは、すなわち、その男を信用してないということにほかならない。
口に出さなくてもそういうのは相手に伝わってしまうものであり、かがみがいくら努力しても破局してしまうことは避けようがなかった。
でも、それを指摘することはできない。
それはもろにかがみのプライドを侵すものであるからだ。それをしてしまったら、彼女の逆鱗に触れて、友人の縁を切ることになるだろう。
こなたは、会計をすませると、かがみをおんぶして、居酒屋を出た。
「う……うん……」
「目が覚めたかい、かがみん」
「ご、ごめん……」
「いいよ。かがみんは、たまにこうやって内に溜め込んでるものを吐き出さないと」
「ごめん……こなた……」
かがみは、そうつぶやくと、また寝てしまった。
「いい女は難儀なもんだね……」
こなたのつぶやきは、誰にも聞かれることなく、夜の闇に吸い込まれていった。
みのる「♪~」
あきら「ほぇ?白石、なに作ってるの?」
みのる「あ、あきら様、これですか?チョコレートですよチョコレート、もうすぐバレンタインですしね」
あきら「バレンタイン…チョコ…男が?てか白石が?」
みのる「そんな軽蔑のまなざしを向けないでくださいよ、最近は女の子の友チョコがあるように男の子でもチョコを渡すことがあるんっすよ」
あきら「ふ~ん、で?それ誰に渡すわけ?」
みのる「そうっすね~自分が一番好きな人に渡したいけれど受け取ってもらえるか…」
あきら「白石の好きな人ってだぁれ?☆」
みのる「え、あ、いや、それは…」
あきら「むぅ~教えてプリーズっ☆」
高校生と中学生ってどうなのよ…
こなた「ありでしょ」
かがみ「いやないでしょ」
444:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします
:2008/07/07(月) 23:31:26.58
「こなちゃん達、遅いね……」
「そうね……」
今日は私達姉妹の誕生日ということで、こなたとみゆきが祝ってくれるべく、家に来るはずなんだけど……。予定の時間が過ぎても二人は未だ現れない。仕方なく私の部屋でつかさと遊んでいたのだ。
「何かあったのかな?」
「馬鹿ね、ちょっと遅れてるだけでしょ。もう少し経てば――」
ストン。と壁に貼ってあった写真が落ちた。あれは確か修学旅行で撮った私達四人の写真だ。何だろう……急に落ちるなんて気味が悪い……。
私は写真を元の位置に戻した。ふと気になり、窓の外から下を見ると、庭に黒猫がこちらをジッと見つめていた。
「あれ? 救急車のサイレンが聞こえるよ」
「え……」
耳を澄ますと、確かに救急車独特の音が聞こえて来た。何なの? さっきから不吉な事ばかり……。
心配になった私は、携帯を取り出し、慣れた手つきで電話を掛ける。
早く出なさいよ、馬鹿……。
「こなちゃんもゆきちゃんも電話に出なかったよ」
「え?」
つかさがぽつりと言う。既に電話をしたという事か? 確かに、さっきから全然繋がらないし……。頭の中に何度も最悪のパターンが横切る。いや、あの二人に限ってそんなことは……。
ピンポーン!
「あ、来たかな……?」
「……」
つかさは私の前を通り過ぎ、一人玄関へ向かう。私は……嫌な予感が絶えず頭から離れる事が出来ず、その場から動くことは出来なかった。しばらくして。
「やっほー、遅れてごめ――ぉぅ?」「すみません、連絡しようと思ったら携帯を忘れて――かがみさん?」
気が付くと二人に抱き着き泣いていた。
心配性なかがみでした。
こなた「……お母さん」
こなた「お母さんは今、空の上にいるんだよね」
こなた「私はもう……お母さんに会えないんだよね」
こなた「……うん、わかってる。これはわがままなんだ。死んじゃったお母さんに会いたい、なんて」
こなた「……ううん、大丈夫。ちゃんと友達もできたし、お母さんがいなくてもそこまで寂しくはないよ」
こなた「それに、友達とかゆーちゃんの前じゃ弱々しい私なんか見せられないしね」
こなた「でも、たまには……今日みたいに、一人でいる時くらいは……いいよね……」
こなた「えぐ……お母さん……会いたい、会いたいよぉ……」
つかさ(……こなちゃん、お墓の前で泣いてる……)
みゆき(……見なかったことにしておきましょう。明日からは……いつもの泉さんに戻ってるでしょうから……)
つかさ(……うん)
友達の知らない部分を見られて、ちょっとだけ嬉しくなりました。
こなちゃんは、いつもはハチャメチャな人だけど……
ちゃんと、女の子らしいところもあるんだってことがわかった。
大丈夫。私は、私達は、ずっとこなちゃんの側にいるからね……。
こなた「ふう」
今日はなんだか朝から気分が優れない。仰向けに横たわって、空を流れる雲を見つめる。
……公園の芝って、こんなに気持ちよかったんだ。
こなた「……」
風に流されて、視界の左側へと動いていく雲。
それらは抵抗することもなく、風に押されるがまま進んでいく。
……時間とおんなじだ。
抗うことのできない時の流れに押されていく人達。その流れに逆らえる者などいない。
未来の行き先がわからないまま、人は進んでいく。過去に戻りたくても、流れに押されて戻れない。
こなた「……あ」
朝から感じていた、胸のモヤモヤがわかった気がした。
私は、怖いんだ。時の流れに逆らえないことが。
もう半年もしたら、私達は卒業を迎え……みんなと離ればなれになる。それがたまらなく怖い。
生まれて初めてできたと言っても過言じゃない、親友という名の存在……。もっと長くいたいと思うけど、それは叶わぬ願――
みゆき「泉さん?」
突然、視界にみゆきさんの顔が入ってきた。日除けのためかサンバイザーを使っている。
こなた「みゆきさん……」
みゆき「ちょっと遠くまで散歩に来てみたら、泉さんが芝生で横たわっていたもので」
みゆきさんの笑顔を見てると、さっきまでのモヤモヤは一瞬で消え去った。
そうだ、何を怖がっていたんだろう。
いくら時間が経って離ればなれになってしまったとしても、私達が親友同士であることに変わりはない。
電話をすれば――忙しい時でない限り、長話ができるだろう。
今とは少し変わってしまうかもだけど、それでも……
みゆき「泉さん?さっきから、何を……」
こなた「ん?いや、みゆきさんって相変わらず胸がおっきいなって」
みゆき「ひぇ!?」
……やっぱり、私はこうやってた方がいいや。
卒業まで半年ちょっと。それまで、もう二度と来ないこの生活を存分に楽しもうと思った。
みんみんみんみんみぃ~ん…
こなた「あっあつ~(×ω×)、扇風機の風は熱風だしクーラー壊れてるし…ネトゲしようにもパソコンがさらに温度あげるしなぁ……あ!そうだっ!」
かがみ「はい、もしもし?」
こなた「やふ~かがみん」
かがみ「うぃー、なによ?なんの用?言っとくが宿題は見せないからなっ」
こなた「いやいや、そんなんじゃないよ、あのさプール行かない?市民プール、つかさもついでに」
かがみ「市民プール?んー人多そう…それに…」
こなた「ちょっと太ったし…」
かがみ「っ!ちっ違うわよっ!そっそんなに太ってなんか、今日だって暑いけどアイス我慢して…ってなに言ってる私」
こなた「図星(笑」
かがみ「切る」
こなた「わぁ、待って、ごめんてば、ねぇ行こうよ~この暑さにもう限界だよ~」
かがみ「わかったわかったじゃあ○○駅に集合、遅れないでよ?」
こなた「あいあ~い」
こなた「ついでにみゆきさんも誘ってみようかな」
「はい、高良です、ただ今留守にしており…」
こなた「あ、そうだったみゆきさんは今旅行中だったっけ、いいなぁブルジョアは」
どこかのリゾート地
みゆき「くしゅっ!」
ゆかり「あらくしゃみ?そろそろあがりなさいみゆきちゃん、風邪ひくわよ?」
みゆき「いえ、まだもう少し泳ぎます…(誰か私を噂してるのでしょうか?)」
チェリー「……。(だる~ん」
みなみ「…チェリー?」
チェリー「……。(だる~ん」
みなみ「暑いの?」
チェリー「くぅん(だる~ん」
みなみ「どうしよう…」
TV「ここ、○△公園では子供たちが水浴びをし夏の暑さをしのぎ…」
みなみ「そうだ、チェリーちょっと待ってて」
いそいそとみなみが取り出したるはビニールプール
みなみ「私が小さい頃使ってたやつ、これで水浴びしようか?」
チェリー「わんっ!」
チェリー「(ブルブルブルゥ」
みなみ「わっ、冷たいよチェリー、このぉやったなぁ(バシャバシャ」
チェリー「わんわんっ!」
みなみ「ははは、どうだっ…Σはっ!?」
ゆたか「こんにちは、みなみちゃん……えとこの前の宿題を…」
みなみ「……(カァ~」
ゆたか「楽しそうだね(ニコッ」
みなみ「……////(ボッ!」