らき☆すた バトルロワイヤル

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らき☆すた バトルロワイヤル - (2007/12/19 (水) 10:46:44) のソース

黒井「今からバトルロワイヤルをしてもらうで」 

朝、いつものように学校に行ったとこまでは覚えている。 
しかし、いつの間にか寝てしまったようで、起きたとき、私たちは別の校舎内にいた。 

そして、その言葉はついさっき私たちに告げられた言葉だった。 

見たこともない校舎内で、違う学校のようだ。 
そして、自衛隊っぽい兵が数人先生の後ろにいて、銃を持っていた。 

こなた「先生・・今何て・・」 

誰もつっこまないので、私がつっこんだ。 

黒井「せやから、バトルロワイヤルやって。」 

当たり前のことを話しているかんじに明るく言う先生。

みんなは信じられないという表情だった。 

ざわざわ・・・ 

黒井「こら、うるさいで。まだ話の途中やろ」 

バンッ 

兵の銃口から煙が上がっていた。 

天井に穴が開いている。 


教室内は静まり返った。 

黒井「殺し合いやから武器を支給するで。入ってるもんはランダムやさかい、文句いわんでなー」 

つかさ「はうぅ・・・」 

隣でつかさが半泣き状態で((((;゚Д゚)))ガクガクブルブルしていた。 

黒井「あと、ここは無人島や。周り全部海やからな」 

黒井「まぁ、以上で大まかなルール説明は終了や。あー、ちなみに期間は無制限やから、最後の1人になるまでまたーり 
やっといてくれればおkやで。まあ、食料は限られてるさかい、あまりまたーりもしてられへんけどな」 

つかさ「こなちゃん・・・・・」 

つかさの視線がこちらにとんできた。 

こなた「き、きっと大丈夫だよ」 

落ち着かせようとちょっと明るく言った。 

黒井「そうや、今回はクラス単位やなくて一部シャッフルしたわ。その方が面白そうやしな」 

確かに教室を見渡すと見たことない人も数人いる。 

黒井「まぁぼちぼち始めるでー準備はええかー?」 

黒井「泉ー」 

こなた「は、はい・・・」 
黒井「健闘を祈るでー」 


リュックを受け取り、こなたは教室を出た。 


こなた「・・・とりあえずどうしよう」 

校庭に出て、キョロキョロ辺りを見回す。 



こなた「そうだ。まず武器とか確認しなきゃ」 


校庭の草の陰にかくれれもらったリュックを開けた。 

入っていたのはパン2個、ペットボトルの水、地図、鉛筆、コンパス、そして拳銃に、 
詰め替え用の弾だった。 

こなた「拳銃かあ・・・ハズレじゃないけど、当たりってワケでもないなあ。 
・・・まあ使う気はさらさらないけど・・・」 


拳銃をリュックに入れて草の陰から顔を少し出す。 

こなた「ここから出た方がいいのかな?でも、出てもどこに行けばいいのか・・・」 

数分がたった。 

その間にいろいろ人が出てきていた。 

幸いこなたは気づかれることなく、まだ草のかげにいた。 



こなた「ぁっあれは・・・おーい!!つかさー、かがみー!」 

2人を見かけて草のかげからとびだし、呼びかけた。 

かがみ「ふわっ!?びっくりしたあ、こなたかあ・・・」 
こなた「えへへ、ごめんごめん」 
かがみ「にしても警戒心ないわねえっ!一応私たち、殺し合いに参加させられてるのよ?」 
こなた「うぐう・・・」 
つかさ「こなちゃん、ずっとあそこに隠れてたの?」 
こなた「うん。だって何したらいいか分からなかったし・・・」

バンッ 

銃声が聞こえた。 

3人はビクッとして顔を見合わせる。 

つかさ「ふぇえっ、今の音・・・・」 

かがみ「・・・とりあえず、どっか隠れるところを探しましょ。ここにいたら危険だし・・・」 
こなた「うんっ、わかった」 

3人はいったん校舎から離れて森に入った。 

するとバンガローのような建物が見えてきた。 

かがみ「こんなところにバンガロー?」 
こなた「入る?」 
つかさ「入っちゃっていいの?」 
こなた「いいんじゃん?だってカギかかってないし」 

ギィとドアを開けてこなたが行った。 

かがみ「ばっ!・・あんた、誰かいるかもしれないのに無用心に開けるな!」 
こなた「あ、ごめんっ・・・」 
かがみ「もう、あんたは・・・」 
つかさ「でも、見たところ誰もいなそうだね」 

3人はバンガローに入ることにした。 

こなた「そーいえばつかさとかがみの武器は何だった?」 
つかさ「あ、そういえばまだ見てないやー」 

かがみの武器は日本刀、つかさの武器はライフルだった。 

こなた「・・・いいなー。」 
かがみ「何が「いいなー。」よ。あんたのは?」 
こなた「私のなんてただの拳銃だよ・・・」 
かがみ「十分じゃないの!」 
こなた「まあ・・・ねえ」 
つかさ「ところで、これからどうするの?」 
かがみ「んー・・・どうしよっか。ずっと隠れているわけにも行かないしね・・」 
こなた「殺し合いのゲームを中断させることってできないのかな」 
かがみ「逃げるってこと?」 
こなた「違うよ。根元から、こう、ぶっつんと」 
つかさ「ど、どゆこと?」 
こなた「つまり、みんなで協力してゲームを止めるんだよ」 


続く・・・(多分 



バババババババババババババババンッ 
響き渡る銃声。 

みゆき「あははははははははははは♪」 
生徒が倒れた。 
みゆき「うふふ♪とっても楽しいですね~。クセになります」 

「た、高良ちゃ・・」 
振り向くとあやのが立っていた。 

みゆき「あら、峰岸さんじゃないですか。」 
あやの「な、何で高良ちゃんが人殺しを・・・・」 
みゆき「何故って楽しいからに決まってるじゃないですか♪あなたも死にますか?」 

持っていた大きな銃をあやのに向ける。 
あやの「!!」 
急いでみゆきから背を向けて走り出す。

みゆき「うふ♪無駄ですよ~」 

カチッ 

みゆき「あれ?」 
引き金を押しても弾が出ない。 
みゆき「あら、私としたことが、もう弾切れとは・・・ちゃんと節約しなといけませんね♪」 

リュックから予備の弾を引っ張り出し、銃に込めた。 
その間にあやのはどうにかみゆきから逃げ切った。 

みゆき「あら、峰岸さんったら運のいい・・・まあ、今度あったらやればいいだけのことですね」 

みゆきが不適に笑った。 

ひよりとパティは森を歩いていた。 

ひより「これから私たちどうなるのかなー」 
パティ「ソウデスネー」 

・・・何で私たちこんな殺し合いに巻き込まれてるんだ?? 
ジョーダンじゃない。 

ひより「そうだ、武器何だった?」 

何気なく聞いてみる。 

パティ「アー、マダ見てないデスー」 

そういうとパティはしゃがみこんでリュックを開けてみた。 

パティ「オーゥ、ドウヤラ大きな刃物のようデスねー」 
ひより「わー、それ斧じゃん。」 
パティ「オノ?」 

ひよりの武器は包丁だった。 
自分よりいい武器というのででちょっとビビった。 

殺し合いっていうのはやるかやられるか・・・2つに1つ。 
生き残るためには他の人を殺さなきゃいけない。 
他に生き残る方法がない。

ひより「パティ」 
パティ「ハィ?」 

ひより「悪いけど、死んでもらうよ」 
パティ「へ?・・・」 

スッと包丁を取り出し、ブスッと背中に突き刺した。 

パティ「ゥ・・ア・・ナ、ナンデ・・デスカ!?」 

包丁を引き抜くと血がどくどくと出てきた。 

ひより「私はまだ死にたくないんだ。生き残るためにはこうするしかないんだよ、ごめんね。」 
ちょっと辛そうな顔をしてパティを見た。 

パティ「自分のタメに・・・他人を殺スん・・・デスか?」 

最後にひよりを睨みつけてドサッとパティは倒れた。 

ひより「そうだよ。やっぱ人っていうのはそういうもんなんだよ。1番かわいいのは自分なんだよ」 
倒れたパティの悲しそうな目を見て、少し残る後悔の気持ち─── 
けどもう、後戻りはできない。 

ひよりはパティの斧を掴んで、また歩き出した。 

絶対・・・生き残る。 



<パティ死亡 残り24人> 

こなた「うーん・・・なんかすごく銃声が聞こえるね・・・」 
つかさ「みんな、本当に殺し合いをしてるのかなあ?」 
かがみ「わかんない・・・」 

一応、ゲームを止めると決めたけど、銃声がなったりしているせいか、まだバンガローにいた。 

かがみ「てかさあ、ゲームはじめたときから気になってたんだけど、この首についてるのって何?」 
こなた「へ?・・・わっ、私にもついてる」 
かがみ「今気づいたのかよ」 
つかさ「なんかの機械みたいだね」 
かがみ「黒井先生、この首輪について何も言ってなかったわよね」 
こなた「うん・・・」 


その時、大きな音が聞こえた。 

黒井「えー、オホン、みんな聞こえとるかー?お昼の放送やでー。いやーみんなようやっとるやないか。 
まだ数時間やっちゅーのにいっぱい死んどるなー」 

こなた「え、いっぱい・・・って・・」 

黒井「えっとなあ、5,6・・6人死んどるやないか」 

つかさ「っ・・・!!!??」 
かがみ「6人!?」 

黒井「ほな、禁止エリアの発表やでー。禁止エリアに入ったら首輪が爆発して死ぬから注意しいやー 
えー、禁止エリアは・・・(ry」

時間は今、午後1時ごろというところだ。 
このゲームが開始されてから4時間弱。 
こなた「まさか・・・こんな高ペースで死人が出てるなんて・・・」 
みゆきさんやゆーちゃんの顔が頭の中をかすめる。 

それに・・・ 

こなた「この首輪・・・」 
かがみ「さっき爆発って言ってたわよね・・・」 
つかさ「ど、どうしよぅっ」 
かがみ「お、落ち着いて。禁止エリアに入らなければいいだけよ」 
こなた「うん、そ、そだね。」 

かがみ「後は死人の数の多さ・・誰か、ゲームに乗ってる人たちがいるってことよね・・・?」 
こなた「うん・・・」 
かがみ「ど、どうしよう・・・?」 
こなた「決めたじゃん。ゲームを止めるって・・・。」 
かがみ「けど・・・。」 
こなた「まずは、協力してくれる人たちを探そうよ。みんなで協力すればゲームは止められるよ」 
かがみ「そうね・・・。みゆきや日下部たちならきっと・・・。」 
こなた「こんなに死人が出てるなんて・・・犠牲者が少しでも出る前にはやく止めよう!行こう、かがみ!」 

リュックをしょいなおしてこなたが立ち上がった。 

かがみ「あっ、ちょっ・・!ほら、つかさ行くわよっ」 
つかさ「ええ!?い、行くのぉ!?」 
かがみ「ほら、はやくっ」 
その後にかがみとつかさも走り出す。 

そしてゲームを止めるためにこなたたちはバンガローを出て戦場へと踏み入った。



その頃、岩崎みなみは海の近くに来ていた。 
・・・・やっぱり海に囲まれているんだ・・・ 
バーン・・・・ 
先ほどから銃声がそこらじゅうから聞こえていた。 

支給された武器は救急箱だった。 
・・・もはや武器とは呼べないけれど。 

さっきの放送によると死人は6人も出ているらしい。 
・・・・ゆたかは大丈夫かな 
これだけが気がかりだった。 

砂浜に下りて、潮風に当たった。 
殺し合いなんかが行われていなければどんなに気持ちいい風だっただろう。 
その時、そばの岩陰から声が聞こえた。 

「そ、そこにいんの、だ、誰だっ!?」 

その声はかなり怯えているような声だった。 
振り返ると、岩陰からみさおが銃をこちらに向けているところだった。 
ガタガタ震えているところから見ると殺意はないようだった。 

みなみ「日下部先輩・・・?」 
みさお「ふぁっ・・・なんだ・・岩崎さんかあ・・・」 
安堵したように銃を下ろした。 

両者、一時見つめあう。 

みさお「まさか・・・ゲームに乗ってるとか言わないよなぁ??」 
みなみ「できるわけないです・・・。」 
みさお「良かったぁ・・・。」 
みさお「こんなの・・・バカげてるよな?」 
みなみ「・・・・はい。」 

ゲームに乗っていない人がいて、いくらかみさおは安心した。 

みさお「一緒に行かねぇか?柊たちを探そうぜ。」 

みなみはゆっくり頷いた。

一方、ゆたかは・・・・ 

ゆたか「はぅ・・・怖いよ・・・みなみちゃん、お姉ちゃん、どこぉ~?」 

銃声があちこちから聞こえ、途方にくれているゆたかが泣きながら歩いていた。 

ザッザッザッ・・・ 

!!!・・・誰かこっちに来る!!か、隠れなk・・はぅっ!! 

焦って、ひっくり返った。 

「あ、あなたは・・・」 
ゆたか「は・・はれ?あっ・・・あなたは・・・峰岸先輩っ」 

見知った先輩で、少しゆたかは落ち着いた。 

あやの「ゆたかちゃん・・・っ」 
ゆたか「よ、良かったです・・・。とても怖かったんで・・・。」 
あやの「・・・。」 
ゆたか「・・・何かあったんですか?」 

意味ありげな表情を見てゆたかが聞いた。

あやの「高良ちゃんが・・・高良ちゃんが・・・」 
ゆたか「高良先輩?」 
あやの「そう・・・高良ちゃんが・・・人殺しを・・・」 
ゆたか「・・・・う、うそでしょ?あ、あの高良先輩が?」 
あやの「でも、私、見たの・・・。で、急いでここまで逃げてきて・・・」 
ゆたか「そ、そんな・・・・」 
あやの「でも・・ゆたかちゃんは大丈夫よね?このゲーム乗ってないわよね?」 
ゆたか「はいっ、こんなの無理です・・・人なんか・・・殺せるわけ・・・」 
あやの「私もよ・・・みんな狂ってるわ」 
ゆたか「あの・・・これからどうします?」 
あやの「他の人たちと合流した方がいいかもね」 
ゆたか「そうですね。じゃあ、一緒に探しましょう」 
あやの「そうね。」

こなた「誰も・・・いないね・・・。」 

かれこれ2時間歩いているが、不気味なほどに誰にも会わない。 

かがみ「でも・・・もしゲームに乗ってる人と出くわしたら・・・。」 
つかさ「お、お姉ちゃんっ・・・そんな怖いこと言わないでよぅ・・・」 
こなた「うわっ・・・・」 
かがみ「え、何・・・・うっ」 

男子の血まみれの死体。散弾銃でやられているようだった。 

つかさ「キャーーーーーーーーッ!!!!」 
かがみ「─────ッ!!つかさ、落ち着いて!誰かに気がつかれるわよっ」 
こなた「ひどい・・・。」 
かがみ「誰が・・・やったのかしら。」 
こなた「わかんない。・・・。」 



ゆたか「いませんね・・・。」 
あやの「この島、けっこう広いのね・・・。」 

─────ガサガサガサ 

ゆたか「──!?誰か来るっ」 

逃げる間もなく2人の影が現れた。 

あやの「み、みさちゃん?」 
みさお「あ、あやのっ!!」 

みなみ「・・・ゆたか!」 
ゆたか「みなみちゃん!」 

みさお「おお~っ、良かったぁー。何時間も歩いて誰にも逢わなくてさ」 
あやの「そうなの?私たちも誰にも逢わなくて・・・」 
みさお「放送聞いたけど、ホントに始まってんだな」 
あやの「うん、そうみたいだけど・・・」 
ゆたか「私たち、どうしたらいいんでしょう・・・」 

みんな「・・・・・・・。」 

みさお「人を殺すなんて、とてもじゃないけどできねーよな」 
ゆたか「私たちもいずれ誰かに殺され・・・」 
みなみ「・・・そんなことさせない」 
みさお「そ、そーだぜ。きっと、何か方法があるはずだ。みんなが助かる方法が・・・」 
あやの「でも、その方法って?周りは海で逃げることもできないのに」 
ゆたか「そうですよね・・・」 
みさお「・・・うーん、やっぱ柊と合流した方がいいかもな」 
あやの「柊ちゃんと?」 
みさお「あいつならきっと、方法くらい考えついてるんじゃないかな」 

4人の方針は決まった。 



つかさ「暗くなってきたねぇ───。」 

ふいにつかさがつぶやいた。 

かがみ「そうね。今何時かしら?」 
こなた「午後6時ごろじゃない?」 
かがみ「もうそんなに?」 
こなた「いや、細かくはわかんないけどさ・・・。」 
かがみ「結局誰にも逢わなかったわね。」 
こなた「うん・・・また明日にしよっか。今日は疲れたし・・・休める場所を探そか。」 



一方、また4人は・・・ 

大きな茂みの塊の中で寝ることにした。 

みさお「ここならだいぶ見つかりにくいと思うぜ。」 
あやの「そうね。」 
みさお「そういえば、さっきあやの、何か言いかけてなかったか?」 
あやの「ああ・・・実は・・・高良ちゃんが・・・人殺しを・・・」 
みさお「ッ!?嘘だろっ?あの高良さんが?」 
みなみ「そんなのありえない・・・。」 
ゆたか「でも、峰岸先輩が見たって・・・。」 
みさお「にわかには信じられねぇけど。」 
あやの「私も目を疑ったわよ・・・でも、殺されかけたのよ?」 
みさお「まあ、それはまず置いとこうぜ・・・本人に逢わないとなんとも」 
ゆたか「そうですね。・・・そういえば、お腹すきましたね・・・。」 
みさお「あ、確かバッグん中に少し食料なかったっけ。」 

ロールパン2個と500mlの水が入っていた。 

みなみ「でも・・・これを食べたら後はどうしたら・・・」 
みさお「なんか木の実でも拾って食うしかねぇんじゃね?」 
あやの「ええ。」 
みさお「明日は絶対誰かをみつけよーぜ。」 

みんな「うん。」 



黒井「朝の放送始めるで~。今は朝の6時や~。みんな起きとるか~? 
さて、死人やけど、昨日にプラス3人で死人総合数は9人や。 
ほな、みんな頑張ってなぁ~。」 

かがみ「あれから3人も・・・・」 

大きな木の下でロールパンをかじりながらかがみがつぶやく。 

こなた「今日こそ、みんなを見つけないとね。」 
つかさ「うんっ」 



ゆたか「3人も・・・田村さんやお姉ちゃんは大丈夫かなぁ。」 
みなみ「・・・きっと、大丈夫。」 
みさお「よし!今日は柊たちを見つけようぜえ!」 
あやの「・・・そうね。でも4人もいるんだし・・・」 
みさお「ん?」 
あやの「2人ずつで手分けして探して、後で合流したらよくないかしら?」 
みさお「おお!グッドアイディアだな!」 
ゆたか「はい、分かりました。」 
あやの「じゃあ、お昼ごろ、またここに集合ってことで。」 



森の中を3人は歩いていた。 
つかさ「もう・・・誰も残ってないのかなぁ」 
こなた「朝の放送によると、まだ3分の2は残ってるハズなんだけどねえ・・・」 

──ガサッ 

フイに茂みが動いて、一斉に3人は目を見張る。 
リュックの中の拳銃を上から手を入れグッと握る。 

出てきたのは・・・白石みのるだった。 

3人にとって学校を出てから初めて逢った生きた人間。 

こなた「あっ・・!!!ウチのクラスの男子じゃんっ」 

しかし、次の瞬間 驚愕した。 
制服に血がべっとりついていたからだ。 

かがみ「こなた、あの人ちょっと様子が変よ」 
つかさ「まさか・・・ゲームに乗って・・・」 

つかさがガクガクブルブルした。 

こなた「まさかぁ・・・よりによってウチのクラスの男子が・・・」 
かがみ「てか、あの人の名前は?」 
こなた「忘れた」 
かがみ「・・・・」 


向こうもこっちに気づいたようだ。 

白石「泉?泉じゃないか・・・」 
こなた「え?あ、うんそうだけど・・・」 

一歩一歩変な歩調でこなた達に近づいて来る。 
それにあわせてこちらも一歩一歩後退する。 
まだ右手はリュックの中の拳銃を握っている。 

こなた「で、その血は何?まさか・・・誰か殺したとかじゃないよね・・・?」 
白石「た・・助けてくれぇ・・・」 
こなた「へ?」 
つかさ「ど、どうしたのぉ?」 
白石「撃たれたんだ・・・助けてくれ・・・なぁ・・・泉・・・」 
かがみ「こなた、油断しないで。罠かもしんない。」 
こなた「えっ・・・」 

かがみはそー言うけど、その男子生徒は本当に苦しんでいるように見えた。 

パンッパンパンッ 

一同「!!??」 

いきなり音がしてみんながビクッとした。 
銃声だ。しかもすごく近い。 


かがみ「誰か近くにいるみたいね・・・。」 
つかさ「に、逃げようっ・・すごく近いよぅ、誰かが撃ったんじゃあ・・・」 
こなた「待って。」 
かがみ「こなた?」 

こなた「行こう。」 

かがみ「へ?ど、どこに?」 
こなた「助けなきゃ。誰か撃たれてる人がいるかもしんないよ。」 
つかさ「えっ!?でも・・・」 
かがみ「そうよ。自殺行為じゃないっ!」 
こなた「でも・・まだ間にあうかもしんないよっ」 
白石「泉・・・」 

こなた「もし、ゆーちゃんやみゆきさんだったらどうする?見捨てるの?」 

ハッとした。 
みんな、本当なこんなゲームなんかやりたくない。 
強制的にやらされてるんだ。 
死にたくないのはみんななんだ。 
でも、やっぱり自分の命の方を優先している。 
みんな同じなのに・・・。 

自分だけが助かろうとしている行為を恥じた。 

かがみ「うん、分かったわ。」 

力強く頷く。 


つかさ「えっ・・・い、行くのぉ!?・・・」 
つかさ、半泣き。 

こなた「つかさはココに居て。あとキミも。」 
白石を指差して。 

こなた「もし、私たちに何かあったら・・・そのときはつかさ、このゲームを止めてね。」 
つかさ「ええっ!?そんなあっ・・私・・・無理だよぅっ・・」 
こなた「頼んだよ。」 
つかさ「ダメだよッ!!こなちゃん、お姉ちゃん・・・絶対・・死んじゃダメッ!!!」 

涙が目の淵に溜まっている。 


かがみ「つかさ・・・。」 
つかさ「やだよぉ・・・死んじゃ・・・いや・・いやだよぉ・・・」 
こなた「分かったよ。じゃあ、絶対、死なないよ。また、生きて逢おうね。」 

こなたはつかさにニコッと一瞥して、走り出す。 

こなた「かがみ、行こう」 
かがみ「うん、じゃあ、つかさは待っててね」 


銃声の方に2人は消えて行く。 

取り残された2人は黙って見送っていたが、やがて白石が口を開いた。 

白石「おい、柊」 
つかさ「はっ・・はいっ!?」 
白石「オレも行くわ」 
つかさ「えっ!?何言うんですっ」 
白石「オレはさっき撃たれたんだ。もう、長くはない。だから・・・」 
つかさ「ダメですよっ!!そんなっ・・・」 
白石「いいんだよ・・・。オレはもう・・・。」 

午前9時。 
別れてから3時間が経過した。 

ゆたか「誰もいないね・・・。」 
みなみ「・・・・うん。」 
ゆたか「峰岸先輩たち・・大丈夫かなあ?」 
みなみ「・・・きっと、大丈夫」 
ゆたか「うんっ、そうだよねっ」 

ガサガサ・・・ 

ゆたか「!・・・誰かいるんですか?」 

茂みから1人が姿を現した。 

ゆたか「た・・・田村さん?・・・田村さんっっ!」 

予想外だが、待ち望んでいた友達が出てきて、歓喜するが・・・ 

ひより「・・・・・・・・」 
みなみ「・・・様子が変」

つんと鼻をつく血の匂い。 

ゆたか「田村さん・・・その血は・・・」 

制服が真っ赤に染まっている。 

ひより「・・・ゆーちゃんに、岩崎さんか・・・」 
ゆたか「田村さん・・・?」 

ひより「悪いけど、死んでもらうね。」 

耳を疑った。 
え?今なんて・・・・ 

ゆたか「ど、どういうこと・・・?」 
ひより「何言ってんの?このゲームは殺し合いでしょ?自分のために他人を殺すの。」 
ゆたか「そんな・・・まさか田村さん・・ゲームに乗って・・!?」 
ひより「・・・だってしょうがないじゃん。他人を殺さないと、生きていけないんだもん。 
    生きるために殺す。それだけよ。」

もはや、正気を失っているように見えた。 

ゆたか「田村さん、聞いて!きっと他人を殺さなくても生き残れる方法があるから・・」 
ひより「そんな方法・・・あるわけ・・・・」 
ゆたか「あるよ!きっと!だからその方法を一緒に考えようよ!ねっ?」 
ひより「ないよ。そんなの。そんなことしてる暇なんてないよ。」 
ゆたか「・・・そんな・・」 
みなみ「ゆたか、もう逃げよう・・・」 

ゆたか「嫌だっ!!・・だって・・だって・・田村さんは友達でしょ!?」 
ひより「・・・・・・・。」 

斧を構えるひよりが一瞬ピクンと動いたような気がした。 

ゆたか「ほっとけないよ・・・こんな状態ならなおさら」 
みなみ「・・・・ゆたか」 

ひより「うるさい」 

ゆたか「へ・・・」

ひより「みんなを殺す。そして生き残る。」 
ひよりが斧を握りなおす。 

ゆたか「た・・田村さん・・・っ、ま、待って!!!」 


こなた「あっ、あそこだ!!!」 

逃げる影と追う影が見てとれる。 

かがみ「どうする?」 
こなた「うーん・・・」 

逃げる影の前方に目を走らせる。 
森のひらけた部分。 

こなた「あそこに行こう」 
かがみ「OK」

ダダダダダッ 

────ッ!!! 
追われている影の正体を見て、驚愕。 

かがみ「く・・・日下部ッ!?それに、峰岸までっ」 

追われているのはかがみのクラスメイト日下部みさおと峰岸あやのだった。 

みさお「ひ・・柊っ?ってええ、んなこと言ってる場合じゃねえ!逃げろ!」 

みさおはあやのの手を引いて必死に走って来る。 

「そろそろ限界じゃないですか?日下部さん?」 

2人を追っていたらしき人が口を開いた。 

こなた「み・・みゆきさん・・・?」 
かがみ「なっ・・何でみゆきが!?」 

唖然とする2人。

みさお「知らねぇのかよ、2人とも!高良はゲームに乗ってんだぜ!?だからはやく逃げろ!」 

ようやくこなたとかがみの近場まで走ってきた。 

こなた「へ・・・?」 

何がなんだか分かんない。 
みゆきさんが・・・ゲームに乗ってるだって? 
そんなバカなこと・・・・ 

みさお「ヴァカッ!はやく逃げろって言ってんだろ!!何ボーッとしてんだよっ!!」 

2人に追いついたみさおが焦ったように叫んだ。 

ここでかがみはあやのの異変に気づいた。 

かがみ「峰岸、撃たれたの!?」 

あやの「うん・・・ちょっとね・・・」 

足に数発食らっているようだ。 
血が流れているが、頑張ってココまで逃げてきたのだろう。 

かがみ「ちょっと、大丈夫なの!?」 
あやの「・・・うん、多分」 

みゆき「もう逃がしませんよ♪」 

すぐそこまでみゆきが迫っていた。 

みさお「うぁっ・・やべえ、柊、あやのを頼む!はやく行け!」 
かがみ「えっ、何で・・・」 
みさお「はやくいいから行け!!私より体力余ってるだろっ・・・」 
かがみ「わ、分かった・・・。こなた、とりあえず逃げるわよ。」 
こなた「え・・・でもみゆきさんが・・・」 
かがみ「いいからっ!!!」 

そう言いながら4人は引き返した。 

しかし、運動ができるみゆきはどんどんと差を縮めて行く。 

こなたとかがみだけならまだしも、怪我人がいるとなるとスピードはガタ落ちだった。 

あやの「柊ちゃん・・・私はいいから、あなただけでも逃げて・・・」 
かがみ「!? 何言ってんのよ、峰岸」 
あやの「このままじゃ私のせいで高良ちゃんに捕まっちゃうわ。みさちゃんだってもう体力が 
    限界だし・・・」 

確かに、いくらみさおといえど、体力が残り少ない。 

そんな会話を横目に見ていたこなたは急停止した。 
そして、くるりと回れ右。 

こなた「みゆきさん、ストーップ!!!」

みゆき「あら、逃げないんですか?」 
こなた「みゆきさんが本当にゲームに乗ってるなんて信じてないもん」 
みゆき「そうなんですか?」 

みゆきは走る足を止めない。 

こなた「人殺しなんて、してないよね?」 
祈る思いで問いかける。 

みゆき「しましたよ♪いっぱい♪」 
そんな思いも虚しく、軽々しく返ってきた言葉。 
そしてニターと悪い笑みを浮かべた。 

みゆき「撃たれたときの痛みにもがく顔を見るの、楽しいですよ♪」 

そのみゆきにこなたは戦慄した。 
でもなんとか恐怖を振り払い叫んだ。 

こなた「待ってよ!!!」 

こなたの叫びにみゆきがピタと止まる。 
こなたとの距離は7、8mくらい。

こなた「それ、本当なの?」 
もう1度確認のように聞き返す。 

みゆき「ええ」 
即答。 

こなたの頭の中を思い出が駆け巡る。 

こなた「私の知ってるみゆきさんは、そんな人じゃないよ・・・今まで・・いっぱい一緒に 
      いろんなことやってきたじゃん?覚えてないの?」 

みゆき「あんなくだらない日常より・・・私はこっちのがよっぽど楽しいです♪」 

裏切られたカンジがした。 
今までの思い出が全て嘘だったような、言い方だった。 

みゆき「じゃあ泉さん、そろそろさよならですね♪」 

みゆきがダッシュした。 
左手には銃。・・・そして

パンッ 

乾いた銃声。 
飛び散る鮮血。 

こなた「ぅぁあっ」 

右肩に走る激痛。 
足から力が抜け、しゃがみこむ。 
思わず目を瞑る。 


みゆき「ちっ、走りながら撃つと、どうも狙いがそれますね。今度は外しませんよ。」 

カチャリ という音がする。 

おそるおそる目を開けてみる。 
自分を狙った弾は直撃はせず、右肩をかすっただけだったが、血が出ていた。 
制服が朱に染まっていく。 

そしてみゆきを見上げると銃が真っ直ぐに自分の心臓を狙っていた。 

みゆき「さよなら、泉さん♪」

パンッ 

どっちが速かっただろう? 
多分、銃声より先に私の体が何かに突き飛ばされた。 

服の上から伝わる体温。 
目を開けるとかがみの顔が目に入ってきた。 

かがみ「まったく・・・何してんのよ、アンタは・・・」 
こなた「か、かがみ?な、何で・・・」 

どうやら、かがみが押し倒して(?)くれたから弾は当たらなかったらしい。 

みゆき「かがみさん・・・邪魔しないでくれますか?」 
かがみ「な、何言ってんのよ、アンタは!!気が狂ったの!?」 
みゆき「私は狂ってないですよ♪常に普通です♪」 
かがみ「嘘だっ、じゃあ何でこなたを撃つのよ」 
みゆき「はぃ?撃っちゃダメなんですか?」 
かがみ「アンタ・・・それ本気で・・・」 

かがみの握り拳が震える。

みゆき「だってこれは殺し合いのゲームですよ?ルールに乗っ取って何が悪いんですか?」 

今度はかがみめがけて銃を構える。 
思わずかがみは口をつぐんだ。 

沈黙。 

私だけならまだしも、私のセイでかがみまで撃たれたら・・・。 
だけど気力がもう限界に近かった。 
みゆきさんに、みゆきさんに撃たれた・・なんの躊躇もなく。 

かがみはじっとみゆきを睨んでいるだけだが、みゆきはこの状況を楽しんでいるように見えた。 

みゆきがニターッと笑い、手に力を入れたときだった。 

「待てぇーーーーーーーっ!!!」 

何者かがみゆきに突っ込んで、そのまま倒れこんだ。 

かがみ「!?」 

突っ込んできたのは、つかさと一緒にいるハズの白石みのるだった。

みゆきは2人に注目していて、白石が近づいてきていることに気がつかなかったのだ。 

みゆき「あ、あなたはさっき私が仕留めた・・・な、何で生きてるんですか!?」 
驚愕の顔。 

白石「生きてちゃ悪いか?死んだか確認してなかっただけだろ・・・それっ!」 

白石がみゆきの銃を奪って、遠くに投げ捨てた。 

みゆき「死にぞこないのクセに、ナマイキですね♪」 

また微笑む。 
バッグから別の銃を取り出した。 
殺してきた人たちから武器を奪ってきたのだろう。 

白石「泉、柊、逃げろ!!」 

白石がこっちを振り向いて叫んだ。

みゆきは銃を撃つ準備をしている。 

かがみ「な、何であんたがココに・・・」 
白石「そんなことはどうでもいい!!はやく!!!」 
かがみ「でもっ・・・」 

白石「オレのことはいいんだ。どうせこの出血じゃあ助からん。だからせめて、潔く死ぬぜ。 
   泉、このゲームを止められるのはおまえたちしかいない・・・だから」 

みゆき「ちっ、死にぞこないのクセに・・・手を離してくださる?」 
白石「はやく!!!」 

かがみは何かを必死にこらえるように俯いて、 

かがみ「分かった・・・。行くわよ、こなた」 

と言ってグイッと私の手を引いた。 

かがみに手を引かれるまま私は走った。 

辛かった。 
自分勝手な行動で勝手に撃たれて、その上助けられ、自分は何もできなかった。 
遠ざかっていく白石とみゆきを、ただボーゼンと見ているしかなかった。 

パンッ 

やがて音がする。 
私は目を瞑った。 
嫌だよ。こんなの。 
出そうになる涙を必死にこらえた。


撃たれたとはいえ、だいぶ浅い傷のようで、もう出血は止まっていた。
しばらく走ったところで、茂みの中からみさおがひょっこり顔を出して手招きした。

みさお「とりあえず、ここから離れようぜ。」
かがみ「そうね。」

せっかく白石が逃がしてくれたのに、またみゆきに出会ってしまったら二の舞だ。
少し離れた木の影のところで休むことにした。

みさお「あやの、大丈夫か?」
あやの「・・・うん」

傷はこなたより深くて、まだ血が止まらないようだ。
このままでは危ないような気がした。

かがみ「誰か、包帯とか持ってない?」
みさお「そんなん持ち歩くヤツいるかよ・・・あ!!」
かがみ「ん?」
みさお「確か、岩崎さんの支給品、救急箱だったぞ」
かがみ「みなみちゃんに逢ったの?」
みさお「うん。今別行動中だけどな。待ち合わせしてるから、行ってくる。柊はちびっ子とあやの
    を頼むぞ~」

そう言うとみさおは走って行った。

ひより「うわぁああああああああああっ!!!!」

狂っていた。もう、以前の面影はどこにもない。
斧を高く振り上げた。

ズドッ

みなみがゆたかとひよりの間に割って入っていた。

ゆたか「─────ッ!?」

左肩から深く刃が刺さっていて、おびただしい量の血が噴出した。
自分の鮮血にみるみる真っ赤に染まっていく。
そしてひよりも返り血をどっぷり食らう。

ゆたか「み、みなみちゃ──・・」

絶句。

な、なんで、こんなことに・・・。

ゆたか「みなみちゃんっ!!!」

親友の名前を叫んだのと同時に、みなみが前のめりに倒れた。

ひよりはそのままささりっぱなしの斧の柄を離し、あとずさりした。

ゆたか「みなみちゃんっ、イヤだ・・イヤだああっ・・何でこんな・・何で・・っ」

とどめなく流れる涙に目もくれず、ひざまづいて叫び続ける。
ゆっくりみなみが顔だけゆたかに向ける。
その顔は、何故か満足気な笑みを伴っていた。


みなみ「ゆたかは・・・友達だから。」


ゆたか「───・・・!!」

そう、言うと目からスゥっと光が消える。

親友の最期の言葉を聞いて、さらに涙が溢れた。

それだけ。
友達だから。
たったそれだけの理由で命を捨てたのだ。

そんなみなみを見て、ひよりはさらにあとずさり、体を震わせた。

ひより「私は・・・私は・・違う・・。岩崎さんが悪いんだ・・・目の前に入って来るから・・・
    それに・・私は・・と、トモ・・友ダ・・チを・・うわああああああああああああ!!!」

焦点の合わない目。

そしてダッと全力疾走で森の奥へ消えた。

ゆたか「・・・・・・・。」

止まらない涙を流し続け、冷たい手に手を重ねる。
どうすればいいのか分からなかった。

自分が何をしたいのかも。何を考えているのかも、分からない。

<岩崎みなみ死亡 残り16人>
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