ID:WVqJ69WNO氏:らき☆すた殺人事件 ~嵐の夜の惨劇~

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ID:WVqJ69WNO氏:らき☆すた殺人事件 ~嵐の夜の惨劇~ - (2007/12/25 (火) 14:59:39) のソース

FILE.1 

「三年生になる前にさ、みんなで旅行とかに行こうよ!」 

そう提案したのは泉こなただった。三年生になってからだと、受験勉強で忙しくなるだろうから、今のうちにということだった 

「そうねぇ。でもこなたは来年も勉強しなさそう」 
「うっ!!」 
「でも、いいねぇ。行こうよ!」 
「そうですね、時間は今しかありませんもんね」 

満場一致で決定、加えて柊かがみのクラスの友人二人を誘い、かがみの妹、柊つかさの提案で山奥の片田舎までやってきた 

……のだが 

「もー!! なんだってこう嵐に会っちゃうワケ!?」 
「せっかくの旅行が台無しだよ~!!」 

山道を歩いている途中に嵐に遭遇、彼女達は雨宿りできる場所を求めて走っていた 

「あ、あそこ!! 家みたいなのがあるよ!」 

つかさの指差す方には、木造のロッジのような家が建っていた 
明かりは見えないので誰も住んでいないと見え、これ幸いとばかりに建物に飛び込んだ

「うひゃ~、びしょ濡れだゼ~!」 
「うう……気持ち悪いわ……お風呂あるかしら……」 

そう洩らすのは柊かがみの親友、日下部みさおと峰岸あやのだ 
二人の問には答えず、かがみは中を見渡す 

「……誰かの所有する別荘かしら……」 
「だろうね。場所が場所だけに避暑地か何かかな?」 

続いてこなたが呟く。そしていつのまにか二階にあがっていた高良みゆきが、 

「皆さん! 部屋はちょうど六部屋あるみたいです!」 
「とりあえず、一人一部屋ずつ使えるわね」 
「ちょ、ちょっと待ってよぉ! 本当にここに泊まるの!?」 

つかさがそう声をあげる。怖い場所がキライなつかさは、得体の知れないこの家を恐がっているようだ 

「その通りよ。イヤなら外で野宿してなさい」 
「うう……そっちの方が怖いよ……」 

つかさもしぶしぶ賛同し、とりあえず部屋決めとなった 

入り口から見て左奥からみさお、あやの、こなた、つかさの順で、みさおの正面の部屋にかがみが、つかさの正面の部屋にみゆきが入ることとなった 

「うっわ! 下着までびしょ濡れかよ……明日までゼッテー乾かないな……」 

みさおは自室でそうぼやいていた。まあ、明日が晴れるかどうかもわからないのだが…… 
着替えるのはお風呂の後にして、自室のストーブを付ける。幸い電気はちゃんと通っている 

「みさちゃん」 

突然、あやのの声が聞こえた、びっくりして辺りを見回すと…… 

「こっちこっち」 
「あらら、穴が開いてんじゃん」 

隣の部屋との壁に小さな穴が開いていて、その穴からあやのが喋りかけてきたのだ 

「よく見ると穴ばっかじゃん。覗かれたらまずいよなー」 
「でも、今は女の子しかいないからいいじゃない」 
「まあ、そうだけどさ」

『みんなー! お風呂沸いたよー!』 

聞こえてきたこなたの声。二人は穴からお互いを見て、 

「まずはお風呂の順番を決めないとね」 
「ああ、みんなを呼ぼうぜ!」 

二人は同時に部屋から飛び出した 





(さあ……始めようか……) 

その頃、部屋の一室で一人の少女が不気味な笑みを浮かべていた―― 

FILE.2 

「じゃ、最初はあやのさんね」 
「んで、次が高良」 
「その次は柊ちゃん」 
「次は、日下部さんですね」 
「つかさが五番目で」 
「最後がこなちゃんだね」 

お風呂に入る順番は決まった。遅い人達は自分の部屋で待機だ 

「あ~、持ってきたゲーム壊れてないかな~」 
「あんたねぇ、こんなところまでゲーム持ってきたわけ?」 
「あはは、アレがないと、ね」 
「まあ、こなたらしいけどね」 


・・・ 


「ふ~、さっぱりだゼ」 

しばらくして、お風呂から上がったみさおは髪を拭きながら自分の部屋とは反対方向へ歩いていく。次にお風呂に入るつかさを呼ぶためだ 

つかさの部屋のドアをノックする 

「つかさ~、お風呂上がったゼ~」 
「うん、わかった~」 

つかさは着替えやタオルを持って出てきた 

「ちびっこにも教えとけよ? 私もたまにゲームするんだけど、途中で終われなくなるんだよな」 
「うんうん、それすっごくわかるよ~」 

みさおの言葉に首を何度も縦に振る。そして廊下を歩いていくみさおの後ろでノックをする音と、 

「こなちゃ~ん、お風呂次だからね~」 

という声が聞こえた 


・・・ 


みさおは自分の部屋で考え込んでいた 

(なんだ……すごく嫌な予感がする……なんでだ……?) 

なにか、とんでもないことが起きそうな、そんな予感が……

「日下部さん」 

不意に、ドアをノックする音と声がした。ドアを開けると、つかさが立っていた 

「んあ? どした?」 
「あのね、こなちゃんの部屋が開かないの。声を掛けても返事がないし……」 

そのつかさは、なぜか怖そうにしていた 

「もう寝ちまったんじゃねぇの?」 
「だって、まだ8時だよ? いくらなんでも早すぎるよ……もしかして、こなちゃんになにかあったんじゃ……」 

つかさの怯え方が尋常じゃないことと、さっき自分が感じた嫌な予感もある 
みさおはみんなを集め、こなたの部屋の前に向かった 

「とりあえず、ブッ壊すか?」 
「うっわ! いきなりだな……」 
「でも、妹ちゃんが何回呼んでも返事はなかったのよね?」 
「う、うん……こなちゃんがこんなに早く寝るなんて今までなかったから……」 
「先ほどの大雨で風邪を引いた可能性もありますね。お風呂の順番は最後でしたし……」 

とりあえず無理に開ける派は四人。かがみもしぶしぶ了承した 

「んじゃ、壊すゼ……せーの!!」 

思い切りドアノブを引くみさお。すると、わりと簡単に開いた

『!!!』 

中の光景を見た五人は、硬直した 

「そ……そんな……」 

中にあった『ソレ』が、五人の思考を停止させた 

「う……ウソだろ……?」 

その瞳からは、一切の輝きも感じられない 

「こ……こな……ちゃ……」 
「つ、つかささん!!」 

五人が見たのは、首元に突き立てられたナイフから流れ出る、おびただしい量の血液で自身を紅く染め上げた、泉こなたの変わり果てた姿だった…… 

「こ……こなたーーーーー!!!!!」 

不気味なほどに静まり返った屋敷に、柊かがみの悲痛な叫びだけがむなしく響いていた…… 




(ふふふ……まだまだこれから……)
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