こなた「ねえみゆきさん、この問題は?」 みゆき「これですね。この場合ですと――あ、」 つかさ「ゆきちゃん? 外に何か……あぁ!」 こなた「おおっ、雪だー!」 つかさ「あ」 こなた「ん?」 つかさ「こなちゃんとゆきちゃん、二人あわせて粉雪ー。なんちゃって」 こなた「……まぁつかさにしては上手いんじゃない? うん」 つかさ「私に『しては』……」 みゆき「ま、まあまあお二人とも……」 つかさ「そういえば粉雪で思い出したけど、雪っていろいろ呼び方あるよね」 こなた「あー、あるね。ぼたん雪とか。どう違うの?」 みゆき「簡単に説明しますと、雪は大気の状態によって様々な形状、性質になります。 暖かくて湿度が高ければぼたん雪。寒くて湿度が低ければ粉雪といった具合ですね。 雪の性質はどちらかと言うと湿度によって決まるところが大きいですが、 基本的に気温と湿度は比例しているので、気温の高低での判断も間違いではありませんね」 つかさ「えっと、じゃあ今降ってるのはぼたん雪?」 みゆき「ええ。雪合戦や雪だるま作りなどのオーソドックスな雪遊びに最も適した雪です」 つかさ「そっかぁ」 こなた「私雪遊びなんてしたことないや。全然積もんないよね」 みゆき「関東は一年の平均気温が高いですから。仕方ありませんよ。 そういえば、北海道の一部の地域では五月に入ってからもみぞれが降ったという話を聞きました」 こなた「マジっ!? 五月なんてどっちかってーと暑いくらいじゃん!」 つかさ「みぞれ……雨と雪が混じったようなのだよね。五月の雪ってなんだかすごいねぇ」 みゆき「本当に。『四季の国』と呼ばれるだけのことはありますよね」 つかさ「五月の雪、見てみたいなぁ」 こなた「でも住んでる人にとっちゃそんな時期の雪なんてたまったもんじゃないよね」 みゆき「私たちは雪に対して憧れを持ったりしますが……確かに現地の方にとっては困りものなんでしょうね」 つかさ「雨よりずっといいと思うんだけどなぁ。雪なら濡れても気にならないし」 みゆき「雪だとなぜか気にならないですよね。不思議です」 つかさ「……雪、積もるといいね」 こなた「積もったら雪合戦しながら帰ろかー」 つかさ「あ、うん! やろやろ!」 こなた「かがみは『子供っぽいからやめい』とか言ってノってこなさそーだけど」 つかさ「それはあるかも……」 ――この気温だと、積もるのはちょっと期待できそうにありませんね―― つかさ「ゆきちゃん?」 みゆき「あ――いえ。……積もってほしいですね」 つかさ「ね。たまの雪なんだから楽しみたいよね!」 みゆき「……そう。予想よりは期待の方が、楽しめますよね」