-魔法使い 俺ら☆マギカ &italic(){~Castitates magi Olera☆magicis~ } 草木も眠る丑三つ時、静かにキーボードを叩く。 数多の掲示板に出没して、ただひたすらに煽り続ける。 「ハァ…」 すこし、疲れを感じて手を休める。 そう言えば、オレ、今日が誕生日だったな。 あと、30分ほどで、彼女いない歴が満30年を迎える。 憂鬱な気分を振り払うために、HDDレコーダーの電源を入れて、適当にアニメを選び、再生させる。 そして、どれほどの時間が立ったのだろうか。気のせいか、密室にクローブ、シナモン、カルダモン、ナツメグなどを煮込んだような香ばしい匂いが漂う。 アニメで金髪縦ロールの少女がティロ・フィナーレをしている場面だった。 食べ物の中で戦う少女たちをみていると、お腹がすいてきた。 「二次元に行きたいなぁ。」 と、うわ言のように呟くと、返事があった。 「''二次元に行きたいか。''」 驚いて振り向くと、犬頭人身の筋骨隆々とした黒い人物が、ガスレンジに鍋を載せて、弱火で煮込んでいた。 「あなたはいったい・・・!?」 この部屋にガスレンジはない筈というツッコミすら忘れてしまい、茫然として呟く。 「''かわいい女の子がいっぱいいる。そして、お前たちに対して真剣にお相手してくれるぞ''」 「おれを相手にしてくれる女の子なんて、いるわけない。」 「''大丈夫だ、問題ない''」 「ほんとに?嘘じゃないよね?もし、本当なら、ぜひ・・・」 「''その願いは、お前の魂を差し出すに足るものなのか?''」 「別に魂なんていらない。お願いします。」 寝不足で朦朧としていたオレは、思わず、そう叫んでいた。 #image(http://loda.jp/madoka_magica/?id=1334.jpg) [[(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners>http://loda.jp/madoka_magica/?id=1333.jpg]] コンコン。 ドアをノックする音が聞こえる。 ドンドン。 苛立ったように、部屋の扉をノックする。 「開けるわよ」 部屋を開けると囈言を呟きながら、ひたすらアニメに魅入っている息子がいた。 「はぁ・・・」 ため息をついて、扉を閉める。もうどうなっても知らない。餓死する前に、食堂にやってくることを願うのみだ。もう、3日も食事をしていないから、そろそろ干からびるだろうに。 それとも、水分補給は自力でやっているのだろうか。 わたしが知らないうちに。 知らない場所で。 このページの