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○月×日 森の湖畔にて高等学部普通科所属のクロツチ・ミズチと接触。隙を突かれて「愛の熱暴走」という名の抱擁を受ける。 Endymion-342からの物理的な接触は無かった模様 その後、魔法学校に無事帰還した 同日 運動場にて高等学部普通科所属の団 五郎と接触。獣人の生態について話を聞く こちらも物理的接触は無かった模様 夜、会話で教わった歌をダンスと共に披露。テーブルと本棚を破壊する 感覚神経の材料が揃い次第開発・移植予定 ○月#日 Endymion-342を武闘会に参加させることにした。 殺傷目的で造られた可能性が非常に高い彼の有する戦闘能力及び魔法の詳しいデータを取るためだ(サークルの活動費用を稼いで貰う為もあるがこれは内緒だ)。 第一回戦は高等部3年 普通科所属の三年生、牡丹。 状態異常を引き起こす魔法の使い手だったらしくEndymion-342が一時的に動作不安定となったが、なんとか勝利した。中枢神経へのダメージが少なかったのが幸いか 明日も戦うとのことなのでこのままデータ採取を続行する ○月△日 第一回戦を突破したEndymion-342、第二回戦へ 対戦相手は普通科に所属する二年生・アリベル。雷属性の魔法を操る悪魔だ 巨大なチェス盤上で両者とも善戦するも最後は魔法の撃ち合いになり、自らの撃った魔法の反動に負けたEndymion-342がリングアウトするという結果に終わった。負けてしまったが3位という成績を残したのはとても喜ばしいことである。彼はアリベルに激励の言葉を贈りたいと言っていた… 採取したデータを調べた結果、Endymion-342の戦闘における動作は過去の経験に基づくものであること、メモリー内に戦闘用の領域が存在することが分かった。この領域には厳重なロックが掛けられているが、もしこの戦闘データを見ることができればそれを通して彼が稼働していた時代どのような「敵」が存在していたのか知ることが出来るだろう …いや、出来ただろう とんでもない失敗をしてしまった。はやる気持ちを抑えられなかったばっかりに……
○月×日 Endymion-342、大破。 教会の真ん中でバラバラになっていたらしい。 短い間だったが彼は貴重なデータと経験を私たちにくれた。なのに、こんな最期を迎えなくてはならないのか。いくら機械だからって、あんまりじゃないか。 とても作業をやる気にはなれなかった。会長は彼の残骸の一部を歴史博物館へ送ることと、一週間の活動休止を決めた。 後悔しか無い。 もしあの時無理矢理にでもパーツを交換してやっていれば。 あんな魔法を受けてもいくらか耐えられたかもしれない。 もし戦闘モードの修復に成功していれば。 彼が無用な苦悩を背負わずに済んだかもしれない。 もしあの時感覚神経なんて移植しなければ。 痛みの中で最期を遂げることは無かったのかもしれない。 もしあの時、私が「せっかくだから動かしてみよう」なんて言わなければ。 言わなければ。 副会長が彼の胸部から何かを見つけたらしい。水の入った瓶と、火の玉、そして開かない封筒。 これが何を意味するのか分からないが、しばらく副会長に預けておこうと思う。 いまの私では、持つことはおろか見ることすら耐えられないだろう。

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