魔女っ子&変身ヒロイン創作スレ-まとめ-

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匿名ユーザー

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ボクには黒贄鴉、というやたらと不吉な名前をした幼馴染の少女がいる。
 名は体を表す、というのは事実のようで、腰まで伸ばした長髪、歳に似合
わない鋭さを持った瞳、そして一年通して着込んでいるロングコートは全て
墨で塗りつぶしたような漆黒。鉛筆や筆箱などの文房具まで黒で統一する手
の込みようだ……正直、夏場は見てて暑苦しい。なんでそんなに黒が好きな
んだ? と聞いたら、

「……格好いいから」

 と、非常に簡潔に答えてくれましたとさ。
 背はそれほど高くなく、同年代の標準よりちょっと小さいくらい(ちなみ
にボクより大きい……この年代で比べたら女子のほうが男子より成長が早い
のは分かっている。分かっているのだがなんか悔しい)。当然、胸も──や
めておこう。女子の体格とかに触れるのは褒められたものじゃあ少なくとも
無い筈だ。

 口数はそれほど多く無く表情の変化も少ないので、今一何を考えているの
かよくわからない。ボクみたいに長く付き合っている人間ならともかく、ほ
かのクラスメイトなどから見るとなおさらのようで、そのためかこいつの友
達はボクを含め片手で数えられる程度しかいない──無論、色恋沙汰などまっ
たくの皆無だ、というかこいつと付き合いたければまずボクを倒し──げふ
んげふん。

 で、さっき言ったように無表情且つ無口のため分かりづらいが──こいつ、
中々に激情家だ。表に出てこないので分かりづらいが。去年だったか一昨年
だったか、その自らの数少ない友達を虐めた上級生を、見るも無残なボロ雑
巾へと変貌させた事件は非常に有名だ。そのせいで、ますます周りから敬遠
されるようになったが、本人は少なくとも満足そうだった。その友達との友
情も深まったようではあるし、まぁ結果オーライ……なのかな。

 と、そんな前置きは置いといて。
 鴉とボクは──晴れて魔法少女と魔法少年となりました。
 いや、嘘でも法螺でも冗談でも戯言でもないって。頭も別におかしくなっ
てない。
 勿論、自分が何も関係のない第三者で、こんなこと言い出す人間がいたら
精神病院を真っ先に勧めるが、間違いなく事実なのだからどうしようもない。

 現実は小説より奇なり──そんな言葉が身に染みて理解した日、ボクが一
〇年かけて培った常識が覆された瞬間。
 それは、四月の某日。
 ボクらがまだ、四年生に進級したばかりの時だった──

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