第22話 最後のコイル

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ヤサコ「業界の噂によると、イマーゴ機能を外すことの出来なかったメガマスは、空間の方を改良したそうです」 イサコ「この世界を、壊してはならないの。誰かが、そう願った。必死に。だから私は生まれた。この世界を、この気持ちを永遠に守らなくてはならない」 イサコ「うっ」 ヤサコ「それっ。 天沢さん、こっちよ」 放送「電脳局のフォーマットは、緊急性の高い強制装置です。一般の個人データは保存されません。ご自宅に待機するか、メガネの使用を禁止してください」 電話「現在、使用制限中です。しばらくしたら、またお掛け直しください」 おばちゃん「ちっ、ついに強制措置に出たか」 放送「メガネは終了してください」 男性「そんなにすぐに切れるか!」 「うわっ」 猫目「例の電脳体さえ見つかれば。しかし、勇子に情報をリークしたのは何者だ」 ヤサコ「来たわ! あれって、アナウンスでやってた新型サッチー。大変!」 イサコ「あ」 ヤサコ「怪我してるわ」 イサコ「あ」 ヤサコ「よかったら、上がって。天沢さん、泣いてたの?とにかく、傷の手当しましょ?」 イサコ「あの時。お前と初めて会ったあの時、騙して悪かった」 ヤサコ「え……ああ、デンスケを」 イサコ「あの犬はどうしてる。元気か?」 ヤサコ「うん、元気よ」 イサコ「中のイリーガルが必要だったんだ」 ヤサコ「キラバグを、お兄さんを取り戻すために」 イサコ「そうだ」 ヤサコ「ごめんなさい。余計なこと聞いちゃって。救急箱取ってくるわ」 イサコ「でも、全部無駄だった。あたしは、誰の役にも立てない。何もできない。ダメだな。ごめんね、お兄ちゃん。私、私……、お兄ちゃんを助けようとして、ずっと。それなのに。うわーーーーー」 ヤサコ「あっ、天沢さん。どうしたの?ねえ! 痛い?もし、もしよかったら、私に話して。誰かに話すと、ちょっとでも楽になるかもしれない。私、ハラケンを天沢さんが一緒に助けてくれて、思ったの。みんなのしてる噂は本当じゃない。カンナちゃんのこととか、あのヌルってイリーガルを呼び出したとか、全部嘘なんでしょ?一緒にみんなの誤解を解きましょう?ねえ覚えてる?越してきてすぐ、下駄箱で私に言ったこと。悔しかった。でも、それからずっと気になってた」

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