第21話 黒いオートマトン

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第21話 黒いオートマトン」を以下のとおり復元します。
ヤサコ「メガネの開発の歴史によると、昔は様々な投影技術が研究されていたそうです」

イサコ「このお人形はお兄ちゃんと私。だから、私のこと忘れないでね」

イサコ兄「忘れないさ。勇子こそ、ぼくのこと忘れるなよ」

メガばあ「うーん、古い空間に長くいたせいでバグが溜まっているようじゃ」

ヤサコ「よくなるの?」

キョウコ「なるのー?」

メガばあ「うん、しばらく安静にしておれば、安定してくるじゃろ」

ヤサコ「そう、よかった。じゃあおばば、頼んだわよ」

メガばあ「ううーん……」

ダイチ「チコクチコクー!ふう、いやー、危なかったぜ。始業式から遅刻……あ、アルマゲドン……じゃない、校舎間違えたー!ぶむっ。で、出た!」

おばちゃん「ちょっと頼みがあるんだけど」

ダイチ「え?今度は何だよ」

おばちゃん「代わりに、いい情報をやるわ」

ダイチ「んー?」

アイコ「おはよ」

フミエ「おはよ」

ヤサコ「おはよう」

アイコ「宿題終わった?」

フミエ「ギリギリセーフよ」

アイコ「どうしたの?元気ないわね」

ヤサコ「んーん、何でもないの」

ウチクネ先生「オラオラー、遅刻すんぞー」

アイコ「にしてもさー、普通ビルの最上階に小学校を作るー?」

フミエ「大黒市の行政は、日本で二例目のハンガンハンミンなの。それで色々と変わった政策が多いらしいわ。一説によると、メガマスも系列会社らしいわよー」

アイコ「へー」

フミエ「ヤサコ、まだアイコたちには言えないわよね、ハラケンのこと」

ヤサコ「うん、でも今朝おばちゃんに電話した時はまだ眠ったままだって。一度目を覚ましたそうだから、無事なのは確かみたい」

フミエ「よかったじゃない。早く元気になるといいわね」

アイコ「ねね、あれ。駅向こうの子たちだわ」

ヤサコ「あ」

アイコ「ハラケン、せっかく再編成で同じクラスになったのに、今日は休みなんだね。病気かなあ?」

フミエ「きっと、夏風邪でもひいたんじゃない?そのうち元気に出てくるわよ」

アイコ「あ、それで?自由研究は?」

フミエ「ふー、バッチリよ。ほら!」

アイコ「んー?へー、よくできてるじゃない!あら、この間のテレビとそっくりだわ」

フミエ「げぇっ、見てたの?」

アイコ「まさか、丸写ししたの?」

フミエ「ひ、人聞き悪いわね。インスパイアよ!それに、3割くらいは、完全オリジナルなのよ?例えば、この辺とか……」

ヤサコ「ハラケン、何で目が覚めないのかしら」

イサコ「あの時使った暗号が不完全だったのかもしれない」

ヤサコ「あ、天沢さん」

イサコ「電脳コイルという現象、電脳体が分離すると意識も失う原理は今も分かっていない。私の暗号も昔使われていたものを再現しているだけなんだ。だが心配するな。電脳体のリンクは、綺麗に復元されていた。意識は間違いなくこっちに戻っている。今回のことは、私にも責任がある。すまないと思ってる」

ヤサコ「天沢さん……。天沢さんのお兄さんに何が起こったの?」

イサコ「兄の存在は、公式には伏せられている。イマーゴが原因で兄が意識不明になったことは、メガマスにとってまずい出来事だったから」

ヤサコ「何故、意識不明に?」

イサコ「その頃のことは、よく覚えていない。私も一緒に意識を失ったから。後で一緒にお兄ちゃんを探してくれる人から聞いた」

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