『いつかの夏に耳をすませば』

リゾナントブルーAnother Vers(ry 暫定保管庫内検索 / 「『いつかの夏に耳をすませば』」で検索した結果

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  • 『いつかの夏に耳をすませば』
     …です。お忘れ物のございませんようお降り下さい。 ――…ン… …ハッ!! ヤバっ!降りなきゃ! プシュー バタン あちゃー、乗り過ごしちゃったよ。 …やっちゃうか。  スッ ガタンゴトーン ガタンゴトーン… 「ふぅ」 「鈴木さん」 「え?あっ、小田ちゃん一緒の電車だったんだ」 「ダメですよ、人前で能力使っちゃ」 「あーwゴメンゴメン」 「…もしかして、何回かやってますね?」 「…うん、実は」 「私だってそれができるんならやりたいですよー」 「だよね、うん」 「でも、電車降りるくらいならいいですけど、今まで例えば、お店とかに忍び込んだりとか…」 「う~ん…、小さい頃にさ、凄く欲しかった人形があってさ」 「はい」 「誕生日にね、買ってもらったんだけど、1つだけって言われて」 「はい」...
  • 『kodama』
    この街はいつも切ないリズムをかかえたまま 重たい空が街の熱を奪う 窓の向こうを見つめたまま 悲しみばかり形になってゆく そうやって歩いてきた いつからだったろうか ずいぶん歩いたなぁ 靴もボロくなった 明日消えてしまうかもしれない世界 永遠に続くかもしれない世界 だけど一つだけ確かなのは 命は限りあるものだから 上手に描いて 色を塗って 消えないようにする 言葉は魔法で 心は広がる海で そこに日常の 雲が広がってゆく 涙がこぼれて 悲しい順に雨になる 聞こえる雨音は こだまする悲しみか 耳をすませば 遠くで聞いた声で感じたい やさしさを 信じたい いつの日か 雲のすき間から走り出した光り 心の闇を照らしながら 涙をひとつ抱えていく 雨のち晴れを待ってる まだ悲しみがこだまする r...
  • 『異能力番外編-Storm World-[20]』
                                     ←back      next→ 故郷でよく見ていた雨に似た白いモノ。 窓は靄で外を阻み、ソッと手を泳がすとヒヤリと冷たい感触。 ハァッと息を吹きかけると、白く世界は曇った。 曇った空。灰色の雲。 故郷は雪が降り、いつかの景色も、誰かの足音も、仔猫の鳴く声も 子ども達の笑う声も、きっと消してしまう。 私の吐く息は、いつだってただ真っ白で、酷く哀しい色でしかない。 ―――見下ろす世界は、どこか静かに佇んでいる。 十一月下旬、天気はくもり。 空からは雪なのか雨なのか分からないモノが微かに降っていた。 唇はカサカサになり、寝癖に嫌気を差しながら愛はトボトボと歩いている。 ふと、現在高校生である二人の姿を思い出す。 まだあの子達は受験があるワケでもないが、1人は芸能...
  • 『ダークブルー・ナイトメア~2.face to face』
                                  ←back    next→ 気がついた時、愛は闇の中に立っていた。 手を伸ばしても触れるものはなく、目を凝らしても見えるものはなく、耳をすましても聞こえる音はない。 完全なる闇。 闇で満たされた空間。 「どこや、ここ」 己の呟きがひどく遠いもののように感じられた。 そもそも、なんでこんなところにいるのだろう。 今までどこで何をしていたのか?  ・・・思い出せない。 思い出そうとすると、頭の中に霞がかかったようになる。 記憶の細部がぼんやりしていて、輪郭しか掴めない。 「・・・・・・あたしは、高橋愛。9月14日生まれのA型で、出身は福井県」 あれ?A型でいいんだっけ?O型だったかな? 自分のことのはずなのに、頭がふわふわしていてはっきりしない。 足元すら、おぼつかな...
  • (80)815 りほかのvs安倍さん的保全
    「とても勇ましいお嬢さんたちだね。 でも君たちはわたしのことを傷つけられない」 鞘師里保と鈴木香音。 リゾナンターの若き精鋭は喫茶リゾナントのある町の駅を見下ろすマンションの屋上で一人の能力者と激闘を繰り広げていた。 その能力者の名は安倍なつみ。 “銀翼の天使”としてその名を馳せた彼女に付けられしもう一つの名は“言霊使い”。 きっかけは里保と香音の二人が駅前にある業務スーパーへ買い出しにやってきたことから始まった。 JRの駅から降りてくる家族連れの父親が尽く暗い顔をしているのだ。 大型連休の旅先で楽しい思い出を作ったであろうにもかかわらず思いつめたような顔をしている父親たちの姿に里保は違和感を覚えた。 「帰省からのUターンで疲れてるのかもしれないけどちょっと極端すぎると思わない、香音ちゃん」 「確かに明日から仕事が始まるけど…」 一家の大黒柱の暗...
  • 『■ グッドスリープ -スマイレージ- ■』
                                      【index】  ■ グッドスリープ -スマイレージ- ■ 小雨が、降り続いていた。 都内某所、そのマンションの最上階に彼女たちのセーフハウスの一つがある。 「ただいま」 冷え切ったリビング。赤いソファー。 「おかえり花音」 ソファーからそう返してきたのは小川紗季だ。 その足元、床にぺたんと座っていた前田憂佳も振り返る。 「あやちょ、どう?」 「ん…さっき『生き返った』。今は落ち着いてる…じきに目を覚ますよ。」 和田彩花は小川紗季の膝の上、すやすやと寝息をたてていた。 「でも『死んでる時間』がまた長くなった。 今までも何分かづつ伸びてはきてたけど、今回は10分以上増えてる。」 福田花音の表情が曇る。 「今回は無理させたわ…。 『後藤さん』に...
  • 『劇場版 瑞珠剣士・鞘師 「黒き鎮魂歌」』
    欲望が渦巻く、日本を代表する繁華街。 その一角に断つ雑居ビルの屋上から、下方の混沌を覗く四人の影があった。 一人は30歳前後の女性、そこから数歩下がったところにいるのは10代半ばの少女たち。 「本当に、いいんだな?」 全身黒ずくめ、体のありとあらゆる場所をプロテクターで防護したその女性は、念を押すように少女たちに語りかける。 顔を覆い尽くす仮面からはその表情は窺えなかった。 「もちろんですよ」 三人の中でも年長と思しき少女が、目を三日月にして答える。 年よりやや幼さを残す顔つきではあるが、瞳の奥に底知れない悪意を映していた。 「しかし。まさか『あなた』と一緒に仕事ができるとは思いませんでしたよ。『天使』や『悪魔』たちと一時代を築いたかの、英雄」 「英雄ねえ。最期はクソガキどもに虚を突かれてこれだ」 いかにも真面目そうな、堅い表情の少...
  • The wind never 『Vanish!』
    丘を走り 川を飛び越え ビルの谷間を駆け抜け 海を渡る 時に温かく僕らを包み 時に厳しく僕らを苦しめる 淀んだ空気を取り払う時も 止まった空間を引き寄せる時もある そうそれは 風 ―掴みどころのない存在 掴もうとした瞬間にするりとこの握りしめた掌から逃げていく 掴もうとすればするほど風はカタチを変えて僕らを翻弄する 追いかけようとしても決して追いつかない 捕まえられない 必死になって追いかけても気付けば風は違う方向に吹いている 純粋に、ただ気ままに、自由に流れているんだ、風は どこにいった?なんて辺りを見渡せば 眩しい日の光と共に姿を現す そしてまた僕らは風を追い掛けて走り出す 僕らはいつまでもいつまでも風の通う道を追い求めている 決して見つかることなんてないとわかっているのに だって風はいつでもどこでも吹いているから 昨日も...
  • 『新しい支配者』
    「今、なんて……?」 聖は、目の前にいる相手の言葉に耳を疑う。 おかっぱ頭で、前髪を切りそろえた、色白の華奢な女の子。 「もう一度だけ言いますよ。ダークネスは、私たちが潰しました」 黒目がちな瞳を細め、柔らかく笑う。 普通なら、かわいらしい顔。そんな印象を抱くような顔つきなのに。 怖い。黒目の黒い部分が、まるで彼女が抱える闇であるかのように聖には感じられた。 「だってあのオバさんたち、弱いんですもん。私たちの新しい力には、誰も敵わなかった」 彼女の言うことが真実なら。 氷を操る魔女も時の支配者も未来を見渡す賢者も、倒されたということ。 それだけではなく。天使や悪魔さえも、屈服させたというのか。 「ありえない、そんな顔してますよ?じゃあ、見せてあげますね。『喚び出すりん♪』」 しなを作りつつ、地面にしゃがみ、右手を地に添える...
  • スレ別分類(第73話~第100話)
    ...4.91 0 『いつかの夏に耳をすませば』 2013/08/05(月) 06 55 17.17 0 『リゾナンターЯ(イア)』 十三回目 2013/08/06(火) 23 49 22.22 0  (83)169 名無し媚漏中。。。 2013/08/07(水) 22 48 02.77 0   (83)184 名無し変態中。。。 2013/08/08(木) 18 47 54.36 0   『平和の音』 2013/08/09(金) 20 38 46.46 0   (83)212 名無しジョジョ立ち中。。。 2013/08/09(金) 23 48 50.17 0  『リゾナンターЯ(イア)』 十四回目 2013/08/11(日) 11 51 04.21 0   『変な夢~THOUSAND DREAMS~』前編 2013/08/11(日) 22 23 21.97 0...
  • 『いっしょに帰ろう』
    破れた服。 髪に付着する羽毛。 爪の間に残った血。 窓の外には、建物が競いあって背伸びをしていて。 その中では、人が競いあって背伸びをしていて。 そんな景色を、ため息とスモッグが霞ませる。 窓の下には、背伸びで軋んだ路地裏がある。 時に、私じゃない私でないといられなくて。 大人になった私に、子供でいたい私が涙を見せる。 世界のまん中も日出ずる国もなくて、ただ広い海が隔てている。 海を隔てた先にある、私のもう1つのふるさと。 写真立ての中で、無邪気な顔してみんなが笑ってる。 いつかきっと、写真と同じ笑顔でいっしょに帰ろう。 商品:香蕉 数量:30公斤 送達地点:日本東京 帰りたい…いくつもの色で輝いていたあの頃へ…。 今は、私の気持ちが少しだけ、先に帰ります。 ――話したいことが山ほどあるんだ 大好きな...
  • 『止み、病み、闇』
    二人の預言者が彼女を例えた 一人は「希望」と、一人は「絶望」と                 ★   ★   ★   ★   ★   ★ 「はい、オッケーです!!」 「「「「「「ありがとうございました」」」」」」 豪華なセットの前でブラウン管の中の人物達がテレビ局のスタッフに挨拶をする その中に月島きらり、いや、久住小春の姿があった 「ありがとうございました!」 久住は深々とお辞儀をして、スタジオを後にし、用意された楽屋に戻ってきた 「マネージャーさん、どうでした?今日の小春は?」 「う~ん、まあまあだね。もう少し頑張れるとおもったな、僕は」 「そうですか?小春は結構手ごたえありましたけど~あ、着替えるので後ろ向いてください」 マネージャーとの反省会をしながら久住は身支度を整える 「はい、こっち向いてもいいですよ。え~と、今日はこれでおしまいで...
  • 「愛と太陽に包まれて」
    「愛と太陽に包まれて」(かなしみの人ver) 次回予告              どしゃぶりの雨 以前親から暴力を振るわれていたれいな 最近は家出された事や自立しようとする   行動をまのあたりにした親が 心を改め親子の仲を取り戻しつつあった そんなれいなをいつも見守ってきた愛 愛は机で突っ伏して寝むり夢を見る・・  -少しずつ自分から離れていく少女・・必死で追いかける自分がそこにいた- 本当は離れなければならないそれが1番良い事 けれどもとてもツライ想いが駆け巡る      愛は寝言を・・・「れいな 行かない・・で・・・」    れいなは机で眠る愛を見つけると 何も言わず肩にそっと毛布をかけた        愛が目を覚ますと 横に並んでれいなが寝ている     れいなは寝言を・・・「・んん・・何処へも...
  • 再始動~Re-sonantor~
    扉にクローズ札のかかった懐かしい喫茶店の前に着いた ここに来るのは約2年ぶりかな 来ようと思えばいつでも来れたし、何度も来ようとした でもここに来るとみんなの決心を無駄にしちゃうような気がして・・・ 2年と約半年前のこと・・・ ダークネスは滅びリゾナンターの戦いは終わった メンバーみんなが待ち望んだ未来 9人で過ごす戦いのない平和な世界を誰もが楽しみにしていたと思う でも高橋さんの選んだ未来は違うものだった リゾナンター解散 みんなリゾナンターになる前の普通の女の子に、普通の生活に戻ろう・・・とのこと 突然のことだった 喫茶リゾナントは休業 高橋さんは強要しなかったがメンバー間の関係もリゾナンターになる前の状態に戻ることになった 学生だった愛佳は普通の学生生活に戻った もとの生活に戻っ...
  • リゾスレ50話突破記念 消えたリゾナンター (3) 
                                    ←back 私はあの後藤真希に無理やりダークネス基地に連れてこられた。 「少し待ってるっぽ」と彼女はリゾナン史での激戦を繰り広げたとは思えないようなのんきな言動をしていた。 とにかく私は実験室と思われる部屋で待つこととなった。 私は冷静にも部屋の中を観察していた。 机の上に置いてある資料にはからあげステップのメモやグラビティカーテンの設計図などのリゾナン史で聞いたことのある名前の書いてある紙がたくさん置いてある。 「お待たせ、はい夕飯のピザですよ。」 Dr.マルシェ。ダークネスの科学者だ。一説によるとリゾナンターの高橋愛と新垣里沙とは親友の間柄だったとか。 彼女が持ってきたのは私のお気に入りのピザ店の一番好きなメニューのLサイズだ。 「まっ、食べながら話しましょう。」 マルシェは芋をほおばり...
  • 『リゾナント殺人請負事務所録』 Interlude.8~メメントモリは殺し屋たちとの約束~
    「そのこ、どうしたんですか?おじさんのねこさん?」 そう声をかけると、ふり返ったおじさんは少しこまったような笑い顔をした。 「いや、違う。首輪もついてないから野良猫だろうね」 「死んじゃったの?」 「…ああ、そうみたいだ。昨日の夜か…夜中のうちだと思う」 しゃがんだおじさんの前で丸まったようになっている、黒いねこさん。 ねているだけのようにも見えるけど、手をのばしてさわってみると、かちこちだった。 口のところには、血のまじったあわみたいなものがついている。 「ここのところ、近所で続いてるんだよ。こんな風な猫の不審死が」 「ふしんし?」 「僕の知る限り、これで10匹目だ。どれも目立った外傷はなく、こんな風に血を吐いて死んでる。おそらく毒物だろう」 「どく?だれかに殺されたってことですか?」 「猫が死に至るほどの毒物が、偶然そのあたりに落ちている...
  • 『藤本美貴の災難』
    38 名前:藤本美貴の災難[sage] 投稿日:2011/02/26(土) 06 45 14.95 0 藤本美貴は、いつになくご機嫌で道を歩いていた。 「ハッフフフ~、グッフフフ~、フンフフフフフフッフ~♪」 あまりにご機嫌過ぎて、鼻唄なんか歌っている。 その鼻唄に耳を澄ませば、某ジャニ事務所に所属していたビッグなアイドル歌手の往年のヒット曲によく似ている。 そういえば、最近衣料用洗剤のCMに使用されていたような。 とにかく鼻唄を歌っている。 歌っているといったら歌っているのだ。 彼女のことを蛇蝎のように忌み嫌い鬼神のように恐れるダークネス下級戦闘員たちが見たら、驚きを通り越して恐れ戦くだろう。 藤本美貴がご機嫌な理由はというと、二十…回目の誕生日を迎えたからというわけでもない。 それは多少は心が沸き立つこともあるやもしれないが、流石に二十...
  • (45)340 名無し募集中(白昼夢)
    「おーい、愛ちゃーん」 喫茶リゾナントの2階、愛ちゃんの部屋のドアを開けたわたしの目に飛び込んできたのは、思ってもいなかった光景だった。 「え、絵里…なんや?どうした?」 慌てたように振り返ってそう言う愛ちゃんの言葉は、耳をすり抜けていった。 ドアが開いた瞬間に見た、さゆが愛ちゃんに注いでいた眼差し。 そこに含まれた感情を見逃すほどわたしは鈍感じゃない。 「ばか!さゆのばか!愛ちゃんもだよ!ばか!ばかぁっ!」 「ちょ、絵里…」 目に浮かんだものを見られたくなくて……わたしは愛ちゃんの言葉を遮るように勢いよくドアを閉めた。 そしてその勢いのまま、階段を駆け下りる。 そこに待っていたのは、思いもかけない光景だった。 「え、絵里…なんや?どうした?」 「……え?愛ちゃん?なんでここに?さっき2階に…あ、瞬間移動?で...
  • (49) 457 名無し募集中(偽田中会)
    「助けてください!」 愛佳が喫茶リゾナントに駆け込んできた。 「どうしたと、愛佳?」 「なんか、よう知りませんけど。あの人らが襲いかかってきたんです。」 愛佳が指差す先には大勢の人々が喫茶リゾナントに向かっていた。 「まさか、ダークネス!れいなが叩きのめすとよ。」 れいなが店の外に出た。 「そこをどけ!」 「いったい愛佳に何の用があるとよ。」 「おい、この博多弁にヤンキーぽい姿。もしかして田中れいなじゃないのか?」 「そうとよ、れいなの事知っとると?」 「ちょうどいい、こいつもぶっ飛ばせ!」 人々がれいなに殴りかかってきた。 それをれいなが無駄なくよけていく。 「こら、話を聞くとよ!」 「問答無用!」 「聞き分けのない奴は・・・潰す!」 数分後、喫茶リゾナントの前には人の山ができていた。 ようやく愛が出てきた。 「いったい...
  • (単発作品の紹介)
    ...るか? 『いつかの夏に耳をすませば』 2013/08/05(月) 06 55 17.17 0 【鈴木香音】【生誕記念】【ほのぼの】【掌編】 その日電車で乗り過ごしかけた香音は物質透過能力を使ってピンチを脱した。 しかし間の悪いことに後輩の小田さくらにその現場を目撃されてしまった。 優しい口調ながらも能力の濫用を咎めるさくらに香音が話した幼い頃の思い出とは…? リゾナンターの平和な日常を描いた掌編。 相手役に後輩で優等生っぽい立ち位置の小田さくらを配したことで、香音の飾らない素直な心情が吐露されている。 生誕の祝い方がさり気なくて心憎いw (82)331 名無し保全中。。。(媚漏) 2013/07/17(水) 23 53 46.31 0 【生田衣梨奈】【鈴木香音】【1レス】【コメディ】 イケメンってつらいっちゃね。 他のメンバーから...
  • 『kanon―――』
    世界は色んな声に溢れている。 初めてそれを知ったとき、あたしはその色々な『声』に耳を傾けるのに夢中になった。 お父さんとお母さんの話し声、お兄ちゃんとおねえちゃんのお菓子を取り合う声、じいじとばあばののんびりとした声 向かいの家のお兄さんの電話する声、宿題をしなさいと叱るお隣のおばさんの声 八百屋のおじさん、魚屋のおにいさん、クリーニング屋のおばさんに、駄菓子やのおねえさん… くだらない話で笑いあう声、知らないような難しい言葉を並べて電話する声、優しい声、あったかい声 ―――――――――――――――……… 鈴木香音は世間一般で言う成長過程より早く、たくさんの言葉を喋り、たくさんの言葉を知った。 音楽に携わる母からは『耳がいい』と褒められ、ありったけの愛情を受け幼児期からピアノを教わった。 大学教授の父からは難しい本を与えられ、将来を有望された。 年...
  • (59) 999 名無しホゼナント(夏の終わり)
    あなたと一緒の夏が終わった. あなたらしい、「あなた」へ. いつか、また、会いに来るから.
  • 『つかのまの平和・・・そして別れ リゾナンターファーストシーズン最終回』
    ダークネスとの戦いに終止符を打ったリゾナンターたちはそれぞれの生活、いや勝ち取った平和を楽しんでいた。 愛は里沙とふたりでドライブしていた。 「なんで朝早くから車で出るのよ。舞台は夜からでしょうが。」 「だって、がきさんにあーしの新車を見てもらいたかったんやざ。」 「まったく、いつの間に新車なんか買ったのよ。いつもお金がないって愚痴ってたじゃない。」 「やって、能力使わずに遠出するときには車がええと思ったから奮発したやよ。」 「頼むからリゾナンカーの時みたいに乱暴な運転だけは勘弁してよね。」 「大丈夫やって、あーしをスピード狂かなんかと勘違いしてるんやないか?」 過去にリゾナンカーでの運転を経験しているものからすれば愛は確実にスピード狂である。 すると里沙は車が目的の劇場の方角とは違う方向に向かっているのに気付いた。 「あれ?愛ちゃんどこへ向かっている...
  • 『XOXO - Hug and Kiss(2)』
    『あなたは私の一番のお気に入りよ』  * * * * * * * * * * 「予知通りね。いらっしゃい、新しい世界の始まりへ」 光源の不明なおぼろげな光が包み込む中に、紅色で彩られた微笑が浮かびあがる。 「私にとっての現在は過去でしかない―それでもどれだけこの日を待ち望んでいたか。 何人が権謀術数を弄そうと暇つぶしでしかなかったというのに…ついに最終章に辿り着いたのね。 初めてよ、こんな高揚感を味わうのは」 腰まで届くような漆黒の髪をなびかせながら姿を現した女。 絹のような素肌を覆う濃紺のドレスは終わりを描くこと無く、海となって完全にフロアを覆い尽くしている。 あの日のままの、記憶通りの姿であった。 培養施設から破棄される一週間前。 当時のあたしは、白に覆われているものを“人間”だと認識していた。 白い帽子、白い服、白いマスク、白い長靴に...
  • 『いくた。』
    いくた。 あたしはここにきてから、たくさんの人にたくさん名前を呼ばれるようになった。 そんなこと今までなかったような気がして、あたしはいつも元気に返事した。 そしてそれから、たくさんの人とお話が出来るようになった。たくさん笑えるようになった。 「はいっ!」 「あんたね、ほんっと返事だけはいつもいいんだから」 ちっちゃい顔にしかめっ面、この人は新垣さん。 あたしの名前を一番たくさん呼んでくれる。そしてたくさんの色んなことを教えてくれる。 だけど新垣さんの教えてくれる色んなことには、『してはいけないこと』が多すぎて、あたしには全部わかんない。 それでも元気に返事すると、もう。ほんとにあんたは…そういって頭を撫でてくれる。 「ほんっと小春より手がかかる子がいるなんて思いもしなかったわ」 新垣さんがあたしの頭を撫でながら溜息をついて久住さんの...
  • 『-Qualia-Ⅵ』
    2012/09/09(日) 2012/09/10(月) 2012/09/16(日) 2012/09/18(火) 2012/09/09(日)  な、なに……っ!? 圧倒的な光の量に戸惑いながらも、コハクのヒカリが溢れ出す。 譜久村自身からそれが放出されている事に気付く。 包まれるような感覚。暖かさ。不意に手がポケットへ。  「フクちゃんに預けておくね。きっと大事なものになる筈だから」 放出されるヒカリがもっと広がりを増す。 手のひらに置かれた箱がひとりでに蓋を開け、その中から浮力で現れた、砂時計。 コハクの光が"透明な水"に水面を作り、波紋が生まれる。 その波紋の中心から水が隆起し、まるで生き物のように砂時計の周りを グルグルと螺旋状に囲み始める。 目の前には、巨大な水の空洞が出来ていた。 譜久村の指が自然と動...
  • 吉澤の憂鬱
    2011/09/17(土)  更新分 2011/09/18(日)  更新分 2011/10/07(金) 更新分 2011/09/17(土)  更新分 私がダークネスに入ったのは中学生の時だった。 その頃の自分は梨華ちゃんよりも大人しい女の子だった。 女子高に通っていてカラダが大きいせいもあるのか自分とは正反対のオトコマエキャラを要求された。 ダークネスに入っても、それは変わらなかった。 自分は本当は、そんな女の子じゃないのに。 大ざっぱだと言われるけど実際は生真面目で気にしぃで、たまにナイーブで……。 私は市井さんの後釜じゃない。 市井さんが脱退する時の、ごっちんは、それはもう能力暴走し放題で大変だった。 市井ちゃ~ん辞めないで~!!びぇ~~~!!だったもんなあ……。 その反動を私に求められても困る。 相変わらず散らかってて入るだけで吐き気が...
  • 『crossing belief』
    工藤遥と佐藤優樹が敵と遭遇したのは、陽が完全に沈み、夜が始まった直後のことだった。 いつだったか、太陽がじりじりと睨みを利かす午後、遥は図体だけが大きい男と遭遇したことがあった。 今回、ふたりの前に現れたのもその男と似たようなものだった。 現在のリゾナンター最年少であるふたりを前にして、男は鼻で笑う。 「どうして俺の相手が、こんなガキなんだろうなー」 そうして自虐的に言い放つと、男は拳を振り翳してきた。 相手は随分と大柄であったため、その拳の破壊力は凄まじい。ふたりとの体格差を考えても、この拳を浴びてはひとたまりもないだろう。 「膝悪いんだろ。ムリすんなよ、お嬢ちゃん!」 男はそうして遥の右膝を砕こうとした。 ある一戦で負傷した脚は、最近になってようやく回復の見込みが立ってきた。 こんな男にまた壊されてたまるかと思いっ切り脚を引く。瞬間に膝から激...
  • 『―MEL―』
    おめでとう。 おめでとう。 おめでとう、なっち。 なっち、なっち、なっち、なっち ――――安倍さんっ。  * * * 藍色の木々生い茂る森の細い道、私は小さな手をひいて歩く。 その小ささから想像できないほどに、それは強く、固く、絶えず私へ訴えていた。 彼女のことを私は知らない。出会ったのもつい数十分前。 私が買い物に行く途中にこの子と会っただけ。 路地裏から、身内のでない『結界』を察知しただけ。 (自分で言うのもナンだけど)それはとてもまがまがしくて、こっそり覗きに行っただけ。 すると黒い髪を振り乱しゴミを切り裂く彼女がいただけ。 ゴミは頭をつんざく悲鳴をあげて倒れていっただけ。 そして、私の視線と、彼女の強い眼差しが、真正面から、ぶつかり―――― その眼が確かに正義で、確かに悪だったから、声をかけただけ。 「助けて...
  • 『きらいじゃないぜ』
    「どうやら完全に囲まれちまったな」 「そうみたいね」 石で出来た家屋の中に二人の女がいた。 肌の色、髪の色、顔立ちは違ってはいるが、美しいという点ではどちらも同じだ。 「あの大揺れの中で倒れなかった家がもう半壊状態ね」 「形あるものはいつか崩れるのさ」 女たちはカーキ色の兵装を身につけている。 肌の白い方の女は自堕落に足を投げ出して、ダウジング用の振り子を所在なげに弄んでいる。 もう一人、黒豹のような印象の女は壊れかけの壁の隙間から外の様子を窺っている。 …!! 二人の会話を遮るように、断続的な銃声が響く。 外を窺っていた女は慌てて身を屈める。 やがて銃撃は収まった。 「ちょっと、見てみなさいよ。 あの兵士、バルカン砲を一人でぶっ放してるわよ」 「バイオをやったことはねえのかよ。 あんなのはざらに出てくるぜ」 二人の潜んでい...
  • 『闇に哭く』
    更新日 2012/06/30(土) 2012/07/01(日) 2012/06/30(土) 喫茶リゾナントのある町の駅前商店街の一角に、テナントが一切入居していない雑居ビルがある。 周囲の賑やかさからは隔絶したそのビルこそが世界征服を目論む悪の組織ダークネスの本拠だった。 そして今荒れた内部の薄暗い階段を、コンビニのビニール袋を手に提げて昇るジャージ姿の人影があった。 「くそったれが、いいかげんエレベーターのあるビルに引っ越しやがれってんだ。 つうか何で今日は見張りの兵隊が一人もいないんだ」 たるんでやがると悪態をつきながら階段を昇っていくのは"魔女”の二つ名で恐れられる藤本美貴その人だった。 ダークネスの幹部でありながら、独自の行動を容認させている彼女が、何故本拠の会議室へと続く階段を昇っているのか。 それは組織の首領ダークネスによる緊急召...
  • 『Snow Flake』
    ガラス越し溜め息に曇る窓なにか浮かない顔で 季節さえ置き去りで頬杖をつきながら上の空 いつの日から?消えていた私のGrin Smile 独りきりの冷たい部屋の中 外は白く舞う雪に招かれた 真冬の使者達が祈りを運んでる こぼれ落ちそうな涙の瞬間に 心の奥から沸き出す感情に気付いた 聞こえてる色んな声 そのひとつひとつに悩み抱え 毎日の笑顔の影 誰にも見せない涙を流す 眠れなくて真夜中見つめてるDisplay 耳を塞ぐ ─私の邪魔をするのは誰─ 泣きはらした瞳に雪が触れる度 壊れそうな心静かに冷ましてく 真っ白だった想い出の世界も やがて鮮やかな色に染まってほしいよ 外は白く舞う雪に魅せられて 駆け出した私達もいつしか笑顔に 心からの笑顔を取り戻そう 冬の物語もこれからの未来も 希望の春を待ち寒さを忘れて その哀しみ...
  • 『■ ノースウィンド-福田花音X光井愛佳- ■ 』
     ■ ノースウィンド-福田花音X光井愛佳- ■ 「うーさっぶぅ」 身に沁む北風が光井愛佳の足を駅前のショッピングモールへと急がせる。 リゾナント常連からショッピングのお誘い。 リゾナントの近く、小中高一貫の私立校、私立凰卵女学院の女子寮がある。 何人かの生徒はリゾナントの常連となっていた。 殺伐とした闇の戦いの中、つかの間の休息は愛佳の心を癒してくれることだろう。 「こんにちは」 一人の少女が愛佳の前に立ち、声をかけてきた。 愛佳が足を止めるとその少女は深々と頭を下げた。 抜けるような白い肌、ふっくらとした頬、丸くて小さな顔、小さな体… 「こんにちは」 満面の笑みだ。愛佳はどぎまぎしながら返答する。 「あ、ええと…ど…ちらさまでしたっけ…」 あー失礼なこと言うとる。きっと知りあいや、なのに全然思い出せん。 だが、愛佳の失礼な返答にもかかわらず、 ...
  • 『聖、許しませんわ』
    第一話「衣梨奈 孤独の青春」 「ちょっとお嬢さんいいかな」 「はいっなんでキャァァァァッ」 リゾナントのある町の駅の裏通りに露出狂の変態が現れた 目撃者の証言によると中肉中背の男が着ていたコートの前をはだけると、それを見た被害者は悲鳴を上げ失神したという 被害者に事情を訊くために病院を訪れたリゾナンターの目に映ったのは「面会謝絶」の四文字 複数いる犠牲者はことごとく意識を取り戻さないという (これはまさか能力者の仕業なの) 「こんな最低の変態野郎をこの町で生かしておくのは、カッコ悪い事だぜェーッ」 「積極的だね。だったらこの事件の捜査ははるなんが指揮して。聖、よくわかんな~い」 「ふ譜久村さ~ん(涙」 事件の性格から鑑みて捜査の前面には18歳以上のお姉さんチームが立つことになった 「いや~っ、お力になれなくて残念です」 尾形春...
  • 『傷だらけの太陽』
    「ん?あれ、生田からやん。珍しい」 通話ボタンを押すれいな。 「はい、なに?」 「…」 「生田?」 「…」 「ちょっと、生田?」 「…」 電話の向こうからは何も声は聞こえない。 おそらく、持ち歩いているうちに何らかのはずみで電話がかかったのだろう。 そう思い、れいなは電話を切った。 カランコローン 「こんにちはー!」 「おー鈴木!」 「ねー田中さん、さっきえりちゃんから変な電話がかかってきたんですよ」 「変な電話?」 「そう、何も言ってこないんです。いたずらかとも思ったんですけど、えりちゃんだって分かってるのに無言電話するのもおかしいし」 「えー、さっきそれれーなもかかってきたとよ」 「え!?本当ですか!?何してんだろえりちゃん…」 「きっとあれよ、何かの拍子でボタンが押ささったんよ」 ~♪ その時、また...
  • 『暁の戦隊』
    目次 第1話「気まぐれプリンセス」 第2話「女子校花道」 第3話「宝の箱」 第4話「Fantasyが始まる」 第5話「グルグルJUMP」 第6話「電話でね」 第7話「元気ピカッピカッ!」 第8話「愛しく苦しいこの夜に」 第9話「ALL FOR ONE ONE FOR ALL!」 第10話「しょうがない 夢追い人」 第11話「私の魅力に 気付かない鈍感な人」 第12話「ブラボー!」 最終回直前SP「青春コレクション」 第13話「It's You」 第1話「気まぐれプリンセス」 「あんた、聖ちゃんていったね。 ちょこっと顔ば貸してくれんね」 譜久村財閥の一人娘、聖は能力者だ。 幼い頃に母と別れ、お城のような豪邸で育てられてきた彼女が、母の残した「モノ」に触れた時、【接触感応】サイコメトリーが発現した。 チカラに導かれて母親の記憶を辿り、喫茶リゾナントを訪...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 精神干渉と破壊の少女たち』
    新垣里沙は緊張する。 だされたコーヒーカップを震える手でつかみながら緊張のうえでののどの渇きを潤そうとしていた。 リゾナンターの中でも極めて冷静沈着なこの少女が珍しく緊張しているのには訳があった。 「緊張するのだ。安倍さんの家・・・念願の安倍さんの家だ。」 そう、ここは里沙が尊敬してやまない安倍なつみの家なのだ。 「ごめんね、待たせちゃって。」 するとなつみが里沙のいる部屋に入ってきた。 「いいえ、大丈夫です。でも、光栄です。安倍さんの家に招かれるなんて。」 「そうでもないべさ、正確に言うとここは裕ちゃんの家なんだから。」 「でも驚きました。まさか安倍さんがあの安倍裕次郎代議士と結婚していたなんて。」 「みんなには隠していたからね。」 なつみの言う裕ちゃんというのはダークネスの中澤裕子のことではない。 将来の総理大臣候補として注目...
  • 『confrontAtion ―終息―』
    衣服を裂き皮膚を撫で肉を断つ感触。 血飛沫が舞い骨の軋む音。 それらの微細な感覚が鋼線を通じて里沙の指先に伝わってくる。 はずだった。 「え…?」 里沙は己の右手と眼を疑った。 手応えが、ない。 振り下ろした鋼線の先は無。 そこには空気以外の何物も存在しておらず、得物が獲物を捉えることはなかった。 一瞬、負った深手が視覚にまで影響を及ぼしたのかと思った。 だが違う。目に異常が生じたわけでも狙いを誤ったわけでもない。 そこに標的は“いなかった”のだ。 倒れ動けなくなっていたはずの亀井絵里。彼女はその場から忽然と姿を消した。 「やられた……」 頭をくしゃりと一掻き。里沙はこの大広間を見渡した。 ひびの入った壁。原型を留めない調度品。大量に散らばるなんらかの破片。 戦いの激しさを物語るには充分な光景だが、先程と比べて足りないもの...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 24話
    ● その国は、東京湾岸地区に「突如」出現した。 もちろん、魔法を使ったかのようにいきなり出現したわけではない。 突貫工事により、僅か数ヶ月で建設、完成した夢の国。 雲の上の大陸。海底神殿。宇宙空間。はたまた中世の騎士の世界。 古今東西、ありとあらゆる伝承をモチーフとした乗り物や建物。 東京ドーム数十個分、という広大な敷地におもちゃ箱の中身を広げたようなアトラクションの数々が配備 され。夜になると瞬くイルミネーションで敷地全体が光に満ち溢れる。 知事はもとより、政界・財界があらゆる力を結集したレジャーランド。 数年後に控えた国際イベント目当てにやって来る観光客たちの目玉としての役目を与えられたその娯楽 施設は、人々からこう呼ばれた。 「リヒトラウム(夢の光)」と。 ● 喫茶リゾナント。 この日は土曜日ということもあり、珍しくメ...
  • 二人の魔女
    「そうやってアタシの前に立つってことはそういうことだと思っていいのかしら」 場所は光と闇、空と大地が交錯する世界の何処か。 黒衣の美女が首を傾げている。 話しかけられたのはトレンチコートに身を固めた男。 その容貌は女かと見紛うばかりの秀麗さ。 手に持ったトランプのカードを華麗な手捌きで弄んでいる。 「ええ、そういうことだと思って頂いて結構です、ミティ様」 「アタシだとわかっていながら、そういうことに持ち込むなんてあんたも酔狂だね」 「あなたがミティ様だからこそ、そういうことに持ち込むのです」 淑女をエスコートするかのような物腰を崩さない男。 しかし時折赤く光る妖しい目は、男が尋常で在らざる存在だということを、慎ましげに物語っている。 「アンタ、何ていう名前なの」 「私などの名前を訊いてどうされるおつもりですか」 「今...
  • (76)704 名無し予告編(飲むものと飲まれるもの)
    「飲む者と飲まれる者」 「涙味のサイダー」 「飲む者と飲まれる者」 突然新たな能力に目覚めたさゆみ。 それは生物以外に変身する能力だった。 ある日、里保宛てに届いた一瓶のサイダー 送り主はさゆみ、ラベルには手書きの"おいしく飲んでね"とのメッセージ。 訝しむものの喉が乾いていたこともあり メッセージ通りおいしく頂く里保だったが8割ほど飲んだところで ラベルに文字が浮かび上がっていることに気付く "も……もうだめ…" 次回「飲む者と飲まれる者」 "らめぇ!それ以上飲んだらさゆみ逝っちゃう!" 「涙味のサイダー」 ピンク色のサイダーは普段飲んでいるものに比べ 炭酸はやや強く、甘さの中に若干の塩味を感じた。 これは去年の夏流行っていた塩スイーツの一種な...
  • 『リゾナンターΧ(カイ) -5』
    ☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆ その頃、件の建設現場にて。 もともと下町の長屋が密集していたこの地一帯を、再開発の名の下に空き地にしていったのが数年前。ところが、 計画をもちかけたディベロッパーが不動産不況の煽りを受け事業撤退。以後、代わりの業者が見つからないまま、 先駆けとして竣工するはずだったビルディングのできかけがそのまま放置される寂しい土地となってしまった。 逆に言えば、ダークネスのような闇の組織が利用するにはうってつけの場所とも言える。 「お。こっから入れるやん」 うれしそうに、れいなが指を指す。 敷地を囲う鉄板のボルトが一つ、外れかけている。鉄板をずらせば中に入れるようだ。 「楽しそうだね、れいな」 「なんかがきんちょの時にやった探検ごっこみたいっちゃん」 鉄板をずらし、隙間から猫のように侵入するれいな。 さ...
  • ~コールド・ブラッド~ <Ⅵ>
                                   ←前の話   次の話→ ※ところどころ視点や時系列が飛びます 「◆ ◆ ◆」がその合図です ※一部残酷な描写を含みますのでご注意ください        ◆   ◆   ◆ 出会い頭の戦闘は、呆気なく片が付いた。 捜査の中で浮かび上がった“人物像”と合致する風体。 互いの姿を認め合った刹那に伝わってきた、明確な敵意。 そして―――窓から差し込む光にも関わらず、その足元に存在しない、本来“あるべきもの”…… れいなの決断は迅速だった。 それらの情報を瞬時に認識すると同時に、逡巡なく能力を解き放つ。 そして、不意の遭遇に対応しきれていない無防備な“敵”の体の中心へ向けて、鋭い手刀を突き出した――― 「……まずは一体」 表情を消した顔で、れいなは小...
  • 『the new WIND―――光井愛佳』
    2012/11/26(月) 2012/12/12(水) 2012/12/19(水) 2012/11/26(月) 右脚を引きずっていた彼女―――道重さゆみはひとつ息を吐いた。 そんな仕草でさえも妖艶で、思わずれいなは息を呑む。 「いまでも、夢に見るんだ。私、どうして止められなかったんだろうって」 「……さゆのせいやないやろ。それを言うっちゃったら、れなやって、なにもできんかった」 夏の終わりに始まった今回の一連の出来事。 だれのせいだと責めることは簡単だが、いま責任を追及しても問題は解決しない。 れいなたちは“いま”を生きている。その脚を止めることはできない。 「もしあのとき、私がもう少ししっかりしてれば……」 「さゆやめぇよ―――」 そのとき、体の奥からせり上がってきたなにかを堪えるように咳をした。口元を抑えるが、手の平には微かに血液が...
  • 『米』 第二話 
    (第1話のおさらい) 正八角形のホールと8個の小さな部屋で構成された出口のない舘に閉じ込められた9、10期の8人 工藤の千里眼でも出口は見つからず、なぜか佐藤は眠り続けている 出口を探そうとした8人の元に突如目の前に現れたロボット 【サイサツセヨ】 その言葉に抗うべく、そして生き残るために8人は戦うことを選択する ★★★★★★ 【サイサツセヨ  サイサツセヨ】 赤く点滅を繰り返す二つの眼と巨大な体を支える4本の足 ジジジと鳴り響く金属のこすれあう耳障りな音が8人を包み込む 「ど、どうしましょう!くどぅ、逃げる場所本当に見つからないんですか!」 「はるなん、うるさい!今、必死に探しているんだから黙って!!」 「まあちゃん、起きて!お願いだから起きて!」 「・・・」 慌てている仲間達と対照的に鞘師は落ち着いて自分達および敵の戦力を改めて確認する ...
  • 『“未来”への反逆者たち ―闇と光(7)―』
          *      *      * 「後藤………」 ガラス越しに…そしてスピーカー越しに目まぐるしく展開する出来事を、中澤はただ傍観するしかなかった。 そんな自分に対し、これまで圧し殺していた疑問や迷いが膨れ上がるのを感じずにはいられない。 知らず、先ほど無意識に拾い上げた写真を持つ手に力が入る。  ――……あんたらには、きっと分からんとよ。一番大切なもんが見えとらん…あんたらには 同時に、れいながつい先ほど自分に残していった言葉が頭を過ぎった。 「なあ、保田、吉澤……。ウチらにとってほんまに一番大切なもんって……結局なんやろな」 「…………」 自分の後ろで、同じようにガラス越しの室内を見つめている保田と吉澤に、半ば独り言のように問いかける。 無言を返すしかないその戸惑ったような空気は、2人が中澤と同じ迷いを抱いているこ...
  • 『the new WIND―――fate of resonant』
    更新記録 2012/08/19(日) 2012/08/28(火) 2012/08/19(日) 刀を自由に振りまわすだけでも、れいなは相当の体力を消耗していた。 この刀はあくまでも、れいなの気を集中させて具象化させたものであり、現実の物体ではない。 気を散漫させず、かつ出来る限り鋭利な刃物にするには、相当の集中力を要する。必然的に、体力も早く消耗する。 「99ッ・100ッ!」 それでもれいなはプライドがあるのか、100まで素振りをつづけた。 終わった瞬間、倒れ込むように床に寝そべると、刀はあっさりと消え落ちた。 やはり気を具象化された刀であるが故、持ち主であるれいなと呼応することは確かだ。 恐らくれいなが死ねば、この刀は二度とつくられないんだろうなとぼんやり思う。 寝転がって天井を見上げた。 いまでもときどき、あの日に聞いた、彼女の夢という...
  • 『InvisibleBlade 第五話「見えない中身」』
    「勝っ、た・・・?」 香音の全身から緊張が解け、へなへなと弛緩する 嘘・・・正規軍のクローン兵相手に勝つなんて サヤシ、貴方は一体何者なの? 香音はサヤシに抱き付くKYと嫌そうなサヤシの姿をばんやりと眺める フォオオオオオオン ハッ!その音で香音は我に返った 上空に待機していた漆黒の翼~ジェットストライカーが動き始めている 撤退・・・だといいけど 何か嫌な予感がする。香音の本能が不穏な”音”を感じている どちらにしてもこのままでは済まないだろうね 「サヤシー!車まで走ってー!」 逃げ切れるかはわからない それでも足掻いてみる価値はあるかもしれない 香音には確かに見えたのだ ほんの少しの希望を切り拓く刃が 「攻撃準備!」 副長の指示でブリッジの管制オペレーターがせわしなくコンソールを叩く 8機のジェットスト...
  • 『InvisibleBlade 第九話「見えない壁、見えた刃」』
    「何をしている?」 その声に遥は振り返る。そこには鋭い眼差しをした剣士の姿。 サヤシ・・・いつの間に 「テメェには関係ねぇよ。なんでこんなとこに来た?」 「この島を覆ってる瘴気の源を探しててね」 「へぇ、それでここに来たってわけか」 二人の間に暫しの沈黙が流れた 先に口を開いたのは遥の方 「・・・奴らに勝つにはこの力が必要なんだ」 「愚かだな、その力はお前には使いこなせない。もうよせ!」 「こなせるとかそういう問題じゃねぇんだよ!自由の為には力が必要なんだっ!」 コアのエナジーを吸収した遥の身体は闇の中で蛍のようにぼんやりと光を放っている エナジーが身体が漏れて出している・・・過剰なエナジーを吸収したことは明らかだ 「自由とは!」 突然サヤシが大声で叫ぶ その勢いに遥は少しビクっ!と身体を震わせた 「自由とは自...
  • 『闇を抱く聖母』(後)
    ☆ ★ ☆ 「その子は、特殊な能力の持ち主でして」 モニターに映る、白衣を着た女。 「うちの組織の被験体、いわゆる『エッグ』というカテゴリーに属するんですが」 薄闇に佇むその姿は、いつ見ても嫌悪感しか催さない。 なぜならば。 「さゆ。あなたなら、知ってますよね? 彼女の能力の『本質』を」 画面の向こう側の女が浮かべる笑みは、命を弄ぶ人間のそれだからだ。 白と、赤と黒が交差する戦闘服を身に着けた十人の少女たちはそのことを痛感する。 「まあ、あなたたちがその子を連れだすことを阻みはしません。どうぞご自由に」 だから、本能的に理解できる。 彼女が投げかける、次の言葉を。 「ただし、『できるならば』ね」 ☆ ★ ☆ 部屋が再び、沈黙に沈む。 研究所の最奥、隔離されたような作りの部屋にその少女は立ち尽く...
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