『新垣里沙の手記・其の三』

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  • 『新垣里沙の手記・其の三』
    「魔術」や「魔女」という言葉に触れた時、あなたはどんな印象を受けるだろうか リゾナンターによって「能力者」の存在が確定された現在では、魔法などファンタジーの領域に属する絵空事なのかもしれない 歴史上、「魔女」と呼ばれた女性が何人もいた 科学の光の届かぬ未開の共同体を円滑に持続させるためにまじないという名の魔法を施す呪術師 己の欲望を満たす為だけに何人もの人間の命を奪った毒婦 能力者としてこの世に生を受け、その能力を恐れられたがゆえに魔と称せられた女性 リゾナンターの前に幾度となくたちはだかった藤本美貴も魔女と呼ばれ恐れられてきた 時に暗黒魔女ヘケートとして、時に氷の魔女ミティとして呼ばれた彼女の足跡もリゾナン史研究家としては非常に興味深い 美貴様美貴様お仕置きキボンヌ エリソン・P・カーメイ これまで紹介した新垣里沙の手記の日付 2007/5/13 ...
  • 『新垣里沙の手記・其の一』
    リゾナン史を編むということは砂漠でオアシスを探す行為に似ていると私は思う。 何千何万と残された膨大なリゾナン文書の中からたった一つの真実を見つけたと思った次の瞬間、他の研究者によって新説をぶつけられた経験が何度もある。 その時の私は乾ききった大地の中でようやく見つけた桃源郷が蜃気楼だと知らされた探検家の境地に立っていたことだろう。 だがしかしそれで研究を諦めようと思ったことは不思議と無い。 私にとって人生とは旅のようなもので、終着駅に辿り着くことは最優先される目的ではなく、旅の過程を楽しむことこそ目的だというのが私のモットーだからか。 これから私が紹介するのは、リゾナンターの一人が書き残した手記である。 新垣里沙、共鳴の原点を知る者にしてCカップのボンキュッボンなボディで世の男性を悩殺したと伝えられる女性。 以下の手記がかの新垣里沙の真筆であるかどうか、いまだ確定してい...
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    ...34.74 0  『新垣里沙の手記・其の三』 2015/04/14(火) 21 35 25.76 0  (104)231 名無し保全中。。。(祝オリコン1位?) 2015/04/15(水) 16 19 37.73 0  『リゾナンター爻(シャオ)』 47話 2015/04/16(木) 12 20 26.04 0  石田亜佑美 17歳記念『──意地張らないで仲間に入ってよ──』:side J 2015/04/17(金) 12 03 32.55 0  モーニング戦隊リゾナンター’15  第一夜 「青春小僧が泣いている」 2015/04/17(金) 18 58 33.97 0  モーニング戦隊リゾナンター’15  第二夜 「夕暮れは雨上がり」 2015/04/18(土) 18 57 56.39 0  モーニング戦隊リゾナンター’15  最終夜 「イマココカラ」 2015/04...
  • (49) 159 名無し募集中(新垣里沙は考える)
      事故に見せかけるか・・・   自殺に見せかけるか・・・   -新垣里沙は考える-   その結果導き出された解答は・・・ 『幹事長、今回の突然の辞任はやはり先日行われた前代表との会談が原因なのですか』 TVの画面の中ではいつもの光景。 与党の実力者に湧いて起こった不正な政治資金に関する疑惑。 決して真実が明かされることなど無いというのに、真実を求めるマスコミ。 だが、その日は少し違った。 『ああ、そうだ。 お前らクソのマスコミのご希望通り政治的な責任を取ってやったわけだ。 文句あるか』 テンプレで決まったようなお決まりの反応を映し出すためだけに集まっていたマスコミは色めき立った。 『しっ、しかしそれは内閣の支持率を浮揚させるためのガス抜きであって、あなたは依然として党内の実権を握り続けるのでは?』 『当たり前...
  • ■ マインドタグ -新垣里沙- ■
    ■ マインドタグ -新垣里沙- ■ 「付箋と言ったらいいのか、タグと言ったらいいのか…あれっ?どっちも同じですね」 そう言って”亀井の姿をしたもの”は、んふふ、と笑った。 「新垣さんの【精神干渉】になぞらえて説明するなら、 私の【能力】は、ごくごく単純な暗示―――弱くて小さな精神干渉―――を、 付箋のように精神に貼りつける… 一言でいえば、それが、私の能力のタネということになります。」 「…『付箋』ね…」 少女は説明を続ける。 「実際の付箋同様、剥がすのは、いたって簡単ですし、 貼りつけた対象を壊したり汚したりもしません。 ですので、亀井さんは心配無用です。 こちらの用が済めば、すべて自動的に剥がれるようになっていますから。」 「…自動?」 ”すべて”、”自動的に”という言葉に、ひっかかりを感じる新垣。 その表情...
  • ■ ブラッドアンドペイン -新垣里沙- ■
    ■ ブラッドアンドペイン -新垣里沙- ■ ざくり 声は無い。 精一杯噛み殺した、声にならぬ、悲鳴。 砕かんほどに歯を噛み、苦痛に耐える。 ざくり 彼女は手にしたナイフを突き立てる。 突き立て、えぐり、その腱を切り、骨を削る。 ざくり つうっ!ぐぎっ! 耐え切れず、声を漏らす。 これほどまでに、これほどまでに自分は、苦痛に弱い人間になっていたのか。 新垣は再び服を破り、素早く己の太腿を縛る。 止血。 だが、その間にも、四肢のいたるところ、次々と浅い切り傷が増えていく。 「うへへぇ…がきさぁん、がんばってぇ、痛いのはあたしもおんなじなんだからぁ~」 おどけた態度、とぼけた声、いつものままの、いつもの彼女… 「なんで…なんで…なんでアンタがこんなところに…」 新垣は止血をあきらめる。 ...
  • モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「Wingspan の世界:籠の中の鳥」
                                   ←back     next→                                  ★ 壊れかけた世界で対峙する二人の女。 一人は友を救うために所属していた組織を裏切り逃避行を続けた科学者。 一人は己の肉体を深化させることができる科学者を追い求めていた異形の女。 異形の女は科学者の友の命を握りしめている。 科学者は友を生ける屍にした悪魔が自分であるという指摘に対する反駁を試みる。 「確かにあの日、私が里沙ちゃんのことにもっと早く気づいて上げられていたら、里沙ちゃんの肉体はこんな状態に陥ることはなかったかもしれない」 科学者の胸には自分が組織を抜けたあの日の出来事が去来する。 同じ組織で働いていた友、新垣里沙が裏切り者として捕らえられ、死の粛清を受けようとしていたあ...
  • 九番目の志士
    新垣里沙には謎が多い。 後に英雄として歴史に名を刻まれるリゾナンターの九人の中にあって、常に新垣里沙だけが異質であった。 彼女は元々リゾナンターではなかった。 新垣里沙はダークネスと呼ばれる闇の組織の一員であり、リゾナンターに潜り込んだのもその動向を監視するためだった。 平たく言えば敵であり、ある時期まではリゾナンターの運命は新垣里沙の胸中で揺れ動いていたと考えられる。 しばらくして、運命が動いた。 新垣里沙が組織を離反し、名実ともにリゾナンターになったのである。 動かしたのは何であったのか。その間の消息には諸説あり、どれも一応の説得力があるため未だに結論を見ていない。 更に言うと、新垣里沙がいつ組織を離反したのか、それさえも現状でははっきりしていないのである。 後世多くの研究家の頭痛のたねとなった新垣里沙の「裏切り」であるが、ドイツの哲学者ニイチェが新...
  • ■ ベイトトラップ -新垣里沙- ■
     ■ ベイトトラップ -新垣里沙- ■ 『突然の大爆発』『N県山間部廃村にて火災』『廃棄された炭鉱内の粉塵が原因か?』 いくつかの関連ニュースを表示させる。 「こんなところにもあったっちゃね……組織の。」 「どんな目的の施設だったか本当のところはまだ何もわからないけど」 「ルートから考えて、この施設からの移送中に襲撃された、そういうこと?」 「うん。工藤の話と、それで繋がってくると思う。」 何重もの隔壁に守られたその部屋に集うは、 新垣里沙、田中れいな、道重さゆみ、光井愛佳、そして、石田亜佑美。 「石田はどう?」 「いえ、私も聞いたことはありません。」 「そう……」 突然、リゾナントから姿を消した高橋愛。 彼女は、その高橋と一時行動を共にしていたという。 二人の出会い、対決。そしてその後の顛末…… 自分の甘さ、高橋さんの力の凄まじ...
  • ■ ジョイフルドライブ -新垣里沙・田中れいな・光井愛佳- ■
    ■ ジョイフルドライブ -新垣里沙・田中れいな・光井愛佳- ■ 高速を疾走する大型四輪駆動。 運転するは新垣里沙、助手席に光井愛佳、後部座席に田中れいな。 車内から溢れるは、絶えることのない笑顔、笑い声。 「…ぎゃっはっはっは!それで?それで?ガキさん!」 「ほぉ!そーで佐藤が言うのよ!『ガキさん鬼ごっこしましょ』って!」 「うそやぁん!そんな…ひひっ…そんな!」 「ほーんとよ!もー今!アンタ本気で怒られたばっかでしょうが!ってアータシもびっくりしちゃって」 倒れこみ、足をバタバタさせる田中、話し続ける新垣。 二人と共に笑いながら、光井は思う。 なんかええなぁ…お二人がこんな楽しそうにしてるん、ひさしぶりや…ええなぁ… まるでピクニックや…ああ…ホンマこれがピクニックやったら、もっとええのに… 『N県山間部』 爆発、火災、たなび...
  • ■ スノーチワワ -工藤遥・新垣里沙- ■
     ■ スノーチワワ -工藤遥・新垣里沙- ■ 「うぉー雪だー!おりゃー!」 ガスッガスッガスッ 道路脇、路肩に積み上げられた雪山に飛び蹴り、そのまま何度も蹴りつける。 「ほれ!工藤!あーぶないからぁ」 「だーいじょうぶっすよ新垣さん!ハル暑いのは苦手ですけど、寒いの平気っすから!」 「うん、それなら安心。いや、そういうことじゃないからぁー」 んもー。 そう言いながら、新垣の声は明るい。 ほんの少し前までのピリピリした雰囲気が取れ、年相応の無邪気な様子を見せるようになった、 そんな工藤をみて、一番喜んでいるのは、きっと新垣なのだ。 「ぎゃー靴に、靴に雪が入ったー!さっびー!」 「ほれー!いわんこっちゃなーい」 もーほんと、コドモなんだからぁ                               【index】 ...
  • ■ フェイクスマイル -新垣里沙X亀井絵里- ■
    ■ フェイクスマイル -新垣里沙X亀井絵里- ■ 「それでカメってわけ…」 「はい。」 ティーポットを水平に、くるくると回す。 「要は、誰にも邪魔されず、新垣さんと、お話がしたかった。」 二つのカップ、交互に注いでいく。 「その為の一番の障害が…」 新垣自身の【能力】 「ですから、強力な【精神干渉】を無力化する… 新垣さんが絶対に無茶ができない環境下に、 お話しする場を設ける必要がありました。」 カップの一つを新垣の前に。 「絶対に、とは言っても…そう、最初に申しあげておくべきでしたね。 これは、亀井さんも同意の上での作戦です。」 「…でしょうね」 亀井絵里は『強い』 意に沿わぬものであれば、これほどの干渉を許すはずがない。 「すごい…もう大体のことはわかっちゃってるんですね。流石です。」 ...
  • モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「Wingspan の世界:友情は翼に乗って」
                                   ←back    next→  世界の破壊者高橋愛ーその瞳に何が映る 【前回までのストーリー】 湾岸の石油精製施設がテロリストによって占拠された。 未曾有の惨事を防ぐべく、出動したMの特殊部隊“フィフス”。 精神感応と瞬間移動の能力で犯人グループを翻弄する高橋愛。 突出しがちな高橋を側面からサポートするマインドコントローラー新垣里沙。 テロリストが仕掛けた起爆装置を解体した紺野あさ美は治癒能力者。 小川麻琴は攻撃のダメージを転移する“反射”能力で仲間を守る。 事件は麻琴を化け物呼ばわりしたテロリストに、あさ美が鉄拳制裁を加えるという暴走劇で幕を閉じた。 まだ本当の悲しみを知らなかった幸せな時。 ――数年後、壊れかけた世界を旅するドクターマルシェこと紺野あさ美と新垣里沙の姿があった。 Mが変容した...
  • 『なんちゃって恋愛』
    『なんちゃって恋愛』(かなしみの人ver) 『なんちゃって恋愛』(RとRの人) 『なんちゃって恋愛』(かなしみの人ver) 次回予告    敵の攻撃により里沙となつみがショッピングモールのエレベーター内に閉じ込められてしまう 外ではリゾナンターとメロンシリーズらが戦闘!奴らは以前より力が上昇して来ている 長期戦は必至        せっかくの安倍さんとの楽しい楽しいお買い物タ~イムを邪魔されてしまい       里沙はかなりイライラしていた それを察したのか なつみが場を和ませようと・・      「SOS!SOS!リゾナンターさん聞こえますでしょうか?こちらナッチどーぞー!」   腕の時計を通信機に見立てて何やらふざけ出した 里沙もしょうがないなーという感じで応える       「こちらリゾナンターライトグリーン!命に代...
  • ■ ベイスメントチワワ -工藤遥・新垣里沙- ■
     ■ ベイスメントチワワ -工藤遥・新垣里沙- ■ 「ほい!そこまでっ!あがって!工藤!」 新垣の声が響く。 「いやっ!まだ行けますっ!も…もう一回」 工藤の、かすれがすれの声 「ほれっ!最初に約束したでしょーが! アタシがやるといったらやる!やらないといったらやらない!ほい!あがるあがる!」 圧搾空気が漏れるような音と共に、分厚い金属性の扉がゆっくりと開いていく。 何重もの隔壁に守られた、その階層、その一部屋。 こんな古臭い雑居ビルの地下に、これだけの施設があるなんて。 最初、ここに通された時の工藤の感想だ。 分厚いコンクリの四方の壁は薄いミントグリーンに塗装され、天井には分厚い鉄骨と金網に守られた照明がいくつも並んでいる。 視線を壁面に這わせる。 床から2mほどの高さ、横長の窓、そこから新垣さんが『あがれ!』のサ...
  • ■ ユースレスチワワ -工藤遥・新垣里沙- ■
     ■ ユースレスチワワ -工藤遥・新垣里沙- ■ 今の工藤には、『それ』が、出来なかった。 確かに工藤は【変身】した。 白く冷たい蒸気。 全身を肉が覆い、白い毛皮が体を包んだ。 だが、『頭』が、生えてこなかった。 獣の頭部は、大きな口と、かろうじて鼻のようなものは生えかけたが、完全な狼の頭部にはならなかった。 目が見えない、耳が聞こえない。 かろうじて身体感覚と臭いはわかる。 だが平衡感覚がうまくつかめない。 何度も起き上がろうと藻掻き、藻掻いては、転倒する。 立ち上がる事が、できない。 「おちついてー!工藤!ゆっくりー!」 部屋に設置された拡声器を通してくぐもった新垣の声が聞こえる。 獣の感覚器を通してではなく、分厚い筋肉越しに、直接工藤の身体に届く。 一旦、立ち上がるのを中断し、不完全な獣の口で必死に息を吸い...
  • ■ ディープハグ -新垣里沙X亀井絵里- ■
    ■ ディープハグ -新垣里沙X亀井絵里- ■ 叫びは、声となったかどうか。 崩れ落ちる。 立っていられない。 出血が、止まらない。 【リゾネイター】亀井絵里。 かつて、共に戦った、かけがえのない仲間が、そこに。 だらりとさげたナイフ、健康的な肌、ふともも。 そう、みちがえるほどに、健康的な。 それは、いつもの彼女だ。 だがそれは、彼女の知る彼女ではない。 病、入院、心臓… いったい、何が? 彼女に、何が? ぼやける視界でもわかる、屈託のない、いつもの笑顔。 いつもの笑顔が、ありえぬ言葉を紡ぐ。 「さあ!ガキさん!もっと戦おう!」 ざくり 再び自らの腕にナイフを突き立てる。 亀井と新垣、等しく同じに傷が開き、 等しく同じに、血が噴き出す。 新垣に、なすすべはない。 そう...
  • (67) 233 名無しホゼナント(裏切りの代償)
    新垣里沙はかつてダークネスのスパイとしてリゾナンターを探っていた。 しかし里沙はリゾナンターと触れ合うことで正義の味方へと変わっていく。 「新垣里沙よ。裏切り者が平和を手にできるとでも思っていたか?」 里沙は気付かなかった。 ダークネスを裏切ると顔にダークネスの文字が浮かび上がり、それを認識できるのはダークネスの人間だけであった。 「貴様は街中に溶け込んでいるダークネスの刺客に狙われるのだ。死ぬまでな。」 次々と送り込まれるダークネスからの刺客に里沙の心は荒んでいく。 「もう私は去るよ。このままでは愛ちゃんたちにも危険が及ぶから。」 「何を言うんやよ!里沙ちゃんはあーしたちの仲間や!あんたのその顔の刻印はあーしらが必ず消す!」 PVで思いついた画像作成保全
  • ■ ガアデンオブザエア -新垣里沙X亀井絵里- ■
    ■ ガアデンオブザエア -新垣里沙X亀井絵里- ■ 「なーるほど、そーゆーこと…」 えりの勝ち、そう彼女は言った。 「やってくれたな、カメ」 どこまでも続く、鮮やかな青空。 青い空、白い雲。 それで全部。 それで終わり。 これが、亀井の心象風景、深層意識。 天空に浮かぶ、巨石の庭園。 大理石。 庭園の淵に立つ。 銀の骨組み、巨大な天蓋。 天空に浮かぶ、巨大な鳥籠。 出口は、ない。 青白く静まり返る、磨き抜かれた床。 新垣は振り返る。 庭園の中央、水のない噴水。 足の細い2脚の椅子、丸テーブル。 そこに、亀井絵里が、立っていた。 「ようこそいらっしゃいました。」 小麦色の肌、黒髪。 張りのある二の腕、太もも、ふくらはぎ。 シャ...
  • ■ クシダノギナン -新垣里沙・田中れいな- ■
    ■ クシダノギナン -新垣里沙・田中れいな- ■ 「おそい!遅いよぉ!田中っち!」 目を開けると、そこにガキさんがおった。 なん?バス?れいなたち以外誰もおらんと?貸切かいな。 「ちょぉっとぉ!いーつまでそこ突っ立ってんのぉ? 今日は田中っちが地元を案内してくれるってゆーさぁ」 そうやったっけ?れいな地元飛び出してから一度も帰ってないっちゃのに… …もう…あれからどんくらい経っとるとかいね? あっという間だったような…長かったような… あれ?れいなどこ案内するつもりやったとかいね? だってあの頃の流行のお店も行きつけのお店も みんな無くなっとるかもしれんちゃのに… 「みて!田中っち!さくらだよぉ!さくら!あそこいこうよ!ほれ! なんかでっかい神社見えてきたよぉ!」 えー!いつのまにバス走っとっちゃかね? まいい...
  • Dive into the“FUTURE”(後)
                          ←Dive into the“FUTURE”(中)その微笑みは春の風。 その唇は野花の吐息。 そのまなざしは、美しき闇。 里沙は、その名を知っている。 里沙は、その優しさを知っている。 里沙は、その強さを知っている。 その名は、安倍なつみ。 その優しさは、闇に囚われた心を淡雪で照らしてくれた。 その強さは、暗黒の中を生き抜く術を授けてくれた。 茫漠とした無機質に覆われた精神空間を、高橋愛の姿をした里沙は一歩ずつ踏みしめるように歩いていく。 この時、里沙はまだ気付いてはいない。 安倍なつみに近づいていくその歩みは、巣立ちなのだという事を。 「…ちょっとだけ…力を貸してね」 元の姿に戻った里沙のその言葉は、静かな声ではあったが、強い決意が込められていた。 里沙には戦う理由があ...
  • 『妄想コワルスキー・Congestion』 (中)
                                    ←back    next→ その「シーッ」は喫茶リゾナントを中心とする半径1キロ以内の人間の思念に伝わった。 大多数の人間は、その「シーッ」を単なる空耳として認識し、記憶の深層に埋没させ忘却の彼方へと追いやっていった。 だがしかしただの「シーッ」として捉えることが出来なかったばかりに、被害を被った例もある。 リゾナントのある町の一丁目に住む間賀時夫(37)は二歳になったばかりの愛娘と遊んでいた。 彼の娘は発育も早く賢かったので、トイレがしたいときは顔をしかめたりすることで意思表示していた。 そんな娘を早くオムツ離れさせるために、日中家にいるときは薄い布オムツで過ごさせていた。 そんな目の中に入れても痛くない自慢の娘にせがまれて、高い高いと己の頭上に掲げた時に新垣里沙の「シーッ」が到来した。 彼...
  • 管理者用備忘録
    ... (104)215 『新垣里沙の手記・其の三』 2015/04/14(火) 21 35 25.76 0 【カーメイ氏】【新垣里沙】【高橋愛】【藤本美貴】【再構築】 幼い頃組織から連れ出されたi914が一時期身を寄せていた喫茶店のマスターの人物像が、自分の敬愛する安倍なつみと重なったことに理不尽な怒りを抱いた里沙は、“魔女”藤本美貴とi914を戦わせることを画策する。 藤本の実力ならi914を痛めつけることは容易だろうし、万が一藤本が敗れたとしても自分には被害が及ばないという計算があってのことだったが…。 【補足】 腹黒いガキさんの手記の第三弾。 今回は名状しがたい感情に囚われた里沙がその原因である愛を強者である藤本美貴にぶつけることで不本意な状況を変えようとする展開。 玲によって里沙の生々しい感情がどす黒い。 作者曰くいつか改心するとのことだがまだまだ先になるので...
  • 『狂犬は亀を背負う』(後) - 4
    ……絵里がいたずら魔女の気まぐれホットケーキを振舞ってから数十分後、ダークネスカフェから喫茶リゾナントへ向かう道を歩く二つの人影があった。 「重い、重い、クソ重いぞ、こいつ。 病弱って設定には無理があるんじゃねえか」 眠り込んでしまった亀井絵里を背負う美貴と、もう一人。 「だから、ワシが代わってやると言っておるであろう」 闇の王ダークネスその人だった。 「けっ、変態親父の手なんか借りるまでもねえ」 変態とは何だという抗議の声は当然のように聞き流す。 「闇の王、どん亀の背中越しにお前のエロい視線を感じる。 どうしてもついてくるなら前に回れ」 闇の王は、何をと言いながらそれでも絵里を背負う美貴の前に回った。 「やっぱり気を張り詰めていたんだろうな。 こんなに眠りこけるなんて」 絵里を気遣う闇の王に対して、美貴はとい...
  • 『妄想コワルスキー・Full throttle』(前)
                                  ←back    next→ 【こんな話だったよ】 人類の宝『凡奇湯』を守るべく、一人戦い続ける誇り高き戦士、新垣里沙。 (己の肉体をボン。 キュッ。 ボン! とすべく欲望の虜となり、一人相撲を取り続ける新垣里沙) 喫茶リゾナントに救うおっぱい亡者どもの手から「凡奇湯」への招待状を奪取すべく虎口に飛び込んだ里沙。 (「凡奇湯」への招待状を盗み出さんと、喫茶リゾナントの郵便受けに腕を突っ込んだは良いが、抜けなくなった里沙) 苦境に陥った里沙を救ったのは、莫逆の友にして情人高橋愛の存在だった。 (苦境の里沙の気を紛らわせたのは、愛と露出プレイや幼な妻プレイに興じるという妄想だった) 鋼鉄の罠を打ち砕いた愛のサイコキネシス。 (能力とか諸設定はかなしみ戦隊なんでそこんとこヨロシク) 危機を...
  • 『それぞれの挑戦』
    リゾナンターとダークネスの戦いは、既に三年以上に及んでいる。 個々の戦闘能力ならばダークネスの方が勝っている筈だが、なぜかいつもあと一歩の所でリゾナンターに後れを取ってしまう。 いい加減に決着をつけなければダークネスによる世界征服の野望は遠のいていくばかりだ。 業を煮やしたダークネス首脳陣は、遂に対リゾナンター戦に最終兵器の投入を決定した。 「それが私だ」 冷たい刃のような声だった。 まぶしいほど青い空の真下で、その男の周りだけが薄暗い闇に包まれている。 「最終兵器?アンタが」 高橋愛はその男と対峙しながら、慎重に間合いを計っている。 年は三十をいくつか過ぎたくらいだろうか、スラリと引きしまったその肉体と、苦み走った口元、 そしてその切れ長の両目から放たれる眼光の鋭さから、この男がただ者ではないという事が伝わってくる。 「君も確か、組織の...
  • 『異能力-Duelscape-[12]』
                                     ←back      next→ 里沙から緊急収集を受けたのは、それから一週間後の事。 愛が失踪後―――8人の憩いの場だった筈の喫茶「リゾナント」は主人を失い 扉には「Close」という文字が静かに立て掛けられている。 さゆみと絵里は何か異様な雰囲気を察知したように互いの手を硬く握り合う。 無機質に客人だと示す鈴の音が鳴り、二人は店内へと入って行く。 テーブルに椅子が上げられ、電気系統は一切電源を切られている。 ガランドゥな空間は、このたった一週間の間であまりにも変わり果てていた。 里沙が指定した先は……何故か地下にある『トレーニングルーム』 電気系統が全て遮断している所為で、そこに繋がっている通路さえも闇の中。 必死に目を凝らし、壁を手探りして進んで行く。 人が二人どうにか並んで歩ける程度の...
  • (92)576 「愛の軍団」的ななにか
    "ダウンワードスパイラル" それは旧体制の悪しき遺物。 大東亜共栄圏。サンフランシスコ講和条約体制。東西冷戦。ソ連の崩壊。中国の勃興。 移ろいゆく時代の中、核兵器の保有を封じられてきた日本にとって、能力者こそが唯一の軍事的な福音と盲信した者達の信仰の砦。 能力の軍事利用の研究を一手に担ってきた場所。 Mの誕生と堕落。i914の悲劇。 能力者に纏わる全ての悲しみがこの場所から生まれた。 そしてまた一つ、新たな悲しみが孵化しようとしている。 小田さくら。 その歌声を人々の深層心理に浸透させ、催眠状態に至らしめる"quiet voice(静かなる歌声)" 物質の固有振動数と同じ周波数を発し続けることで破壊せしめる"Song not hear(聞こえない歌)" 精神と物体、二面からの攻撃・干渉が可能なことでデュ...
  • 『R-Infinity(1) もしも出会いが奇跡なら』
    承前 初めに闇があった。 闇は「光あれ」と言った。そして光が生まれた。 光は闇と分かたれ、光は闇から隠された。 予言者は言った。 一つの光、九つの光。一つの心、九つの心。 光と心はいつか、闇へ帰るだろう。 第1話 もしも出会いが奇跡なら 1 左腕が熱い。 痛みが熱を帯びて、まるでそこにだけ別のいのちが息づいているかのように、左腕がうずく。 シャワーの熱が汗を洗い流していく中で、里沙は左腕を見つめ、微笑を浮かべた。 (強くなった……本当に、あの子……) 里沙の左腕に熱を刻み込んだのは久住小春の蹴りだ。鞭のようにしなる良い蹴りだった。 横浜での戦いを経て、小春は人が変わった様に訓練に熱が入り、戦士としての階段を一気に駆け上がっている。 格闘戦に限れば、小春が高橋愛や田中れいなにも引けを取らない実力を身につける日もそう遠...
  • 「HELP!」
    「HELP!」(かなしみの人ver) 『かなしみをゆく』(RとRの人ver) 【予告編】 「HELP!」(かなしみの人ver) 次回予告        ここは共鳴遊園地 リゾナンコーヒーカップや超共鳴回転コースター『ウエエ・オエエ』       など楽しいアトラクションがいっぱい!!さゆの首はコースターで早くもガクガクだ!w            さゆみと絵里は極度に怖いと有名なお化け屋敷『ヘル・ミ~』に挑戦!          5分後 さゆえりは恐怖のあまり 前にも後ろにも動けなくなってしまうのだった      中々出口に現れない2人に メンバー達は心配な様子 そこで里沙が2人を探しに行く事に     その頃 屋敷の中間地点では さゆえりがトンデモナイお化け攻略法を実行しようとしていた      それは絵里がさゆみと自分の体にチカラを使...
  • (67) 134 とりあえず思わせぶりな書き出しだけ書いてみた
    「逃げろ!ハンターが来るぞ!」 叫びながら走っていく香音を追っかけながら、里保はこの日何度目になるかわからない溜息をついた。 いや、ネズミーランドにハンターなんて出ないし。           ・           ・           ・ 新垣里沙をリーダーとする八人のリゾナンターが東邦ネズミーランドにやってきたのは、童心に帰り遊ぶためではない。 ネズミーランドから調査の依頼を受けたのだ。 ネズミーランドから差し回された送迎用のリムジンバスの中で、里沙の隣の席に座った里保はその辺の事情を尋ねた。 「珍しいですよね。 私たちがこんな風にどこかの依頼を受けて出動するなんて」 「あぁ、そういえば鞘師達は初めてだよね」 新垣里沙をリーダーとするリゾナンターは、巨大な組織の実働部隊などではない。 大多数の人間が使うことの出来ない異能のチカラ...
  • 『妄想コワルスキー・Full throttle』(中)
                                  ←back    next→ その人はこの世でもっとも優しい心の持ち主だった。 他の誰かの苦しみを悲しみを自分のものとして感応する力を持っていた。 苦しみの声を上げる傷ついた魂に救いの手を差し伸ばすことに何のためらいもない人だった。 たとえそのことで自分が傷つくとわかっていても。 しかしある時救うことの出来なかった小さな命の重さに心打ちひしがれて、その人は心を閉ざしてしまった。 その人は待っていた。 自分の心の扉を叩いてくれる存在を。 その人は気づいていなかった。 自分の心の殻を打ち破れるのは自分しかいないということを。 「ガキさん、今日はいったいどうしたの」 予想だにしなかった人の声を聞き、里沙は心臓を鷲掴みされた思いだった。 「どうして、さゆが」 道重さゆみ。 ...
  • Dive into the“FUTURE”(前)
                                             Dive into the“FUTURE”(中)→ 「報告は、以上です」 執務室のデスクを挟んで、向かいにいる吉澤ひとみの端正な横顔に向け、新垣里沙は短く言った。 i914こと高橋愛監視任務の経過をまとまった形で報告するのはこの時で二回目になる。 吉澤は報告書に視線を落したまま「ご苦労さん」と軽やかな口調で言った後、里沙に視線を向け直し 「なかなか読ませる文章じゃないか。上も満足するよ」 と、目を細めた。 「恐れ入ります」 そう答えた里沙の言葉に僅かながら混ざり込んだ硬質な響きを、吉澤は見逃さなかった。 目を細めたまま、里沙の言葉の中にある“硬さ”の正体を吉澤は見極めようとしている。 涼しげな目元をしているが、その奥には闇と呼ばれる組織の影の部分を束ねる者とし...
  • 『R-Infinity(3) 愛をこの手に』
    承前 澄み切った空気の中、目に痛いほどに鮮やかな血の赤が、風に舞っている。 ――これが、痛み 抉られた肩の焼けるような感覚が、その赤色が噴き出した己の血である事を知らしめた。 舞い散る赤の向こうに、敵手の貫くような視線があった。 第3話 愛をこの手に 1 ―何が起きたんですか?今? 久住小春の問いが聞こえているのかいないのか、新垣里沙は白いシャツを赤く染め上げていく血を見つめていた。 高橋愛の嗅覚が漂う血の匂いを里沙に伝えている。 ―愛ちゃんが……勝った? 安倍なつみのホワイトスノーは破壊エネルギーの結晶を操る能力であるが、使用の際に動物の姿をとらせることが多い。 込められた破壊力と用途に応じて蝶、鷹、狼、虎、等様々だが、中でも最大の破壊力を誇るのが竜であった。 その竜が、i914――リゾナンター高橋愛の光に...
  • ■■シリーズindex
    注意 この項目は入り組んだ構成である■■シリーズを読み解く一助として作成した項目です。一部にネタバレと編集者の暴走があるのでそういうのを好まない方はとっとと帰って 概要 登場人物リゾネイター鞘師里保。 鈴木香音 譜久村聖 生田衣梨奈 石田亜佑美 飯窪春菜 工藤遥 佐藤優樹 高橋愛 新垣里沙 道重さゆみ 田中れいな 光井愛佳 亀井絵里 Psy/my/rage和田彩花 福田花音 前田憂佳 小川紗季 田村芽実 小数賀芙由香 竹内朱莉 中西香奈 勝田里奈 組織中澤裕子 矢口真里 保田圭 市井紗耶香 後藤真希 吉澤ひとみ 石川梨華 特殊攻撃部隊『 Celsius 』矢島舞美 作品タイトル(スレへの投下順) 概要 2011年1月4日に投下された『■ フィジカルアデプト-鞘師里保- ■』に端を発する一連の作品群。題名の巻頭と末尾に■が入る。 作者は…不明。 能力設定や格闘に関する描写は...
  • (58) 570 名無し募集中(闇を往く里沙)
    読み切りが少ないという話題を見て書いてみたけど思うようにいかなかった でもせっかくだから上げる ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ しばしば「不夜城」と比喩されるこの街だが、無論のこと、街の全てが眠らないわけではない。 昼かと見紛うばかりに眩くライトが灯り、絶え間ない喧騒に包まれているのは、ほんの一角にすぎない。 街の大半は夜の到来と共に闇の中に沈み、朝が来るのを静かに待っている。 薄暗い街灯では照らしきれない深い闇に纏わりつかれながら、新垣里沙はひと気のない道を独り歩いていた。 その裏路地もまた、それら「不夜城」たる一角からは大きく離れており、自然の赴くまま夜の帳に覆われている。 闇は、不安と孤独を喚起する。 だから人は、闇を避けるために光を作り出し、孤独を恐れてその下に集う。 だが...
  • 『the new WIND―――新垣里沙』
    2013/01/25(金) 2013/02/03(日) 2013/02/16(土) 2013/02/17(日) 2013/01/25(金) 「ねぇ、れいな」 「うん?」 「………れいなは、どうしたい?」 唐突な質問に眉を顰めた。どうしたいとはどういう意味か、理解できなかった。 彼女の瞳を真っ直ぐに見つめ返し、意図を測ろうとしたが、その漆黒の闇はなにも語らなかった。 なにかを言おうとしたとき、周囲の空気が変わった。張り詰めた冬の痛みを携えたその空気に思わず息を呑む。 「私は、もう、終わらせたいよ」 呼吸することを忘れるような空気を感じながら、彼女の言葉の意図を読もうとした。 しかし、れいなにはなにひとつ、さゆみの言うことが分からなかった。 なにを?なにを終わらせる?なにが? 聞きたいことは山のようにある。あるけれどなにも言えない。どう...
  • 『妄想コワルスキー・Full throttle』 【コワルスキーEND】
                                  ←back 生憎にもというべきか、幸いにもというべきか。 里沙が床面にキスするには至らなかった。 れいなが支えきったのだ。 しかし無理な体勢からの不自然な運動をした代償は里沙の体重のパンツに集中した。 パンツは里沙の脚の付け根の部分にグィィィィィン!!と食い込んだ。 痛みが里沙の全身を駆け抜ける。 里沙の上体反らしと前方へ死のダイブの反動はれいなの右腕にも波及した。 里沙のパンツがれいなの指に食い込む。 その痛みはれいなを怜悧な観察者から、熱い戦士に立ち返らせた。 「ガ、ガキさん」 大人一人分の体重を支えているれいなの右腕にはかなりの荷重がかかっている。 その重さは仲間の大切さをれいなに思い出させた。 「ガキさん! とにかく落ち着こう」           ☆  ...
  • Dive into the“FUTURE”(中)
                   ←Dive into the“FUTURE”(前)  Dive into the“FUTURE”(後)→「安倍さんが…ガーディアン」 ガーディアンとは、精神に侵入してきた異物を排除するための本能のしもべであり、人体で言えば白血球に相当する。 飯田圭織の防衛本能が、安倍なつみをして己の精神を守らせているのだろう。 しかし、守るべき物など、この見渡す限りの無機質のどこにあるというのだ。 「こちらに気付いたか…」 軽く舌打ちをしながら吉澤が呟いた。 空間内の飯田圭織の意識濃度があまりに薄いため、二人は意識を纏ってのカモフラージュを施していない。つまり、異物と判断される。 その上、ガーディアンとの間に遮蔽物は無く、身を隠す事が出来ない。と、なれば… 「どうします?」 里沙は、梟の目を元に戻し、吉澤を見た。 安倍なつみは...
  • 『里沙は屍の中にナマタを見つける!』
    そこはまるで地獄だった。 幾重にも折り重なった屍の中に五体満足なものは見あたらない。 あらぬ方向に折れ曲がった手足。 地面を蛇のように這う臓腑に転々と転がる眼球。 どの屍の顔も恐怖に歪み、狂気に染められていた。 そんな地獄に咲く花一輪。 この惨状の元凶、生田衣梨奈。 …また守れなかった。 公安調査庁の特別捜査官新垣里沙は首都圏で発生した無差別テロで最も被害の大きかったR地区を訪れていた。 同行者がいなかったのは、未だ全容の判明していないテロの実行犯グループが第二波の凶行を起こす可能性を否定しえないため、その対応に人手がいくつあっても足りなかったからだ。 …起きてしまったことより、これから起こる被害を防ぐことに注力するのは当然といえば当然だよね。 では捜査官の中でも優秀な里沙が何故犯行の再発を防ぐ任務から離れているのか? その理由はR地区で発生...
  • 『R-Infinity(2) 雪と光』
    第2話 雪と光 1 猛スピードで通り過ぎていく景色を、新垣里沙は焦れたように眺めている。 「名古屋に着いたら新幹線乗り換えの時間ありますから、駅でちょっと何か食べましょう」 隣の座席に座る久住小春がかけた言葉が耳に入っているのかどうか、里沙はこちらに視線を向けもしない。 「ねえ、新垣さん。今日はたまたま私の調子が悪かっただけかもしれないし…」 その言葉に里沙は顔を向けた。 はっとするほど沈痛な面持ちをしていた。 「ごめんね、小春。大丈夫だから、私」 そう言って里沙は、小春の手を握った。微かに、里沙の手が震えている様な気がした。 「あの、こんな事いうとアレなんですけど、もし……」 「もし……愛ちゃんがもう死んじゃってたとしても、それでもどこにいるかは分かるんだよね。小春なら」 まるで小春が何を言うか予知してい...
  • ■ コールドウォール -新垣里沙・田中れいな・佐藤優樹- ■
    ■ コールドウォール -新垣里沙・田中れいな・佐藤優樹- ■ 「たっなっさっ!たーーーーーーーん!」 空を切って跳躍する影、猛烈な速度で田中の背後から迫りくるは、魔獣か悪魔か。 もういい加減うんざりとしながら身構える。 同時に強烈な激突、衝撃が背中を襲う。 「ぐはっ痛ったい!佐藤!」 「ぐふふふーひゃー!」 「うーるさい!」 「たっ田中さんすんません!もうまーちゃん田中さんから離れろよ!」 「やですよーだ!まーちゃんのたなさたんだもーん!」 「やめろ!『の』ってなんだよ『の』って!失礼だろっ!」 「べーっだ!まーちゃんのったらまーちゃんのだよーん!ねー?たなさたん!ねー?」 「いやちがうけん」 「ほらー!まーちゃんはなれろよー!」 「ひゃー!やだー!ぐひひひひ!」 「…いやー、なぁんか、上が騒がしいねぇ…」 「そうですねぇ、ええことちゃいますかぁ...
  • 『Defenderes』
    目次 (前編) (後編) (前編) もしも、もしも愛ちゃんがいなくなったら、その時れーなはどうする?       ・       ・       ・ 喫茶リゾナントを拠点に悪の組織ダークネスと日夜戦い続ける能力者集団リゾナンター。 そのうちの一人、共鳴した仲間の能力を増強するアンプリファイア能力の持ち主である田中れいなは、疲弊しきった身体をリゾナントの二階にある自室のベッドに横たえていた。 彼女の体力をそこまで消耗させたのは、サブリーダー新垣里沙と行った模擬戦闘だった。 「次のリーダーはれいなたい」 「ぬぅぅぅぅん!」 模擬戦とは思えない激しい鍔迫り合いを見守っていた亀井絵里は、訓練の終わりが告げられると、駆け寄ってれいなに肩を貸そうとした。 「余計な真似はせんでいい。 れいな、別にガキさんに倒されたわけやないけん」 本当はその...
  • (65) 769 名無し募集中(囚われの愛)
    目次 2012/02/19(日) 更新分 2012/02/20(月) 更新分 2012/03/13(火) 更新分 2012/02/19(日) 更新分 ピンポーン! 「はーい!」 里沙のマンションに荷物が届いた。その中身は・・・ 「キター!ついに来たのだ、期間限定ネズミーマウスグッズ!最近、ネズミーに会えてないなぁ。」 かねてよりネズミーランドのファンである里沙だが、ここのところ忙しくなかなか夢の国に行くことができないでいた。 「このレアグッズは我が家の家宝にするのだ・・・うん、これは・・・」 里沙はネズミーランドのレアグッズの入れてある箱にある紙を見つけた。 それを拾い上げ、読み上げる。 その瞬間、里沙の表情が暗くなった。 「この時がきたか・・・」 数日後、里沙は愛を連れ出して、外出をしていた。 「いやー...
  • 妄想コワルスキー
                                    next→ ―これはマズいことになったのだ。 新垣里沙は焦っていた。 ―私としたことが、こんなトラップに引っかかるなんて。 あの頃の、ダークネスのスパイとしてリゾナンターに潜入していた頃の私だったら、こんなミスは犯さなかったのに。 別れを告げた筈の裏切り者としての過去。 封印してしまいたい記憶すら蘇らせる意味がそこにはあった。 それは…。 ボン。 キュッ。 ボン! 人類の宝。 ボン。 キュッ。 ボン! 輝かしい未来へのパスポート。 ボン。 キュッ。 ボン! さようなら、泣き虫な私。 ボン。 キュッ。 ボン! こんにちは、アルティメットなボディ。 発端は地方遠征だった。 長引いた遠征の疲れを癒す為に、最寄の温泉街に足を運んだリゾナンター様御一行。 その街のメー...
  • 『妄想コワルスキー・Full throttle』(後)-3~4
                                  ←back   next→ 3 4 3 次に目が覚めた時、わたしはボン。キュッ。ボン!なハートの持ち主に生まれ変わる。 切なる誓いを心に刻み込むために、枕がわりのクッションを三度叩いた。 ボン。 キュッ。 ボン? アレ、何なんだろ? 今手に何か当たったけど何なんだろう一体? クッションの中に何か入っている? そんなに堅くもないし、分厚いもんでもない。 寝かされてたときは気づかなかったけど、こうして叩いてみると何か入っているのが判る、よく判るよ。 なんだろう、これ。 クッションのカバー越しなんかじゃなく直に触れてみたい。この目で見てみたい、正体を確かめてみたい気がする。 何だか判らないけど、わたしにとってとても大切な何かじゃないかな。 クッションのカバーはファスナーになってい...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 精神干渉と破壊の少女たち』
    新垣里沙は緊張する。 だされたコーヒーカップを震える手でつかみながら緊張のうえでののどの渇きを潤そうとしていた。 リゾナンターの中でも極めて冷静沈着なこの少女が珍しく緊張しているのには訳があった。 「緊張するのだ。安倍さんの家・・・念願の安倍さんの家だ。」 そう、ここは里沙が尊敬してやまない安倍なつみの家なのだ。 「ごめんね、待たせちゃって。」 するとなつみが里沙のいる部屋に入ってきた。 「いいえ、大丈夫です。でも、光栄です。安倍さんの家に招かれるなんて。」 「そうでもないべさ、正確に言うとここは裕ちゃんの家なんだから。」 「でも驚きました。まさか安倍さんがあの安倍裕次郎代議士と結婚していたなんて。」 「みんなには隠していたからね。」 なつみの言う裕ちゃんというのはダークネスの中澤裕子のことではない。 将来の総理大臣候補として注目...
  • 『妄想コワルスキー・Congestion』 (後)
                                    ←back    next→ ―少女は孤独に打ち震えていた ―孤独な魂は救いを求めていた ―しかし少女が声に出して救いを求めることは決してなかった ―救いを求めれば自分が崩れてしまうと思っていた ―涙を捨て、感情を封印した石の心で生きていけばどんなつらいことでも耐えられると思っていた ―しかし涙を捨てた少女の心は干上がった湖の底のようにひび割れた ―その心の傷の痛みに耐え切れなくなった少女が自らその命を散らそうとした時、その人は舞い降りた 気の弱いいじめられっ子を装って、高橋愛の同情を引きリゾナントに出入りするようになった女子校生。 正直最初見たときは、愛佳イラネと思った。 だがしかしダークネスの凶弾に傷ついた私のことを治癒のチカラで救ってくれてから認識...
  • 『R-Infinity(7) ふるさと』
    第7話 ふるさと 1 「なんで、ばあばが撮った写真がこんな所に」 軽い頭痛があった。 愛の古い記憶が、愛に何か大切な事を教えようとしているかのように疼く。 優しくて苦いその大切な何かの輪郭に、もう少しで手が届くかという時、ドアをノックする音が愛の思索を打ち切った。 振り向くと、後藤真希が着替えのすんだ愛の姿を眺めていた。 「結構似合ってる。愛ちゃん」 「愛ちゃん?」 「愛ちゃんって、呼ばれてるんでしょ。だから私も」 「呼び方なんか」と吐き捨て、愛は後藤に詰め寄る。 何故自分の写真が、それも十年も前の写真がこのダークネスの基地にあるのかと。 後藤はその質問に直接は答えず、愛に付いて来るよう促しながら背を向け、部屋を出た。 「どこ行くんや」 「一番深い所」 「は?」 「そこに、真の闇がいる」 愛の困惑をよそに、後藤はス...
  • @wiki全体から「『新垣里沙の手記・其の三』」で調べる

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