『林檎の頬の少女』

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  • 『林檎の頬の少女』
    岨道流。 聞いたこともない、無名の武術。 聖は、そう侮っていた。 けれども今置かれている状況は、彼女の認識の甘さがもたらした以外の何物でもない。 「『りゅういし』に、ばかにし過ぎだと思います」 まるで林檎のように頬を紅潮させ、少女は言う。 彼女の言う「りゅういし」が、「流石」の誤読だと聖が知るのは、ずっと先のこと。 少女の小さな手から、荒縄が天井へと伸びていた。 梁を支えにして、垂直に垂れ下がる縄。聖の白い足を絡め、そして彼女のふくよかな肉体に巻き付いている。 つまるところの、逆さ吊り。 荒縄の存在にはまったく気付かなかった。 なぜなら聖には、彼女が何も持っていないようにしか見えなかったからだ。 どうぞかかってきてください。その言葉に甘えて、抱きつき、少女の甘い香りを堪能…ではなく、身動きを封 じるつもりでいた。一度聖の得意とする「フ...
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    ... 668レスまで 『林檎の頬の少女』 2015/02/26(木) 22 15 08.66 0  ■ アフタースクールレクチャーアバウト -リゾネイターX   - ■ 2015/02/26(木) 23 00 36.55 0  ■ アバウトイシカワリカ -   X石川梨華- ■ 2015/02/27(金) 00 16 35.93 0  『カーメイ氏、方向攪乱についてあまり語らず』 2015/02/27(金) 18 47 26.39 0  ■ サイコサイコ -石田亜佑美X石川梨華- ■ 2015/03/01(日) 06 07 11.80 0  ■ トランケイト -中澤裕子- ■ 2015/03/02(月) 18 43 16.34 0  『書道のススメ』 2015/03/04(水) 01 41 36.30 0  ■ スキュラ -石川梨華- ■ 2015/03/04(水) 18...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 癒しの少女と千里眼の少女』
    バスッ!ドン! 小柄な体が地面にたたきつけられた。 「くそっ!まだだ!」 小柄な体がたちあがった。 そこから出された声はとてもハスキーであった。 その体はボロボロであった。 「遥ちゃん、もうやめようよ。」 「馬鹿野郎!おまえが作ったロボットごときを倒せなくて、リゾナンターになれるかよ!」 「でも、リゾナンターにはなりたくて、なれるものじゃあ・・・」 「おれにだって、なれる!まずはこのポンコツをぶっ壊す!」 工藤遥。 Mの養成機関「EGG」に属している少女である。 小柄な体格であるが、その男勝りな性格とある特殊な能力で成績をあげているのだ。 だが、彼女の夢はあこがれの存在であるリゾナンターになること。 そのために同輩である宮本佳琳に頼んで、あるデータを取り寄せたのだ。 『AK-Bシステム』 かつてリゾナンターが関わったPEPPER...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 稲妻Girlと透化少女』
    「よし、そのまま歩け。」 ひとりの少女が怪しい男たちにうながされるまま富士の樹海の中を歩かされている。 少女はひどい仕打ちをうけたらしくからだのあちこちに傷が見受けられる。 「いいか、妙なまねをするなよ。」 「わかった。言うとおりにするよ。」 少女の名前は鈴木香音。 愛知で家族とともに平穏な時間を過ごしていたごく普通の少女だ。 しかし彼女の生まれ持ったある能力のために怪しい男たちに拉致されて、この樹海に香音だけ連れてこられたのだ。 今はなぜか香音だけを先頭に歩かせて、男たちは少し離れたところから香音の後についていく。 香音の手にはある場所を示した地図が持たされているだけであった。 カチッ! 香音が地面を踏むと、何やらスイッチが入ったような音がした。 それを聞いて、男たちは身を伏せた。 ビー! するとどこからかレーザーが飛んでき...
  • ■ エスプナードオブミュージアム -飯窪春菜- ■
     ■ エスプナードオブミュージアム -飯窪春菜- ■ そこに天使がいた。 一段高くあつらえられたフロア。 ルーフから注ぐ光、照明。 長い黒髪。 その、艶やかな光沢。 小麦色の肌。 長い、すらりとした手足。 光と影の中、『少女』が、そこにいいた。 「(綺麗な、ひと……)」 静かに絵を観る少女。 その、横顔に見蕩れる。 ふと、我にかえり、美しい先客の邪魔をしないよう、ゆっくりと階段を上る。 ほんの少し、後ろに。 少女は飯窪の事など少しも気にしていない様子で、ただ目の前の絵を。 美しい絵だった。 その絵の前、一人の少女と出会った。 ごく小さめな、宗教画。 中央、やや左上に天使。 両腕を上に掲げ、豪華な衣装がはためく。 天に向けられた顔は、なぜかぼやけ、その表情はわからない。 ...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 傷と能力複写を持つ少女』
    ブチュ! 「うーん!かわいいの!」 「ああ・・・完全にピンクの悪魔だ、こりゃあ。」 絵里は自分の家で酔っ払っているさゆみを見て、あきれ返っている。 酒に酔いピンクの悪魔と化したさゆみを自分の部屋のあるスペースに幽閉している。 そのスペースにはさゆみの隠し撮りも含まれる巷の美少女たち(リゾナンターも)の写真が張り巡らされている。 ピンクの悪魔はその写真にむかって口づけをし続けている。 「こんなんで明日からの定期検診にたちあえるのかな?」 翌日、結局のところさゆみの酔いはさめず、絵里はひとりでさゆみの両親の経営する病院へと定期健診に向かった。 すると病院の院長を務めているさゆみの父が誰か男の人と話しているのが見えた。 「ご援助のほうありがとうございました。わざわざ、ご当主のお孫さんまでお越しになられて・・・」 「お嬢様は道重さんの病院の仕事を...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 共鳴の戦士と邪眼の少女』
    「まったくいくらたたきつぶしても懲りない連中やざ。」 そう愚痴をこぼしながら愛が見つめていたのはとある宗教団体の会合である。 この組織はかつて愛佳の予知能力に目をつけて、喫茶リゾナントを襲撃して、れいなに重傷を負わせたのだ。 その行為が愛を怒らせ、一度愛の手によって施設が襲撃されたのだ。 だが、組織は懲りずに能力者を使っての組織の拡大を図っていた。 そしてそれを担っていたのが・・・ 「飯窪春菜・・・あの組織が地下で育成していた能力者の子供たちのひとり。」 データによるとその春菜は愛に会っているはずだ。 愛は以前に組織の施設に潜入したときに組織が育成している能力を持った子供たちの部屋に飛んだことがあった。 その時に外の世界に向かうように促したこともあった。 「でも・・・そう簡単にはいかないやよ。やはりあーしらが導かんといけんか。」 そ...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 野良猫とリオンを操る少女』
    「この女か・・・例の組織に属していたのは・・・」 「はい、先日の敵対組織の殲滅作戦の折に捕獲しました。」 暗い牢屋の中に両手両足を鎖でつながれているひとりの女を見つめている女と男。 女はダークネスの最高幹部・中澤裕子。 先日、ダークネスに逆らう敵対組織殲滅における報告を部下からうけていたのだ。 「かなり苦労したみたいやな。捕獲したというのは実際には殺そうとしても返り討ちにあった。やから、仕方なく捕獲したんやろ?」 「はい・・・その通りです。」 実際、この女を捕まえるまでにダークネスの戦闘員の数百人が被害をうけていた。 「どうなさいますか?私の意見では危険すぎます、今のうちに始末したほうが・・・」 「いいや、うちに考えがある。報告によるとこの娘の能力には興味がある。」 「しかし・・・」 すると中澤は部下の制止を気にせず牢の中に入って行った。...
  • 『リゾスレ4周年突破記念 精神干渉と破壊の少女たち』
    新垣里沙は緊張する。 だされたコーヒーカップを震える手でつかみながら緊張のうえでののどの渇きを潤そうとしていた。 リゾナンターの中でも極めて冷静沈着なこの少女が珍しく緊張しているのには訳があった。 「緊張するのだ。安倍さんの家・・・念願の安倍さんの家だ。」 そう、ここは里沙が尊敬してやまない安倍なつみの家なのだ。 「ごめんね、待たせちゃって。」 するとなつみが里沙のいる部屋に入ってきた。 「いいえ、大丈夫です。でも、光栄です。安倍さんの家に招かれるなんて。」 「そうでもないべさ、正確に言うとここは裕ちゃんの家なんだから。」 「でも驚きました。まさか安倍さんがあの安倍裕次郎代議士と結婚していたなんて。」 「みんなには隠していたからね。」 なつみの言う裕ちゃんというのはダークネスの中澤裕子のことではない。 将来の総理大臣候補として注目...
  • ■ アガルリフタアガルズ -飯窪春菜- ■
     ■ アガルリフタアガルズ -飯窪春菜- ■ まーちゃんのこと、たすけてくださぁい 飯窪春菜は混乱していた。いや、大混乱していた。 『なぜバレた?なぜバレた?なぜ?なぜ?なぜバレタのぉおお?』 目の前の少女は本気だ。こっちをまっすぐに見つめ、本気で頼んでいる。 自動販売機に。 飯窪春菜。人よりちょっとだけ高い声を持つ、平凡な女子高生。 平凡な暮らしの中、幼いころより、人知れず研さんを積んできた、その非凡。 【偽装幻視(ディスガイス;disguise)】 自分の見た目に関してのみ、あらゆる偽装を可能とする集団幻覚。 この力を、彼女は完全に『モノ』にしていた。 その成果の一つが『どれぐらい効いているのか?』を、個々対象ごと、かなり正確に把握できる事、だった。 たとえばリボンの色を実際の色とは微妙に違う色にして周りの友達の反応を見る、 効い...
  • スレ別分類(第62話~第71話)
    スレ別分類(第72話~) 第71話(2012/07/07(土) 07 32~2012/08/15(水)) 第70話(2012/06/04(月) 22 34~2012/07/06(金) 18 14)857レスまで 第69話(2012/05/24(木) 22 14~2012/06/01(金)195レスまで 第68話(2012/05/19(土) 18 57~2012/05/23(水) 18 50)98レスまで 第67話(2012/04/03(火) 12 20~2012/05/19(土) 13 14) 第66話(2012/02/27(月) 12 21~2012/04/03(火) 22 55) 第65話(2012/01/29(日) 12 29~2012/02/27(月) 15 59) 第64話(2012/01/10(火) 19 15~2012/01/26(木) 08 18)413レスまで 第63話(...
  • ■ ストンプザホース -田中れいな- ■
    ■ ストンプザホース -田中れいな- ■ 衝撃波。 山林に、破裂音が響き渡る。 田中れいなは、吹き飛ばされた。 その距離、ゆうに5メートル。 だが 「なっ!」 動揺の声は『馬』の少女から。 衝撃で応える見えない鎧。 打ち付けられたのは、拳ではない。 クロスガード。 交差した両腕に視界が塞がれる一瞬に。 跳躍する。 突進の勢いを殺すことなく、駆け登り、蹴り下ろす。 拳より強い力、すなわち『脚』で。 『馬』の頭を。 「キックしたのぉ!」 全力の蹴り込みが、破裂音に弾かれる。 衝撃は田中を吹き飛ばす。 『馬』の少女の頭上から、斜め後方へ。 そう、障害物を、飛び越えるために。 一気に距離を、かせぐために。 空中で木々の生い茂る枝を突き抜け、斜面山...
  • ■ メイデンボウル -佐藤優樹- ■
     ■ メイデンボウル -佐藤優樹- ■ 「きれーい」 佐藤優樹は、その少女の寝顔に見惚れていた。 白い、長楕円筒形の、カプセル。 「きんぎょばちみたーい」 形状からして金魚鉢とは違うと思うが、そのカプセルの上に腹ばいにはりつき、その中をまじまじと凝視している。 「かわいー」 振動。 カプセルの中は少し粘性のある透明な液体に満たされている。 その質感を、佐藤優樹は正確に『体感』する。 「とろとろのなかでもへーきなのー?」 返事は無い。 美しい、その幼い少女は、涼やかな表情のまま、眠り続けている。 「おしゃかなしゃんみたーい」 ぺちぺち、ぺちぺち。 「ほしーなー、これ」 手の平と、脛の内側からふくらはぎ、で、カプセルをぺちぺち、とたたいてみる。 「まーちゃんの、おーしゃかーなしゃん」 ―...
  • (90)663 名無し保全(過去は過去)
    「1人の少女を誘拐して身代金を要求する。それが、俺達の最初の任務か」 「人質の扱いは丁重にお願いします。その少女も仲間に出来るかもしれませんから」 「その少女も能力者なのか?」 「目覚めて1年程、と聞いています」 「そうか……辛い時期なのだろうな」 「彼女は今、目覚めた異能力に戸惑い、悩み、苦しんでいます。突如、他人とは違う存在となり、周囲から疎まれ、避けられ、傷付いています」 「誰も彼も同じだな、能力者の人生は。辿り着くのは希望の光が届かない暗く深い暗闇の奥底……」 「だからこそ、能力者は〝ダークネス〟に辿り着く。あなた達と同じ様に」 「ああ。ダークネスは能力者の未来への希望だ。そのダークネスからの命令、必ず完遂させよう」 「期待しています。この件が終われば、きっとあなた達の未来も切り開けるはずですから」 「任せておけ」 ── 「過去は過去、振...
  • ■ マスクオブホース -田中れいな- ■
    ■ マスクオブホース -田中れいな- ■ 衝撃波。 一撃は、破裂音に弾かれた。 「はいはい!聞いてくださーい!ちょっとだけっ!止まってくださいっ! この先、ちょっと!お取込み中なんで!ここで!ちょっとだけ!お時間くださいっ!」 繰り返されるセリフ。 彼女は決して戦おうとはしない。 だが、決して、田中をのがさない。 立ち塞がるは覆面の少女。 パーティーグッズによくある『馬』のゴムマスク。 身長は、田中と同じほど。 ただし、腕と脚の太さは、倍ほどに違う。 ラフな赤地のTシャツ、デニムのハーフパンツ。 黒のニーソックス、黒のスニーカー。 「さっきからなん?そこどき!」 「いやー!ちょっと!それはっ!どけないっ!どけないです!」 「ちっ!なんね!」 先ほどからこの繰り返し。 左へ行けば左、右へ...
  • 『好きな先輩』
    『女子かしまし物語2012』 『好きな先輩』 〈今日の私美人ですか〉 1-1 生田衣梨奈は、学校から喫茶リゾナントへ向かう途中だった。 毎日少しずつ訪れるのが早くなる夕暮れ。もう秋が始まっている。 「もう5時か…新垣さん、今日も返信くれんかった…。えりな、泣きそう…」 誰もいない路地を歩きながら、生田は携帯を見つめる。 「ワンワン」「ワン」「ワオーン」「クーン」「バウワウ」「ウー」「キャン」「オン」 突然、たくさんの犬の鳴き声が耳に入ってきた。 生田が顔を上げると、リードの束を握った一人の少女がこちらを見ている。 歳は生田と同じくらいに見えるが、胸が大きく、鼻筋が通った美人さんだ。 少女の足下では、8匹の犬がこっちを見ている。 少女は微笑んでいたが、その目は明らかに笑っていなかった。 「こんばんは」 少女が生田に声をかける。 同時に...
  • (99)502 名無し募集中。。。(必勝と必敗)
    その少女は敗北を知らない 少女は幼いころからプロ野球が好きだった 両親に連れられよく応援に行った 彼女が球場に行くと必ず応援していたチームが勝った どれほど不調が続く時期でも関係なかった 怪我をおして出場したロートルも、先走りが目立つ若手も、皆「強く」なった 彼女は敗北を知らない 彼女が「勝て」と命じれば必ず「勝てる」のである その少女は勝利を知らない 少女は幼いころからフィギュアスケートにうちこんできた 両親に支えられ熱心に練習した 才能もあった努力もした だが彼女は一度として栄光を掴めなかった 明るく強気で負けん気の強い少女であったが 極端に本番に弱かった 彼女は勝利を知らない 彼女が「勝ちたい」と願えば必ず「敗ける」のである そんな彼女に人生で初めての勝利がもたらされようとしていた 決勝の舞台、初めてつかんだ栄光への...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 19話
    ● 竹内朱莉は先ほどから、度々深いため息をついている。 テーブルの正面には、ツインテールの少女。意思の強そうな眉とそれに反比例した子犬のような鼻、そして口元から 覗く八重歯は愛らしくすらある。ただ、朱莉のため息の原因は明らかにこの少女に起因していて。 「だからさ、めいたちはもうお笑い担当でいいと思うわけ」 「…能力者のお笑い担当って何よ」 「だって和田さんとか福田さんは一線級で活躍してるわけじゃん。でもめいたちはずーーーーっとサポートしかでき なくてさ。何か悔しいじゃんそういうの」 「そりゃまあ。でもお笑いと関係なくない?お笑いの能力って意味わかんないし」 先ほどから目の前の少女・田村芽実が主張する「お笑い担当能力者」という存在について、改めて朱莉が疑問を投げ かける。すると、 「めいたちははっきし言って能力も中途半端…まありなぷーのアレは何か...
  • ■ ラーフィングフォックス -田中れいな- ■
    ■ ラーフィングフォックス -田中れいな- ■ その少女たちは、”突然”そこに現れた。 「ほーんとに突破してきたー。」 覆面の、二人の少女。 一人は肩までのセミロング、大柄で、ふくよかな上半身、白く長い手足。 「『でれ』さんの読み通りかー、ははあーすごいすごい。」 指先だけを合わせる、やる気のない拍手。 「でも残念でしたー、せっかく頑張ったのに、無駄でしたねー。」 縁日などでは、今でも売っているのだろうか? 古典的な、白い『きつね』のお面。 『きつね』の、少女。 「くっ!はなせ!こん糸ほどけ!」 テグスにからめとられ、うつぶせで地面に転がり、もがきつづける田中。 「あははーほどけと言われて『ほどくわけない』でしょ、ねぇ?」 身動きの取れない田中のそばにしゃがむ『きつね』の少女。 「くっ…アンタら...
  • 『劇場版 瑞珠剣士・鞘師 「黒き鎮魂歌」』
    欲望が渦巻く、日本を代表する繁華街。 その一角に断つ雑居ビルの屋上から、下方の混沌を覗く四人の影があった。 一人は30歳前後の女性、そこから数歩下がったところにいるのは10代半ばの少女たち。 「本当に、いいんだな?」 全身黒ずくめ、体のありとあらゆる場所をプロテクターで防護したその女性は、念を押すように少女たちに語りかける。 顔を覆い尽くす仮面からはその表情は窺えなかった。 「もちろんですよ」 三人の中でも年長と思しき少女が、目を三日月にして答える。 年よりやや幼さを残す顔つきではあるが、瞳の奥に底知れない悪意を映していた。 「しかし。まさか『あなた』と一緒に仕事ができるとは思いませんでしたよ。『天使』や『悪魔』たちと一時代を築いたかの、英雄」 「英雄ねえ。最期はクソガキどもに虚を突かれてこれだ」 いかにも真面目そうな、堅い表情の少...
  • 『■ マーダースインテンツ-鞘師里保- ■』
                              ←back        【index】     next→  ■ マーダースインテンツ-鞘師里保- ■ 正直なところ鞘師は途方に暮れていた。 東京… じぃちゃまは「向こうから見つけてくれる」と言った。 ならばきっと見つけてくれるだろう。じぃちゃまがそこまで言うのだから高橋愛という人は信用できる。こちらから動くこともないだろう。 だがそうだとしてもとりあえず向かうべき方向を決めねばならない。 また、名古屋で足止めしたであろう追手のことも考慮しなければならない。 いや、すでに東京にも別の追手が待ち伏せている可能性も高い… 鞘師はそこまで充分考慮はしている…が実のところ途方に暮れていたのはそんなことではなかった。 自分でもあきれるほど「命の重さ」を実感できぬ鞘師にとって自分が狙われていることなどさした...
  • ■ ラグジュアリオウトモビル -勝田里奈- ■
     ■ ラグジュアリオウトモビル -勝田里奈- ■ 『全員っ!ぶうっっっとぉばぁああああああすっ!!!』 「あははー」 インカムから聞こえる竹内の怒声。 そして大ウケするタレ目の少女。 「あははーじゃないよっ!どーしよどーしよ!」 うろたえる八重歯の少女。 「まー大丈夫なんじゃない?タケもはりきってるし」 「ででもっ!でもっ!」 深夜、無人の駐車場、場違いな白い高級車。 世界中こんな車には、それこそ趣味の悪い成金ぐらいしか乗りたがらない、 外国産の大型車だ。 そんな車の運転席に、こんな少女が?なんとも不釣り合いな組み合わせ。 そもそも乗用車の運転ができるような年齢には見えない。 確かに肉付きはよい、身体も大柄な方なのだろう、遠目には大人の女性に、見えなくもない。 が、それでも肌艶が違う、醸し出す匂いが違う、どう考えても十代前半...
  • 『InvisibleBlade 第三話「見えない戦闘機」』
    「ホワァアアアアアア!」 襲撃者・・・派手な女は奇声を挙げながら 何かを振りまわして迫ってきていた 赤い・・・棒?何あれ? しかし先ほどの一撃を避わすとは勘の鋭い奴 いや・・・まさか見えているの? そんなはずは・・・ 里保は再び御神刀に”力”を込め切っ先を伸ばす 20m程か 不確かなことは・・・確かめるのみ! 「覇あっ!」 今度は横薙ぎに御神刀を全力で振るう 「ホウッ!」 女は・・・奇声とともに前宙して高く高く跳び 横薙ぎを避わした やはり見えている。奴には。 ならば・・・ 遠慮はいらないということ ニヤリ・・・久し振りに里保の心が躍る 速い!女はもう目前に迫っている 「ホウッ!」 衣梨奈は華麗に砂に着地し、再び全力で駆け出す やっぱり危なかね・・・ 舞う砂の変化で今の一撃は見切...
  • 『ハロー!SATOYAMAライフ』
    from 『「リゾナンター。大好き」』 『ハロー!SATOYAMAライフ』 〈One 私の気持ち〉 1-1 愛佳は身体の自由を奪われていた。 全身に木の蔓が何重にも絡みついている。 目の前の少女は植物を意のままに操ることができるらしい。 少女は近くの大木を鞭のようにしならせ、愛佳へ振り下ろそうとする。 その時、二人の間の空気が歪んだ。 驚いた少女は動きを止める。 歪みはみるみる大きくなり、その中から二人の女の子が手を繋いで現れた。 「みつみつみつみつみついさーーーん!」「光井さん!」 「佐藤!……鈴木!?」 愛佳は一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐに困惑の色を浮かべた。 「佐藤!田中さんを連れて来てってゆうたやんか!」 「すみませーん、まーちゃんだれだったかわすれちゃって~、 あのときおみせにすずきさんとくどぅーしかいなくて~ そし...
  • 『新しい支配者』
    「今、なんて……?」 聖は、目の前にいる相手の言葉に耳を疑う。 おかっぱ頭で、前髪を切りそろえた、色白の華奢な女の子。 「もう一度だけ言いますよ。ダークネスは、私たちが潰しました」 黒目がちな瞳を細め、柔らかく笑う。 普通なら、かわいらしい顔。そんな印象を抱くような顔つきなのに。 怖い。黒目の黒い部分が、まるで彼女が抱える闇であるかのように聖には感じられた。 「だってあのオバさんたち、弱いんですもん。私たちの新しい力には、誰も敵わなかった」 彼女の言うことが真実なら。 氷を操る魔女も時の支配者も未来を見渡す賢者も、倒されたということ。 それだけではなく。天使や悪魔さえも、屈服させたというのか。 「ありえない、そんな顔してますよ?じゃあ、見せてあげますね。『喚び出すりん♪』」 しなを作りつつ、地面にしゃがみ、右手を地に添える...
  • 『焔虎』
    深い森の中を、走る一人の少女。 一人の少女を取り囲むようにして追う男達。その数、六。 目つきの鋭い少女は自分が追い込まれたことを知ると、観念したように立ち止まった。 「大人しくすれば、命までは取らんよ」 男のリーダー格が、言う。 「命とらん代わりに、慰み者にするんやろ。そんなんまっぴらごめんやわ」 男を睨む少女。 危機的状況からか、関西のイントネーションに棘が立つ。 「失礼な。あなたには被験対象になっていただくだけです。貴重な、ね」 「はん。要するにモルモットっちゅうわけか」 少女の両足から、ゆっくりと煙が立ち上る。 それは、地面の草が炙られ、焦がされた煙。 「…『火脚』だ、気をつけろ!」 男の一人が叫ぶ。が、それは気休めにすらならない。 次の瞬間、独楽のように舞う炎が彼らに襲い掛かったからだ。 自らの体...
  • ■ スモガットライアングル -飯窪春菜・石田亜佑美X萩原舞- ■
     ■ スモガットライアングル -飯窪春菜・石田亜佑美X萩原舞- ■ 背が『低い』 大股開きの仁王立ち。 長い黒髪の、その少女は、『ドヤ顔』だった。 ゴッ その『ドヤ顔』に両面からドアがぶつかる。 バックヤードへの扉というのは、放っておけば自然と閉じるものである。 出入り口と、2枚の扉と、『ドヤ顔』の少女。 異質なる者たちで作り上げる、美しい二等辺三角形。 バァン! 再び、扉を叩き開け、今度はもう一歩、中へ踏み出す。 その後ろをゆっくりと、扉が閉じていく。 少女は、何事もなかったかのように再び、仁王立ち。 『ドヤ顔』で。 ちょっと煤けたスニーカー、膝下丈のステテコ、よれよれのTシャツ。手首にヘアゴム2本。 どう見ても、「起きぬけにコンビニ行ってくる」時の恰好である。 奇しくも右分けにした前髪の分け目から、『ぴょこん』と...
  • 『闇を抱く聖母』(後)
    ☆ ★ ☆ 「その子は、特殊な能力の持ち主でして」 モニターに映る、白衣を着た女。 「うちの組織の被験体、いわゆる『エッグ』というカテゴリーに属するんですが」 薄闇に佇むその姿は、いつ見ても嫌悪感しか催さない。 なぜならば。 「さゆ。あなたなら、知ってますよね? 彼女の能力の『本質』を」 画面の向こう側の女が浮かべる笑みは、命を弄ぶ人間のそれだからだ。 白と、赤と黒が交差する戦闘服を身に着けた十人の少女たちはそのことを痛感する。 「まあ、あなたたちがその子を連れだすことを阻みはしません。どうぞご自由に」 だから、本能的に理解できる。 彼女が投げかける、次の言葉を。 「ただし、『できるならば』ね」 ☆ ★ ☆ 部屋が再び、沈黙に沈む。 研究所の最奥、隔離されたような作りの部屋にその少女は立ち尽く...
  • (95)56 名無しイラスト(佳林&だーいし)
    Dシステム。聖の知る少女にしか使えないはずの、能力。 青ざめた顔、うつろな表情をした石田亜佑美が幻獣の僕を従えて立っていた。 「どうです?『お仲間』に牙を向けられる気分は」 少女が瞳の闇を細める。 間違いない。この少女はダークネスを潰し、そして成り代わったのだ。 絶望する聖をあざ笑うかのように、青き獅子が雄叫びを上げた。 (『新しい支配者』)より 投稿日:2014/04/20(日) 13 05 48
  • (95)200 名無しイラスト(褐色の天使)
     天高く舞い上がる。 和田彩花。加速度を支配し、支配者の瞳をもつ少女。 その少女の下では、全ての能力者は『無力』。 誰よりも、強く、気高く、美しい…… 褐色の『天使』、天駆ける『戦士』。 天空の、『絶対君主』。    (■ アブソリュートドミネーター -和田彩花X矢口真里・保田圭・市井紗耶香- ■)より 投稿日:2014/04/25(金) 03 03 55
  • 『リゾナンターΧ(カイ)番外編・聖、ハートのチカラ』
    ☆ ☆☆ ☆☆☆ ★★★★  refer to 『リゾナンターΧ(カイ) -7』★☆ ☆ 物体に残された残留思念を読み取る、サイコメトライズという能力。 この能力の派生として、大きく二つの種類が挙げられる。 一つは、読み取った情報を具現化する能力。主に「悪夢使い」と呼ばれる能力者が使役する。 そしてもう一つは。能力者の残留思念から使役能力を読み取り、自らの力とする能力。いわゆる、能力複写と呼ばれる能力だった。 譜久村聖。 あるきっかけから喫茶リゾナントに通うようになって、2年半が経とうとしていた。 今では後輩もできて、ちょっとした中間管理職的存在。しかし今の彼女の前には、それ以上の問題が立ち塞がっていた。 今も通っている高校で配布されたお知らせの裏に、大きな四角を三つ書いて、うんうん唸って考え事をしている。 そのうちの一つ、”亀井...
  • 『Reconstructed Resonantor ~箱庭の少女たち~』
    ―――――――――――――――――――――― 心の中を無にしよう。 この世界は贋物だ。 構成要素の配置が変わっただけの紛い物。 だから、戸惑う必要も捉われる必要もない。 現実(リアリティ)はすべて、この世界の外にある。 ―――――――――――――――――――――― 追いかける。 追いつめる。 この爽快感がたまらない。 敵の能力者は、大通りを突っ切ってそこの角を曲がった。 衣梨奈は知っている。そこの角は行き止まりだ。 もう奴に逃げ場はない。 「観念しなさい、悪の手先め!」 予想通り袋小路に追いつめられて慌てふためく男に向かって、衣梨奈は得意げに人差し指を突き立てた。 「このところの連続婦女誘拐事件の犯人はあんたやろ!調べはついてるけんね!」 「・・・へへ、こんなお嬢ちゃんに追跡されるたぁ俺も落...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 04話
    ● 喫茶リゾナントのある街区を抜け、住宅街を突っ切り、全速力で走る刺客。 彼女はダークネスに属する能力者。ただし、オリジナルの能力者を元に作り出された「クローン」だった。 あいつ、煙幕で見えないはずなのに的確に打ち込んできやがった… 忌々しげに背中を摩る少女。 不自由な視界の中で繰り出された一撃、それは里保の腕前がかなりの高水準に達していることの証拠でもあった。 正直、少女は自分の戦闘力に自信などなかった。となれば、引きつけてからの不意を叩くしか方法はない。 あの場所でやり合わないで正解、計算どおりに自分を追ってくればこの先にいるパートナーと組んで反撃に打って出る手はずになって いる。 やつらの顔は全員憶えた。 例え偽者だと頭では理解していても、自分の知っている相手の姿をした人間をそう簡単に攻撃できる人間は少ない。 意を決めたとしても、迷いが大...
  • (103)339 名無し保全中。。。(プリキュアとコラボ)
    「リズム、行くよ!」「オッケー、メロディ!」 互いをメロディ、リズムと呼び合うふたりが軽やかなステップを踏み手を繋ぐ。ふたり一緒ならどんな敵だって倒せる、そんな余裕さえ見えるような笑顔。繋いだ手の先には、金色のハート。 「プリキュア、パッショナートハーモニー!!」 彼女たちが叫ぶとハートからはまばゆい光と音の奔流。希望に満ちたエネルギーが、小田さくら、鞘師里保、鈴木香音を襲う。 「鞘師さん、鈴木さん!」小田さくらがふたりの腕を掴む。 時間編纂始まり。 マゼンタと白の服を着た少女ふたりが放つエネルギーを回避し、ふたりの背後に回りこみ、鞘師と鈴木を自分の前に座らせるように配置する。 時間編纂終わり。 メロディとリズムーーーキュアメロディとキュアリズムがエネルギーで浄化したはずの敵3体の姿が消えたことと背後にその敵がいることを悟るのは同時だった。 「リズム…さ...
  • 『「リゾナンター。大好き」』
    『「リゾナンター。大好き!」』 〈One ちょびっと不安で 〉 1-1 れいなは絶望した。 敵の力が分かってしまったから。 この少女は武道の達人。 それも、れいなが今まで戦った中でも最強クラスの。 様々な理由によって、リゾナンターのメンバーが大幅に入れ替わった。 高橋・新垣の離脱後は、れいな・鞘師が戦闘における「ツートップ」となっている。 この二人は、攻撃に際して特殊能力を使用していない。 れいなの強さは、天性の格闘センスと、豊富な闘いの経験とによるものだ。 また、鞘師の方は、特殊能力自体いまだに発現していない。 驚くべきことだが、これまで二人は体術だけで強力な能力者を撃退してきたのだ。 そう、これまでは…。 得意の体術勝負で敗れたことに、れいなは打ちのめされていた。 「やっぱり愛ちゃんとガキさんがおらんとダメなんかなあ…。」 れいな...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 42話
    ● 施設各所から吹き上げる炎の柱は、光の国の居城前からもはっきりと見ることができた。 炎の根元がどういう状況になっているかは、想像しなくても理解できる。 「どうしよう、このままじゃ遊びに来た人たちが!!」 「とにかく、助けなきゃ!!」 「その必要はないね」 リゾナンターたちの言葉を遮るように、一人の少女が目の前に降り立つ。 へそ出しショートパンツという軽装の、ポニーテール。 その顔には、見覚えがあった。 「こいつ…この前の譜久村さんに擬態してた!」 亜佑美が、思い出す。 確かに少女の顔はあの時の襲撃者のそれによく似ていた。が。 「ざけんな。あんな出来損ないと一緒にすんなって。まいいや、”のん”が面白い場所に、連れてってあげる」 それだけ言うと、右手をリゾナンターの面々に翳す。 何かの攻撃か。身構えた一同だったが、次の瞬間...
  • 『ジャッジメント』
    闇の世界にその名を轟かせる、ダークネス。 だが、巨大な組織であるがゆえに決して一枚岩ではない。 今宵も、苛烈な支配から逃れようとするものが夜の街を逃げ惑う。 「ハッ…ハァッ…こ、ここまで来れば…もう大丈夫だろう…」 テーブルにどっかと座り、息を整える男。 周りのあちこちから、笑い、はしゃぐ声が聞こえる。 煙草の煙と、酒の噎せ返るような匂い。 無慈悲な上納金に耐えかねた、下部組織が金の支払いにノーを突きつけた翌日。 組織のアジトは、ダークネスの粛清部隊によって爆破された。 組織の中心にいた5人の男。 そのリーダー格であった男は、自らが安全地帯まで逃れたことに改めて安堵する。 雑居ビルの中の居酒屋。ここなら、粛清部隊が一般人を巻き込んでまで自分を粛清する可能性は非常に小さい。例え追手がこちらまで来ても、盾とな る人間はいくらでもいる。 ...
  • 『超・戦慄迷宮』
    from 『ハロー!SATOYAMAライフ』 『超・戦慄迷宮』 〈One 構って欲しくて〉 1-1 「むり~!むり~!みずき~、引き返そうよ~!」 「もう、えりぽん!次の脱出口までは頑張ろう!田中さんに怒られるよ!」 「いや~~ん!」 生田は譜久村の背中にぴったり貼りついていた。 二人はれいなの命令でとあるお化け屋敷に来ていた。 生田と工藤のお化け嫌いがあまりにもひどいため、鍛え直そうという狙いだった。 だが、一緒に来た工藤は泣きじゃくって嫌がり、柱にしがみついて離れなかった。 譜久村はそんな工藤の様子を十分に堪能した後、生田を引きずりお化け屋敷に入った。 「おかしいおかしい!なんでくどぅーは入らなくていいとー?」 「くどぅーはまだ可愛い子供でしょ? えりぽんは来年高校生になるんだからもうしっかりしないと!」 「もう!くどぅーとは二つ...
  • 『恋愛ハンター』
    from 『好きな先輩』 『恋愛ハンター』 〈どんな場面でも逃げない〉 1-1 「No.6も結局失敗したわね。報告書みたけど、あの子達ほんとダメダメよね~。 殺せるときに殺しとかないと後で酷い目に遭うんだって、なんで分かんないのかな?」 粛正人Rのその言葉に、マルシェは反論する。 「あの…、彼女たち、標的を『殺せ』とは指示されてなかったと思いますけど…」 「そんなの関係ないわよ。『絶対に殺すな』とも言われてないんでしょ? 正当防衛で仕方がありませんでしたって言えば、それで済む話じゃない」 「これまで石川さんはそうしてきたんですか?」 「私は正直者だから、そんな言い訳しない」 「そうですよね…。石川さんはいつも『ムカついたから殺した』ですもんね…」 「分かってるじゃん」 (だから、上から信頼されないんだって、この人、なんで分かんないのか...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 15話
    ● 一方、彩花の精神世界に入り込んだ春菜は。 一面に草花が咲き誇る草原に立っていた。 見上げると、抜けるような青い空。それでも、春菜はその景色に違和感を覚えていた。 一番大きな違和感は、ここまで晴れ渡っているにも関わらず。 光差し込む源が存在していないということ。太陽が、ない。 吹き抜けるそよ風も、美しく咲く花も、どこまでも広がる草原も。 色彩だけが強調され、そこに温度と言うものが存在していなかった。 さらに、もう一つの異常な光景は。 目の前には、木枠に嵌った美しい絵画。 それと同じものが、無数に空間に浮かんでいた。 これが、今の和田さんの精神世界… かつて春菜の前で絵の魅力について語った彩花。 だが、色彩だけが暴走し無数の絵画が不安定に浮かんでいる光景からは。 その片鱗すら、見受けられない。 それにしても、見たこと...
  • 管理者用備忘録
    ... (103)007 『林檎の頬の少女』 2015/02/26(木) 22 16 31.84 0  【短編】【設定】【出会い】【羽賀朱音】【譜久村聖】【変態】【なかなかやりよる】 岨道流とは型無の武術。 有にして無。無にして有。あらゆる事態に臨機応変に対応するその武術を修めた姫、羽賀朱音に譜久村聖が挑んだのは、個人的な嗜好を満たすため…ではなく新たなる共鳴戦士を仲間にするためだった。 必殺技「フクムラロック」で朱音を絡め取ろうと自信満々に臨んだ聖だったが…。 【補足】 昨年末、投下されたイラスト(101)573 名無しイラスト(処童流緊縛術)から生まれたコメディ短編。 処童流イラスト自体、モーニング娘。’15のメンバー羽賀朱音が友達とマネキンごっこをしているという話題から生まれたネタを絵にしたもので、想像の輪が広がっていく感じは中々に良かった。 【関連作品】 ...
  • 『リゾナンター爻(シャオ)』 16話
    ● 衣梨奈の鼻先には、鈍色の空を映すナイフが突きつけられている。 ナイフの持ち主は先ほど衣梨奈が気絶させたはずの、電車の運転手。 そしてその背後に、不敵な笑みを浮かべつつ立っている少女の姿があった。 「この前のリベンジにしては、せこいやり方っちゃね」 意識を集中しなければならない時に、まさかの状況。 衣梨奈は目の前の少女に対し、憎まれ口を叩くことしかできない。 「あの時の屈辱を、って言いたいとこだけど。今日はあんたには用は無い」 そして衣梨奈を急襲した少女 ― 福田花音 ― は。 以前会った時より幾分余裕をなくした表情で、衣梨奈に告げた。 それでも、立場の揺らぎを悟られないように表情に笑みを貼り付けることを忘れない。 「何であやちょとあんたたちが一緒にいるか知らないけど」 花音が一歩前に出るのと同時に、衣梨奈が男を押しのける...
  • Psy/my/rage 前田憂佳&和田彩花
    「だめ、彩花ちゃん。いいからおいで。」 はーい。和田彩花は小走りに駆け寄り、前田憂佳に抱きついた。 ぴったりと頬を寄せ合う。 二人の少女は抱き合ったまま、美しくも冷たい視線を…。 みじめにへたり込み、がくがくと震える矢口へと向けた。 『■ デビルマッシャー -和田彩花・前田憂佳X後藤真希・矢口真里- ■』より
  • 『■ エスケープ-鞘師里保- ■』
                              ←back        【index】     next→      ■ エスケープ-鞘師里保- ■ 鞘師里保は途方に暮れていた。 急に裏通りに消えたタクシーを追うも見失い、鞘師自身もタクシーを降りた。 目の前には廃工場が不気味にそびえたっている。 「おなか…すいたな…」 ふとそのとき鞘師の中にかすかに響くものがあった。 「この中か…」 殺意ではない。はっきりとしたものではないがこの感覚は先ほどの少女のものだ。 そう直感した。 「おなか…すいたな…」 鞘師はもういちど呟くとボッという風切り音をあげ一気に廃工場へと走り出していた。 ―――――――― 鞘師里保は若干困惑していた。 さきほど目の前で起きたこと…この状況はどういうことだろうか? 廃工場内にかけ込んだ鞘師が見たものは今ま...
  • (101)418 名無しプロローグ。。。(我ら、リゾサンター)
    ベッドの上で、静かに寝息をたてる少女。 11時を少し過ぎた頃、少女のもとに影が忍び寄る。 「この子が私たちの仲間かぁ…ふふっ、可愛い子」 「み、聖ちゃん…目がハートに…」 「もう完全にホの字っちゃね。早く用済まして帰ろ」 「ねぇ、顔にさ、ふふ、ラクガキしよ、うふふふ」 「まーちゃん、そういうのははるなんにやりなさい」 「ちょっと!私にもしないでください!!」 「この子が新しい仲間…もう、見失わないよ」 「さ、鞘師さん真面目…うふ、うふはははははは」 「何でここで笑うんですか、起こしちゃいますよ」 「高橋、今お前は確実に敵を作った」 「えー、ちょっとは人の幸福を祝ってほしー」 4人の少女に、11の影は置いていく。 聖なる夜の贈り物を。 正なる力の共鳴を。 次回「我ら、リゾサンター!」 例の衣装を見て衝動書き 本編もあるかもしれません ...
  • 『I miss you』
    『I miss you』 〈夕映えにとけてゆくような〉 1-1 気が付くと、道重さゆみは、白い砂浜の上に立っていた。 「小春!」 さゆみがそう叫ぶと、うずくまっている久住小春は、放電を止めた。 「……ふう、疲れた……」 さゆみが小さな声で尋ねる。 「ここ、盗聴器とかないよね?」 「大丈夫ですよ。……それより、道重さんこそ、大丈夫なんすか? ウイスキーボンボン、間違いなく食べてましたよね」 「あれ位で酔っぱらったりしないよ。それで、ここにはどのくらい居られるの?」 「一時間半くらいです。きっか、『10秒ちょっと』って言ってましたから」 「ふーん……。ねえ、あのきっかって子、ここに飛ばす時間を自由に調節できるの?」 「……どうでしょうね」 「え、小春も知らないの?」 「知ってますよ。……でも、道重さんには教えられないっす」 「どうして?」 ...
  • 『リゾナンターЯ(イア)』番外編 「朝靄・5つの影」
    前編 後編 前編 籠る熱気。滴る汗。 息を吸えば、噎せ返るような湿気が肺に流れ込む。 静かに、そして深く。密集した木と叢の間を縫うように先へ進む少女たち。 周りを取り囲むように生い茂った葉は時に鋭く少女たちの肌を擦り、傷つけた。 その程度のかすり傷など気にならないくらい、鬱陶しい。 真夏の、光も射さない樹海の環境は最悪だ。 「カオリ歩くの疲れた」 一行の中で一番の長身、ビロードのような艶やかな長い黒髪の少女が呟く。 もっとも、自慢の髪も湿気と汗でべた付き見る影もない。 「…もう少しで着くから。我慢しな」 まるで山猫を思わせるワイルドな顔つきの少女が、嗜める。 鼻のピアスが彼女の自己主張の高さを表すように、鈍く光っていた。 「ねえお水ぅ。なっちもう喉からからだべさ」 とっくに水の切れた水筒を振り回すのは、小柄で細身の少...
  • ■ コートヤード ‐竹内朱莉- ■
     ■ コートヤード ‐竹内朱莉- ■ 「ねぇテストどうだった?」 「んんーだめだよぉ。聖ったらどれも20点ぐらいなんだよ。朱莉ちゃんは?」 「へへーん!みてみてこれ」 「うわぁーすごいっ65点だぁっ!朱莉ちゃんいーなー!」 「ふふっ。今回は朱莉がんばったなぁ。」 私立凰卵女学院。 その中庭で二人の女学生がたわいもない会話をしている。 まるで恋人同士のよう。 互いの指に指を絡めて手を繋ぎ、肩をぴったりと寄せ合い、きゃっきゃとはしゃぐ。 一人は譜久村聖、そして、もう一人の少女。 あかり、そう呼ばれた少女のカバンの中には、12点や22点、といった答案用紙が束になって入っている。 だが、そちらの方を見せる気はさらさらないようだ。 彼女の名は、竹内朱莉。 小柄な少女だ。 譜久村と比べると、ひとまわり小さい。 制服を着てい...
  • (101)320 名無し保全中。。。(以心伝心・風神雷神)
    雨降りしきる中 100人の大男達に囲まれた2人の少女達が居た 「行くよ、尾形ちゃん!」 「はい、鞘師さん!」 鞘師と呼ばれた少女が手をかざす すると、地面に向かっていたはずの雨粒が 時を止めた様に空中で留まる 「なんだと!」 幾つもの雫が浮いたままの光景を目の当たりにし、驚きを隠せない大男達 鞘師が隣の尾形に向かって手を振ると、雨粒が誘われる様に尾形の元へ集まって行く 「以心伝心・風神雷神!」 尾形の右脚を振ると風が吹き、集まった雨粒を巻き込む さらに、左脚を振ると雷光が放たれ、雷鳴が轟く 刻む雷鳴、照らす雷光、煌めく雨粒 「これは、まるで嵐……!?」 2人は鏡写しの様に、舞う ── 雲の切れ間から陽かりが射した頃 地面には、髪を濡らし服を剥ぎ肌を焦がした大男達が倒れていた ...
  • モーニング戦隊リゾナンター’15  第一夜 「青春小僧が泣いている」
    「この電車はいったい?」 四人の少女たちが乗り込んだのは過去から未来へと向う路線を走る列車だった 見知らぬ駅、奇妙な乗客 飛び降りてもいつのまにか戻されてしまう行き先不明のミステリートレイン 不思議な事態に戸惑ったのは少女たちだけではなかった 「あなたたち、どうして」 時間は過去から未来へと流れる大河 遡ることも留まることも人の身では到底叶わない筈だった・なのに 決して繰り返されるはずのない人生を何度も生きる者たちがいる それはダ・ビンチの黄金比が示唆する世界の歪みの影響か 共鳴という呪いがその者たちを侵食してしまったのか 呪いという名の祝福を受け入れた者たちは新たなる呪いの連鎖を断とうとした 祝福という名の呪いに魅せられた少女たちは一つの未来を選択した 「もう逃げない運命を諦めない」 「もう逃げなさいなんて言わな...
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