10話


「よう、お前何が入ってた?」
男子17番 矢島 急須(やじま きゅうす)が、となりでゴソゴソしてる悪友に話しかける。

「ボウガンだ、ほー、結構軽いもんなんだな。俺の当たりっぽいぜ? おまえは?―――うわっ、チッセェ銃だなぁ。」
男子4番 川井 潤(かわい じゅん)は、へらへらと答える。

「デリンジャーってヤツだよ。」
矢島の支給武器は、デリンジャーM1、装弾数2、サイズは小さめで火力は標準より低めであるが、隠密製に優れた予備的なセカンドガンとして好まれている銃である。

「ふぅん、でも、銃は銃じゃん。お前も当たりっぽいな。」

2人は、小さいころからの友達だった。それで、このプログラムに選ばれたときにもお互いに協力するだろうと思っていた。
そして、その通りになった。

2人は、荷物の確認が終わると、立ち上がる。
「やっぱ、最後まで残るなら、積極的に戦って、装備を独占した方がよくない?」
「お前、頭いいなぁ。じゃっ、そうするべ。」

2人は、武器を構えながら、その場をあとにした。
最終更新:2012年01月04日 01:56