16話


「YOー! 僕の可愛い生徒たちー! げんきに殺し合ってますかー?」
幾つものモニターや機材が並べられた薄暗い部屋。
カタカタとキーボードを打つもの、送られてくる紙束に目を通すもの、数十人の人間が忙しなく作業していた。
その後ろで陽気にマイクを持ち、 担任教師 来栖谷 金(くるすだに きん)が島に放送をかけていた。
「死亡者を発表しますYOー? いいですかー? よく聞いて下さいねー?」
「グォッホン!」と咳払いし、
「女子8番 高原 裕子
女子5番 桜井 夏海
男子15番 御堂 啓一
女子9番 藤堂 かの子
男子16番 森 菅男
男子5番 木戸 勇気
女子6番 近藤 留美
男子10番 高崎 一郎
女子14番 布川 美沙
  • ・・以上9人が死にました! あと31人でーす!」
と、メモを読み上げる。
「僕も、可愛いキミたちが死んでいくのは、凄く悲しーでーす! だけどねー、人間、乗り越えなきゃならない試練にぶつかる時があります! それが今なの! 仲間の死をバネに、でっかい大人になって下さいね! じゃ!」

『プッン』
マイクの電源を切ると、隣に居た護衛の兵士が話しかけてくる。
「来栖谷先生、今回の生徒たちなんですけど・・・」
耳打ちしてきた。
「・・・そうか。 ソイツは、面白そうだ。 ところで、お前は、誰が勝つと思う?」
にやにやと、兵士に話し掛ける。
「自分は、園川 真希に勝って欲しいですな・・・先生の本命はどの生徒です?」
舌なめずりする兵士。

「くく、お前も好きだな。 そうだな・・・俺はやっぱり・・・」
最終更新:2012年01月04日 09:13