46話


「ちきしょう・・・ガチガチに縛っていきやがって・・・オラァッ!!」
学校内一の不良である男子6番 工藤 無頼(くどう ぶらい)は、石のようなものにロープをこすり付ける事によって、ようやくその拘束から逃れる事に成功した。
それは、深夜3時の出来事であった。
無頼は、得意のヤンキー座りをしながら、考える。
(・・・しかし疲れたな・・・・取り敢えず飯を喰らって寝る・・・いや、荷物は全部あの松本茜って女に持ってかれたんだったな・・・畜生・・・腹が減って寝れる気がしねぇぜ・・・取り敢えず、喰えるものを探すか・・・幸い此処は住宅街だしな・・・・ハァ)
立ち上がり、ガニマタでヤンキー歩きで民家の中を物色していく無頼。
そして、まず目に入ったのは台所。
まずは冷蔵庫を開ける。
”残念! 食べ物はいただいた! あかねちん”
という紙を見つけ、無頼はその紙を握りつぶした。
「・・・・あの糞女・・・!!」
メキメキと額に血管を浮かばせる無頼。
怒り任せに冷蔵庫を蹴り一発で破壊した。
食器棚、流し台周辺、食べ物がありそうな所を幾ら探そうと無い。
(ウソだろ・・・)
凄まじい腹の音を立てながら、無頼は愕然とした。
(腹が減って動けねぇ・・・昨日、今日、何も喰ってねぇからな・・・やべぇ・・・走馬灯が見えてきた・・・・)
腹の虫を大合唱させながら、彼はぶっ倒れた。
最終更新:2012年01月05日 18:16