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買収防衛策の是非 > よしだ

 なぜ、敵対的買収を仕掛けられた対象会社の経営陣が買収防衛策を発動するかというと、買収によって企業価値が損なわれ、ひいては株主に不利益を与えるおそれがあると現経営陣が判断したときに敵対的買収を阻止する必要があるからです。
 しかしながら、敵対的買収が仕掛けられた局面においては、企業価値の向上という観点から、現経営陣による経営体制を維持した方がよいのか、それとも、買収者の提案による方がよいのか、といった本来株主から求められている冷静な判断を、現経営陣を主体とする取締役会が行うことは難しいといえます。現経営陣が自らの地位を守るべく保身のために買収防衛策を実施する可能性があるからです。
  また、買収提案が敵対的であっても、そして、敵対的買収がいかに困難なものであったとしても、理論的には現経営陣がそのまま対象会社の経営を続けるより、敵対的買収者が現経営陣に代わって経営を行った方が企業価値の向上が図れるという可能性もあります。
 現経営陣が企業価値の向上のための経営を行わず、株主の利益に貢献していない、あるいは買収者に経営を任せた方が企業価値の向上や株主利益の極大化に貢献する場合に、現経営陣が買収防衛策によって敵対的買収を阻止することは株主の利益に反するといえるでしょう。
 その一方、米国での過去20年間ほどの歴史の中では、阻止することが正当化される敵対的買収が見られたことも確かです。それは、グリーンメールや二段階買収など強圧的手法を用いる濫用的買収者と言われるものに対してでした。
 グリーンメール…当初から経営に参画する意思などないにもかかわらず安価で株を買い占めた後、会社に対して高値での買い取りを要求すること。
 二段階買収…最初の買付条件を有利にし、その後の買付では不利な条件を設定することによって、結果的に最初の買収提案に全株主が応じざるをえないような買収手法をいいます。
 このような濫用的買収がまかり通ってしまうようだと、企業価値を損ない株主の利益を著しく害したり、株主の選択肢を狭めたり、判断のための十分な時間を奪ったりすることで結果的に株主に不利益を与えるおそれが生じることになります。したがって、企業価値の維持や株主利益の保護という観点から、濫用的買収者からの買収提案に対しては現経営陣が阻止すべきなのです。
「M&A時代 企業価値のホントの考え方  保田隆明 田中慎一 ダイヤモンド社p174」

買収防衛策の一例
① シャーク・リペラント・・・会社の定款などに買収をしにくくする規定をあらかじめ設けておく方法
② ポイズン・ピル・・・非友好的な買い手が一定比率以上の株式を取得した場合に、既存株主に有利な価格で新株が発行できるようにしておくなどの手法により、経営権取得のためのコストをあらかじめ引き上げておく方法
③ ゴールデン・パラシュート・・・買収が成功し支配権の移動が発生した場合に、巨額の役員退職金の支払いなどで自動的に買収のターゲットとなった会社の価値が減少するように仕組んでおく方法
④ ホワイト・ナイト・・・敵対的M&Aを仕掛けられたとき、友好的な別の会社を探し出して、その会社に友好的な買収をしてもらう方法
⑤ クラウン・ジュエル・ロック・アップ・・・標的となった会社が自社のもっとも魅力的な資産を、敵対的買収を条件に、友好的な会社に移転させる契約など敵対的買収が成功してもお目当ての資産が手に入らないようにする。
⑥ ティン・パラシュート(ブリキのパラシュート)・・・会社と役員との間の割増退職金契約をゴールデンパラシュートと呼ぶのに対して、会社が従業員や組合との間で、会社支配権の変更などを条件とした特別割増退職金契約などを結ぶこと。
⑦ パックマン・ディフェンス・・・敵対的な買収の標的となった会社が買収を仕掛けてきた会社に逆に買収を仕掛ける戦術をいう。
⑧ ホワイト・スクワィアー・・・会社が敵対的買収などを仕掛けられた場合に、安定株主を増加させる目的で、友好的な株主や取引先に新株を割り当てる場合の割当先、譲渡先。
⑨ 第三者割当増資・・・割当先が支配的シェアを取得する場合には、その割当先はホワイト・ナイト、それに対して安定株主の一人にとどまるという場合には、その割当先はホワイト・スクワィアーということができます。
⑩ 焦土作戦・・・会社の資産を次々に処分し、買収者に買収をあきらめさせるM&Aの対抗戦術をいう。


  • ケースバイケースでどの防衛策を用いる分かれると思うねんけどどれがいいか的確に判断して、無駄な出資をしないようにするのがまず基本やと思う。そのために何が必要か考えることも大事かなって思った。 -- ふみや (2007-09-15 00:45:10)
  • 最も良い買収防衛策は経営頑張って株価を高値で維持することだと思ふ。 -- たなけん (2007-09-15 11:25:59)
  • 了解!カゴメとアサヒの提携とか、IRとか、自社株買いとか。
    無駄な出資との関係か~。
    MA合戦とか始まったら凄ぃんゃろなー。 -- よしかな (2007-09-20 10:22:36)
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最終更新:2007年09月20日 10:22
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