*アノマロP(動画、モデラー)・・・進化し続けるという能力、確かな意志の強さ ---- 備考)彼はMMDが発表されるずっと以前から活躍していたPである。 アノマロPの作品を見ていると、人間の凄さ、可能性を深々と考えてしまう。 僕にとって、彼は底の知れない、奥深い存在なのだ。 まず、下の初音ミクのモデルを見て欲しい。 | &image(width=220,height=150,miku0001.png) | &image(width=220,height=150,miku0005.png) | &image(width=220,height=150,miku0006.png) | | &image(width=200,height=150,miku0004.png) | &image(width=220,height=150,miku0003.png) | &image(width=220,height=150,miku0002.png) | とてもじゃないが、同じ人が造ったとは思えないでしょう? これ、全部、アノマロPが造ったんだぜ・・・。 最初にアノマロPが、[[【初音ミクが3Dになる過程を作ってみた】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm1231570]]という作品で、ニコニコ動画に登場した時は、 3Dミクの黎明期であり、ミクの3D化自体がまだまだ進んでいなかったため、視聴者達の声は、彼の挑戦に暖かだった。 しかし、やはり、一部、その造形に難色を示す視聴者もいた・・・。 いや、正直に書くと、評判は良くなかったように思う。つまり、あまり手放しで「可愛い!」と評価する人は少なかったのだ。 しかし、アノマロPの凄い所は、その声を即座に取り入れ、5日後には、造形をやり直している。 それどころか、何度も何度も、モデルに修正を加えたのだ。 その結果、生まれたのが、上段左のミクで、これはアノマロP初期のモデルの代表と言ってもいいだろう。 しかし、ミクの3D化は彼にとって野望の第一歩に過ぎなかった。 映画「マトリックス・リローデッド」の有名なアクションシーンをミクに演じさせるという離れ業を彼は演じてみせた。[[【初音ミク-リローデッド-Ver.3(完成版】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm2137706]] これだけミクが動き回るという動画は当時、殆ど無かったはずである。もしくは皆無であったろうか。 彼は後に、[[【初音ミク-リローデッド-(メイキング編)】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm1803117]]で、その製作過程を披露するのだが、彼の努力と創意工夫の一端が分かる。 驚愕しましたとも。特に、人物同士が重なったしまう時、つまり、ミクの手前にエージェント・スミスがいるという状態を再現する為に、スミスの3Dモデルまで造っていたとは!! 彼は、このチャレンジで、ミクを有機的に動かすというスキルを飛躍的に高めたことは想像に難くない。 彼の初期のチャレンジは、魅力的なモデルの創造より、ミクを動かすというところにあったのだろうか。 そして、彼はしばらく、自作のロボット、メカの作品を投稿していたのだが、久しぶりにミクを扱った動画はまたしてもミクのモデリングだった・・・!! それが下段右のモデルである。[[【初音ミク・PV化計画 vol.2-初音ミクを今度はゼロから作り直してみた】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm2352802]] これは完全に視聴者達を萌えさせることが出来るクオリティのミクであった。 しかも、動画のタイトルを見て分かる通り、今度はPV化を睨んでのモデルだと言う。 ここで、僕は非常に疑問に感じたことがある。それはこのモデルのカラーリングだ。 アノマロPはどちらかといえば、メカにしろ、ミクにしろ、ビビットなカラーリングだったのだが、このミクはパステルカラーが基調となっている。 一人のクリエイターが作品に応じて、そのセンスを使い分けるということは非常に難しい。 普通は作品がクリエイターのセンスに従属するのだ。ほとんどのクリエイターは、音楽でも絵画でも同じようなものしか造れない。 時間の経過による変遷ということはあるかも知れないが、同時期に異なるセンスの作品を造るというのは・・・。 話しは逸れるが、「ワンクリエイター、ワンセンス」というのは決して悪いことではない。 例として僕の好きな漫画家で車田正実がいるが、極論すると、彼は新連載が始まっても主人公の顔が変わるだけなのだが、 「リングにかけろ!」の頃から、彼の作品は全部読んでいる。大好きだw アノマロPは作品の為に、複数のセンスを使い分けるのか、もしくは進化していくのか・・・、おそらくその両方だと思うのだが、驚愕しました、本当に。 そして、[[【初音ミク3DPV「サイハテ カヴァー」】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm4728611]]、[[【初音ミク3DPV「あるお節介な言葉」FULL.ver】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm5600365]]が投稿される。 泣きましたよ。涙が出ました。すごいとしか言えない。 【初音ミク3DPV「サイハテ カヴァー」】は「失恋の別れ」を彼が「死という別れ」に解釈し、PVを造っているのだが、さわやかな曲調に、透明感のある悲しさが表現されている。 これ以上は、各人の解釈が分かれそうだし、僕もなかなか言葉に出来ないので書かないが、良かったと一言。 【初音ミク3DPV「あるお節介な言葉」FULL.ver】はネルとの友情?を主題に描いたものだが、これがやらしくないエロあり、百合ありと、狙いすましているのだ。 内角高めギリギリによくコントロールされていて、誰も打てないだろう。僕も完全にノックアウトされてしまいました。 この二作に共通するのは、人と人との心のつながり。 臭いこと言いますが、当たり前のことを言いますが、仲の良い友人や、愛すべき恋人の存在って、本当に大切だとこの両作品を見て思いました。 [[【初音ミク3DPV 「ブラック★ロックシューター」】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm6080673]] この作品は単純に爽快感溢れるアクションが楽しめる。でも、これでも涙がでましたね、なんでやろ?泣くような展開ではないのに。 これを一人で造るという手間ひま、本当に好きなことを情熱を持ってやってるんだろうな〜と思いを馳せるからなのだろうか? とにかく、あのまろPのPV、三連発で泣かされてしまいましたww そして、[[【3番目にモデリングした初音ミクでGO MY WAY】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm6417387]]で、またまたミクのモデルを一から作り、 視聴者からかなりのアドバイス(?)をもらって、[[【初音ミク_アノマロver データ公開!】>http://www.nicovideo.jp/watch/sm6439506]]が完成する。 そして、現在、アノマロPはPV制作から引退し、MMDのモデリングを中心に活躍している。 アノマロPは意志の強い、理性的な人物ではないかと思う。情熱をその理性でコントロールし、素晴らしい作品を生み続けているのだろう。 彼の作品は、「すごいセンスが良い!!」と語られるようなタイプではない。 作品の中に「無骨さ」、「不器用さ」といったものが存在する。 この「無骨さ」、「不器用さ」が実に人間らしく、登場人物の存在感を確かなものにし、作品を忘れられないものにしている。 アノマロPのブログ[[【初音ミク-TYPEアノマロ 3D-PV化計画】>http://anomarokarintou.blog37.fc2.com/]]