ん。。。
幸一「何だ…未だ6時じゃないか」
思いのほか目覚めが良いな、そりゃあんなに早く寝たら良い訳だよな
自室からリビングへ移動
由紀「あら、今日は早いのね」
幸一「あぁ、昨日早く寝ちゃったからさ」
由紀「ちゃんとお風呂入ったの?」
幸一「…入ってない」
由紀「もう、あれだけ言っておいたのに」
幸一「凄く疲れててそんな気分じゃなかったんだよ」
由紀「それじゃご飯の前に寝汗を取ってきなさい」
幸一「うん」
画面は真っ暗でシャワーの音とかがあればいい
(未だに信じられないな、昨日の事が)
目が覚めれば覚めるほどあの光景が頭に蘇ってくる
(霧島レン…か一体何者なんだろう)
移動リビング
由紀「頭、未だ乾いてないわよ」
幸一「そのうち乾くよ、それよりご飯だ。昨日夜飯食べなかったからもう腹ペコ」
由紀「ふ~ん言う事を聞かない子にあげるご飯は家には無いわよ」
幸一「ちぇ、若いくせにそういう所はしっかりしてるんだからな…」
母さんは今34歳でオレが16歳だから18歳で生んだわけだ…授業参観とかで見ると改めて自分の母親がどれだけ若いか分かるな
由紀「若い、若くないの問題じゃないのよ。さ、乾かしてきなさい」
幸一「は~い…」
母さんはこういう事に対しては昔から厳しかったな
ブーン(ドライヤーの音)
幸一「飯~腹減った~」
由紀「テーブルの上に置いておいたから食べたら食器洗っておいてね」
幸一「あれ、母さんもう仕事に行くの?」
由紀「今日は早番だからね~、後出るときにゴミ出しもよろしく」
幸一「めんどくせぇな~自分で持って行けば良いじゃん」
由紀「朝から女性をゴミ臭くさせる気?デリカシー無いな、そんなんじゃ彼女はできないぞ~」
幸一「分かったから早く行けよ…」
由紀「鍵閉めるのよ、行ってきます」
幸一「ん~」
(ったく何がデリカシーが無いだよ、確かに今まで彼女はできたこと無いけどさ…)
幸一「…ハァ」
(まだ早いけど家に居ても仕方がない、学校に行くかな)
移動 学校までの道
今日も晴天だ…昨日とは違って風があって涼しい
(昨日はこの辺りに居たんだけどな、今日は居ないな霧島さん)
金髪で凄く綺麗だけど謎で一杯の彼女…気になるな~
峯岸「オッス!桜井」
幸一「おっ、オッスってトッシー早いな~」
峯岸「ククク、オレは朝練があるからな。どっかの誰かの様に偶々早く起きたから学校に行くわけじゃないんだぜ?」
トッシーはサッカー部に所属している。こんな適当な性格の割には部のエースだというのだから驚きだ
幸一「別に良いじゃないかよ、遅刻するよりはさ」
峯岸「なぁ聞いてくれよ~」
幸一「何だよ、どうせ大した話じゃないんだろ?いいよ」
峯岸「つれねぇな~昨日よ、隣のクラスの白石のパンツ見ちった♪」
幸一「何?!マ、マジか」
隣のクラスに居る白石さん…高校に入ったときから気になっていた子だ
峯岸「お前気に入ってたもんな、白石の事。知ってんだよ」
(コイツ…朝から勘が冴えまくってるな…それともオレが分かり安いだけなのか?!)
峯岸「気になるだろ?気になるよな~桜井」
幸一「…き、気になる…」
峯岸「そうかそうか…ん」
幸一「何だよこの手は…」
とりあえず握ってみる
峯岸「どわっ!何考えてんだよ、誰が握手してくれって言った」
幸一「何だ、違うのか」
峯岸「お前天然入ってるよな」
幸一「トッシーに言われたくねぇよ」
峯岸「ジュース1本!これで教えてやるよ」
幸一「え~何で聞くだけでおごんなきゃいけないんだよ」
峯岸「オレの記憶力は並じゃないんだよ、その分消費も激しいのさ!」
幸一「ようするに金が無いんだろ、まぁいいやおごってやるよ」
峯岸「流石持つべきものは親友だよな~幸一君」
幸一「…で色は?形はどんなんだった」
峯岸「白だ。普通の」
幸一「は?」
峯岸「だから白だって、お前耳悪いな」
幸一「何処が凄いんだよ?」
峯岸「オレ何か言ったか」
幸一「騙したな~!」
峯岸「おっと朝からランニングに付き合ってくれるなんて優しい友達だぜ」
幸一「待てこらー!」
移動 学校
幸一「まったく、朝から酷い目にあったな」
レン登場
(あっ霧島さん)
幸一「おはよう…」
レン「…おはよう」
幸一「・・・」
レン「何?」
幸一「いや、別に…」
初めて会った時と同じ、放課後の笑顔が嘘みたいだ
君も怖がるんだね…
この意味を聞かなきゃ
幸一「ねぇ霧…」
峯岸「オッス桜井!さっきはサンキュ」
幸一「…最低だ」
峯岸「ん?何が」
フェードアウト
何とか昨日みたいに話せるようにならないと始まらない
幸一(ね、霧島さん)
レン「・・・」
幸一(やっぱり昨日の事怒ってるの?)
レン「・・・」
幸一(目の前であんな事が起きるなんて想像ができなくてさ)
レン「…授業に集中できないから少し黙ってて」
幸一「ご、ごめん」
(まいった、完全に嫌われてるな~)
フェードアウト
放課後 教室
放課後になると霧島さんはすぐに居なくなってしまった
昨日まで群がっていた男子達も今日はほとんど話しかけなかったな
峯岸「おいっす!」
幸一「おいっす~これから部活?」
峯岸「いや、今日は休みだな」
幸一「じゃ一緒に帰ろうか」
峯岸「あれっ桜井こそ飛行機いじりやっていかないのかよ」
幸一「そんな毎日やってるわけじゃないよ、今日は風も強いしさ」
峯岸「よし!ちょっと来い」
幸一「うわっ!?」
移動
廊下
幸一「なんだよトッシーこんな所に連れてきてさ」
峯岸「しっ!声がでかい」
幸一(意味がわかんないぞ)
峯岸(いいか桜井よく見てろ)
向こうから来るのは白石さんじゃないか
峯岸(ちょっとしゃがめ)
幸一(お、おう…)
通り過ぎる際に一瞬パンツが見える
幸一「おお!」
峯岸(バカ!声がでけぇんだよ!)
幸一(ごめん…)
なるほど相手からこっちは完全に死角になって見えないのか…トッシーめ良い場所見つけたな
峯岸(他ならぬ親友の桜井のためだ、この場所を300円で譲ってやろう)
幸一(おい、又金取るのか!どんだけ金欠なんだよ)
峯岸(新しいスパイク買って今月はもう金が無いんだ、頼む親友)
幸一(まったく…ってアレ?)
峯岸(どうした?)
幸一(奥に居るのって霧島さんじゃないか?)
峯岸(あぁ、あの転校生か)
幸一(トッシー悪い、又明日な。急用ができた)
峯岸(ちょ!金払ってから帰れよ!)
幸一(又な!)
峯岸「おい!桜井!」
女子「キャー!」
峯岸「げぇ~…」