みんなでかんがえるサーヴァント @ ウィキ内検索 / 「志那都みこと」で検索した結果

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  • 志那都みこと
    名前:志那都 みこと 性別:女性 身長・体重:153cm 49kg 年齢:高校生 スリーサイズ:大きい ほそい 安産型 特技: 根拠の無い自信と行動力 好きな物:動物 彼氏 夏海 苦手な物: 現金 嫌いな物: カードの使えない店 天敵: 夏海 戦闘技術: 一般人 武装・能力: 魔術回路を有する。ただし魔術師ではない。  夏海のクラスメイトで親友。   八百比丘尼を始祖に持つ神社の一族。  元々は菅代家と共同でこの地を守ってきたのだが、  菅代家が管理者となったので神社は衰退。魔術回路などはほとんど失われる。  今でも神社は細々と伯父夫婦が切り盛りしており、  両親は開発事業に協力して企業の重役として活動している。  つまり神社の娘で、水佐波市きってのお嬢様かつおっぱいである。  両親の教育の賜物か、動物好きで優しい性格。  水佐波市全土を...
  • マスター(一次)
    ...マン 高波夏海 志那都みこと 無道 ~関係者~ ヴィーダー・ベレーブング 管代玄耶 ノイエスフィール 蔵馬鉄人
  • 投稿絵
    ...高波夏海、蔵馬鉄人 志那都みこと 管代玄耶 住人(一次) 第二次マスター① 第二次マスター② アタランテちゃん① アタランテちゃん② インドラジットさん① インドラジットさん② カイニスさん① カイニスさん② カイニスさん③ セイレーンさん① セイレーンさん② ネブさん① ネブさん② ネブさん(狂)① ネブさん(狂)② ネブさん(狂)③ ネブさん(狂)④ ハーロットさん① ハーロットさん② ハーロットさん③ ハーロットさん④ メフメト2世① メフメト2世② メリーさん① メリーさん② メリーさん③ メリーさん④ 牛御前さん① 牛御前さん② 荒ぶる正装のファラオ王 冬将軍さん ベーオウルフ① ベーオウルフ② ベーオウルフ③ ベーオウルフ④ マザー・ハーロット 騎乗バビロン M・H(色なし) M・H(色つき) M・H(色つき修正版) M・H(色なし修正版) M・H(色つき帽子マン...
  • 死と乙女 第二話
    ...海と別れてから後、 志那都みことは水佐波市中心部にある総合病院の一室を訪れていた。 「失礼します。……ご気分は如何ですか? 赤城くん」 そう言って、みことはベッドに横たわる“彼”を見た。 それは、まさしく見るも無残な有様だった。 両足は膝から下で切断され、左腕は肩口から全て失われて最早その痕跡すら見えない。 頭部は首までびっしりと包帯が巻かれ、胴体からは何本も管が生えベッドの周りを取り囲む機械類に接続されている。 「今日、久しぶりに夏海さんと会いましたの」 みことが話しかける。 それに対し“彼”は何の応えも返さない。 「夏海ったら、わたくしの成績を心配してノートを貸してくれようとしたんですのよ。  いつも試験前になると慌ててわたくしにノート写させてと言ってくるあの夏海さんがですよ……ビックリでしょう?」 ぼろぼろの体で身じろぎ一つせず倒れ伏している“彼”は、端から見れば...
  • 死と乙女 第一話
    ...都市住宅街の一角を、志那都みことは全力で疾走していた。 「くっ……このわたくしという者が何たる不覚!  まさかこんな日に限って目覚ましをセットせずに眠ってしまうなんて……!」 普段は常に余裕めいた笑みを崩さない端正な容貌を汗だくにしながらみことは走り続ける。 大急ぎで家を飛び出したせいで自慢の黒髪はろくにセットもできず、 潮風に煽られてますますその形を崩していく。 「ああもう! 折角の初デートなのにこんなみっともない格好で会わなければならないなんて……」 そう、今日は待ちに待った記念すべき“彼”との初デートの日なのだった。 といっても、“彼”と二人きりでどこかに出かけるということ自体はこれまでにも何度もあった。 しかし今日のそれは今までとは決定的に違う点が一つある。 今日はみことと“彼”が正式に、恋人同士になってから行われる初めてのデートなのだ...
  • Fake/first war 10
    ...もう一人の友人である志那都みことを心配していた彼女達である。  平穏無事な生活の中にいた筈なのに、どうしたわけか鼠と死者とが繰り広げる闘争に巻き込まれてしまったわけだが、  この病院の辺りにはまだ騒動が広がっていないのか、不思議と静けさに包まれており、ひと時の安心を得ていた。  無論、友人達が心配ではあったのだが――此処までくればもう大丈夫、と。そんな想いが浮かぶ。 「まあ、何はともかく中に入ろう。ここで立っててもどうにもならんしな」 「―――――――――」 「どうかしたの、葵?」  何やらぼうっと病院を見上げていた葵に、訝しげに忍が声をかける。  すると我にかえったのか、慌てて何でもないと彼女は首を左右に振った。 「その、この病院って、こんなに白くて綺麗だったかなー、って思って」 「うん? 病院が白いのは当たり前だが――む。これは大理石か?」 ...
  • Fake/Hand in Hand 1
    ...  こうしてわたし、志那都みことは裏返った世界に身を投じることとなる。  日常全てがひっくり返るような道、その短く遥かな旅を共にする相棒と。  わたしの前に立っていたのは――― 1:荒野に迷う兄弟殺し 2:蓮の化身 3:祭り上げられた女王  わたしの前に立っていたのは可愛い顔をした女の子だった。線が細いっていうより、未熟で華奢な体をしている。たぶんわたしより年下だ。四つ、もしかしたら五つぐらい違うかもしれない。  何がなんだかわからないって、このことだと思う。その子は神社の拝殿の奥からきた。じゃあ本殿の中に居たってことになる。  でも、わたしはこの子を今まで見たことがなかった。神社は伯父さんたちが切り盛りしていて、わたしも時々手伝いに来る。本殿まで入れるような子が居るなら、紹介されていないのはおかしい。 「サーヴァント・ア...
  • 死と乙女 第三話
    ...子はあたしの友だちの志那都みこと志那都みこと。その名は鉄人も何度か夏海から聞いた覚えがあった。 志那都家の一人娘。都市開発企業の役員を両親に持つお嬢様。 最近彼氏が出来たせいで遊んでくれないとかなんとか…… 「その子が一体どうしたって言うんだ? そもそも此処にはあまり他人を連れてくるなと前にも……」 「これ見て! これ!」 夏海が強引にみことの制服の袖を捲り上げる。 顕になる白い二の腕。そしてその上にくっきりと浮かび上がった文様に鉄人は目を見開いた。 「これってさ、やっぱアレだよね……」 「あ、ああ間違いない……」 「……あなたたちさっきから何を言ってるんですの?」 みことが怪訝な表情を夏海と鉄人に向け、二人は顔を合わせて眉を顰める。 「何て説明したらいいんだろうな……みこと君、と言ったね?」 鉄人が頭を掻きながらみことに向けて言った。 「君は選ばれてしまったんだ...
  • Fake/first war op
    ...ってきていた友人――志那都みことと笑いあう。  短い赤毛、健康的に日焼けした肌という夏海と対し、艶やかな黒髪と、雪のように白い肌。  加えて常々夏海がけしからんと思っている、女性的な丸みを帯びた体型もまた対照的だ。  どうしてあんな大きなものを二つもぶら下げているのに、泳ぎがこんなに速いのだろうか。  水泳部部長から『水佐波のクロマグロ』なる有難くない渾名を頂いた夏海に対し、  納得のいかない事に、彼女はそれに勝るとも劣らない速度を出せるのだ。  世の中って不公平だと夏海は思う。 「でも部長も来れば良かったのに。夏に海で泳がないなんてバチが当たるよ、ほんと」 「そりゃあ部長さんは海が苦手ですもの。それに夏海さんは季節なんて関係ないじゃない」 「まぁねー」  ざばざば水を掻き分けて――水中と水上とじゃ泳ぐ気分も大分違うもんだ――砂浜に...
  • Fake/first war 11
    ...める者が二人。  志那都みこと、ツヴァイ――ツヴァイ・フォン・ノイエスフィールと呼ばれていた少女である。  真っ赤に彩られた室内で、二人は水晶玉に浮かび上がる像を眺めていたのだが…………。  部屋と同様、血のように赤いイブニングドレスを身に纏っているみことに対し、  ツヴァイの、かつてはヒルデガルドと同様に美しく気高かったろう姿は、あまりにも無残であった。  数々の暴虐を受けた結果、漆黒の軍服はただの襤褸切れと化しており、衣服の機能を果たしておらず、  雪のようだった頬は無残に腫れ上がり、気力に満ちていた筈の鋭い瞳も、ぼんやりと濁ってしまっていた。  無論、ただの暴力でノイエスフィールの姉妹達の結束を打ち砕く事などできる筈もない。  ましてや、このように仲間の情報を口にさせる事など不可能であっただろう。  しかし――待ち受けていたのは、ただの拷問などではなかっ...
  • Fake/Hand in Hand 14
    ...「は、はい。わたしは志那都みことです。よろしくお願いします。わたしも、その、あんまり役に立てないと思いますけど、頑張ります」  握手をぎゅっと。枯れ木みたいに思える掌だけど、予想よりずっと力が強い。 「おや、手の甲に痣があるようじゃが」 「これですか? 少し前に……事故に遭ったんです。なかなか治ってくれなくて」 「ほうほう。それは大変じゃったなあ」  好々爺って、こんな人のことをいうんだろう。玄耶さんは憎めない顔でやんわりと笑う。うーん、本当に憎めない人だ。でもいい加減に手を撫で回すのは止めて欲しい。 「あの、わたしはまだ状況が飲み込めないんですけれど」 「ぬ? 説明しておらんのか」 「アーチャーが帰ってから思ってたんだよ」 「ふむ。では儂から説明しようか。儂の家は、この街に長く住む魔術師の家系でな。じゃから聖杯戦争について...
  • Fake/Hand in Hand 5
    「あ、アーチャー! 助けて!」  家政婦さん型ロボットに両脇を抱えられて連れさらわれる中、わたしは必死で叫ぶ。子供に助けを求めるのはちょっと遺憾の意なんだけれど、背に腹は変えられない。でもアーチャーから答えはないし、わたしを助けに来てくれる気配もない。 「アーチャー!?」 『いや、無理でしょう。彼はずいぶんと、こう、どっぷり入ってしまう性格のようですから、助けを求めても気付くかどうか』 『あーゆうのを視野狭窄っつーんだよなあ。あれはもう、ブリンカー付き猪だろ』 「アーチャーーー!!」 『お。中々面白い表現ですな、我が主よ』 『そうかあ……?』 「アーチャーーーーっ!!!」  もう破れかぶれ。喉が痛いくらいに声を張り上げる。だけど、おかしい。こんなに叫んでいるのに、誰も家から出てこない。 『何をしようとムダです。こう見えても、こ...
  • 平行世界での皆で考える聖杯戦争 予告編
    ...総合病院、会議室。 志那都みことは決断を迫られていた。 恋人の為に神社で祈祷を行い、その際にキャスターを召喚してしまった次の日、 黒服の外国人達が彼女を訪ねてきたのが全ての始まりだった。 『恋人を救う方法がある』という言葉に釣られて病院までついてきた後、 彼女は驚きの光景を目にすることになった。 それは植物人間状態の恋人の容態がかなり回復しているという事と、 それを可能にしたのがなんと魔術であるという事実だった。 このまま治療魔術を続ければ恋人は全快すると知らされ喜んだのもつかの間、 今度は彼を完治させる条件として、我々の指揮下に入りキャスターを使役し、 聖杯戦争勝利に向けて協力してほしいという取引を持ち込んできたのだ。 「ああ。断った場合だが、残念だが、どうなるかはわかっているね?  だが協力してくれれば、君の愛する彼が助かる事は我々が保障しよう」 「……わかりました。キャスター、...
  • 住人(一次)
    上段中  名前:小日向 葵(コヒナタ アオイ)  性別:女   身長・体重:cm kg  年齢:高校生  スリーサイズ:  イメージカラー:お日様  特技: 特に無い(と自分は思っている)  好きな物: 皆大好き♪  苦手な物: 虫さんは少し苦手  嫌いな物: 好き嫌いはいけません  天敵: いません  戦闘技術:接客・配膳能力  武装・能力:虫の知らせ程度の予知能力?がある  (といいな。何か嫌な予感がする、とかの演出程度)  【人物】   海上都市の商店街にある喫茶店「レーヴェンスボルン」のウェイトレス。   人生初のアルバイトでありながら、接客能力は既に玄人の域。看板娘としての風格も漂い出した。   水佐波高校においては夏海、みことのクラスメイト。彼女達の友人の一人、日常の一員である。   常に人...
  • Fake/first war 12
     ――水佐波総合病院。  まあ、わかりやすくて的確な名前だろう。  水上都市を除けば、基本的に海辺の田舎町でしかない水佐波において、  個人の診療所以外ではほぼ唯一と言ってよい病院だ。  リゾート化が進行している事もあって、海での様々なトラブルに対応できる設備面はもちろん、  その景観にだって、極一般的な病院以上に気を配っている。  なんとなれば、この病院を利用するのはバカンスを楽しみに来た金持ちばかりなのだから。 「にしたって……これはやり過ぎだよねぇ……」  呆然と言った様子で夏海が見上げる建物は、まかり間違っても病院では在り得ないような外観である。  よく言えば、ヨーロッパにでもありそうな史跡。  悪く言えば、郊外にある儲かってなさそうなラブホテル。  つまり――城であった。  傷一つない白亜の石壁は、処女雪のように清らかであり、...
  • Fake/Hand in Hand 6
     アーチャーは背もたれにお腹を預け、椅子を揺り篭みたいにガタガタと揺らしていた。お行儀悪い事この上ないけれど、それには理由がある。どうもこの子、鉄人さんのことが好きじゃないみたいで、見るなり殴りかかろうとしたのを止めるのは大変だった。 「こんな奴は蹴り飛ばしてしまえばいいんだ」 「やあ、それは怖いなあ」 「こら、そんなこと言わないの。わたしのことを助けてくれたのよ」 「くそ……」  なおも揺れるアーチャー。我関せずと、ゆっくりお茶を啜る鉄人さん。せっかく我が家の居間に戻れたのに、空気は殺伐としている。ええい、このままじゃダメだ。お母さんが帰るまでに決着をつけないと。 「ええと……一つずつ整理しましょう。まずはアーチャーの言う聖杯戦争のことだけれど」 「なんだよ。あれだけの目に遭っておいて、まだ信じられないのか」 「当たり前よ。魔法使いって、...
  • Fake/Hand in Hand 10
     聖杯とは何なのだろう。あらゆる願いを叶えるっていうけれど、本当にそんなものがあるんだろうか。そんなもの、本当に必要なのかしら。 「鉄人さんは聖杯のこと、どう思います?」 「うーん、ちょっとわからないな。それはどういう意味だい?」 「……じゃあ、聖杯があるかどうかを」 「言葉通りのものなら、あるかどうかわからない。何でも願いを叶えるってこと自体がありえるのか疑問だからね。ただね、とんでもない代物があるのは間違いない。英霊を降霊する、そんなデタラメを可能にするものがね」 「セイバーもそう言ってたけれど……」 「一つ聞きたいんだけど、みことちゃんが気になってるのは、本当に聖杯の有無なのかい? 疑問に思ってるのは、この争いに参加するだけの意味があるのかってことじゃないかな?」  そうなのかもしれない。聖杯が手に入るっていうけれど、わたしはそれに命懸けの争い...
  • Fake/Hand in Hand 19
     暖かな日で、つまりぽかぽかで、陽は高くて、お昼時で、動き回って。簡単に言っちゃうと、ベタベタするし、熱くて、臭くて、疲れた。ああ、もうやだ、ということ。  軽快に歩いていくアーチャーの後ろで、わたしはよろよろと足を止めた。 「おい、みこと」 「ねえ、休みましょう」 「まだ何も掴んでないぞ」 「焦っても、仕方がないわ。果報は寝て待てって言うでしょう」 「寝てていいことないだろ。ライダーがいつ来るか、わからないんだから、できるだけ早く他の連中を見つけないと」 「アイスが食べたーい!」 「わがまま言うな。こんな時期に氷菓子が売ってるか」 「コンビニなら、この季節でも置いてあるわ。ちょっと遠いけど」 「じゃあ、却下だ」  ああ。新しい手がかりでも見つかれば、やる気も湧いてくるのだろうけど。今のところ、全て空振り。  商店街は全部回った。...
  • 神功皇后
    【元ネタ】記紀神話、民間伝承 【CLASS】ライダー 【マスター】 【真名】神功皇后 【性別】女性 【身長・体重】168cm・52kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運A 宝具A++ 【クラス別スキル】 対魔力:B  魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。  大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:C+  騎乗の才能。幻想種を除き、大抵の乗り物を人並み以上に乗りこなせる。  更に船舶を乗りこなす際、有利な補正が掛かる。 【固有スキル】 巫術:B  世界各地で培われた最も原始的な魔術体系の一種。  周囲に存在する霊的存在に対し、依頼という形で働きかけることにより、  様々な奇跡を行使できる。  行使される奇跡の規模に関わらず、  消費する魔力は霊的存在への干渉に要するも...
  • Fake/Hand in Hand 13
     待ってるときに限って、帰ってこない。りんりんりんと陶器が鳴る。弾いた指に軽い痛み。手持ち無沙汰を慰めるのも、いい加減につらい。もう陽も暮れてしまった。 「むー。どうしたのかしら、アーチャーったら」 「ずっと探し回ってるのかもしれないね。でも連絡がつかないってのは困るなあ」 「ですよねえ。せっかく夏海さんの居場所がわかるかもしれないっていうのに」 「……困ったなあ」  鉄人さんがぼりぼりと頭を掻く。なにか、こう、見覚えがあるような。テレビで見た名探偵によく似てる気がする。この人は、どんなときでも暢気さんだ。 「みことちゃん、相談なんだけど……先に夏海を探しに行っててもいいかな」 「もう少し待つのはダメでしょうか?」 「手がかりがあるなら、放ってはおけないんだ。これ以上じっとしてるのは難しい」 「ですけど、アーチャーと一緒の方が探すのにも...
  • 第2話
     Fate/MINASABA 23th 00ver  ぼんやりとした意識のまま、桜は身を起こした。  桜は離れの部屋の中にいた。  周囲に人影はない。  部屋の電灯は点いていない。いや、停電したのか  暗い闇だけが、彼女の周囲に散乱していた。 「ぁ―――――」  悩ましげに吐息を漏らし、重たい身体を起こしてみようとし 「くっ……!」  突発的な痛みに襲われて、桜は呻いた。  身体に物凄い重圧が残る。  自分の中身が締めつけられるようなもどかしさに、彼女は耐え切れずに身をよじった。 「……?」  なにかおかしい、辺りは静まり妙に身体が重い、おまけに空気が……なんというべきか濃い?  頭がぼーっとして考えが浮かばないが、周囲の異変を確かめるべく、壁伝いに桜は立ち上がり、移動を始めた。  扉を開けた先は壁面のような闇。  私は恐怖と不安で縮こまりながらも、ゆっくり、ゆっくりと叫びを押し殺し...
  • Fake/Hand in Hand 8
     敵に勝とうと思ってはいけない。あらゆる手段を駆使しなければならないが、勝とうとはするな。それが鉄人さんの教えだった。  他のマスターさんたちは人殺しに長く関わっていると思うべきらしい。なんでも、魔術師は人を人とも思わないのが基本の職業だそうで。  魔術なんて怪しい技術に初めて触れたわたしが勝つには、伸びをしたら直撃するはずの隕石を受け止めてたぐらいの幸運が必要なんだとか。 「そうすると、基本は逃げ回ればいいんでしょうか」 「マスターは僕が引き受ける。サーヴァントはアーチャーが倒す。みことちゃんは自分の安全を第一にする。それが一番だと思う」 「わかるんですけれど……せっかく鉄人さんに魔術を教えてもらったのに」 「ちゃんとできるのは魔術回路のオンオフだけだろう? 昼間のうちにそれをマスターしたのには驚かされたけどね」  全身に管が張り巡らされているイメ...
  • ラーヴァナ涙目の聖杯戦争
    注)この作品は『ラーヴァナvsバートリー』の、自覚的な「悪役」として行動するラーヴァナ、という設定のパロディです。 ラ「フハハハハ! なんと素晴らしいことだ! 時空を超えて各地から現れる英雄たちと矛を交えられるとは!  余を華々しく散らせてくれる機会もより取り見取りに違いないわ! どういう死に様がよいだろうか。やはり花形たるセイバーの剣で一刀両断にされるのが悪党の末路らしいかのぉ」  神武天皇「すまん、今回のセイバーは朕だ。貴公も困るであろうが、正直朕も勝ち目がなくて困っている」 ラ「orz ……まあよい、まだ他のクラスが残っておる。バーサーカーが余の怪力を腕っぷしでねじ伏せる展開辺りも悪くない」 バトラズ 「■■■■■ーーー!」 ラ「帰れーーーーっ! 神性:A+などというやつの顔も見たくはないわあっ!」 ラ「うむ……、人型の英霊に期待し...
  • Fake/Hand in Hand 9
     まずは自分の安全を優先することになっていた。なにもできないって言われていたし、それは見ていてもよくわかった。  鉄人さんとヒルダさんの戦いは見ているだけで精一杯。アーチャーとセイバーの戦いは理解の外。  この場のわたしはどうしようもなく場違いだ。虎と獅子の側に兎がいるようなもの。近づけば死ぬと思うし、それはきっと正しい。  わたしにできる最善はひたすら自分の存在を隠すこと。決して目立たず、この争いの間は頭を上げないこと。  けれども、わたしは叫んでいた。 「アーチャー……!」  血みどろになって痛めつけられる小さな体。どうして見過ごせるだろう、黙っていられるだろう。  わたしは――― 1:それでも動けないし、動くべきじゃない 2:アーチャーの側へ 3:セイバーの剣を拾う  動けない。このままじゃアーチャー...
  • Fake/Hand in Hand 7
     右も左もわからない。そんな状況なんだから、鉄人さんが協力してくれるのは嬉しい。夏海さんのことも放っておけないし、なにより……その、わたしとアーチャー二人だけだと揉めに揉めて、決まるものも決まらないし。 「わかりました、鉄人さん。夏海さんの安全はわたしも望むところです」 「じゃあ」 「ええ。よろしくお願いします」  鉄人さんが子供のような無邪気さで笑って、わたしの手を取る。ちょっと驚いたけれど、手をぶんぶんと振って返した。  けれど、つつがなく終わる条約締結。というわけにはいかなかった。アーチャーがむすっとした顔で、わたしの手を鉄人さんから引き剥がす。 「待てよ。俺がいれば充分だろう。こんな奴の手を借りることなんてない」 「嫌われてるなあ。僕はそんなに信用できないかい?」 「信用してないんじゃない。気に食わないんだ。仙道でもないのに、おまえ...
  • Fake/Hand in Hand 3
    『見ツケタ、見ツケタ、見ツケマシタ』  SFに出てくるロボットみたいな声で黒猫、少なくとも猫っぽい黒いのが人間の言葉を喋っている。  わたしはちょっと驚いた。これは、つまり……すごい、科学の進歩って。 「知らない間にあんなロボットまで作れるようになってたなんて、日本のものづくりは優秀なのねぇ」  わたしはため息をついてネコ型ロボットにうっとりと見惚れた。犬型のロボットがあるのは知ってたけれど、飛んだり跳ねたりできるネコのロボットがあるなんて夢みたいだ。 「そんなわけあるか! あれはこの時代の技術じゃない! 敵が送り込んできてるんだよ!」 「あら、そうかしら? アシ……なんとかってロボットは人間みたいな動きができるのよ? なら、猫のロボットだって」 「馬鹿か、おまえ! ああー! もういいから放せ!」 「こ、こら! 暴れちゃだめ――きゃっ...
  • Fail/Rebirth WAR 0
    「もう、二十年にもなるか……」  白く、細い指先が銀製のペンダントヘッドの扉を開き、女は中に収められていた写真を見て、懐かしげに眼を細めた。  この水佐波市に、たった二人で就任した時に、二人で撮った記念写真。  もう、撮影されてから二十年以上も経つそれは、既にセピア色に変色し、時間の経過を刻まれている。  あの時は、なんて無駄な事を、と思ったものだが、今、見返してみると、こんなにも懐かしい。  写真の上、涙で歪む視界の中に、二人の人物が立っている。  一人は雪白の銀髪とガーネットの瞳を持つ少女。不機嫌そうに顔をしかめ、真横に立つ男を睨みつけている。  そしてもう一人。  相棒の様子に苦笑しながら、穏やかな笑みを浮かべている男。  ゲルマン人にはよくある金髪碧眼。  やや色素が薄く、老け顔の顔立ちもあって、冴えない男といった印象が強いが、女は、彼がどれだけ有能だったか、誰...
  • Fake/first war 4
    4.  むかしむかしの話をしよう。  あるところに、ひとりの女の子がいました。  女の子はふつうの女の子です。  お父さんが大好きで。  みんなのことも大好きで。  野山を駆けるのが大好きな。  そんな、ふつうの女の子でした。  ある日のこと。  どこからか来た女の旅人が、女の子を見ていいました。 「あの子はとても良い子だ。  世のため人のため、悪と戦う術を教えたい」  当然、女の子のお父さんは怒ります。  お父さんは女の子が大好きでした。  大きくなったら恋をして、  恋をしたら好きな人と結ばれて、  幸せに生きて欲しいと思っていたのです。  でも、女の子は違いました。  女の子は知っています。  えらい人から国を守ってくれと頼まれた人たちが、  自分達のためにだけ、与えら...
  • グァルティエロ・アルベルティーニ
    名前:グァルティエロ・アルベルティーニ 性別:男  身長・体重:180cm 71kg 年齢:24歳 イメージカラー:銀 特技:サッカー 好きな物:パスタ、女性、ナンパ 苦手な物:聖堂教会 嫌いな物:体育会系 天敵: 武装・能力:高い魔力から風を自在に操る 【人物】   イタリア出身の魔術師。   教会の司祭でありながら、「神話や魔術は教義と一致する」と主張したルネサンス期の哲学者マルシリオ・フィチーノの子孫。  マルシリオの影響から子孫の中で魔術を志す者が現れ、魔術の名門アルベルティーニ家が開かれた。  その過程故に教会からは裏切り者の一族とみられている。     容姿は所謂男前。サッカーをやらせたならば、なかなか様になる。   そして彼を特徴づけるのはその女好きといえる。   黙っていれば貫禄をみせるが滅多に黙らないので、まったくお話にな...
  • ラモラック
    【元ネタ】アーサー王伝説 【CLASS】バーサーカー 【マスター】 【真名】ラモラック 【性別】男性 【身長・体重】196cm・91kg 【属性】混沌・善 【ステータス】筋力A+ 耐久A 敏捷A 魔力D 幸運C 宝具D 【クラス別スキル】 狂化:D  筋力と耐久のパラメータをアップさせるが、  言語能力が単純になり、複雑な思考を長時間続けることが困難になる。 【固有スキル】 蛮勇:A  無謀な勇気。  同ランクの勇猛効果に加え、格闘ダメージを大幅に向上させるが、  視野が狭まり冷静さ・大局的な判断力がダウンする。 直感:B  戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。  視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 一気呵成:B  溢れ続ける無尽の戦意。攻撃すればするほど勢いを増す。  ターン経過毎に命中率が増していくス...
  • クレオパトラ七世
    【元ネタ】エジプト史 【CLASS】アサシン 【マスター】 【真名】クレオパトラ七世 【性別】女性 【身長・体重】159cm・49kg 【属性】秩序・悪 【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷B 魔力A 幸運B 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:C  サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。  完全に気配を断てば発見する事は難しい。 【固有スキル】 妖姿媚態:A  妖艶な美貌のみならず、相手を篭絡する手練手管。  大英雄すら意のままに操る、魔力によらない精神干渉。  対話、弁論、策略、陰謀などにおいても大きな効果を発揮する。  抵抗するには対精神干渉系のスキルが必要。 神性:C  神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。  明確な証拠こそないものの、エジプト神の直系たるファラオの一族とされる。 ...
  • Fake/first war 1
    1. 「んー……やっぱりもう、夏も終わりかなぁ……」  ぺったぺった。  ゴム製のサンダル特有の足音を響かせながら、夏海はそう一人ごちた。  港湾区から住宅地の自宅までのんびりと歩いて30分ほど。  そこで着替えてから山の方に向かって歩き出して15分。  昼過ぎまで遊んで、其処から小一時間も経てば――もう夕方だ。  あれほど煩かったアブラゼミの鳴き声が急に消え、変わってヒグラシの鳴き声が聞えてくる。  それにしても、どうしてヒグラシの声はあんなに寂しそうなんだろう? 「夏にお別れを言っているんだって、お婆ちゃんは言ってたっけ」  何年も何年も土の中で過ごして、たった一度の夏を過ごして、死ぬ。  生きて、生かしてくれてありがとう、さようならと、夏に告げて。  だからヒグラシが鳴くのは、夏の終わりなんだよ、と。  人間...
  • Fail/Rebirth WAR 1
     カーステレオのラジオを付けると、車内を流れるのは気だるいジャズの音色。ジャズってあまり好きじゃないんだが……そんな風に思いながら姫宮冴子はブレーキを掛けた。  赤信号だ。停車した合間に空を見上げるが、一面に墨を流したような空に星は見えない。 「嫌な空だ……」  不意に、ぶるりと寒気が走る。  ここ最近、街中を嫌な空気が流れ始めた。まるで祭りが始まる前にも似た、何かの予感を孕んだ空気でありながら、どうしようもなく嫌な予感しか浮かばない。  最近はどうも嫌な事件ばかりが続く。頻発する停電。原因不明の気温の低下。幾人もの行方不明者。  そういえば、と思い出す。二十年前にも似たような空気が流れていた気がする。  少女だったあの頃の。  そして、親友二人がいなくなったあの頃の。 「みことに、夏海か……」  いなくなった親友たちの名前を呼ぶ。あの二人がいなくな...
  • アステリオス物語
    この物語にはご都合主義と残酷な表現と少しばかりのエロスがトッピングされています。ご了承ください。  自分は、自分であり、自分とは、一人である。  そのようなことに、自分が気づいたのは、乳児期から幼少期の間だった。  自分は呪われし仔として、誰からも祝福されず産まれた。母親……いいや、そう呼ぶには抵抗がある。自分はあの人を母と呼びたくない。あの人もそうだろう。だから名前で呼ぶことにする――パシパエさんと。  パシパエさんが浮気をして生まれた子。そう周りの人に認識され、パシパエさんの夫である人にも憎悪され産まれてきた。  パシパエさんが行ったのが、ただの浮気なら、こう話は拗れなかっただろう。不貞の妻は夫の叱責を大人しく受け、子供はどこか遠くに捨てられる。そう言う、みんなが幸せになれる解決策をとれたのだから。  それはとれなかった、妻の浮気相手は牛で、自分は牛...
  • パッションリップ
    【元ネタ】Fate/EXTRA CCC 【CLASS】アルターエゴ 【マスター】BB 【真名】パッションリップ 【性別】女性 【身長・体重】156cm・1t 【属性】秩序・中庸 【ステータス】筋力A+ 耐久A 敏捷C 魔力B 幸運E 宝具C 【スキル】 気配遮断:A+  姿を隠して行動するスキル。  アサシンのクラスが基本能力として持つスキルだが、  その性格からか、パッションリップも取得しているようだ。  その臆病さ、慎重さから優れた気配遮断を発揮するが、  巨大な爪が邪魔をしてすぐに発見されてしまう。  爪さえなければ優れたストーカーになっただろう。  余談ではあるが、誰も気づかなかっただけで早い段階から岸波白野を尾行し、  陰から監視・見守っていたとかなんとか。 被虐体質:A  集団戦闘において、敵の標的になる確率が増すスキル。  マイ...
  • Fate/Exception ‐the Another File Apocrypha‐
    プロローグ ほんの数分前まで鬱蒼とした森林だった場所は、今では見る影もなくなっていた。 樹幹が数メートルにもなる巨樹が根元から倒れ、乱立する高さ10メートルを超える木々が中程からへし折れ、低木や雑草は地面ごと吹き飛ばされそこかしこに散らばっている。 いたる所から大小無数の火の手が上がり、雨のように降り注ぐ土砂と舞い散る葉が視界を埋め尽くす。 今も辺りでは轟音と共に大量の土と草木が宙を舞い、次々と大木が倒れ、爆発的な速度で豊かな森林はただの荒れ地へと姿を変えていく。見るも無残な大自然のなれの果て。 まるで絨毯爆撃でも行われているかのような光景。しかし、この光景を造リあげているのは戦闘機の爆撃などではない。 それを見れば誰もが目を疑い、言葉を失うだろう。あまりにも想像を絶する真実を誰が想像し得るだろう。 この大規模な自然破壊を驚異的な速度で行っている...
  • メルトリリス
    【元ネタ】Fate/EXTRA CCC 【CLASS】アルターエゴ 【マスター】BB 【真名】メルトリリス 【性別】女性 【身長・体重】190cm・33kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力E 耐久C 敏捷A+ 魔力A 幸運B 宝具EX 【スキル】 加虐体質:A  戦闘において、自己の攻撃性にプラス補正がかかるスキル。  プラススキルのように思われがちだが、これを持つ者は戦闘が長引けば長引くほど加虐性を増し、  普段の冷静さを失ってしまう。  バーサーカー一歩手前の暴走スキルと言える。  攻めれば攻めるほど強くなるが、反面、防御力が低下してしまう。  無意識のうちに逃走率が下がってしまうマイナス面もあり、普段冷静なメルトリリスにとっては  相性の悪いスキルと言える。 メルトウイルス:EX  id_es(イデス)と呼ばれる、アルターエゴたちが生ま...
  • 第五話 子羊のように二本の角を持つ獣
     第5話 子羊のように二本の角を持つ獣  粘土はすぐに崩れた。  電動ろくろを止める。軽く練り直す。叩いて回転板に押さえつける。私はまだ中心を上手く合わせられない。  回転板と粘土の中心軸が合っていないと作れない。本当に合わせるには三年かかるという。  ろくろを始動させる。一応、中心を決めた。粘土の上を平らにし、親指で穴を開ける。穴を湯飲みの口くらいに広げた。  二日目の学校の特別実習は電動ろくろで湯飲みを作る。午前中はあの人の講演だ。  壇上に立ち、あの人はただひたすら言葉を紡ぐ。  カーテンで暗くしたためか、かなりの参加者が目を閉じていた。  二日酔いのせいだけではなさそうだ。彼の低く静かな声が子守歌のように響いていた。  一同にやっと生気が戻ったのは、講演が終わり、あの人が立ち去った後である。  両手の中指と人差し指を使って筒を引き伸ばす。脇(わき)を締め、指先に神経を集中する。...
  • 【Final Chapter:Blast Bullets Cry! Cry! Cry!】
    「みんな……みんな、みんな、みんな! わたしの前からいなくなる!!」  泣き叫ぶような少女の声――いや、実際に泣き叫んでいるのだろう。  ガンスリンガーの心の奥底で、もはや残されていないと思っていた何かの残滓が震える。  そのことに微かな喜びを得ながら、彼は一切の躊躇なく足を踏み出した。  「暁も……ッ! 壱名も……お父さんも、お母さんも……ッ! みんな、あたしを置いていく……!」  白炎。  蛇と一体化した少女――彼女の放つ火は、まさに白い闇だ。  深い密林を舐めるように襲い、白一色の世界へと塗り替えていく。  後に残したファナは無事だろうか――ガンスリンガーは思いを巡らせる。  水と結界の力を持つ彼女ならば、生存率は極めて高い……筈だ。  もっとも、あの娘が素直に自分の言う事を聞いて、撤収するとも思わないが。 「...
  • Fake/first war 7
    7.  ――――パレス・ミナサバが完全な静寂に包まれるまで、物の一時間とかからなかった。  血でべったりと濡れた絨毯。廊下には無数の手形がつき、周囲には人の気配が欠片も無い。  一つの階層だけではない。最上階より下は、全て同様の惨たらしい光景へと転じている。  しかしながら、其処には衣服の切れ端一つ、髪の毛一つほども、従業員や宿泊客の痕跡は残っていなかった。  洞察力の鋭い人物ならば、或いはかつて某ホテルで発生した失踪事件を知っている者ならば、  このような状況を聞いただけで、ここで何が起きたかを理解する事ができただろう。  つまり、皆喰われたのだ。  逃げることもできず、抵抗することもできず。たとえ肉片一つと言えども残される事はなく。  無論、彼らが予期せぬ事態に巻き込まれ、何も知らずに命を落した事には間違いない。  それは確実に不幸な出来事だと言えたろうが―...
  • 第13話
     FateMINASABA 23th 00ver  残骸。  周囲を徘徊するソレらは、確かに廃棄され忘れられた道具のようだ。  誰が捨てたものなのか。  おぞましく積み重ねられる呪い。おそらくは百を超える、飽きる程の負の連鎖。 「――――これは惨い」  報告通り、町民たちが皆聾と唖で、さらにただの一本腕と一本足で平気で歩き回っており、  また、恐ろしいことにその人々に近づくと自分たちも耳が遠くなり、口が利けなくなるという惨状に  セツリとその兄は目を細める。  飛ぶように逃げ帰って来たことを報告を聞いたセツリは直ちに、全軍に被害があった町に近寄らないように  とお触れを出し、すぐさま兄と共に被災地へ訪れたのだ。 「斥候が取り乱して魔物の呪いだと騒いでたが、あながち的外れでもなさそうだこれは」 「やはり兄上も、これは魔物の仕業だと?」 「う...
  • fate/mackerel night 体験版(笑)
    聖杯戦争 1日目 知らぬ間に、手にはべっとりと汗を掻いていた。  目の前には夕焼けの色に染まった教会の扉。初めて入るその場所に士郎は緊張していた。  なぜなら士郎にとって教会は避けるべき場所の一つであったからだ。だが今日、ここに入らなければ行けない用事があった。  深い深呼吸のあと、意を決して重厚な扉のドアノブを回した。 ここ、冬木に怪しげな事件が舞い降りた。 五日ほど前の明け方、路上に三人の学生が昏倒状態で発見された。三人とも、真面目な男子学生で夜遊びするような輩ではなかった。  そこで本人たちに問うと、そのときの記憶がほとんどっていうほど飛んでいたため、わからないとのことだったらしい。 ……ここで事件が終わっていれば、季節はずれの怪談話として、人々の記憶から風化していくのだっただろう。 しかし、事件は被害者に増大という形で進展した。...
  • Fate/End of Days-Prologue 1
    ――――――MORNING――――――  「空気が悪いわね・・・。」  誰に聞かせるわけでもなく、彼女の口からそんな言葉が漏れた。  ここはメキシコシティ。  南米最大級の大都市であり、世界有数の大気汚染地域だ。  今、彼女がいる空港の窓の外は朝だというのに、スモッグを孕んだ空気のせいで常に靄がかかったようになっていた。  「私から言わせていただけば、」  窓の外を見つめる彼女に何処からともなく声がかかった。  「現在の中国も、このメキシコという国も――――――空気の悪さと言う点では同じように感じられるのですが。」  「・・・まぁ、貴女のいた時代からすればそうなのでしょうけれど。」  しかし、彼女の会話の相手はどこにも見えない。  それもそのはず、『彼女』は自身でそう選択しない限り実体を取ることはないからだ。  「ぼやいていても仕方がないわ――...
  • 第9話
    FateMINASABA 23th 00ver  なだらかに続く坂道と、海を望む高台。  坂道を上っていく程に建物の棟は減っていき、丘の斜面に建てられた外人墓地が目に入ってくる。  一度も足を止めず、教会に辿り着いた。  坂道を駆け下りている時は息が乱れて走りづらかったが、それも交差点まで降りた頃にはなくなっていた。 「は―――――はあ、は」  言峰がなにか知っているのなら、なにか聞き出してやると気合をいれた。  ―――扉を開ける。  天窓からの陽射しが視界を白く焦がす。  朝の礼拝を終えた教会は無人だった。  明かりは頭上から差し込む陽射しだけである。  静寂は厳粛な空間を作り、制止した空間は洗礼された静寂を生む。  「――――――――」  神父を呼びかけようとして、気が変わった。  一番後ろの椅子に座る。 慎二  「……あー、眠たいなー...
  • 第八話 『666』
     第8話 『666』 「入ります」  ドアを開く。和室へ続く引き戸は最初から開いていた。  由紀香は畳に正座し、テーブルに向かっている。右顔を見せていた。修行者のようにきっちりした姿勢だ。  文庫本を読んでいる。目を離さない。ここからでは書名も著者名も見えないが、『往生要集』だろうか。  テーブルの上には数冊の本が置かれていた。文庫が二冊、大きな画集が一冊。  勝手に部屋に上がり込み、あぐらをかいた。由紀香は微動だにしない。正面に座るのは気が引けた。  少女の右側から、横顔を見る形になった。私はいつも由紀香の横顔を見ている。彼女は決して笑わない。  そんな筈(はず)はないのだが、イメージができあがってしまっていた。  彼女は横顔で、「何?」といった。 「楽しんでるのかなと思ってさ」  無視された。柳洞さんと同じ扱いかな?  テーブルの下からガラスの灰皿を取り出す。タバコに火を点ける。 ...
  • Fate/Revelation ~ドキッ☆EXランク宝具持ちだらけの聖杯戦争~
    「汝こそ巻物を受け取り、その封を特に相応しきもの。  汝は屠られ、その血でもって、あらゆる種族と言葉、あらゆる人々と国家から、我々を神の為に贖ったからである。  そして、我らを神の為の王とし、祭司とした。  そして、我らは地上を治めるだろう。」 ヨハネ黙示録 五章九~十節 ARCHER  「この聖杯戦争とやら―――どうにもキナ臭ぇな。」  「……?何言いだすのよ、急に。」  深夜、ダイニングルーム。  赤い服を纏った魔術師の少女―――遠坂凛は紅茶を飲む手を止めて、怪訝な表情でテーブルの向かいに座る青年を見た。  彼に目を向けてから凛は、『あぁ、そう言えば今飲んでいる紅茶の産地は彼の故郷だったか』―――などと益体の無い事を考えた。  そこにいたのは若く、そして逞しい男だった。  二mを超えるその巨体は筋肉によって...
  • 第二話 バベルの塔
       第2話 バベルの塔  男の周りに塔が建つ。  バベル、バベル、バベルの塔だ。  塔がゆっくりと鳴動する。最下層から一層一層積み重ねていく。  落日が海底の表面を染めている。朱よりも血の色に近かった。  虚空(こくう)でごおごおと風が唸り、真正面から吹きつける風威の壁にさえぎられたかのごとく男は歩みを止めた。  その塔のゆるい傾斜の上がり口に、ひとりの少女が立っていた。   「あんたがこれを造ったのね――“サーヴァント”?」  伝法な、喧嘩腰の声音だが、どことなく憔悴しているような感じがこもっている。  男は答えない。鍔広(つばひろ)の旅人帽「トラベラーズ・ハット」を目深にかぶり、  スカーフで鼻から下を覆って風を避けているため、顔はよく見えないが、がっしりとした身体つきといい、  色褪せた蒼いローブから覗く戦闘鎧といい、時代錯誤な出で立ちはとても現代人には見えなかった。  首に...
  • 外伝?11
    バベル外伝? 11話 ~~放課後、衛宮家 前アーチャー「うーむ、何か嫌な予感がする」 凛「嫌な予感?」 前アーチャー「そうだ。何か人生の危機というか、何と言うか……」 イリヤ「命を狙われてるとか?」 前アーチャー「まさか。そんな命を狙われるようなことは、この聖人君子である俺様がやるわけないだろ」 ~~同時刻、南米アマゾン ルヴィア「お、お腹が空いたわ……何で私がこんな目にあってるの」 クラン☆カラティン(シブトイ女ダ……) ルヴィア「あ、芋虫……貴重なタンパク源ね。あの優男、覚えてなさい」(ムシャムシャ) 士郎「そうなると、病気か?」 前アーチャー「サーヴァントは性病にしか、かからないぜ」 凛「嫌すぎる……最悪だわ」 ライダー「そうなると、日頃...
  • 第七話 天命渦巻く混沌の海
     第7話 天命渦巻く混沌の海  その日は雨が降っていた。  霧のような雨だった。  ■■国際空港の管制塔が、雨の幕の裏側に、灰色の影となって現れる。  空港へと続く高速道路の上を、飛沫を上げながらリムジンが走る。  リムジンの後部座席では、フォルテが車窓越しに流れる■■市の灰色の風景を眺めていた。  その横にバゼット・フラガ・マクレミッツが座っていた。  この分なら予定時間よりも一時間ほど早く、空港に到着するだろう。  現地のエージェントから電話が飛び込む。 『蛇(スネーク)だ。依頼のあった件、すべて準備が整った。現状、空港で使いが待機しておる』 『了解』 『チャーター便は予定通りの時刻にフライトする。それでいいんだな』 『ええ。リクエストどおりよ』 『協会各支部が協力要請文を政府関係者に提出して、この結果だ。極東の御三家、国防大臣が積極的に動いたらしい』 『世界の危機より、老後の利益...
  • 運命開幕・流星の英雄達 第八話
    鬱蒼とした森は、数十年に一度やってくる主しか招くことは無い。 森に張ってある結界を破れば別だが、それでは相手方に襲来を悟らせることになる。 そもそも魔術の知識に疎いライダーと、魔術師ですら無い慎二では結界を破れない。 「奇襲は意表を突き、なおかつ悟らせぬ事こそが肝要」 「……だからこその待ち伏せか」 森に入るための車道は、あっさり見つかった。森から遠い冬木市街に入るためには絶対に車を使っているに違いない。アインツベルン程の財力なら当然だと推測した慎二の眼は、草が刈り込まれ新しいタイヤ跡がある道を見逃さなかった。 「通り道に間違いないようだな。一通り森の周囲を回ったがそれらしいものは見当たらぬ」 そこでライダーはふんと鼻を鳴らした。 「敵に通り道を教えるとは愚昧なり。良将を抱えても、所詮は小娘か」 枯れ草が茶色く大地を覆っている。その中に慎二とライダーは身を潜ま...
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