みんなでかんがえるサーヴァント @ ウィキ内検索 / 「高波夏海」で検索した結果

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  • 高波夏海
    名前 高波夏海 性別 女 身長 体重 164cm 49kg 年齢 高校生 イメージカラー 特技 素潜り 遠泳 好きなもの 祖母 水佐波の海 苦手なもの 菅代家 嫌いなもの 怖がらせるだけで教訓も死者への敬意もない怪談話 天敵 タコ 戦闘技能 一般人。ただし霊視ができる 武装・能力 魔力回路を閉じた状態で有する  市立水佐波高校に通う女学生。  魔術回路を持ってはいるが自覚はなく、使い方も知らない。  ただし祖母からの隔世遺伝で霊感が非常に強く、霊体を見れるだけではなく触る事すら出来る。  『視得る者』の先輩として、時に厳しく時に優しく自分を導いてくれた祖母を心の底から尊敬しており、  言動の節々に祖母からの影響が見られる超婆ちゃんっ子。  祖母からの教えの中に「霊を助けようとしてはならない」というものがあり、こちらが認識できるだけで  意思の疎通も...
  • マスター(一次)
    ...カール・ノイマン 高波夏海 志那都みこと 無道 ~関係者~ ヴィーダー・ベレーブング 管代玄耶 ノイエスフィール 蔵馬鉄人
  • 投稿絵
    ...ド・アル・ムイード 高波夏海 高波夏海、蔵馬鉄人 志那都みこと 管代玄耶 住人(一次) 第二次マスター① 第二次マスター② アタランテちゃん① アタランテちゃん② インドラジットさん① インドラジットさん② カイニスさん① カイニスさん② カイニスさん③ セイレーンさん① セイレーンさん② ネブさん① ネブさん② ネブさん(狂)① ネブさん(狂)② ネブさん(狂)③ ネブさん(狂)④ ハーロットさん① ハーロットさん② ハーロットさん③ ハーロットさん④ メフメト2世① メフメト2世② メリーさん① メリーさん② メリーさん③ メリーさん④ 牛御前さん① 牛御前さん② 荒ぶる正装のファラオ王 冬将軍さん ベーオウルフ① ベーオウルフ② ベーオウルフ③ ベーオウルフ④ マザー・ハーロット 騎乗バビロン M・H(色なし) M・H(色つき) M・H(色つき修正版) M・H(色なし修...
  • 蔵馬鉄人
    ...ージイラスト】 高波夏海、蔵馬鉄人
  • Fake/first war 12
    ...より他に無い。  高波夏海は、理性で考え、損得で動くような人間じゃないのだから。 「行こう、アサシン」  首飾りに転じた相棒へと声をかけ、夏海はずんずんと病院へと歩き出す。  主の好ましい判断を受けて、はい、と鈴の鳴るような声がそれに応えた。  ――さて。  病院、或いは城の中にもまた、夏海にとって埒外の風景が広がっていた。  赤。  ただ一言で表現するのであれば、それ以外の要素をそこに見出すことは不可能だろう。  床を覆う絨毯。壁面。革張りのソファ。カーテン。  その一切、上下左右に存在し、視野に入る全ての物品悉くが、赤色なのだ。  それも、単なる赤色というわけではない。  ぬらぬらと光を反射する、まるで血のような赤色で塗りたくられている。  はっきりと言って、悪趣味――否、そんな領域すらも通り越す産物だ...
  • Fake/first war 4
    ...るまじき声をあげて、高波夏海はもぞもぞと布団から這い出した。  視界に広がる古びた木の天井。それを見て、昨日は兄さんの家に泊まった事を思い出す。  まあ、別にそれは変わったことじゃない。  小さい頃から何度も泊まってるし。着替えもちょっと置かせて貰ってるし。  問題なのは――― 「……あー……変な夢みた、なぁ……」  ――記憶にぼんやりと残っている、奇妙な夢。  まったく、昨日に続いてへんな事続きだ。  変な男に襲われて、死にそうな目にあって、助かって。  一生に一回でも経験したくないような事ばっかりだった。  おまけに魔法使いだとか聖杯戦争だとか。わけがわからないし。 「まあ、やると決めたらやるしか無いよね」  もっとも、高波夏海はえらく前向きだったのだけど。  そもそも幽霊が見えることからして変だったのだ...
  • Fake/first war 2
    ...  ――その一言が、高波夏海を神秘の世界へと導く運命の音だった。  偶然巻き込まれ、ただ捕食される哀れな被害者ではなく。  同様の手段を持って身を守る、その世界の住人として。  自覚は無くともこの瞬間――夏海は聖杯戦争へと引きずりこまれたのだ。 「ます……たぁ……?」  怪物に追われる恐怖。激痛。必死の状況からの救済。  あまりの状況の変化に、思考が追いついていなかった。  ぼんやりとした様子で見上げる夏海の仕草に、女性は優しく微笑みかける。 「大丈夫ですよ。心配することはありんせん」 「あなた、は………」 「わらわの事は、アサシンと」 「あ、アサシン?」 「一先ずはここまで。お殿様がお待ちですもの」  細い指先が、夏海の唇を抑える。  そうだ。まだ窮地から逃れたわけではない。 「馬...
  • Fake/Hand in Hand 6
    ...れど」  高波夏海、さん、はわたしのクラスメイトの女の子だ。鉄人さんは彼女の遠縁の親戚で、彼女のお祖母さんが心配してるから探しに来たと言っていた。ステッキの中の刀は、変態にでも襲われていたら叩き切ってやるつもりで持ってきたそうだ。 「ナツミ? 知り合いか?」 「ええ、黒マグロっていう――」 「魚なのか?」 「……あだ名の子なの」 「ああ、泳ぎの得意な子でね。僕はその子を探してるんだ。行きそうなところは大体回ったんだけど……そうだ、君は知ってるかな、アーチャー」 「知らない。俺は召喚されたばかりだ」 「そりゃそうか」 「……一応助けてもらった恩があるからな。おまえは気に食わないけど、探す手助けぐらいならしてやってもいいぞ」 「それはありがたい。でも、事は君が考えるより複雑になってると思うんだ。最近は帰りが遅くなることが増えててね」 ...
  • Fake/Hand in Hand Interlude 2
    ...うちの一。彼女の名は高波夏海。波間と揺れる宇宙を好む度合いは海から上がった人魚に等しい。  そう、夏海は水が好きだった。泳ぐのが好きだった。波に身を委ね、漂うのが好きだった。上下の感が消える水の中、足元から射す太陽の光、つま先まで行き渡る浮揚感。どれも彼女の心を強く捉えた。  だが沖に出たことはあっただろうか。彼女の家は地元の漁師たちにあまり好かれていない。祖父の代に少しばかりの因縁があったのだという。だから夏海は浜で泳ぐことはあっても、大海原に進み出た記憶はなかった。 「わあ……」  夏海の頬が緩んでいく。未知の体験、憧れへと届いた手、子供のような高揚感。満天の星空に囲まれた世界は美しく、少し恐ろしく、とてつもなく神秘的だった。  底に沈んでいるだろう怨嗟の声も、陸の見えない孤独感も夏海の胸に影を落とすことはなかった。頬に打ち付ける冷たい潮の匂いでさ...
  • Fake/first war 1
    ...。  ――高波夏海は幽霊を『視る』ことができる。  幼い頃から、どうしたわけか『視える』。  霊感があるとか、特殊な力があるわけでもなく、ただ『視える』。  だが、それだけだ。  別に幽霊と話せるわけでも、触れるわけでもない。  とはいえ彼女の祖母や、兄に言わせれば「話せるわけがない」のだそうだが。  幽霊というのは単なる記録に過ぎないのだという。  強い想いの残滓が、まだ世界の中に残っているだけ。  いずれ消えてしまう存在。  死ぬ直前までの行動を延々とリピートする記録映像。  其処には意思もないし自我もない。 「わかっては、いるんだけどねぇ……」  はぁと溜息を吐き、夏海は再びペタペタと歩みを再開した。  しばらく行くと右に左に傾きながら、だらだらと何処までも続く坂道に出る。  半ば以上まで坂を登...
  • Fake/first war op
    ...から、困る。  高波夏海にとっては、水佐波の海こそが其れだった。  潮の匂いと、遮る物の無い紺碧。いつまでも潜っていられそうだ。 (まあ、無理なんだけどさ)  肺が空気を求めて騒ぎ出す感覚に、人間が陸上生物である事を思い知らされる。  どんなに海が大好きで、ずっと遊んでいたくても、海は自分を拒絶する。  ひょっとして自分は海に嫌われてるんだろうか、なんて。  子供ながらも真剣に悩んだものだった。 (結局、答えなんかでなくって。お婆ちゃんに聞いたんだよねー)  海には海の都合があるんだよ、と祖母は優しく教えてくれた。  だから人間の都合で無理なお願いをしちゃいけないんだ、と。  友達の嫌がる事をすれば喧嘩になるだろう?  喧嘩するのが嫌なら、海のお願いを聞かなきゃならない。  だって海は、みんなに魚をくれたり、...
  • Fake/first war 6
    6. 「――っても、まあ、真昼間から動き回るような奴なんざいるわきゃないんだがなー」 「…………兄さん。わかってて朝から今まで歩き回ってたでしょ?」 「あ? 言わなかったっけか?」  悪い悪いと頭を掻く兄の姿を、夏海は心底から恨めしいと思いながら睨みつけた。  この暑い中、数時間以上も歩き回れば誰だってそうなるだろう。  それも目標なんてまるっきり無い、完全な当てずっぽうなのだから尚のことだ。  おまけに鉄人は暑い中を延々動き回っても、なぜだか飄々とした様子。  ヒィヒィ言いながら汗水垂らして歩いていると、自分だけ損をしている気になってくる。  まあ、つまり簡潔に言えばこうなる。  サーヴァントとマスターを求めて朝から街に繰り出した彼女たちは、  数時間ばかり歩き回り、水上都市の方までやってきたのは良いものの、  まるっきり成果無しの状態で昼を迎え...
  • 死と乙女 第一話
    Gib deine Hand, du schön und zart Gebild! 手をお出し、美しく繊細なるものよ。 bin Freund und komme nicht zu strafen. 私は君の友であり 罰するために来たのではない。 Sei gutes Muts! ich bin nicht wild, 心をしずめて。私は君を傷つけないから。 sollst sanft in meinen Armen schlafen! 安らかに眠れ 我が 腕の中で。               (シューベルト作曲 “死と乙女”より) X          X            X 水佐波市の自然は豊かだ。 そう言うと、外部の人間には首を傾げられることが多い。 確かに、近年著しい発展を遂...
  • Fake/first war 3
    3.  ――嫌な予感しかしない夜、というのはある。  そしてそんな夜には、決まって何かしら起こるものだ。  いつだってそうだった。  そして決まって、誰かが死ぬ。  別に、それ自体は良い。  "あの頃"は誰も死なない事こそが異常だったのだから。  理由はどうあれ、毎日毎日、誰かが死んだ。  だが――糞。 「戦争なんざ、半世紀も前に終わってるんだぞ、糞」   まったく、嫌な夜だ。  夏も終わりに近づいたというのに今だ風は蒸し暑く、  熱気をはらんだ風が肌に纏わりつき、酷く不快だった。  店の軒先に立ち、火の消えた煙管を噛みながら、鉄人は顔を顰めた。  ――――夜闇の中から聞える足音。次第に見えてくる姿。  女性に抱えられた、見知った娘。  ぎしり、と煙管が軋む。楽観なぞでき...
  • Fake/Hand in Hand 13
     待ってるときに限って、帰ってこない。りんりんりんと陶器が鳴る。弾いた指に軽い痛み。手持ち無沙汰を慰めるのも、いい加減につらい。もう陽も暮れてしまった。 「むー。どうしたのかしら、アーチャーったら」 「ずっと探し回ってるのかもしれないね。でも連絡がつかないってのは困るなあ」 「ですよねえ。せっかく夏海さんの居場所がわかるかもしれないっていうのに」 「……困ったなあ」  鉄人さんがぼりぼりと頭を掻く。なにか、こう、見覚えがあるような。テレビで見た名探偵によく似てる気がする。この人は、どんなときでも暢気さんだ。 「みことちゃん、相談なんだけど……先に夏海を探しに行っててもいいかな」 「もう少し待つのはダメでしょうか?」 「手がかりがあるなら、放ってはおけないんだ。これ以上じっとしてるのは難しい」 「ですけど、アーチャーと一緒の方が探すのにも...
  • 志那都みこと
    名前:志那都 みこと 性別:女性 身長・体重:153cm 49kg 年齢:高校生 スリーサイズ:大きい ほそい 安産型 特技: 根拠の無い自信と行動力 好きな物:動物 彼氏 夏海 苦手な物: 現金 嫌いな物: カードの使えない店 天敵: 夏海 戦闘技術: 一般人 武装・能力: 魔術回路を有する。ただし魔術師ではない。  夏海のクラスメイトで親友。   八百比丘尼を始祖に持つ神社の一族。  元々は菅代家と共同でこの地を守ってきたのだが、  菅代家が管理者となったので神社は衰退。魔術回路などはほとんど失われる。  今でも神社は細々と伯父夫婦が切り盛りしており、  両親は開発事業に協力して企業の重役として活動している。  つまり神社の娘で、水佐波市きってのお嬢様かつおっぱいである。  両親の教育の賜物か、動物好きで優しい性格。  水佐波市全土を...
  • 住人(一次)
    上段中  名前:小日向 葵(コヒナタ アオイ)  性別:女   身長・体重:cm kg  年齢:高校生  スリーサイズ:  イメージカラー:お日様  特技: 特に無い(と自分は思っている)  好きな物: 皆大好き♪  苦手な物: 虫さんは少し苦手  嫌いな物: 好き嫌いはいけません  天敵: いません  戦闘技術:接客・配膳能力  武装・能力:虫の知らせ程度の予知能力?がある  (といいな。何か嫌な予感がする、とかの演出程度)  【人物】   海上都市の商店街にある喫茶店「レーヴェンスボルン」のウェイトレス。   人生初のアルバイトでありながら、接客能力は既に玄人の域。看板娘としての風格も漂い出した。   水佐波高校においては夏海、みことのクラスメイト。彼女達の友人の一人、日常の一員である。   常に人...
  • Fake/Hand in Hand 11
    「アーチャー、ありがとう」  朝の靄を通して柔らかな光が差し込む。気持ちのいい朝。これから始まる一日への期待で心は躍る。 「ありがとう、アーチャー」  鏡を前に、じいっと自分の顔を見る。 「ありがとう、うれしかったわ、アーチャー」  何度目か忘れたけれど、鏡の中の自分へ言葉を贈る。うん、やっぱりダメ。とてもじゃないけど笑わずにいられない。 「……ぷっ、あはははは!」  ぐるんぐるんと転がって、笑えるだけ笑ってみる。ああ、バカみたい。ぱんと顔をはたいて、もう一度鏡の前に立つ。  こうやってると自分が何をしているんだろうって少し思う。でも言いそびれると、なかなか言い出せないもの。だから、こうやって練習しているんだけれど。 「……ふう」  一息ついて、ぐいっと鏡に近寄る。その、自分の顔のことは気にしない...
  • Fake/Hand in Hand Interlude 8
    ――――Interlude/8 Soldier and King.  白刃が閃く度に死霊が断ち切られる。霊といえど、明確な形を持つもの。核を砕かれれば、霧散し、元の居場所へ還っていく。  これはかつての再現。鉄人にとっては体験済みの映像。若かりし頃、生き人を相手に戦場で。 「おお、やるではないか。生身の人間とは思えぬな」  閲兵を楽しむ将のように、ライダーは声を弾ませる。そこに鉄人への警戒感はない。彼は知っている。如何に鉄人が奮闘しようとも、その刃がライダーに届くことはない。  そして、それは鉄人も知っているだろう。知っていながら、この男は諦めない。針の穴より小さな可能性に、己の憤怒を捻り込むことを。 「夏海を……夏海を戻せッ!」 「戻せ? はて、筋の通らぬことを言う。あの娘は進んでマスターとなったのだが?」 「貴様が言葉を弄して、...
  • Fake/first war 10
    10.  菅代優介とアーチャーが、動物園の中で逃げ回っているのとほぼ同時刻。  昼を過ぎ、夕暮れが近づき始めた水佐波市内は、やはり変わらず死者と鼠の闘争が続いていた。  赤く染まり始めた日差しによって照らされる街中は、やはり同色の血液によってそこかしこが彩られている。  鼠に食われた市民。死者に襲われた市民。鼠に喰われた死者。死者に喰われた鼠。  夏海たちのいる区画もそれは同様だが、既に避難は終わり、或いは戦場が移った為、周囲に人の気配は無い。  ――と、ビルの入り口付近に立っていた夏海と鉄人の傍らに、トンと軽い音を立ててアサシンが降り立った。  「で、どうだった?」 「ええ。確かに鼠の群れの中でも、一箇所だけ突出している部位がありました」 「どの辺りだ? 場所はわかるか?」 「此方から北方の大通りを、そのまま西に」 「成程、ビジネス街の辺りか。―...
  • 死と乙女 第三話
    X          X          X          X          X 水佐波市の外れには一軒の古書店が存在する。 狭い店内には至る所に書物が天井近くまで積み上げられ、足の踏み場もなく、 その奥には煙管を咥えた甚平姿の男が暇そうな顔で店の本の頁を繰っているという。 六、七十年前から時間が止まったかのようなその古書店に、客が訪れることは殆どない。 何せその店に足を踏み入れるには“結界”を越えなければならないのだから―― 「んー……」 まだ正午を回ったばかりだというのに薄暗い店内の一番奥で、 古書店の主人、蔵馬鉄人は新聞をめくっていた。 『早くも猛暑到来? 市内各所で今年最高気温を記録 熱中症に注意を』 『地デジ完全移行 対応テレビ求め列 市内の家電量販店は軒並み在庫切れ』 『市内の動物園で飼育されていたライオン(六歳 オス)が急死 遺体は専門家の元に搬送...
  • Fake/first war 8
    8.  突然の爆発音に驚いて飛び出してきたのは、喫茶店レーヴェンスボルンの人々に限らなかった。  花火の類では決してありえないその轟音。子供の悪戯である筈はなく、近隣で事故があったのかと思えばそうではない。  何事かと顔を見合わせ、ふと空を見やり――そして更に驚愕する。  完成すれば水佐波水上都市のシンボルとなったであろう高層ホテルの最上部が、跡形も無く消し飛んでいるのだから!  住民達の脳裏によぎるのは数年前に発生した、飛行機が乗客もろともビルに突っ込んだという、あの事件。  そう、事件だ。事故ではなく、事件。となれば、この後に何が起こるかわかったものではない。  我先にと逃げ始めた人々の判断は、はっきり言って正常だったろう。しかし、状況が異常であった。 「――――うん?」  最初に其れに気づいたのは、昼食を食べようと会社を出たばかりのサラリーマンだった...
  • Fake/Hand in Hand 18
    「他のひとたちを探しましょう」  アーチャーは強い。でも、不安は残ってる。アーチャーはライダーの宝具と相性がいいと言ってた。それを覆す戦い方を、ライダーは考えてくる。そうじゃないと、仕切り直す意味がないんだから。  猟師が熊と組み合って勝つことはない。けれど、猟師は熊を狩ってみせる。アーチャーの優位はもう、ないだろう。  それだけじゃない。今回は夏海さんと鉄人さんの命も懸かってる。負けても逃げればいいって思えはしない。 「ライダーは戦う場所と時間を決めるって言ってたわ」 「なるほど。それまでに片付けるんだな」 「違います。まず、味方を作りましょ。仲間がいれば、鉄人さんも夏海さんを助けるのも楽になるでしょうし」 「ふうん。それでも、いいか。俺もライダーと戦うことに集中したい。あいつらを助けるのは、他に誰かやってくれる奴が居た方がいい」 「決まりね。...
  • Fake/Hand in Hand 14
     すっかり暗くなった通り、ところどころの黒い世界、電灯の光が届かない。その暗がりに、鉄人さんは迷わず踏み込んでいく。わたしは、怖い。けれど鉄人さんの手の引かれて、歩き続ける。 「鉄人さん。どこへ行くんですか?」 「協力者のところだ。彼が案内してくれる」  雑木林の奥の奥、そこに黒いわだかまりが木の根に腰掛けている。どうしてだろう、それが人の形をしていることに気付くのには時間がかかった。びっくりするぐらいに、彼は自然の中に溶け込んでいる。 「やっと来たか。遅いではないか」 「そんなことはない。時間通りのはずだ」 「そうかのう? 少し時間の感覚が狂っているのかもしれぬな」  男の人は黒ずくめの装束を着ていた。それで見えにくかったのかもしれない。声がしゃがれているし、体も少し小さい。かなりお年を召しているみたいだ、この人。 「……む?...
  • 死と乙女 第二話
    X          X          X          X          X 夏海と別れてから後、 志那都みことは水佐波市中心部にある総合病院の一室を訪れていた。 「失礼します。……ご気分は如何ですか? 赤城くん」 そう言って、みことはベッドに横たわる“彼”を見た。 それは、まさしく見るも無残な有様だった。 両足は膝から下で切断され、左腕は肩口から全て失われて最早その痕跡すら見えない。 頭部は首までびっしりと包帯が巻かれ、胴体からは何本も管が生えベッドの周りを取り囲む機械類に接続されている。 「今日、久しぶりに夏海さんと会いましたの」 みことが話しかける。 それに対し“彼”は何の応えも返さない。 「夏海ったら、わたくしの成績を心配してノートを貸してくれようとしたんですのよ。  いつも試験前になると慌ててわたくしにノート写させてと言ってくるあの夏海さんがですよ...
  • Fake/first war 11
     むかしむかしの話をしよう。  あるところに、人ではなくなった女の子がいました。  女の子は、悪い人をやっつけるため、人をやめたのです。  えらい人たちは自分のことばかり考えて、みんなのことを考えません。  みんなが苦しむのが女の子はいやだったので、女の子はえらい人と戦っていました。  あちらに悪い人がいると聞けば、どんな場所へも行きました。  悪い人を倒すためなら、どんなことでもやりました。  お父さんが死んだ日も、女の子は戦っていました。  そんなある日、女の子はふしぎな人に出会いました。  はじめ、女の子は、その人が悪い人だと聞いて、やっつけに行きました。  この国のえらい人は、だれもかれも悪い人だとばかり思っていたからです。  ところが、そのえらい人は――良い人だったのです。  自分をやっつけにきた女の子をもてなし、さまざまな話をして...
  • Fake/Hand in Hand 12
     わたしは夏海さんを探したくって、アーチャーはキャスターを探したかった。聖杯が欲しいならキャスターを探す方を優先しろって言われたけれど、夏海さんを探すのは鉄人さんとの約束だったから。  意見は平行線。結局言おうと思っていたお礼の言葉も言えずに、最後には口論になってしまった。 「だから、友達と喧嘩別れになったのかね」 「はい……そうなっちゃって」  おじさんがにこにこと笑いながら、ティーカップを傾ける。きれいに磨かれたカップには往来の人の影が映っている。  わたしが居るのは水佐波の出島、海にほど近いオフィス街の広場。  埋立地と鉄骨の上に建った最新のビル群は、生活臭のある住宅地とはまるで違って、異邦の地に居るような気にさせる。カフェや軽食店に囲まれた広場は日本の街の延長というより、ヨーロッパの街を移植したと言われた方が納得する。  そんな街だからだろう...
  • Fake/Hand in Hand 8
     敵に勝とうと思ってはいけない。あらゆる手段を駆使しなければならないが、勝とうとはするな。それが鉄人さんの教えだった。  他のマスターさんたちは人殺しに長く関わっていると思うべきらしい。なんでも、魔術師は人を人とも思わないのが基本の職業だそうで。  魔術なんて怪しい技術に初めて触れたわたしが勝つには、伸びをしたら直撃するはずの隕石を受け止めてたぐらいの幸運が必要なんだとか。 「そうすると、基本は逃げ回ればいいんでしょうか」 「マスターは僕が引き受ける。サーヴァントはアーチャーが倒す。みことちゃんは自分の安全を第一にする。それが一番だと思う」 「わかるんですけれど……せっかく鉄人さんに魔術を教えてもらったのに」 「ちゃんとできるのは魔術回路のオンオフだけだろう? 昼間のうちにそれをマスターしたのには驚かされたけどね」  全身に管が張り巡らされているイメ...
  • Fake/Hand in Hand 7
     右も左もわからない。そんな状況なんだから、鉄人さんが協力してくれるのは嬉しい。夏海さんのことも放っておけないし、なにより……その、わたしとアーチャー二人だけだと揉めに揉めて、決まるものも決まらないし。 「わかりました、鉄人さん。夏海さんの安全はわたしも望むところです」 「じゃあ」 「ええ。よろしくお願いします」  鉄人さんが子供のような無邪気さで笑って、わたしの手を取る。ちょっと驚いたけれど、手をぶんぶんと振って返した。  けれど、つつがなく終わる条約締結。というわけにはいかなかった。アーチャーがむすっとした顔で、わたしの手を鉄人さんから引き剥がす。 「待てよ。俺がいれば充分だろう。こんな奴の手を借りることなんてない」 「嫌われてるなあ。僕はそんなに信用できないかい?」 「信用してないんじゃない。気に食わないんだ。仙道でもないのに、おまえ...
  • 平行世界での皆で考える聖杯戦争 予告編
    どうも、クリスマスに三作品投下した者ですが、新作が完成したので投下させていただきます。 あらかじめ言っておきますが、今回の話は読む人をかなり選ぶかもしれません。 この話は以下の注意点があります。 この話は皆で考える聖杯戦争の三次創作に近いです。 話の都合上、歴史設定が変更されています。 マスターの中に約一名だけ、著しく設定が違う人物(死徒)がいます。 本作品にはエロ成分が含まれます。 登場するサーヴァントには皆鯖だけでなく、原作の者もいます。 それでもよい方はどうぞお読みください。 最後にこの話は皆鯖集合絵の作者様が女鯖集合図を投下した事がきっかけで、 こうして形にすることができました。 ほんとうにありがとうございました。 平行世界、選択肢により分岐し、今の世界と並行して存在する別の可能性の世界。 もしこうだったら、あの時ああしていたら、その「もし」の数だけ世界は存在する。 つまり、現在の...
  • Fake/Hand in Hand 17
     鉄人さんは、夏海さんは、どこにいるんだろう。ここから逃げるのは当たり前だけど、あの人たちを助けなきゃ。 「アーチャー、あのお爺さんの挑発に乗っちゃダメよ」 「む。じゃあ、尻尾を巻いて逃げろっていうのか。面倒だけど、やり方次第でどうとでもなるのに」 「ええ。お願い、アーチャー。わたしたちを助けて」 「こいつらを全部倒せばいいじゃないか」 「ダメ。お願い、アーチャー。すぐに鉄人さんたちを探さないと」  アーチャーは唇を突き出して、大きくなっていく獣の影を見る。片方の眉をちょこんと上げると、鼻を鳴らした。 「さて、どうするのかね、アーチャー。儂は是非ともおまえさんの勇姿が見たいんじゃが」 「安心しろよ。見せてやるから」 「アーチャー! 挑発に乗らないで!」 「どうせ、あいつらを突っ切らないと逃げられない」 「なに言ってるの! この洞...
  • Fake/Hand in Hand 15
     鉄人さんの影がわたしを覆う。世界が暗くなっていく。足はがたがたと震えて、逃げろ逃げろと叫んでいる。  だからって、ここで逃げて、どうするのだろう。怖い、本当に怖い。でも、この人たちから逃げて、鉄人さんを置き去りにして、どうする。  温かい家に逃げ込みたい。平穏な世界に帰りたい。でも、ここに来たんだ。夏海さんを探すって、あのひとがもう一度起き上がれるようにって、そう思ってここに来たんだ。  なら、やれることをやってみせないと。 「……ほう。逃げぬか」  ライダーのくぐもった声、剣闘士のあがきに綻ぶ笑み。それは立ち上がったわたしに向けられている。 「君が居ても何も変わらない。今回ばかりは、僕に君を守るつもりもない」 「わたしだって……わたしだって、魔術を練習してました」 「だからって、何ができる」  魔術回路の切り替えはできる。だか...
  • Fake/Hand in Hand 16
     息が切れる。肺が弾む。体が、何か別のものになったみたい。熱に腫れて、ふわふわと浮ついている。 「カカカ、見事見事。ここまで粘ろうとは思いもしなかった。まだ底を見せぬとは」  相変わらず、どこに居るのかわからない声の主。なんだか腹も立たない。今は自分のできることに集中している。  鉄人さんはまだ頑張っている。姿は見えないけど、わかる。鉄人さんが戦っているから、わたしの場所には鬼火が少ない。 「いや、限界を見てみたいものだが、どうも無理そうじゃのう」  声は無視。近寄る敵に、精一杯の魔力をぶつける。また一つ、体のギアが上がっていく。  まだ耐えられる。まだきっと、ここで踏み止まれる。ここで鉄人さんを待っていられるという希望。その曙光は―― 「ライダーめ、人間相手にこんなものを使おうとは」  ――現れた巨大な狗の影に、塗りつぶ...
  • ラーヴァナ涙目の聖杯戦争
    注)この作品は『ラーヴァナvsバートリー』の、自覚的な「悪役」として行動するラーヴァナ、という設定のパロディです。 ラ「フハハハハ! なんと素晴らしいことだ! 時空を超えて各地から現れる英雄たちと矛を交えられるとは!  余を華々しく散らせてくれる機会もより取り見取りに違いないわ! どういう死に様がよいだろうか。やはり花形たるセイバーの剣で一刀両断にされるのが悪党の末路らしいかのぉ」  神武天皇「すまん、今回のセイバーは朕だ。貴公も困るであろうが、正直朕も勝ち目がなくて困っている」 ラ「orz ……まあよい、まだ他のクラスが残っておる。バーサーカーが余の怪力を腕っぷしでねじ伏せる展開辺りも悪くない」 バトラズ 「■■■■■ーーー!」 ラ「帰れーーーーっ! 神性:A+などというやつの顔も見たくはないわあっ!」 ラ「うむ……、人型の英霊に期待し...
  • Fake/first war 7
    7.  ――――パレス・ミナサバが完全な静寂に包まれるまで、物の一時間とかからなかった。  血でべったりと濡れた絨毯。廊下には無数の手形がつき、周囲には人の気配が欠片も無い。  一つの階層だけではない。最上階より下は、全て同様の惨たらしい光景へと転じている。  しかしながら、其処には衣服の切れ端一つ、髪の毛一つほども、従業員や宿泊客の痕跡は残っていなかった。  洞察力の鋭い人物ならば、或いはかつて某ホテルで発生した失踪事件を知っている者ならば、  このような状況を聞いただけで、ここで何が起きたかを理解する事ができただろう。  つまり、皆喰われたのだ。  逃げることもできず、抵抗することもできず。たとえ肉片一つと言えども残される事はなく。  無論、彼らが予期せぬ事態に巻き込まれ、何も知らずに命を落した事には間違いない。  それは確実に不幸な出来事だと言えたろうが―...
  • Fake/Hand in Hand 19
     暖かな日で、つまりぽかぽかで、陽は高くて、お昼時で、動き回って。簡単に言っちゃうと、ベタベタするし、熱くて、臭くて、疲れた。ああ、もうやだ、ということ。  軽快に歩いていくアーチャーの後ろで、わたしはよろよろと足を止めた。 「おい、みこと」 「ねえ、休みましょう」 「まだ何も掴んでないぞ」 「焦っても、仕方がないわ。果報は寝て待てって言うでしょう」 「寝てていいことないだろ。ライダーがいつ来るか、わからないんだから、できるだけ早く他の連中を見つけないと」 「アイスが食べたーい!」 「わがまま言うな。こんな時期に氷菓子が売ってるか」 「コンビニなら、この季節でも置いてあるわ。ちょっと遠いけど」 「じゃあ、却下だ」  ああ。新しい手がかりでも見つかれば、やる気も湧いてくるのだろうけど。今のところ、全て空振り。  商店街は全部回った。...
  • Fake/Hand in Hand Interlude 9
    ――――Interlude/9 The king , and disloyal subject.  地獄の空には穴があろう。地と天、仰ぎ見る穴。ならば地より見える穴に潜むは鬼か地獄の主たちか。 「何だ、この女は」  洞の中、ライダーは玄耶に問うた。玄耶が用意した場所は鳥の目にも留まらず、虎の足にも届かぬ果て。疑いの声は、その巣に女が踏み込んだから。ただ狼は牙を剥かず、唸り声も響かせない。何故なら女は身一つ、翼ある言葉のみを頼りとして向かい合っている。 「玄耶さんの友人で、名をファーティマと言います」 「……老人。推挙を許す、とは言っておらぬ。ましてや、我が獲物を狩り落とそうとする不遜者などを」 「いや、すまぬの。引き入れるつもりも、会わせるつもりもなかったんじゃが。どうも、この娘の方が一枚上手でな。跡を辿って、ここまで来られてしまったようじ...
  • Fail/Rebirth WAR 1
     カーステレオのラジオを付けると、車内を流れるのは気だるいジャズの音色。ジャズってあまり好きじゃないんだが……そんな風に思いながら姫宮冴子はブレーキを掛けた。  赤信号だ。停車した合間に空を見上げるが、一面に墨を流したような空に星は見えない。 「嫌な空だ……」  不意に、ぶるりと寒気が走る。  ここ最近、街中を嫌な空気が流れ始めた。まるで祭りが始まる前にも似た、何かの予感を孕んだ空気でありながら、どうしようもなく嫌な予感しか浮かばない。  最近はどうも嫌な事件ばかりが続く。頻発する停電。原因不明の気温の低下。幾人もの行方不明者。  そういえば、と思い出す。二十年前にも似たような空気が流れていた気がする。  少女だったあの頃の。  そして、親友二人がいなくなったあの頃の。 「みことに、夏海か……」  いなくなった親友たちの名前を呼ぶ。あの二人がいなくな...
  • Fate/Exception ‐the Another File Apocrypha‐
    プロローグ ほんの数分前まで鬱蒼とした森林だった場所は、今では見る影もなくなっていた。 樹幹が数メートルにもなる巨樹が根元から倒れ、乱立する高さ10メートルを超える木々が中程からへし折れ、低木や雑草は地面ごと吹き飛ばされそこかしこに散らばっている。 いたる所から大小無数の火の手が上がり、雨のように降り注ぐ土砂と舞い散る葉が視界を埋め尽くす。 今も辺りでは轟音と共に大量の土と草木が宙を舞い、次々と大木が倒れ、爆発的な速度で豊かな森林はただの荒れ地へと姿を変えていく。見るも無残な大自然のなれの果て。 まるで絨毯爆撃でも行われているかのような光景。しかし、この光景を造リあげているのは戦闘機の爆撃などではない。 それを見れば誰もが目を疑い、言葉を失うだろう。あまりにも想像を絶する真実を誰が想像し得るだろう。 この大規模な自然破壊を驚異的な速度で行っている...
  • Fate/Another Servant HeavensFeel 2 第21話
    ──────Rider VS Caster Side────── 「ほらほらどうした鼠め! さっさと逃げんと丸焼きになるぞ!!」  必死で逃げ惑う鼠を追い散らしてジャレる猫のようにライダーがキャスターを激しく追い立てている。  ライダーの馬鹿でかい艦が広い室内を所狭しと飛び回る。戦車が通り過ぎる度に室内にある調度品や魔術装置が破壊されていく。  高速で飛翔走行する戦車はさながら火炎の流星そのものだ。流星が通過した後には焼き焦げた炭しか残らない。 「くっ、人の工房で好き勝手に暴れまわって!」  柱の物陰に身を隠すことで難を凌いでいたキャスターだったがその様子からはかなりの疲労感を滲ませていた。  こちらの攻撃が一切通用しない敵。一方的な攻撃権を与えられている不公平なゲーム。まるで勝負になっていない。  ありとあらゆる攻撃魔術を試した。有効な攻撃法も模索した。だがその全てが無情にもライダーに...
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