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    <title>第２話『殺人』</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/51.html</link>
    <description>
      第２話『殺人』

暖かなまどろみ。
けたたましく鳴り響く目覚まし時計の音すらしない朝。
窓からは朝の日差しが降り注ぎ、私の覚醒を促す。
でも、まだ寝ていたい。
身体がムショウに重くて、このまま寝ていたいと思うのは人の必然だと思う。

―・・・ぃ・・・・

誰かの声が聞こえる。
少々低い声だから、男かな。
それでも起きない。
そう腹を括った私は、目を閉じたまま布団を被り直した。

―おぃ・・・


―・・・起きろ！！


ガバッ。
その声に聞き覚えがあった。
周囲を見渡すとそこは寂れた私の事務所の寝室で。
私はいつの間にかパジャマに着替えていて。
ふと視線を横に流すと、学生服の人物がコチラを睨んでいた。

「・・・早く起きろ。メシだ」
「・・・石田・・・君？」

キョトンとした顔のまま、彼は首をかしげた。
「あぁ、オレは石田だが？」
「・・・そう。あ。いただきます」
ベットの隣に置かれたトーストとコーヒーをいただく。
サクサクとした触感と、コーヒーの苦味が体に染み渡る。
やっぱり朝ごはんはコレじゃないと・・・。

「って！！何で！？私は・・・あれ？」

「３日だ」
「は？」
「優子があの日重傷を負って、眠りについてから3日たったと言った」
「ちょ、嘘でしょ？」
「いや、本当だ」
そう言って彼はカレンダーを差し出した。
たしかに今は14日、あの日から3日もたっている。
私はパジャマをたくし上げ、自分の身に何が起こったかを確認した。

「・・・これじゃあ、仕事にならないなぁ」

身体が受けた傷は思いのほか酷かった。
腹部損傷。
頭部負傷軽微。
左足首負傷。
それでも、体が動くんだから不思議だった。

「これ」
「なに？」
一枚の紙を渡されて驚愕した。
そこに書かれていたものは。

『診断書　柊優子　殿
　内臓損傷2箇所
　頭部負傷
　左足首負傷
　右大腿骨骨折

　以上、魔術医療措置により完治。
　しかし、魔術回路に損傷があり、こちらは魔術的措置が無効化されたため自己治癒に頼らざるを得ない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上』


「・・・ようするに、ほんとの意味で仕事出来ないってことね」
「そのようだ、    </description>
    <dc:date>2008-06-01T23:15:31+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/50.html">
    <title>第１話『ファーストコンタクト』</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/50.html</link>
    <description>
      ４月になったばかりの頃、野田康治はオレのアパートへやってきた。
「ほんと、何にもない部屋だね」
そう屈託のない笑顔で入り口に突っ立ている。
「五月蝿い。入るなら入れ」
無愛想に振舞うこのやり取りも、すでに１年ぐらい続いている。
人と接するのを拒絶し、ただ一人でいることを望んだオレの前に野田康治と言う人物が現れたのは１年ほど前の入学式。
しつこく付きまとうコイツに観念して、今では唯一の友人と言ってもいいヤツになった。
「そういえば、ここに来る途中で鶴谷先生に会ってきたよ。何でも、またアレが暴れているみたい」
「オレには関係ない。それはオマエらの仕事だろう？」
なにやら野田は不満そうな顔でこちらを見ているが、その視線を無視してオレは雑誌に再び目を向けた。
「関係ないって・・・石田は元々」
「元々なんだ？石田の家とは縁を切ってるんだ。もう一回言う、オレには関係ないことだ」
そこで会話が途切れた。
野田はコンビニの袋からタマゴのサンドイッチを取り出し、もふもふと頬張っている。

「そういえば、さっきから何読んでるの？」
「マガジン」
「後でボクにも見せて」
「あぁ」

また訪れる沈黙。
あまり多くを口にしないオレと、結構お喋りな野田とは傍から見れば相性は最悪なんだろう。
それでもこうやって沈黙の空間で一緒にいられるのはお互いを否定し合えないほどお互いのことを口にしないからだと思う。
それが友達と言える存在であるのかは分からないが、それがオレ達の暗黙の了解だった。
しかし、野田についての最低限のことは知っている。
少し癖のある髪に、黒縁の細いメガネ、細身の身体と170cmぐらいの身長が童顔である野田のスペックを引き上げている。
あの笑顔を前にすれば、大抵の女は母性本能を擽られるだろうと思われるが、等の本人に自覚がないから始末が悪い。
オレが野田の立場ならすぐにでも使っていると言うのに、もったいない。
「ほらよ」
オレは読みかけの雑誌を野田へ放り投げた。
あまり深くは読んでないが、今の自分にはあまりにも興味がなさ過ぎた。
何に対してもそう。
今のオレの興味は、何もないというのが正しい答えだ。
ただ人の真似事をしている。
それが、今の自分の空白を埋める唯一の手段で、
何もない自分に何かをさせるための方法の一つだ    </description>
    <dc:date>2009-08-05T00:15:20+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/49.html">
    <title>プロローグ～白の季節～</title>
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    <description>
      人はこの世界へ産まれたそのときから、善と悪の二面性が存在する。 



善はすなわち世界に対して善きと思える心。 
悪はすなわち世界に対して憎しみを持つ心。 



その二つは表裏一体。 
人が争いを止めない要因の一つである



一人の女の話をしよう。
彼女は世界を変えるためにその青春を犠牲にし、力を付け、友を得て、そして、世界に立ち向かうための信念を手に入れた。
世界を変えるほどの力を持つ女は、その力を持ってして世界の流れに逆らった。

されど、結果は惨敗。

世界は今も変わらず、人は人を憎み、争い、その血肉を食い合う存在であり続けた。

女は嘆いた。
自分には何も出来なかった。
一度は死を選ぼうとしたこともあった。
しかし、彼女は死ねなかった。
死ぬことで、逃げることが嫌だったのだ。


そうして、彼女は虚無でありながら生きながらえた。
世界を巻き込んだ戦争、【最後の審判】を乗り越え、ただ唯一の生き残り。
友の死を見届け、多くの人と出会い、別れを繰り返すこと幾星霜。
彼女にとってもう何度目か分からない寒い季節が訪れた。



この女の名は【雪乃】
白い雪のような肌。
漆黒の闇に解けるような黒髪に、まだ幼い顔立ちをしているが、歳相応の身体の女生徒。

多くの人が生活をする大国【桜木】の中心部に位置する【桜門学園】、そこに彼女の姿はあった。

「・・・雪・・・？」
どんよりとした空から落ちる雪に、季節の到来を感じ取ったのだろうか。
彼女は遠い虚空を眺め、ただ白い息を吐き捨てた。
手に持つ紅茶で暖をとりながら誰もいないグラウンドを黙々と歩く。
身体の芯が冷え切る前に帰ろうと、誰もがそう思うだろう。
しかし、彼女の行く方向は校門とはまったく逆の方向に位置する弓道場だった。





弓道着に着替えた雪乃は、道場で静かに瞑想する。
心を落ち着け、これから行う弓執りへ気持ちを切り替えるのだ。
「・・・・」
彼女が弓道を始めたのが１２年前。
とある少年からそのイロハを教えてもらい、始めは興味がなかったが、今となっては弓こそ彼女の生きがいとなっていた。
静かな空間で、自分との戦いに時間を使うことに有意義を感じ取ったのだろうか。
ここ数年で彼女は弓執りとして恥じ    </description>
    <dc:date>2008-02-17T19:55:29+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/48.html">
    <title>Device</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/48.html</link>
    <description>
      ：Device|
　[[執行者]]達が扱う対人、対軍、対城塞攻略用兵器を指す。
現時点で様々なものが確認されており、執行者一人に対し一つのみ保有することを許されている。（実際二つ以上持つことも可能ではあるが、力が分散し詰まるところ一つに絞ったほうが戦闘に役立つからと言う理由によるもの）
　自身の体内に存在するデヴァイスコア（高次元粒子）をDeviceへ転用し、様々な奇跡を起こす。野田康治の持つ【双影剣】や鶴谷国重の持つ【十六支元】は機構自体がまったくの別物のため発動時の粒子光が他のものとは違う。    </description>
    <dc:date>2008-02-11T18:55:17+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/47.html">
    <title>アトラスの七剣</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/47.html</link>
    <description>
      ：アトラスの七剣|
　桜門学園が保有する[[執行者]]の精鋭集団。全７名で構成されており、そのすべてが希有能力者と言う破格の者の集まりである。

：Ⅰ.黒崎葵|
　七剣の頂点に君臨する最強の執行者。ある夏の日以降行方不明となったが、Mirage2にてその存在を確認。愛剣【Ixion】を手に、今もその力は健在。

：Ⅱ．柊沙耶子|
　格闘型[[Device]]【拳王】を保有するクロスレンジでは黒崎葵以上の実力者である執行者。中村美沙の師。性格はかなり無口で、命令には素直。

：Ⅲ．奥山肇|
　遊撃型Device【オーネイト】を保有する好戦的な執行者。Deviceの特徴が劣化版十六支元と言われることを嫌う。通常の執行者から一気にナンバーⅠへ上り詰めた黒崎葵を嫌悪している。

：Ⅳ．香月由美|
　遠距離砲撃型Device【PSG-T】を保有する指揮官的な執行者。自ら前へ出ることは稀で、その希有な頭脳を持ってして戦略的勝利をいくつも手にしてきた。事実上彼女がナンバーⅠであったが、黒崎葵の手腕に感服し席を譲ることになった。

：Ⅴ．冬樹風香|
　射撃型Device【Aiminift/Aussaulter】を保有する銃器マスター。野田康治のAiminiftはこのDeviceが原型であり、彼女は二艇で戦いに赴くことを好む。どのような手段を用いても勝ちを掴むという理念が彼女の勝利をもたらす。義理の弟がいる。

：Ⅵ．高坂セツナ|
　槍型Device【ブリューナス】を保有するアトラスの騎士中最年少執行者。若干13歳にして卓越した槍術を持ち、人懐っこい人柄と戦闘狂としての２面を持つ。野田康治と同じく狂気に犯されながらその能力を逆に利用して執行者としての力を高めた希有な力の持ち主。

：Ⅶ．桜|
　素性が分からない謎の執行者。小さな身体であるものの、潜在能力だけはナイツオブラウンド中最高位と言う変わった存在。Mirage2での鍵を握る。    </description>
    <dc:date>2008-02-11T22:54:59+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/46.html">
    <title>エピローグ～桜の季節～</title>
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    <description>
      私は中村美沙。
ごく普通の女子高生。
好きなものは甘いもの全般。特にアイスクリームが好き。ハーゲンダッツは高いけど、コンビニへ行くと絶対買う。
嫌いなものはコーヒー。苦いから。
そんな普通の私にも、人生の転機が訪れました。
ちょっと学園に残って課題をしていた帰り、私はありえない事件に遭遇しました。
それが、屋上を人間では考えられない跳躍力で飛び跳ねる陰と、校舎の陰をすごい速さで走る一人の少年の姿で・・・。
すっごく驚いた。
あぁ、これは夢だ。
課題している途中で寝ちゃって、それでこんな変な夢を見ているんだと自分に言い聞かせて、ほっぺたとかつねってみたけど、いたかった・・・。
一度見たら気になる性質の私は、その陰が向かう方向に行ってみたの。

着いた場所は、薄暗い体育館。
ピカピカに磨かれた体育館はさっきまでの異常が嘘なぐらい静かで、冷たい空気が相まって私の背筋を凍らせる。
怖いなぁ・・・はやく帰ろう。
そう思った次の瞬間、天井が落ちてきました。
何がなんだか分からなかったけど、私は体育館に放置されていた体操マットに包まって飛び交う激しい衝突音に体を震わせて耐えた。

シーン。
突然静かになって。
瓦礫の中から一生懸命出てきたら、遠くのほうで人が倒れていて・・・。


何がなんだか分からなかった。


それからは、私もよく覚えていない。
なんだか小さな女の子と、野田君が銃で戦って、いつの間にか朝になってた。
分からないことだらけだったけど、分かったことが一つだけ。
野田君は、私をいつも護りながら戦っていたこと。
華奢な背中しか見てなかった私には彼がどんな顔で戦っていたのかは分からないけど。
でも、すごく、悲しそうだった。

私はこの学園が好き。
あんなバケモノが私の好きな学園をむちゃくちゃにするのを見てきて、辿り着いた私の結論。
だから、私は言ったんだ。
「[[執行者]]になる」って。





「え・・・？」
野田康治は戸惑いを隠せなかった。
そのデジャブは他ならぬ自身が体験したそのままの事象。
これから彼女の身に起こる悲劇と、戦いの連鎖を、彼女はまだ知らない。
そして、彼女は自分でこの非日常の世界へ進もうとしていた。
むしろもう進んでいるのか・・・？

「私、こう見え    </description>
    <dc:date>2008-11-24T11:59:22+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/45.html">
    <title>第１１話『幻影世界へ』</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/45.html</link>
    <description>
      気がつくとそこは、瓦礫の山だった。
手には重厚な造りのハンドガン。
重たい身体を起こすも、全身から悲鳴があがるほどの痛みで方膝を付くのがやっとのこと。
頭痛が激しいが、今のところ収まりつつあるのが現状だ。

ゆっくりと立ち上がると、目の前に小さな身体が横たわっている。


ドクン。


心臓が高鳴る。


ドクンドクン。


その半鐘は速さを増し、身体が熱くなってゆく。
痛みはもうほとんど感じない。
されど、この感覚に僕は覚えがあった。
そう、ついさっきまで僕はこの『何モノかの衝動』に駆りたたれるままに銃を振るって、白い少女と刃を交えて、白い光に包まれて、

記憶が交錯する中、僕の脳裏に一人の人物が姿を現した。

【野田宗司】

その名を思い出した瞬間、再び激しい頭痛に襲われた。
嘔吐感、寒気、全身に迸っていた熱が一気に取り払われる錯覚。
これが絶対的な恐怖。
あの夏の日、僕が[[執行者]]となると同時に発現したもう一人の僕。

―そレガ、オマエの、ホンしツ、ダ

酷いノイズに塗れた声が響く。

―戦ウ力が存在シナガラ、ナゼ


―ナゼ、戦わナい？


自問自答のように、頭に言葉がグルグルと回る。
僕は争いごとが嫌いだ。
中学のときもそれが嫌いで、いつもいじめられているような性格で。
それなのに、
僕に戦えと、もう一人の僕が命じる。
もう嫌だ。
もうこんなのたくさんだ。


そうして、


現実から目を逸らして、生きてきた。



負けないで。
アナタはまだ弱いけど、だけど、こんなことには絶対負けない。
たとえ病魔に心を蝕まれようとも
アナタの強き想いは、必ずアナタに打ち勝てる






ハッと現実に引き戻される。
白い少女は身体を引きずりながらも、手には銀色のナイフを持ったまま、まだ戦う意思を僕に投げかける。
なんで、僕なんだ。
なんで、執行者なんだ。

なんで・・・なんで・・・。


「・・・ひぃ」


突如、少女の後ろから声が聞こえた。
それはこの場にはあってはならないほどの可愛らしい悲鳴。
こんな血なまぐさい夜に、誰もが予期し得なかっただろう。
白き少女の後ろ。
瓦礫の山の延長線上に、僕の知る友    </description>
    <dc:date>2008-02-19T22:59:13+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/44.html">
    <title>第１０話『分岐点』</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/44.html</link>
    <description>
      目指すは時計塔の最上階。
螺旋の階段をひたすら昇り、その頂上を目指す。
先ほどの戦闘で少しばかり体力を失ったが、まだ戦えると己に暗示をかける。
一歩、
また一歩と、

到着点はすぐ目の前まで迫っていた。

展開している[[Device]]を格納し、その重厚な造りの扉に手を掛ける。
ガチャガチャと無機質な音が響いた。
閉まっている。
『ならば』と思い、銀色の刃を振りかざす。
刃の軌跡は大きな弧を描き、自分の身長よりも幾分か大きな扉を切断した。


目の前に広がるのは、紅い絨毯が敷き詰められた広い空間。
多くの書物に囲まれた部屋の真ん中に一際目立つ書斎机。

そして、オレに背中を向ける人影らしき者が一人、高級そうな椅子に腰を掛け、大きな窓から空を眺めていた。
扉を破壊されたことにも動じず、あたかも自分がココに来ることを分かっていたような・・・その雰囲気は感じ取れた。

「アンタが・・・[[学園長]]か？」

返答はない。
ただただ冬の空に浮かぶ月を眺め、時折瞬く[[執行者]]独特の『高次元粒子光』にその顔を照らしている。
この位置からその顔色はまったく分からなかった。
無言であるがゆえに、人物の特定すらままならない状況。


ただし。
それは『何も知らないこと』が前提条件であり、
今の『すべてを知るためにこの場へ来た』人物にとっては無縁のことだった。


「綺麗だとは、思わないか？」

「・・・」

「この光は人の想いの結晶とも言える存在だ。私はその瞬きに美しさを覚える」

「いつの日でも、争いを止めない人の欲望、憎悪、怨嗟、そのすべてが我々執行者の存在する理由だ」


紅い絨毯を踏みしめ、歩を進ませる。
信じたくはなかった。
現時点で、この学園で、この真実を知っているものはいない。
居たとすれば、それはすでに執行者ではなく、狂気と化したものだけだろう。

唯一執行者のまま、真実を知っていたと思われる人物は現在行方不明。
アイツを助け、自身のDeviceを手放し、その命の源を託して２年前に突如世界から存在を消した人。
オレは話でしか聞いたことのない、アイツの追い求める人・・・だけが・・・。


「・・・いつからだ？」


その突然の問いに対し、オレは淡々と謎解    </description>
    <dc:date>2008-01-27T20:41:08+09:00</dc:date>
    <utime>1201434068</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/43.html">
    <title>第９話『舞い降りる　悪夢』</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/43.html</link>
    <description>
      今回の任務の不可思議なところは、2点。
まず、このような任務は普通僕らみたいな並みの[[執行者]]には与えられない。
重要な[[Device]]の警護とあれば[[アトラスの七剣]]が出張ってくるはずであり、僕ら２人だけで護りきれと言うほうがどうかしている。
そして、機を狙ったかのようにタイミングよく襲撃する狂信者。
すべてが出来すぎている。
誰かのシナリオの上で踊らされているような錯覚に陥るのも、無理な話ではない。



このような再会を果たすように、誰かが仕組んだ。
そう、僕達二人は思った。








その名に、僕達二人は戦慄を覚えた。
さっき、なんと彼女は言った？
アノ人の言う通りだって？

呆然と立ち尽くす僕に石田の激が飛ぶ。
「しっかりしろ！！野田！銃を執れ！！」
その言葉にハッとして、急いでホルダーに手を掛け銃口を向けた。


生きていてくれただけでも、嬉しかった。


されど、この状況は・・・。


どこかで見た・・・デジャブを感じる。



再び対峙した少女は、虚ろな目で僕を見据える。

あれが狂気。[[I.V.O.L.S.]]と呼ばれる病原体に犯され続けた結果。執行者と同じ力を持ちながら、ただ破壊衝動だけで突き動かされるバケモノ。

「野田・・・！！！」

撃てない・・・。
銃を執る手が震え、目の前の現実から目を逸らしたくて。
だから銃を持っていても、トリガーが引かれることはなかった。
それを見た少女はクスリと不気味な笑みを浮かべ、循環円を展開させた。
その光は地下室を包み込み、一気に爆散。


そして僕は・・・目を逸らした。


残されるのは静寂と、血の匂い。
「石田・・・！？」
その場に崩れる石田を支え、ただその名を呼んだ。
血はいつの間にか止まってはいるものの、意識はまだ朦朧としている。

―この場で戦えるのは・・・僕だけ・・・

そう思い、ただひたむきに出口を見た。
外の光が漏れる重厚な扉の先に何を見たのか。
石田は怪我をしているけど、外に連れ出すと誰に狙われるか分からない。
ここに居てもらおう。
ポケットの中から小さなチップを取り出し、石田に握らせる。
そして、小さな声で始動キーを発動させた。

『A    </description>
    <dc:date>2008-02-11T22:58:40+09:00</dc:date>
    <utime>1202738320</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/42.html">
    <title>第８話『血　の　雨』</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/42.html</link>
    <description>
      「はぁ・・・」
桜紋で学生生活を送って、３度目の冬がやってきた。
ため息は白く、その場の寒さを物語っている。


「なんでココは毎日人だらけなんだろうねぇ・・・」
「仕方ないだろう。ソレが学生食堂というものだ」

二人して愚痴を言いつつ手にはしっかり自分の得物を持っていつもの場所へ座る。

いつもの日常の風景がそこに広がっている。
「それはそうなんだけどなぁ・・・僕はもう少し静かに食べたいよ」
野田の愚痴がエスカレートする。
今日のコイツは何かが変だ。
いつもなら気にしないことでイライラしているように見える。

「どうした？オマエらしくないな」
目の前の野田は、ちょっとオレを睨んだかと思えばすぐに肩を落とす。
コイツの心理も時々分からんときがあるのはオレだけではないはずだ・・・。

「いや。なんでもない。ちょっと右腕が疼（うず）くだけだよ・・・」

野田はゆっくり机の下に隠れていた右腕をオレに差し出す。
パッと見は普通なんだが、目を凝らしてみるとソレが明らかに『人の腕』ではないことに気がつく。
１０ヵ月前のあの事件以来、野田の腕は治らなかった。
ほかの損傷箇所は完治したものの、右腕だけは一向に回復の兆しがない。
そして最終的には『治る見込みがない』と告げた先生の判断を仰ぎ、結局義手職人を紹介してもらったらしい。
その職人は先生の大学時代の後輩で、腕はいいが性格に難アリの今時珍しい堅物の女性。
オレは正直ニガテだ。

そして義手になった野田はしばらく休校。
その間はオレが[[執行者]]として暗躍しているんだが、あの野田の一戦以来事件らしい事件が起きていない。
ちょっとした抗争はあるものの、その大半はザコばかり。
殺伐とした死闘なんてものは、まったくと言っていいほど静かだ。
それは何を意図しているのか学園側はよく分かっていない。

―事件が起きないことに越したことはない

と、あの教師は言っていたが、オレ自身腑に落ちない点はあった。
されど、今は言うべき時ではない。


根拠はない。いわゆる直感だ。
直感でも十分に信憑性はある。
それでも踏み切るまでには至らないというレベルだ。

どちらにしても、相手から動かない限りはコチラからはヘタに手を出せない。


「・・で・・らしい    </description>
    <dc:date>2007-11-27T16:49:30+09:00</dc:date>
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